« 踏み込むカメラ!(上映会報告2009/08/28 - 30) | トップページ | デカ過ぎる!(上映会報告2009/9/3-4) »

B級グルメ!(名古屋1-2日目)

9月1日の朝、あいち国際女性映画祭出席のため、名古屋に向かいました。日本の旅の足としてポピュラーな新幹線ですが、私は上映会で使うのは初めてでした。普段の移動は本州ならば無理して夜行の高速バス、本州以外は飛行機を使っているからです。今回は映画祭が新幹線の回数券を支給してくれたので、名古屋まで新幹線で向かっているのです^^; 新幹線ならば東京駅から1時間43分で名古屋に到着! ずいぶん楽ですね。

東京駅の新幹線ホーム
Dsc04530

私の覚えている新幹線の車体の正面は「ウルトラマンの目」のようでしたが(←いつの話だっ!)、現在はかなり流線型に進化しているようです。
Dsc04532

駅について、そのまま宿泊先のホテルに向かい、荷物を預かってもらうことにします。

宿泊先の名古屋観光ホテル。
Dsc04617

映画祭自体は2日(水)からですが、今日は記者会見があるとのことで、会場であるウィルあいちへ午後1時半までに伺うことになっていました。夜までご飯が食べられないので、とりあえずお昼を食べておくことにしました。

ホテルに入ると、さささっと数名が駆け寄ってきて、「チェックインでございますか?」、「お荷物お持ちいたします」と言われました。普段はベルを何度も鳴らしてやっとフロントに応対してもらえるぐらいの安ビジネスホテルに滞在している私は、その丁寧な扱いにかえって戸惑ってしまいました。ドキュメンタリーを自分で撮影している人ならば皆そうだと思いますが、現場で重い機材を「持ちましょうか?」などと気遣ってくれる人はいないのですから!

私の荷物は小さなかばんまで剥ぎ取られ、フロントへ運ばれました。周りを見渡すと、エレベーターのそばにまで従業員が立って、ボタンを押したり、扉を押さえたりしています。(ここは人員削減とは無縁)、そう思わせるゴージャスさでした。

しかし、名古屋と言えばそもそもB級(グルメ)! ホテルの近くにB級グルメてんこ盛りの定食屋を発見!

広小路 キッチンマツヤ
Dsc04535

食べ物のサンプルが店頭のガラスケースに並べられているのはどこでも見られる光景ですが、なんとここでは”お客様の声”まで張り巡らされているのです! 名古屋の商売はとにかくアピールが大事なのか??? 私なんて「ずっと来たいと思っていて、今日やっと来ることが出来て感激」なんてコメントを見たら、逆に引いちゃうと思うのですが・・・。
Dsc04537

となりの「酒天童子」というお店の「本日のサービスランチ」に魅かれ、ここに入ることに決定! パスタにカレーととんかつがのって680円也!
Dsc04539

名古屋は「あんかけスパゲッティー」なども有名ですが、それは氷山の一角であることがよく分かりました。とにかくパスタの種類が豊富ですし、そのどれもが”名古屋オリジナル”なのです!
Dsc04543

ほどなくして、私の注文した品がテーブルへ運ばれました。名古屋では、スパゲッティーが熱々の鉄板に載ってやって来ます! 見て下さい、このボリュームを!
Dsc04546

記者会見まで十分余裕があったはずが、なんだかんだで時間がなくなり、結構ぎりぎりになってしまいました。この名古屋スパの”ボリューム”と、鉄板なので”なかなか冷めない”という壁に阻まれ、飲食は難航。完食した頃には、集合時間が間際になってしまいました。

タクシーで、会場であるウィルあいちへ向かいます。
Dsc04547

既に何人かの監督さんが来られていて、挨拶したり、名刺を交換したりしました。スタッフの方から記者会見の流れについて説明を受け、いざ会見場へ。ゲスト(監督やプロデューサーなど)が一人ずつ紹介され、1人約2分ずつで自己紹介をしました。そのあとで記者たちから質問を受けるという形式でした。

質問では「映画監督として、ドキュメンタリー、フィクション、どちらの手法を選ぶか?」、「ナレーションの中で”私”という一人称をいれている人もいるし、いれていない人もいる。それはどのように選択したのか?」という質問がありました。

記者会見の後は、私は中日スポーツの取材と写真撮影を受けました。

その後、控え室に行くと、他の監督さんたちは上の階でお茶を飲んでいるとのこと。私も上の階に上がってみました。

お茶室です!
Dsc04561

お茶菓子とお茶をいただきました。
Dsc04550
Dsc04552

海外からのゲストの方は浴衣を着せてもらい、茶道にも挑戦!
デンマークのカトリーネ・ヴィンフェルドさん(「エスケープ」の監督)。お茶を飲んでいるのは、映画祭ディレクターでシネマスコーレ支配人の木全(きまた)さん。
Dsc04549

浴衣が良く似合う中国のプロデューサー、チャン・ルイさん
Dsc04559

浴衣を着るのは基本的に海外のゲストのみなのですが、なぜか私も英語で話しかけられ浴衣を着せてもらいました・・・!(私は日本語で応対していたのですが・・・)
Dsc04554

お茶を飲んだ後は、また控え室の方に戻りました。夜からはレセプションパーティーがありますが、しばらく時間があります。手持ち無沙汰で廊下をうろうろしていました。

同じく廊下にいたスタッフの柴田さんとお話しました。私と話す前、彼女は韓国から来た監督さんのお姉さんに、流暢な韓国語で話していました。なので、私は韓国語の通訳スタッフなのかなと思って話しかけました。お話を聞いてみると、彼女は独学で韓国語をマスターされたのだそうです! 韓国ブームが来るずっと以前に韓国語を始めたそうですが、当初は通訳になるつもりなど全くなく、趣味でやっていたそうです。それが娘さんに「その能力を社会に生かしたら?」と言われたことがキッカケで、本格的に勉強を始め、この女性映画祭などでスタッフ兼通訳として活動するようになったということでした。

「まだまだ勉強しないと」と謙遜していましたが、韓国人の方とお話しているのをみている限り(私は韓国語は”ヨブセヨ”(電話で”もしもし”)ぐらいしか分かりませんが)、全く問題なく話せているようでした。

彼女と名古屋のB級グルメの話になり、私はお昼に食べたカレースパゲッティーのことを話しました。名古屋のメニューに揚げ物が多いのは”ボリューム感=お得感”がでるからではないか、とのこと。確かに、名古屋では喫茶店のモーニングにコーヒーを頼むとトーストやゆで卵がついてくると聞いた事がありますし、回数券文化が発達していることでも有名です。東京ならば回数券は自分で持ってくるなり、インターネットでプリントアウトしなければなりませんが、ここ名古屋では回数券が既にお店に常備されているところも珍しくないそう。「それじゃ意味ないじゃないですか!」と私は言いましたが、これもサービスの一環として捉えられているようです。

18時半になり、オープニングのレセプションに出席しました。映画祭スタッフ、ゲスト、スポンサーの方々などを合わせて、100名強の方が参加されていました。ここでも各ゲストは2分ずつで挨拶。その後乾杯をし、後は立食パーティーでした。

パーティーの様子
Dsc04563

ゲストの自己紹介挨拶(すみません、私も飲み食いしていたので、全ての人の撮影が出来ませんでした・・・)

右側は「今、このままがいい」監督のプ・ジヨンさん(韓国)
Dsc04565

ソウル国際女性映画祭ディレクターのイ・ヘギョンさん(右)
Dsc04567

女優の岡田茉莉子さん
Dsc04575

「星の国から孫ふたり~「自閉症」児の贈りもの~」の槙坪夛鶴子監督と主演の上野楓恋(かれん)ちゃん。
Dsc04577

私!
Dsc04580

「台湾人生」の酒井充子(あつこ)監督
Dsc04588

映画監督で、あいち国際女性映画祭運営委員会顧問もされている吉田喜重さん。
Dsc04589

レセプションパーティーが終わったあとは、映画祭ディレクターの木全さんがゲストを中華レストランに連れて行ってくれました。

レストランでの様子。
Dsc04591

私の隣にはソウル国際女性映画祭のディレクター、イ・ヘギョンさん、そして私の目の前の座席には東京国際女性映画祭の大竹洋子さんと、女性映画界の大物メンバーです。今更ながらに(今、私は国際女性映画祭に来ているんだ!)ということを実感していました。

私の右隣はデンマークの監督さんで、これまで主に政治ネタを扱ったテレビドラマを数多く制作してきて、今回が初めての長編劇場用映画なのだそうです。その映画「エスケープ」はアフガニスタンで誘拐される、デンマークの女性ジャーナリストのお話。実際の撮影はトルコで行ったそうです。彼女自身はアフガンを舞台にした作品を作るのだからアフガンに行きたかったそうですが、スポンサーなどが行かせなかったそうです(もし監督が事件に巻き込まれたりしたら映画の評判が悪くなってしまうと心配してとのことだそう)。人口500万人程度のデンマークで興行成績は15万人とのことですから、すごいヒット作品なのです!

監督のカトリーネさんは、初めの頃ドキュメンタリーを自分で撮影したことがあるそうですが、現在は”監督 ”のみで、撮影や編集は一切自分ではされないそうです。編集は最初の頃から全くやったことがないのだとか。「自分で作ったものを自分で編集すると、距離が近すぎてしまう。客観的に観たいから編集は自分ではやらない」と言っていました。”監督”をやり、その他は分業していますが、分業していく上で一番大切なことは”スタッフを信頼すること”と言っていました。

Dsc04593

お腹一杯食べてホテルに戻りました。お昼に一度ホテルに行きましたが、部屋は見ていなかったので、部屋に入ってまたびっくり! 普段泊まるビジネスホテルの倍以上のスペースがあるではありませんか! これまでで一番小さかったホテル(具体的には広島のホテル28)の部屋が、ここでは風呂・トイレスペース程度です!
Dsc04620

部屋からの夜景
Dsc04624

レセプションパーティーでは、各ゲスト(←女性のみ!)に花束が贈られました。
Dsc04596

アップ
Dsc04599

さて、名古屋二日目は、朝起きて朝食を食べ、メールの返信などの用事を済ませてから、御園通へ向かいました。お目当ては、すし屋のランチ。名古屋の穴場グルメとして、前日にスタッフの柴田さんから教えてもらったお店です。

目的の場所、東鮨は映画館・ミリオン座の向いにあります。
ミリオン座
Dsc04601

東鮨外観。ポイントは”2階”だそうです?!
Dsc04606

東鮨名物”二階でランチ!”。なんと、二階でのみ提供される日替わりランチは、ランチのお代わりが自由!!! 例えば、毎週水曜日はチラシ寿司だそうで、そのチラシ寿司とお味噌汁のお代わりが自由なのだそうです!
Dsc04604

ランチタイム開始と同時に入ったので、二階の座席はまだすいていました。
Dsc04612

この日の日替わり定食のお品書き。2枚に渡って書き綴られています。
Dsc04614
Dsc04613

お代わり自由とはいっても、とにかくすごいボリュームで完食するのがやっとでした・・・。
Dsc04608

これがお代わり自由のアナゴちらし!
Dsc04610

すっかりお腹いっぱいになって、店の外に出ました。映画祭の会場に向かう前に、この満腹感をちょっと押さえないとと思って、その辺を歩いていました。

すると、金券ショップの自動販売機を発見! 自販機なので24時間買えます。名古屋の割引券・回数券文化がこんなところにも現れています。
Dsc04615

午後は2時から「星の国から孫ふたり~「自閉症」児の贈りもの~」(槙坪夛鶴子監督)を観ました。観終わった後に、三浦監督、酒井監督とともに控え室に向かいました。ちょうどソウル国際女性映画祭ディレクターのイ・ヘギョンさん、東京国際女性映画祭の大竹さんがいて、話題は「なぜ日本の女性映画祭の観客は年齢層が高いのか?」という話題になりました。確かに私も上映会場に入ってみて、年齢層が50~70代ぐらいというのに驚きました。まあ、平日の昼間の上映ということもあると思いますが、ソウルの国際女性映画祭では、観客のメインは若い女性や大学生なのだそうです。この違いは一体どこから来るのか?という話になりました。

ヘギョンさんのお話では、ソウルの場合映画祭が女子大の先生方と協力して開催をしているそうです。それで先生たちが学生を巻き込む。女子生徒がボーイフレンドと手をつないで映画祭にやってくる、そんな光景も珍しくないそうです。一方日本の場合は、女性運動にメインで関わっている人たちや女性インテリ層の年齢が高いからかもしれない、とのことでした。同じアジアの、距離的には近い国ですが、女性映画祭、女性運動ひとつとってもだいぶ違うのだなと感じました。

今、韓国では大学生たちの「知りたい!」「観たい!」という意欲がとても旺盛なのだそうです。一方で日本の大学は、私の映画の中にも出てくるように、学内でビラ配りをすることさえ禁じられ、学校のカリキュラムもかなり監視・介入されるようです。経済状況としては、日韓とも非正規職(契約社員やフリーターなど)が問題となり、若者の雇用状況が厳しいという点で非常に似ているし、両国とも「生きづらさ」を感じていると思うのですが、それに対する行動はかなり隔たりがあるようです。

そのあとで、他の日本の監督さんたちと雑談していて、文化庁の助成金の話になりました。フィクション、ノンフィクションに関わらず、映像製作に関して助成金の申請が出来る制度のことです。私の知り合いの監督さんでも、何人か受けている人がいます。(劇場公開をしているような作品の場合は、特にもらっている人が多いようです)。

私はそもそも映画を作ることを目的にして撮り始めたわけではないし、海外に住んでいたし、申請するのは手間ばかりがかかりそうというイメージがあったので、申請していませんでした。カメラ自体が家庭用なので、映像や音声の元々のクオリティー自体が低いし、これはどうにもしようがない、と思っていました。でも、他の方によると、ポストプロダクションでかなり改善されるのだそうです。特に”整音”と呼ばれる、音の処理。これをプロの人にやってもらうことで、かなり良くなるとのこと。でも、これらにはお金がかかるので、そのためにも助成金をもらうことはかなり重要と言われました。

そんなに良いなら是非!と思いますが、助成金にも問題はあるそうで、例えば、助成金申請時にかなり詳しい映画の構成等を書かなければならないこと。ドキュメンタリーの場合、始める前にテーマについて少しは調査するでしょうが、どんなドラマが展開されていくことになるのかは始めて見なければわかりません。それを審査員が”読んで情景が目に浮かぶ”くらい詳しく書かなければならないのは、かなり厳しいといえます。また、助成金の申請が決まってから半年以内に映画を完成させて提出しなければならないのだそうです!(助成金は年に二回ある関係で半年以内に完成となっています)。完成できなければ助成金は取り消しになってしまう・・・。制作のプロセスと全く関係ない役所の都合で助成金を出すな~と言ってやりたいですが・・・!

この半年の制限のため、監督さんの中には、製作をあらかじめ始めておいて、あと半年で完成するという段階のときに助成金を申請するという人もいる、と聞きました。それならば助成金を問題なくもらえるでしょうが、映画制作にはとにかく初めからお金がかかるもの。最初に何の資金も助成金もなくはじめるのは、難しいでしょう。それに助成金だって、最後までもらえるかどうかわからないのですから、最初からもらえることを前提として予算を組むのはかなりの賭けのようにも思います。

夜になり、今夜もまたゲストの人は食事に連れて行っていただけるとのことでした。今夜は鉄板焼きのお店。3つのテーブルに分かれて座り、私はあいち女性映画祭の立ち上げ人である大野さんと同じテーブルになりました。映画祭立ち上げまでのお話を聞いていて、今でこそ知名度のある映画祭ですが、最初は本当に大変だったんだな~と思いました。

私は感覚で動くタイプですが、他人を巻き込んで何かをやる場合、しかもそれが県や市など行政も巻き込んでやる場合は、女性映画祭をやる”必要性”というのを説いて回らなければならないのです。面白そう!だけではなく、役人も納得し更にお金も出すような理由付けを!

最初「男女共同参画の一環として、女性映画祭をやろう!」となったときに、「何で映画なの?」、「どれだけ人は来るの?」という意見もあったそうです。実際、第1回の映画祭では当時まだ無名だった河瀬直美監督の作品を上映して、その回のお客さんは10人ぐらいだったとか。 

大野さんのお話を聞いていて、何かを立ち上げるというのは、バイタリティーだけではなく、企画力、説得力、さらには書類作成能力(地味だけれど、これが実は一番重要かもしれません・・・!)なども必要なのだ、と思いました。ちなみに大野さんは現在、来年開催されるあいちトリエンナーレの事務局長として活動されているそうです。

二日目の夜が終わり、ホテルに戻りました。

追伸:
この名古屋の滞在ですが、朝からホテルのバイキング、映画鑑賞(座っているだけ)、控え室でお弁当、また映画鑑賞、夜は宴会の繰り返しで、まるでブロイラーの鶏のように太っていきました・・・。

|

« 踏み込むカメラ!(上映会報告2009/08/28 - 30) | トップページ | デカ過ぎる!(上映会報告2009/9/3-4) »

上映会報告(日本語)」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 踏み込むカメラ!(上映会報告2009/08/28 - 30) | トップページ | デカ過ぎる!(上映会報告2009/9/3-4) »