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デカ過ぎる!(上映会報告2009/9/3-4)

映画祭2日目の9月3日は早起きをして、朝一番の上映を観にいくことにしました。「チベットの音調」という作品で、中国の女性監督、ダイ・ウェイさんによって作られた劇映画です。上映の後には、プロデューサー2人によるゲストトークがありました。

控え室でお昼ご飯を食べ、午後からは鯨エマ監督の「つぶより花舞台」を観ました。鯨監督は今回の来場ゲストの中でもひときわ元気で明るく、いつもみんなのムードメーカーとなっていた人です!

鯨監督の舞台挨拶
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午後4時半からはシンポジウムを観にいきました。「アジアの新世代女性監督からの提言」というテーマで、「チベットの音調」プロデューサーのチャン・ルイさん、「今、このままがいい」監督のプ・ジヨンさん、ソウル国際女性映画祭ディレクターのイ・ヘギョンさんが語りました。

特に興味深かったのは中国、韓国の映画業界事情の違い。韓国については日本と似ているように感じましたが、中国はその経済成長の勢いとともに、映画業界も希望に満ち溢れているようでした。映画制作に携わる人の数は増え、映画監督の2~3割が女性。男女差別はない、と言い切る女性プロデューサー。

しかし、中国を含むアジアの映画事情に詳しい司会の木全ディレクターの状況補足によると、中国で映画業界に入るには超難関の国立映画学校に入学しなければならないとのこと。超難関ですから、入れば男女の差別はないのですが、まず入るの自体が難しいので、映画業界が広く開放されているとは言いがたいようです。

一方、韓国は不景気で映画の製作数自体が減り、これまでは年間120本ほど作られていた商業映画が、今年は80本近くまで落ち込んでいるそうです。商業映画界で活躍する女性監督の数は20名ほど。圧倒的に男性の監督が多い。一方で、インディペンデント、超低予算の映画の分野では男女問わず面白い作品が沢山作られているようで、ここに希望が持てるとおっしゃっていました。

シンポジウムは予定より約30分オーバーして、とても充実したものでした。

18時からはあいち男女共同参画財団理事長の栗本さん主催でパーティーを開いていただきました。私は三浦淳子監督と、デンマークのカトリーネ・ヴィンフェルド監督と同じテーブルに着きました。「自分の映画を海外で見せるには?」という話題になりました。例えばデンマークのテレビや映画館は日本の自主制作作品にもオープンなのか? など。

カトリーネさんは、映画館で上映することにこだわるべきではない、と言っていました。映画館で上映するようなお金のかかる作品を作るために必死で資金を集めるよりも、DVDやビデオ・オン・デマンド、インターネットでみせればいいではないか? とのこと。映画館は上映期間、上映時間ともに決まっているので、忙しいカトリーネ監督にとってはまったくフレキシブルではないそうで、今では映画館で映画を見ることはほとんどないそうです。

デンマークは自宅で高品質のホームシアターをそろえ、家で映画を観る人が増えているそうです。(そういえば、私は以前ホームシアターのスピーカー関係の取扱説明書を作る仕事をしていましたが、住環境の恵まれた北欧ではサラウンドのスピーカーシステムなどの需要がかなりあるようでした)。

そのときはなるほど~と思って聞いていましたが、日本の事情を考えると、劇場で公開せずにDVDを販売するのは宣伝に欠けるでしょうし、ビデオ・オン・デマンドがまだそこまで広く普及しているとは言えませんし、インターネットだけでみせる場合は作品から収入を得ることが出来ないという問題点もあります。・・・とはいっても、劇場での公開はいまだに敷居が高いですし・・・なかなか難しい問題です。

話はデンマークの助成金に移りました。デンマークでは、(うろ覚えですが)毎年劇映画、ドキュメンタリー映画、新人監督の各分野から1人ずつ選ばれて、2~4年かけ、かなりの助成金を受けながら映画を作れるようになっているそうです。

人数は少ないですが、それはかなり恵まれた環境!と私が言うと、「国策でやっているの」とカトリーネ監督は言いました。人口500万人足らずのデンマークでは、人口の流出(主にEU圏への)が激しく、国民は英語やフランス語などを話せます。”デンマーク語”を存続させるために、国策としてデンマーク語での映画を作らせているそうです。日本では日本語の”乱れ”を憂う声は別として、この先当分日本語の”存続危機”はないでしょうから、国によってずいぶん事情は違うし、映画が担わされる役割というのも異なるのだと興味深く思いました。

宴会の様子
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さて、宴会の後はまっすぐホテルに戻るのかと思いきや、ディレクターの木全さんが「今夜はスーパー銭湯に行きましょう!」と言いました。(もう夜遅いし、明日は自分の上映会が・・・)などうだうだ考えましたが、結局私も参加することにしました。

ホテルに戻り、バスタオルや着替えを持ってロビーに集合。タクシーに分乗してスーパー銭湯へ向かう映画祭ゲストご一行様。木全さんによると、映画祭14年目にして初めてのスーパー銭湯なのだそうです。参加したのは7名ほどでした。

タクシーで10分ほどで「山王温泉」へ。3階建ての大きな建物です。スーパー銭湯というより、温泉ワンダーランドと言った感じで、内湯、露天風呂あわせて10種類以上もありました。リンゴ酢の入ったお風呂、炭酸の湯、ジェットバス、寝転び湯など、珍しいものも沢山。良いリフレッシュになりました。

男性陣との待ち合わせは10時でしたが、女性たちが下で待てども降りてきません。更衣室で着替えながら思ったのですが、このスーパー銭湯参加者の女性ドキュメンタリー監督たちの行動がとにかくテキパキしていたのです! これは忙しい環境で撮影などしているから、どんどん行動がすばやくなっていったのではなかろうか、と想像しました。私などでも、撮影をしているときは、とにかくその場にいる誰よりも早く行動します。ご飯も2分ぐらいで食べてすぐ撮影が始められるように。そうしないと、被写体の人たちの行動を取り逃がしてしまうのですから!

そんなわけで、女性陣は待ち合わせ時間より前にフロントへ行き、木全ディレクターと中国のプロデューサーを待ったのでした^^

さて、翌日9月4日はいよいよ私の作品の上映日! 今回、私の両親がはるばる東京から名古屋へ映画を観に来てくれました。・・・実はうちの親、私の映画を観るのが初めてなのです! 一体私の映画を観て、どう思うのでしょうか・・・???

朝9時半にホテルを出て、午前中は宮崎信恵監督の「あした天気になる? ~発達障がいのある人たちの生活記録~」を観ました。福岡の知的障がい者施設で、彼らの生活、家族を丹念に追ったドキュメンタリーです。

上映の後は、控え室に戻りました。お昼ごはんのお弁当を勧めていただきましたが、毎朝ホテルのバイキング、夜は宴会という生活です。後は映画を観ているだけなので、お腹は常に張っている状態。今回はお弁当を断り、お茶を飲みに行くことにしました。

タクシーの運転手さんに聞いた、名古屋で老舗の喫茶店「ボンボン」。このお店が映画祭の会場から歩いて10分足らずのところにあると教えてもらったので、そこに行くことにしました。

ボンボンの入り口
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レトロな店内
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特筆すべきはそのケーキの種類の豊富さと安さ。ケーキは1つ230円程度が主流!
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ダンドルトルテ(230円)を注文しました。味は昔スーパーで買ってもらったケーキを彷彿とさせました。
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カフェオレ。器が懐かしめです。
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ケーキとコーヒーを合わせて500円ですんでしまったのがびっくりでした!!

ウィルあいちにもどり、午後は三浦淳子監督の「空とコムローイ~タイ、コンティップ村の子どもたち~」を見ました。タイ北部メーサイにある少数民族、アカ族の子供たちとイタリア人の神父さんを、7年にわたって追い続けたというドキュメンタリーです。

三浦監督が現地で購入したという、アカ族の民族衣装を映画祭のスタッフに着せていました。アカ族の女の子たちは、この衣装を特別なときだけではなく日常的に着ているのだそうです! 特に帽子が個性的で、歩くたびに金属(?)がじゃらじゃらと音を立てるのですが、これは”魔よけ”のためだそう。
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4時からは中日新聞の取材を受けました。偶然取材してくださった記者の方が、イギリスに留学されていたことがあるそうで、イギリス生活、日英のジャーナリズムの違いなどについて話が盛り上がり、予定を30分ほどオーバーしてしまいました!

ジャーナリストであるその記者さんにとっては、ジャーナリズムをイギリスで勉強した私が”中立”に全くこだわらない立場で映画を作っていることに驚きを覚えたと言っていました。私たちは、ジャーナリズムのいう中立とは何か、力のバランスの違う両者を対等に扱うことが中立と言えるのか、現在のジャーナリズムで”中立”は達成されているか?と話しました。

また、メディアの将来性についても話題になりました。新聞は”死にゆくメディア”として危機感を持っているとのことでした。マスメディアに属さない私に、新聞などのマスメディアの将来をどう思うか、市民メディアなどのオルタナティブメディアの位置づけなどの質問をされました。

インタビューの後は、映写技術師の方と、スクリーンサイズや音量の調整をしました。私はいつものように「音質が悪いので、他の作品に比べてボリュームはやや下げてください」とお願いしました。とにかくスクリーンが巨大なのです! これまでの上映会で一番大きいです。畳でいったら何畳ぐらいになるのでしょうか・・・見当がつきません。座席数も約300。これも過去最大。空席が目立ったら悲しいなと思いつつ、控え室に戻りました。

控え室では、司会の方と打ち合わせをしました。司会の方は既に私の映画を観てくれていて、その感想も交えながらゲストトークでの質問内容を話し合いました。ビデオに興味を持ったキッカケ、ブライアン達と知り合ったことで人生がどのように変わったのか?映画を勉強しないで作ったという苦労は? などを基本的には聞くということでした。

いよいよ上映開始の時刻になりました! 上映の前に簡単な舞台挨拶をします。最前列には私の両親が! これまで何度も上映会をやってきた私ですが、自分の親が座っているのはとても不思議な感覚でした。

巨大スクリーンの前で舞台挨拶
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上映が無事終わり、ゲストトークの時間になりました。前半は司会の方とお話しをする形式で、後半は会場からの質問を受けました。会場からの質問では「どれぐらい撮影したか?」、「カメラは途中で買い換えたか?」、「イギリスで上映したか?」「ブライアン達とどうやって親しくなったのか?」、「彼らを通して学んだこと」、「これから監督はどうするのか?」(←ご心配ありがとうございます^^;)、「日本では機動隊の暴力はないと思うが、イギリスより日本の方がマシなのでは?」などの質問をいただきました。

ゲストトーク後に、映画祭の立ち上げをされた大野さん、あいち平和映画祭の加藤さんが声をかけてくださいました。どうもありがとうございました!!

ゲストトークの後は、今回の映画祭にゲストとして呼ばれた日本人のドキュメンタリー監督たちで名古屋を代表する居酒屋、「世界の山ちゃん」へ行くことにしました。「そういえば名古屋名物を食べてない」と言った鯨監督の一言が、山ちゃん行きを決めました。

山ちゃんへ向かう途中のタクシーから、観覧車を発見! 観覧車好きなパチンコ屋の社長が、パチンコビルの目の前に観覧車を建ててしまったのだそうです! よく観ると左下にはクリスマスツリーまで。年中飾られているようです。
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世界の山ちゃんへ到着。
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監督さんたちで記念撮影~♪
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これが山ちゃん名物、幻の手羽先!
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手羽先を食べながら、映画をどうやって宣伝するか、普段の生活はどうしているかという話題から、映画の中のあのシーンはどうやって撮影したのかということまで、話題は多岐に渡り、かなり盛り上がりました。詳細は省きますが、会話の中でなぜか私ともう一人が「パイプカット」とハモり、一同大爆笑! 店内で女性客は私たちだけ。大声で話しまくりパイプカットで大笑いとは、店内の男性客はどん引きでしょう。世界の山ちゃんを敵に回してしまったかもしれません!!??

とにかく今回の映画祭参加で言えることは、ゲストの監督さんたちととても親しくしてもらったことです。毎日顔をあわせ、色んな話をして、ご飯を食べ、果てはスーパー銭湯にまで行く・・・こんな合宿のような経験は滅多に出来ないことです。こんな出会いに恵まれたことは、大きな収穫と言えるでしょう。

帰り道で、翌日のトークサロンの話題になりました。翌日も、このメンバーで「女性ドキュメンタリー監督と語る」というトークをやることになっているのです。「こんなぶっちゃけ話をした後で、トークサロンでかしこまって話したら全部ウソっぽいね」、「今日の話をビデオにとって明日流せばよいのに!」などと言い合いながらホテルに戻りました。

映画祭3日目の夜が終わりました。

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