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丸か楕円か?(上映会報告2009/6/20)

土曜日は、高田馬場の市民メディアセンターMediRでの上映会でした。この会場で上映をするのは2度目ですが、今回の上映会を主催してくれたのはビデオアクトさんです。

上映会が始まる30分ぐらい前に会場に到着し、ビデオアクトのメンバーの方々に挨拶しました。今日の上映会を担当してくれた土屋トカチさんは、これまでメールだけで連絡を取り合っていたので初対面でした。土屋さんはドキュメンタリー映画「フツーの仕事がしたい」の監督さんでもあります!

16時を過ぎ、上映が始まりました。大体お客さんは10~13人ぐらいでしょうか(←いつもちゃんと数えたいと思いつつ、数えたことがありません・・・)。上映は無事終わり、小休憩のあとは土屋トカチさんが進行役となり、トークをしました。
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「どういうキッカケでこの映画を作るようになったのか?」というのは大体どこでも聞かれる基本的な質問ですが、「趣味のつもりでビデオカメラを買って、YouTubeへの投稿を繰り返してやり方を学んでいった」というのに、「へえ~、YouTubeで!」という反応があったのは、今回が初めてでした。

YouTube全盛の世の中ですからこんな人はたくさんいるんじゃないかと思うのですが、それでもまだ映画作りに関わるプロの人たちの間では「YouTubeが出発点」という人は少ないのでしょうか? 私は自分が撮影→編集→YouTubeへの投稿を通じて、例えば「何かのイベントを撮りにいくとしたら、イベントだけじゃなくて会場の建物や他の映像も撮っておかなきゃいけないんだ」とか、「インタビューのときに、話を聞いている自分の相槌がうるさいなあ~。人の話は黙って撮影しなくちゃ」など気がついていったのです。

会場の方からの質問では、「どうやってブライアンたちに受け入れられるようにしたのか?」、「ブライアンたちのトイレは?」、「戦争賛成の人たちにインタビューをしたか?」、「ブライアンはどんなキッカケでパーラメントスクエアに留まって抗議活動をすることになったのか?」などがあり、私は相変わらず1の質問に対して5も10も話してしまい、時間がだいぶ押してしまいました・・・!
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18時ごろに上映会は一旦お開きとなり、会場はそのままで懇親会を開いていただきました。ビデオアクトのメンバーの方に、メディアールスタッフの方、そしてお客さんも3人ほど混じり、ビールで乾杯!
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上映会よりも懇親会のほうが打ち解けて色んな話が飛び交いました。私は、この映画を作ってから、自主映像作家の方や平和活動に関わっている方に会う機会が増えましたが、そういう方たちとお話していて思うのは、ずっと平和活動や自主映像製作に関わってきた方々とは、自分の出発点はずいぶん違うんじゃないかなということです。それがプラス効果を生む場合もあれば(新鮮な感覚に映ったり、反戦映画なのにポジティブな雰囲気が流れているとか)、マイナス効果となる場合もあります。

私はイギリスに行ってブライアンたちと偶然知り合ったことがキッカケで、平和活動と映像製作に興味を持ちました。なので、日本の平和活動や映像製作の実情をほとんど知らないわけです。だからこそ、しがらみなく、怖いもの知らずで映画を作ってみようと思えた反面、日本の平和活動の人からみたら驚かれるような映像も入れてしまったりするのです。

懇親会では、私の映画の中で登場する「日の丸」の話題になりました。映画で、日本を語るシーンがあり、そこに日の丸映像が入っています。私としては、日の丸と渋谷の交差点映像を重ねることで「抑圧された日本のイメージ」としたわけですが、でも、日本で平和活動をやっている人たちからは「ぎょっとした」とか「何であんなの入っているの?」と言われることもあります。私は映画の全体の構成の流れから考えれば、私がプラスイメージで使っていることでないことは明らかと考えていたのですが、あれは自分が思っていた以上にすごいものなのだ、と自分の認識の甘さを感じました。

私はこの映画をイギリスで編集しました。というのも、ブライアンをめぐる状況というのは、法律のグレーゾーンを多く含んでいて、非常に複雑だからです。インタビュー内容、法律共にきちんと理解しないと映画が作れないため、半年の観光ビザでイギリスに再入国し、イギリス人に協力してもらいながら映画の編集作業をしました。なので、この映画は完成するまで日本人は私以外誰も観ませんでした。日の丸について、イギリス人から唯一あったコメントは「赤い部分がちょっと楕円じゃない? フォトショップで修正しないと」というグラフィック的なものだけです!!!!!!! これじゃあマズイ! そしてナレーションの録音もイギリス人に手伝ってもらいましたが、かろうじて「コンニチハ」が言える位の彼らにとって、私のナレーション原稿の長さや句読点、読み方のスピードなんて、判断のしようがありません。「日本語って歌みたいだね」って言われたぐらいです! そんなわけで、この映画の製作過程において、日本人の目、さらには日本で平和活動や映像製作に関わる人の意見は皆無だったのです。

私は、性格的なものか、なんとなく完成するまで秘密主義にしていたいと思う気持ちがあります。製作過程を人に見せたくない、みたいな。しかし、信頼できる映像製作者などに製作途中を見せてコメントをもらったり、議論することはとても大事なのではないかと思うようになりました。映画はテレビのニュース番組ではないのだから、新鮮さが売りなのではなくより良い質のものを目指すためにも、意見してもらい多方面から考えることが必要です。これまで私は自分の映画を多分100回以上見たと思いますが、他人にみせて言われて初めて気がつくということは多くありました。自分ひとりでは、多分1000回観たって気がつかなかったでしょう!

鎌仲ひとみさんなどは、本編の完成前に製作途中のものをビデオレターとして上映会をするスタイルをとっていますが、あれ、すごく良いアイデアじゃないかと思います。そこで意見をもらったり、人の反応を見ながら、更に取材を続ける・・・。それだけ長い製作スタンスと途中上映ができる恵まれた環境にいられる監督は少ないかもしれませんが、今後私が何か作るときは、他人の目を必ず入れたいです。丸か楕円かレベルではないコメントを・・・!!

そんなことを考えた上映会でした。上映会を開いてくださったビデオアクトの皆さま、そして会場に観に来てくださった方々、どうもありがとうございました!

追記:

ビデオアクトについて
http://www.videoact.jp/
 
自主ビデオの普及・流通プロジェクト
今まで、自主映像制作者ならおそらく誰もが頭を抱えていた"普及・流通"の問題を解決するために立ち上げられたプロジェクトが、このビデオアクトです。自主制作映像作品が、"作るから拡げる"という段階に入った現在、ビデオアクトはもうひとつの映像ネットワークとして、様々な映像作品の普及・流通を一手に引き受けます。作った人から見たい人へスムーズに映像を手渡せるシステムを整えることによって、インディペンデント・メディアの状況もより活性化することでしょう。そして、「あそこに聞けば自主制作映像のことは何でもわかる! 」と言われるような自主映像制作者のコミュニティー・センター的な役割を果たせるようになれば、と思っています。(VIDEO ACT!ウェブサイトより抜粋)

現在、ビデオカタログ第7号発行のため、掲載作品を募集中だそうです♪
http://www.videoact.jp/catalog/ca7boshu.html

私も自分のウェブサイト上や上映会場でDVDを販売していますが、”知る人ぞ知る”のかなりマニアックな販売網に留まっていますので、掲載してもらおうと思っています~。

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