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政治抜きで戦争・平和は語れる?(上映会報告2009/10/24)

10月24日の土曜日は、東京・三鷹で上映会がありました。会場は、三鷹市民協働センター。主催してくださったのは、沖縄の米軍基地問題に取り組む「うちなんちゅの怒りとともに!三多摩市民の会」です。


三鷹市民協働センター
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上映の経緯は、半年以上前に遡ります。映画を完成させ2月に帰国した私ですが、当初映画を上映できるあてはまったくありませんでした。映画業界にも知り合いはおらず、平和団体にもほとんど知っている人はいなかったのです。反戦関係の映画を上映している団体だったら、私の映画にも興味を持ってくれる人がいるかもしれない、と新聞のイベント欄などを見ていました。

3月頃に近くで「アメリカばんざい」の上映があることを知り、私はその主催団体である「うちなんちゅの怒りとともに~」に連絡をしました。突然電話をかけて「イギリスの反戦ドキュメンタリー映画に興味がありますか?」と聞いたのです。今から思えば、こんなに怪しいセールス電話はありません! しかし、電話に出られた代表の古荘さんは、「では一度あって話しましょう」と言ってくれました。そして実際に会い、将来上映会が出来ると良いね、と言ってくださったのです。それで実現した、私にとってはとても思い出深い上映会でした。

上映会場は、協働センターの会議室。かなり広いです・・・!大体50人ほどの方が来てくれたとの事。中には、武蔵野三鷹市民テレビ局の方、以前京大の座り込み「くびくびカフェ」で相席となった官製ワーキングプア問題に取り組んでいらっしゃる方、つい最近高円寺のVege食堂で高江のTシャツを着ていることから話しかけた方、中井信介監督の上映会でライブをしていたミュージシャンの寺田町さん・・・などなど、色んなところで知り合った方が来てくださいました。ありがとうございます!
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上映は2時からで、上映の後はトークと質疑応答をしました。
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質疑応答では、人形アーティストのキャロリンの夫が42才という若さでなくなられたのはなぜか? ブライアンと私は性格的に似ていると思ったがどうか? ブライアンのやり方は独特だ。彼は他のやり方を模索していた時期もあったのか? イギリスのゼロ・トレランス(非寛容)政策などについての質問が出来ました。(ゼロ・トレランスについては、私は詳しくは分からず)。

その後は10名弱で懇親会になりました。三鷹駅近くの自然食レストラン「たべもの村」です。私はここに何度か食べに来たことがありました。「自然食」というのに魅かれて来たのですが、店内に入ってみてびっくり! 壁一面に沖縄の基地問題などの資料類が張られていたのです。でも、考えてみれば、「食」や「健康」に目を向ける人であれば、それと対極にある戦争や環境破壊などに無関心でいられるはずがありません。このレストランの中で、自然食と平和が同居しているのは、全く特別なことではないわけです。

たべもの村入り口
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壁に貼られたメニュー。自然食=高い、というイメージがありますが、ここは定食類が800円前後で食べられ、とてもリーズナブルです。
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私はいわしの梅煮定食を注文しました!
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各自食事を注文しながら、順番に自己紹介をしました。中には、「立川自衛隊監視テント村」のメンバーの方もいました。テント村の方は、東京都立川市の自衛隊官舎の郵便受けに、「イラク派遣反対」のビラを配布したという理由で逮捕、起訴され、さらに有罪判決(罰金刑)を受けるという、表現の自由を脅かす大事件を経験されました。

立川・反戦ビラ弾圧については「立川自衛隊監視テント村」ウェブサイトに詳しく掲載されています。
http://tentomura.web.fc2.com/hansenbira.html

平和のためにはまず表現の自由を守るべき!と思っている私は、テント村の方のお話を興味深く聞きました。

沖縄・高江から戻ったばかりの私は、「運動体の中での家庭崩壊」について話題にしてみました。というのも、今回の主催者である古荘さんは、いつもご夫婦でデモ活動やチラシ配りなどをされていて、理想的な夫婦だなと感心していたからです。会を立ち上げたキッカケは95年の沖縄で起きた米兵によるレイプ事件と聞いていたので、活動は既に15年近く続けていることになります。

「いつもご夫婦で活動されていますが、最初からお二人とも同じレベルで問題意識を持って活動されてきたのですか?」と聞いてみたところ、方向性やレベルが一緒だったわけではない、紆余曲折を経て今の状態になった、と言っていました。どうやって乗り越えていったのかまでは聞きませんでしたが、それにしてもこうして夫婦関係を続けながら活動も続けているというのはすごいことだと私は思います。

古荘さんの知っている人の中には、夫婦のどちらか一方が活動にのめりこみすぎて家庭が崩壊した例は結構あると言っていました。中でも、チェルノブイリの原発事故をキッカケに運動に目覚めた人たちが、いきなり活動家になり家庭が崩壊して離婚が続出したといいます。”チェルノブイリ離婚”という言葉まであったそうなのです! ”成田離婚”は聞いた事がありましたが、チェルノブイリ離婚なんて言葉があったのは、知りませんでした!!

そんな話をしていて、他の人からは「”家庭崩壊”とか”離婚”っていうと、マイナスイメージだけどさ、それって本当に悲しいことかな?」といわれました。人間は常に成長するもの。何かの事件(例えばチェルノブイリ)などをキッカケに、目覚めることがあります。今まで家の中に閉じこもっていた人が、社会の役に立とうと外へ出かけるようになる。それをパートナーも理解してくれたら良いけれど、どうしても理解してもらえなかった場合に、それでも我慢して一緒にい続ける、婚姻関係を続けることが本当に幸せ?と。

もしかして何十年も一緒にいても、実は相手のことを良く知らないでいることもあるかもしれません(熟年離婚とかがそうと言えるかも・・・?)。何かのきっかけで(運動だけでなく、例えば病気とか転職とか、人生の大きな方針転換などがきっかけのこともあるでしょう)、どうしようもなく埋めがたい価値観の相違があった場合は、別れても仕方ないのではないか。これがその方の意見でした。それも一理あると思います。

話が変わって、今日の上映会で配られたチラシの話になりました。古荘さんによると、この日はもっと沢山の種類のチラシを来場者へ配布する予定だったそうですが、施設の受付でチラシを印刷する・しないで時間がかかってしまい、結局印刷した種類が少なくなってしまったとのことです。

印刷しようとしたチラシは、沖縄の米軍基地に関して鳩山首相や岡田外務大臣らに対して市民の声を伝えましょう、といった内容のものでした。それが、”政治家の名前が含まれている”ということで、施設の利用規定=政治活動での利用不可、に該当するといわれたのだそうです!

今回の上映会は、「戦争を考えるシリーズ」という名前で施設の利用許可もきちんと取られています。戦争を考えるのだから、政治に対しての見解や活動への署名用紙があるのは、ある意味当然のことです。政治のあり方を抜きに、戦争や平和を考えることなどそもそも可能なのでしょうか?

今回のような上映会は、政治活動というより、市民の勉強会、意見交換会としてくくられるべきものではないでしょうか。利用規定にある「政治目的での利用は不可」というのは、例えば特定の政治団体の資金集めパーティーなどに使われてしまうような場合を想定して禁止しているのではないでしょうか?

別に私はこの施設だけを槍玉に挙げたいのではありません。むしろ、市民が気軽に利用でき、設備もそれなりに整っていて、とてもよい施設だと思っています。でも、こういう市民が利用できる施設で、「戦争や平和を語るのは良いけど、政治は抜きでお願い」といったような両立できない注文のために、市民の活動の場が狭められてしまうことがこの施設に限らず多くあるのです。その結果、平和や戦争を語る人というのはどこか煙たがられる存在のように見られてしまう・・・。

私は施設を運営する人や窓口で応対してくださる方々に、政治家の名前が文面に見受けられるからNGなどと判断するのではなく、もっと柔軟に対応してもらいたいと願います。そうでないと、草の根の市民活動は活発になっていかないのですから。そんなことを考えた上映会でした。

上映会を企画していただいた「うちなんちゅの怒りとともに!三多摩市民の会」の皆様、来場してくださった皆様、どうもありがとうございました!!

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