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やる気あるのか~!~大阪第2日目~(2009/08/24)

豊中平和映画祭の翌日は夜行バスで東京に戻る予定でしたので、ほぼ丸一日自由時間がありました。宿泊したホテルのチェックアウト時間が朝11時と一般的なホテルに比べて1時間遅く設定されていたので、ゆっくり寝ることが出来ました。

チェックアウトして、朝食を食べようと外に出ました。おしゃれな喫茶店の前を通り、「モーニングセット」の看板を見つけました。
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飲み物の代金で、トーストとミニサラダ(もしくはゆで卵)がついてくるという、名古屋並みのサービス! ここに入ることに決めました。
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写真で分かるかもしれませんが、この喫茶店の入り口はちょっとした坂道になっています。バリアフリーでかもしれません。私は扉を開けようとスーツケースから手を離したら、スーツケースはこの小さな坂道をするすると下って、ばたんと最後に倒れました。

・・・すると、店内大爆笑!!!!!

お客さんの男性は「かばんが”嫌や、嫌や”ゆうてるわ!」と大笑い。

私はこれらのリアクションにまたびっくりしました。東京だったら、このシチュエーションで笑う人はいません。皆心の中で”冷笑”ってやつです。またまた大阪に来ていることを実感。

モーニングセット
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さて、腹ごしらえを済ませ、今日一日をどう過ごすか、です。1つだけ元々予定していた、大事な予定がありました。大阪の十三という街にある、第七藝術劇場の支配人と会う約束があるのです。少し前に連絡をいただいて、劇場公開する気があるか?と聞かれたのです!!! 大阪に行く予定があるので、ぜひそのときに立ち寄らせてくださいとお願いしていました。

その待ち合わせが大体1時過ぎとなっていました。その前に、私はインターネットで偶然見つけた、西成に新しく出来た市民メディアセンター「カマンメディアセンター」に行ってみたいと思っていました。このメディアセンター自体にも興味がありましたし、その日はちょうど11時から「栗原彬さんの公開原稿執筆パフォーマンス」があると聞いていたからです。

カマンメディアセンター ウェブサイト
http://kama-media.org/

公開原稿執筆って何だ?と思う人が多いと思いますが(←私も含め)、ウェブサイトではこのように紹介されていました。

栗原彬さん(政治社会学者、立教大学名誉教授、立命館大学特別招聘教授、ボランティア学会代表)の原稿執筆現場をカマン!メディアセンターにて大公開

ふだんとじられた場でひとりでされることの多い執筆活動を商店街の道路に面し、解放されたメディアセンターにて、ライブでおこなっていただきます。ひらかれ人の出会いがくりかえされる場「カマメ」での原稿執筆パフォーマンス。どんなものになるかわたしたちにもわかりませんが、こうご期待!

地下鉄御堂筋線の動物園前駅で降りて、カマンメディアセンターへ向かいました。メディアセンターは、商店街のど真ん中にありました。入り口全体がガラスで、中は丸見え。なんだか、舞台の上に作られたお茶の間空間といった様相です。かなりオープン。大きなテレビが通りに面して置いてあって、昔の釜ヶ崎の様子が放映されていました。メディセンターとは気がつかずに、普通に足を止めてしまうような感じです。

メディアセンターの中にはスタッフらしき人が1人いました。原稿執筆パフォーマンスを観に来たというと、スケジュールが変更になり、栗原彬さんは近くの紙芝居小屋にいるとのことでした。「行ってみたら?」と言われたので、スーツケースを預け、歩いて5分ほどの紙芝居小屋へ歩いていきました。目印は「ど派手なスーパー”玉出”」とのこと。なるほど、すごい目立つ看板のスーパーのすぐ近くに、紙芝居の「むすび」がありました。

「紙芝居劇 むすび」の活動を以下に紹介します。(むすびパンフレットより)

「むすび」は、大阪にある日本最大規模の日雇い労働者の街、通称・釜ヶ崎で平均年齢70歳以上のメンバーが活動するグループです。2005年7月より活動をスタートしました。「紙芝居劇」の上演が主な活動。釜ヶ崎に暮らし、野宿生活を経験したメンバーも多く、その人生経験から出た何とも言えない味わいが好評です。また、釜ヶ崎の街を訪れた方たちの窓口としての役割や、地域のボランティア活動も行っています。困難を乗り越え、仲間と喜怒哀楽をともにしながら活動しているおじさんたちの明るさは、社会が失いつつある「なにか」を照らしてくれています。

むすびウェブサイト
musubiproj.exblog.jp/

事務所の中にいれてもらいました。中にはむすびのメンバーの方、栗原さん、東京から来られた大学生の方たちなどがいました。インタビュー中のようです。

私は事務所の隅っこに座り、むすびのメンバーの一人に、活動について、新作の紙芝居についてなどを聞きました。

最新作「ネコちゃん人生スゴロク」の表紙。初上演は今月末だそうです! 見られなくて残念!!
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メンバーの方と話していて、話の内容はむすびの活動についてから、どうして釜ヶ崎に住むようになったかという話へと移りました。学生時代のこと、仕事のこと、家庭のこと・・・小説にでもなるのではないか?というぐらい、波乱に満ちた人生です。

ふと時計を見ると、第七藝術劇場の支配人との約束の時間が近づいていることを知りました。今すぐにここを出れば、ぎりぎり1時過ぎに間に合うかもしれません。ましてや、私は新人監督という身。就職活動での面接に挑むようなものです。時間厳守は言うまでもありません。

でも、そんな状況とは裏腹に、メンバーの方のお話は、ますます佳境へ入っていきます。とうとう、男と女の修羅場を迎えました。ここで私が「第七藝術劇場の待ち合わせが・・・」とか、「電車に乗り遅れる・・・」とか、言えるでしょうか? おじさんにとっては、そんなこと、人生の中でたいしたことじゃありません。私がお暇しようとする間髪を与えることなく、おじさんの話はどんどん続きます。

やっとおじさんがむすびにたどり着いた、という結末を迎え、私はお暇することにしました。まだ1時にはなっていませんでしたが、完全な遅刻になることは間違いないので、急いで電話をしました。

カマンメディアセンターに戻り、スーツケースを受け取って第七藝術劇場のある十三へ向かいました。

十三駅前の様子
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第七藝術劇場は大きなボーリングのピンが目印
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支配人と、映画の宣伝をされている方とお会いしました。「映画の世界は厳しいよ。それでも頑張れるか?」と聞かれ、「ハイ!」と元気よく答えました。「今日はこれからどうするの?」と言われたので、「夜に待ち合わせがありますが、それまでは何をしようかなと思っています」と言いました。「電車でそんなに遠くないから、京都シネマとか神戸アーツビレッジとかそういう単館映画館に行ってみるのは勉強になるよ」と言われました。

「頑張ります! よろしくお願いします!」と挨拶をして、第七藝術劇場を後にしました。

さてと。前日の豊中平和映画祭で、「十三といえば”ネギ焼きのやまもと”だよ」と聞いた私は、第七藝術劇場の目の前にあるやまもとで腹ごしらえをしようと思いました。

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早速入ろうとしたところ、第七藝術劇場の支配人に入るところを見られてしまいました(汗)・・・!

「実はお好み焼きが美味しい」と聞きましたが、ネギ焼きを食べたことがないので、ネギ焼きを注文しました。普段は混雑しているそうですが、4時近かったので店内はすいていました。
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私が注文したのは豚肉乗せ。
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中はネギたっぷり!
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腹ごしらえをした後は、商店街をぶらぶらします。すると、黄金に輝くサブちゃんを発見!
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演歌モノ中心のレコード屋さんのようです。今日はこれから演歌歌手の新曲発売ミニライブがあるとかで、レコード屋の前は人だかりが出来ていました。
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私も人ごみに混じり、演歌歌手の登場を待ちます。1曲聴いた後で、十三を後にしました。

さて、これからどうするかな・・・。京都、神戸の映画館に行ったら?と言われた私ですが、心の中では、公開原稿執筆パフォーマンスが見たいと言う気持ちがありました。それに、商業映画館を見るよりも、市民の情報発信のほうに関心がある私には、もっとよくカマンメディアセンターを見たいという気持ちがありました。

カマンメディアセンターに電話をして、まだ原稿執筆パフォーマンスはやっているか?と聞きました。残念ながらパフォーマンスはとっくに終了してしまったそうですが、「センター自体はまだオープンしているので、来たらどうですか?」と言ってくれました。それで、また動物園前駅へ向かいます。

パフォーマンスは終わっていましたが、明治学院大学の学生さんたちによる発表会が6時半からあると聞き、それを見させてもらうことにしました。

明治学院大学の「ボランティア実習」という授業の受講生(現在の受講生と過去に受講した生徒さんが混じっていました)たちが、「GO WEST 2009:自治なるものをむすぶ旅」というテーマで、西へ向かって旅をして、その土地の人々と出会い、ともに汗をかき、絆を作るという内容の授業だそうです。

最初の1週間は埼玉県の見沼田んぼ福祉農園にて、畑で野営(!)をしながら農作業を行ったとか。次の1週間は岐阜県の郡上八幡町に滞在し、郡上まつりにゲストとしてではなくまつりを支える側として参加したそうです。

そして旅の最後の締めくくりが、この大阪の西成。カマンメディアセンターを企画したNPO法人「こえとことばとこころの部屋(ココルーム)」に滞在しながら、釜ヶ崎を通じて社会を見るとのこと。一連の旅の最終日のこの日は、旅で感じたことなどを各自「詩」にしてメディアセンターで発表するということでした。

GO WEST 2009 ブログ
http://gowesto8.exblog.jp/

カマンメディアセンター向いにある、インフォショップ「ココルーム」
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始まるのを待っている間、むすびのメンバー・浅田さんとお話をしました。私がむすびを訪れたときには、浅田さんはインタビュー中でお話が出来なかったので、お話しする機会が持てた事をうれしく思いました。浅田さんは、1928年生まれだそうですが、とにかく元気! 話しているこちらの方が元気をもらいます。昨年はロンドンでむすびの紙芝居の上演をされたのだそうです!! 80を過ぎてなお、「現状に満足してない。これで終わりたくない。小説を書き始めた」という浅田さん。すごいです。

・・・と、第七藝術劇場の支配人さんから電話が入りました。「今どこにいますか?」と。私が「釜ヶ崎でお茶を飲んでいます」というと、かなりびっくりされていたようでした。もしかして京都か神戸に行ったものと思っていたかもしれません。ほんと、やる気あるのか~!って思われたことでしょう。

新人監督としては勉強のため映画館周りをするのでしょうが、せっかくこの魅力的な大阪という街に来て、京都や神戸の、しかも映画館に出かけるのはもったいない!と私は思ってしまうのです。もっと街や人を見たい! 月並みな表現ですが、ほんとに”ディープ”としか言いようがない大阪。支配人さんには申し訳なかったですが、私は映画館周りよりもこちらに来てよかったと思いました。

明治学院大学の学生さんたちは直前まで詩を作るのに苦心しているようでしたが、いよいよ発表の時間になりました。
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まずは先生の発表から。
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メディアセンターの立地ゆえ、道行く人も沢山足を止めます。もともと好奇心の多い”大阪気質”もあいまってか、どんどん見物客が増えていきます。

沢山並んだ靴。ぞうり率が高い。
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7時ごろになり、映画祭実行委員会の遠藤さんと会いました。前日に、夜ご飯を一緒に食べましょうと言ってくれたからです。待ち合わせと言っても、大阪の場所など全く分からない私。(ちなみに「十三」(じゅうそう)をずっと”じゅうぞう”と読んでいました)。遠藤さんに釜ヶ崎まで来てもらいました。

遠藤さんもカマンメディアセンターに来て、むすびの浅田さんとしばらくお話しました。そのあとで、私たちは通天閣で有名な新世界の方へご飯を食べに行きました。

遠藤さんに「ここからが一番良く通天閣が見えるよ!」と案内してもらい、写真を撮ったのですが、つぼらや(ふぐ屋)の立体看板の自己主張が強すぎて、通天閣が小さく見えてしまいます。
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とにかく大きい看板の店ばかり。
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お店に入り、大阪名物の串揚げとどて焼きを食べました。
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串揚げのそばに置いてあるのがソースの缶。これに串揚げを浸して食べます。しかし、二度漬けは禁止! お店の人に怒られるんだそうです。

店内にも「二度漬け禁止」の張り紙が!
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どて焼き
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映画のこと、大阪のことなど、話題は尽きることなく、気がついたらバスの時間が迫っていました! 慌てて店を出て、梅田のバスターミナルへ向かいます。無事バスに乗り込んだのは、出発の3分前でした! ぎりぎりセーフ。走って連れて行ってくださった遠藤さん、どうもすみませんでした&ありがとうございました!!

翌朝無事東京へ戻り、今回の旅を終えました。

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