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酒小屋の夜(上映会報告2009/9/18)

18日はホテルのチェックアウトが11時だったので、ゆっくり寝られました。ゲストハウス暮らしでは食生活は偏りがちなので、ホテルのバイキングで野菜や果物が沢山食べられて良かったです。

ホテル外観
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チェックアウト後、映画祭の会場へ向かいました。今日の午後は「1000年の山古志」という映画の上映があります。これは、中越大震災の被害に遭った山古志の人々を5年かけて追ったドキュメンタリーです。全村避難した山古志の被害は特に大きく、私などはあの地震で「山古志」の地名を知りました。

今回が初上映ということで、沢山のお客さんが来ていました。山古志からも、マイクロバスで観に来ている人たちがいました。私ももぎりを手伝います。
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震災後、山古志に戻ることを決めた人々、離れることにした人々の想いや覚悟が伝わる素晴らしい作品でした。映画の上映後は、長岡造形大学の平山邦彦先生と澤田雅浩先生による解説がありました。
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国内外の災害と復興を研究されているお二人。山古志には他の被災害地域にはみられない特徴があると話しているのが興味深かったです。神戸や台湾での地震では、行政の対応の不備を声高に叫んだり、地震後の復興はどこか走り続けているような感じがしたといいます。それに対し山古志では、行政に怒鳴り込んだり、走り続けているかのような感覚がない(←行政に対する不満がないということではありませんが)。これは、山古志の地理的な性質と深い関係があるそうです。深い雪のため、半年はどうしても立ち止まらなければならないこと、その間に住まいについて、人生について立ち止まって考える時間が出来るということがあるそうです。そして、もともと自然が厳しく、崩れやすい山の中で生活し、自然と共に生き、戦いながら生活してきたという背景もある。そんなことをお話されていました。

映画の中で被災者が仮設住宅で暮らすシーンがあり、外出するときに玄関の鍵をかけた後、その鍵をドアの近くのかごにいれて出かける場面があります。私は(それじゃ意味ないじゃん!!)と思ったのですが、観客の方の多くは自分もそうしているのか、そこについては無反応のようでした。

今日はこの映画だけを見てお暇することにしました。まだ5時過ぎでしたが、私にはある思惑がありました。そうです、以前長岡駅前で見た、あの「酒小屋」に行って見ようと思ったのです! 今行けば6時までには入れる、そう計算して映画祭会場を出ました。

長岡駅行きのバスに乗ります。すると、後ろから声をかけられました。なんと、同じゲストハウスに宿泊していた磯野さんです! 「うわ、すごい偶然だね」と話し始めました。彼はゲストハウスは昨日までの宿泊で、今夜は見附というところにあるスポーツ・チャンバラの先生のところで練習し、先生の家に宿泊すると言っていました。見附に行く電車も、来迎寺行きと同じで1~2時間に1本。私が「酒小屋に行こうと思っている」というと、磯野さんも興味を示し、一緒に行くことになりました。

長岡駅でバスを降り、酒小屋へ向かいました。やった!まだ空いてる! 只今の時刻、5時45分。でも、酒小屋のマスターは「ごめん、もうモツ煮込み終わっちゃったんだよねぇ~」!!!! 6時ごろまでなら大丈夫と聞いていましたが、日によってだいぶ差があるらしく、この日は5時15分になくなってしまったのだそう。えええ~とショックを隠せないでいた私に、「サービス豆腐をあげるから入りなさい」とマスターは言ってくれました。

サービス豆腐というのは、もう終わってしまったモツ煮込みの大きな鍋に”汁”が残っているので、それに豆腐をいれて軽く煮たものです。なんと、無料のサービスだったのですが、”汁”だけでももつの味がしっかり染みていて、とても美味しかったです!! 隣に座っていたおじさんたちは、「俺たちもモツ煮込み食べられなかったんだよ。会社が5時に終わるんだから、どうやったって5時半にしか来られないんだから!」と言っていました。この店に4時から行ける人というのはかなり限定された人ですものね・・・。今度長岡に来れたときはリベンジで4時に行かなければ!!

サービス豆腐をつまみに、ぬるカンで日本酒を飲みました。非情にも数時間で閉めてしまうこのお店ですが、それには事情があるそうです。このお店を始めて50年近く(!)になるそうですが、以前は普通のお店のように夜までやっていたそうです。でも、マスターが体を壊してからは現在の数時間というスタイルに変更したのだとか。再開発の波にも負けず、長岡駅前で半世紀にわたって続けてきた酒小屋。店内に張られた値段表に、大英博物館でみた古文書を思い出しました。

お会計を頼むと2人合わせて540円という驚きの安さでした!

酒小屋前で撮影(すみません、酔っ払ってます・・・)
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磯野さん
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磯野さんと分かれ、私はゲストハウスのある来迎寺行きの電車に乗りました。さすがに、モツ煮込みの汁と豆腐だけではお腹がすくので、来迎寺駅前の居酒屋でご飯を食べることにしました。

わかば家
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電車の数も少ないし、民家ばかりなのだから、お客はほとんどいないだろうと思っていたら、結構店内にお客さんがいてびっくりしました。

お通し
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海鮮丼(美味しかった!)
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ゲストハウスに戻りログハウスの扉を開けると、入り口に写真のアルバムがおいてありました。通算5年以上、世界を放浪してきたオーナーの加藤さんが写真を置いてくれたのです! 

加藤さんの写真の数々を紹介させてもらいます。(海外旅行が一般化した今ではなかなかこういう写真は撮れないでしょうね・・・)
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加藤さんの旅日記と写真は加藤ゲストハウスウェブサイトからご覧になれます!(目次より「TRAVELS」をクリック)

アルバムを返そうと母屋へ行くと、ご主人はいなくて、おかみさんがいました。おかみさんから放浪旅についての話を聞きました。おかみさんは、ご主人と「お金がなくなるまで」ということで向かった放浪旅の途中で妊娠し、飛行機に乗れる最終月(妊娠七ヶ月目まで)まで放浪して、それで日本に帰ってきたそうです。日本に帰るまで一度も医者に行かず、妊婦検診のようなものも受けず、日本にいる妹さんから本を送ってもらい「大体何ヶ月目にはお腹がこうなる」と本で読んで知ったのだそうです。「何とかなるもんだよね」とあっさり言ってのけるおかみさん。さすがです。

その次の放浪は、3才と5才のお子さんを連れて。シベリア鉄道にも乗ったそうです! 約1年ほどの放浪では、現在ではなかなか行けないアフガニスタンなども行ったとか。こんな貴重な経験が出来た子供達は、その後一体どんな風に成長したのでしょう?? 外交官か、国連職員ぐらいにはなっているだろう、と思って聞いてみると、意外にも「海外旅行に興味なし」と国内にいるのだそうです。我が家もそうですが、親子は正反対だったりしますからね。ご主人の方は「また放浪に出たい」と考えているそうです。おかみさんは「これはもう病気みたいなものでしょうね、周期的にやってくる・・・」と言っていました。

この日から、大学生の女の子が一人で泊まりに来ていました。それでおかみさんと3人で何時間も話していたのですが、彼女も放浪派なんだとか。私も自覚はありませんが、世間から見たら放浪派かもしれませんし・・・。決して世の中的にはマジョリティーとはいえない人々が、何でこのゲストハウスには沢山いるんだろうね、そんなお客さんばっかりだよね、とおかみさんは言っていました。

確かに。でも、それが面白いと私は思ったりします。こういうゲストハウス生活や、酒小屋のようなお店を面白いと思って飛び込んでいく人かどうか。これは友達作りのひとつの”基準”と言っても過言ではありません。こういうのを面白いと思う人ならば、きっと何かしらの接点があるだろう!というように。

日付が変わり、ログハウスに戻って寝ました。

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