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インターナショナル・ウィーク(上映会報告2009/11/7)

11月7日の土曜日は、東京三鷹市にある私立の明星(みょうじょう)学園高校で映画の上映をしてもらいました。毎年この学校では「インターナショナル・ウィーク」として1週間、留学生との交流や国際的なトピックについて学ぶ機会を設けているそうです。今年は「戦争と平和」がテーマで、それに合わせて自治会主催で私の映画も上映されることになりました。

インターナショナル・ウィークの最終日であるこの日は、午前中が平和に関するスピーチコンテンスト、午後に映画の上映とディスカッションをすると聞いていました。

私の場合、普段の生活で午前中に何かするということはまずありません。学生や社会人の人が聞いたら怒られそうですが、旅行以外は大体9時過ぎに自然に目覚めるというスタイルで生活しているのです。しかし、この日は学校の行事。8時半から開始すると聞き、(朝からなんて元気な人たちなんだ!)と驚いてしまいました。私も寝過ごしては大変と、その前の日は夜10時ごろ就寝。なかなか寝付けませんでしたが、なんとか朝6時半に起きることが出来ました。

8時半に、PTAの是恒さんと吉祥寺駅で待ち合わせをして、歩いて15~20分ほどで明星学園高校に到着。

学校の入り口
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インターナショナル・ウィークらしく、校舎には様々な国旗が飾られていました。
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体育館でスピーチコンテストが行われていました。この学校は私服なので、みんなの服装は様々です。中には”制服”のようなものを着ている子もかなりいました(特に女子)。この服装、”なんちゃって制服”と呼ぶのだそうですがどこで買うんでしょうね?? 私自身は制服のある学校でしたので、「制服は嫌」とか「制服は楽」(服のローテーションを考えなくて済むから)などと思っていましたが、私服の学校では逆に制服のようなものを着たがったりするのでしょうか? どういう気持ちからかは分かりませんが、面白いなと思いました。
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日本人の生徒は英語でスピーチをしていました。みなさん、とても流暢な英語でのスピーチです。スクリーンにパワーポイントで日本語訳が表示されていて、私の高校時代とは隔世の感がありました。留学生は日本語でのスピーチ。アジア、ヨーロッパ各国から留学生が学んでいます。戦争と平和をテーマに、日本人の学生の中には被爆した経験を持つ祖父の話をする人、留学生は自分の国の歴史と今の現状などを話していました。

スピーチの間、インフルエンザ予防のため、先生がマスクの入った箱を持って歩きながら皆に配っていました。

スピーチコンテストの後は、タイ、ドイツからの留学生によるダンスが披露されました。
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ダンスの後は、私もスピーチをすることになっていました。事前に聞いてはいましたが、スピーチはこれまでほとんどやったことがなかったので、どうしよう!と思っていました。普段、映画の上映の後に「トーク」はやっていますが、これは映画を観た人を前提に、映画にまつわる話をします。でも、スピーチの場合は皆が同じテーマ(今回ならば「戦争と平和」)で、自分なりの切り口で話すので、トークとはちょっと勝手が違います。

映画の上映で呼ばれたのだからブライアンについて話すことも出来ましたが、私は話す時間も限られているのだからどこまでイギリスのことを説明しきれるか分からないし、聞く人たちがもっと身近に感じられるようにと、日本の話題を選んで話すことにしました。

ずらっと並んだ生徒たちを前に、壇上に立つと緊張してきました! 声がちょっと息切れした感じになり(これはマズイ!)と思いながら話しました。
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でも、途中からなぜか緊張がほぐれ、後半は普通に話せました。こういうのも”馴れ”なんでしょうか? 分かりませんが、改めて母国語以外の言語で堂々とスピーチをしていた、スピーチコンテストの参加者はすごいな~と思いました。

スピーチコンテストの結果が発表され、その後は各クラスで平和に関する授業をすることになっていました。社会科の川手先生についていって、あるクラスの授業を見学させてもらうことになりました。1コマの授業の中で、3人の先生が20分ずつ話すという内容です。

最初はアメリカと日本のハーフの先生。米軍に勤める父親と沖縄出身の母親を両親に持ち、沖縄の歴史、混血児としての経験を話しました。基地の中で生活している分には守られているけれども、一歩基地の外に出ると混血ということでいじめられ、石を投げられたりもしたそうです。就職でも差別され、バブル景気の時になってやっと仕事につくことが出来たと話していました。
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次はスイス人の先生でした。まず、ヨーロッパの中でのスイスの地理的な位置の説明から始まりました。それから、スイスが永世中立国になるまでの歴史を説明。スイスは中立国といえどもそれは軍事力を持った中立国である、と話していました。川手先生が軍事力を持った中立国ということで、日本の自衛隊についてどう思うかと質問していました。スイス人の先生の答えは、時間が足りずに詳しくは答えられませんでしたが、「自国の防衛のためならば自衛隊はOKだと思う」というものでした。”自国の防衛”・・・この定義でこの国はずっともめているわけですが・・・。もっと詳しく聞きたかったね、と川手先生は話していました。
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最後の先生はインドの方でした。”平和”について、”心の平和”という視点から語るというユニークなものでした。先生はまず人間の脳の仕組み、特に”記憶”の仕組みについて話しました。試験のために嫌々覚えた記憶は、試験が終わるとすぐに忘れてしまう。でも、小さな頃に覚えた童謡などは、大きくなった今でも歌える。いかに楽しみながら記憶をする作業が大切か、と説明しました。また、せっかく覚えた知識でも、テストのときに緊張してしまっては、脳が硬直して活用できません。心の平穏を保ち、脳がフル活用されるように持っていくこと、そのトレーニングには”ヨガ”が一番、と話していました。さすがヨガの本場インド。先生の話にもそのお国柄が表れていました。
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授業の後は、学食でお昼ご飯を食べました。今週のメニューが壁に張られていましたが、今週はインターナショナル・ウィークということで、メニューも国際色豊かです。
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トレイを持って、自分の順番を待ちます。
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この日の日替わり定食はタコライスでした。美味しかったです!
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お昼ごはんの後、1時から上映会をすることになっていました。上映会場は、体育館の建物の中の、半地下の部屋です。
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上映会はインターナショナル・ウィークイベントに合わせてやるものの、午前中のスピーチコンテストのような生徒が全員参加するものではありません。川手先生と自治会の学生さんたちが中心となって企画してくれた上映会でした。午後は帰宅したり、部活動をやる人もいるから、どれだけ来てくれるかなと話していました。

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1時を過ぎて上映会が始まりました。スクリーンはなく、コンクリートの壁に直接プロジェクターで投射する方式でしたが、映像はきれいに映っていました。

上映の様子(是恒さんよりいただいた写真)
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上映の後は、椅子を輪になるように並べ、車座になってディスカッションをしました。学生さんたちが一人ずつ映画の感想を話していきます。「ブライアンは強い人だなと思った」、「日本ではブライアンたちのような活動は難しいのでは?」、「平和活動をしている人たちは、自分たちは偉いんだと振舞ってしまいがちではないか?」など、色んな意見が出ました。自治会のメンバーからは、「今の自分たちは、人を殺すっていうのが、何でいけないのか?っていうレベルからまず話し合わないといけないと思う」、「平和について語り合うことは大切だけど、そういうイベントをやってもなかなか人が集まらないのでは?」という意見も出ました。「個人主義が横行していて、他人のことを気にしない人が増えている」とも言っていました。

ディスカッションの様子(是恒さんよりいただいた写真)
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私は、普段の上映会は社会人がほとんどなので、高校生の意見を聞く機会が持ててうれしかったです。一通り感想を話したあとは、意見・質問などを自由に話していく形式で学生、保護者、先生などが話しをされ、あっという間に時間が過ぎました。

私は上映会の前の打ち合わせで「早川さんのほうから何か学生に質問したいことはありますか?」と聞かれ、その場では思いつかなかったのですが、あとで「今の高校生にとって”戦争”と言ってまず思い浮かぶのは、”太平洋戦争”なのか”9/11”なのか?」を聞きたかったなと思いました。太平洋戦争から60年以上が過ぎ、戦争の体験者から話が聞ける機会はますます少なくなり、修学旅行で広島や長崎を訪れる学校も減ってきているという状況の中、今の高校生にとって戦争はどういう風に捉えられているのだろう?と思ったからです。ディスカッションが活発に行われている最中は、それに夢中で忘れてしまいましたが・・・。また話す機会がもてたときには是非聞いてみたいです。

イベントが終わり、その後は川手先生と保護者の方たちでご飯を食べに連れて行っていただきました。

お刺身の盛り合わせ。”食に絶望した国”イギリスではまず食べられないものです・・・。
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居酒屋に着いたのは5時ごろ。私は今日一日、如何に盛りだくさんだったかと振り返っていました。朝8時半から活動するとこんなに色々できるのだ、と感心しつつ。食事をしながら、川手先生はどんなスケジュールで働いているのかを聞いてみました。

先生によると、大体一般的な先生の一日というのは、朝8時ごろの出勤から始まります。生徒に配布する資料の印刷のため、コピー機はその時間帯かなり混雑しているそうです。8時半からホームルーム。生徒の出席をとります。8時40分から授業が始まり、午後4時ごろ(?3時半だったかも)に全ての授業が終わる。

・・・といっても、それで先生の仕事も終わる訳ではありません。夕方は部活動の顧問として練習に付き添います(大抵どの先生も部活動の顧問をやっているそう)。部活動の終了後は翌日の授業の準備のため2時間ほど残業する先生もいます。準備が終われば、やっと帰宅できるのですが、先生の中には自分の教科の研究会などに所属している人もいて、夜はその学習会に出かけたりするそうです。・・・となると帰宅は夜遅く。土曜日も学校の授業があり、日曜日は部活の試合があれば先生も引率者としてそれに出かけます。

うーーーん、これでは1週間のうちで”完全オフ”と言える日はないに等しいのではないでしょうか? 大変だなぁ! しかも先生という職業は残業代も出ない(!)そうで、「好きじゃないとやってられないよ」と言っていました。・・・確かに。

労働時間の長さだけでも大変そうですが、教育現場を巡っては公立高校を中心に、ゆとり教育の導入→最近の見直しの流れ、保護者との関係、給食費の不払い問題、そして国旗掲揚・国歌斉唱など、あらゆる問題が山積みとなっています。最近のインフルエンザの大流行だって、学校にとっては重要な問題です。私立はどうなのでしょうか? 聞いてみました。

私立の学校教育は、公立とは違ってずいぶん自主性が認められているそうです。例えば、教科書も学校独自で決められますし(教科書を学校自前で作成したりもする)、明星学園の場合は教え方に関しても独自の方法を取り入れています。(中でも、タイルを使った算数の学習法「水道方式」が有名で、大手書店で明星学園の教科書が販売されているそうです)。

国旗掲揚・国歌斉唱に関しても、公立校のような強制はないそうです。その背景には、もともと私立学校には宗教系の学校も多く、その教育理念から国旗・国歌に対する抵抗感が伝統的に強いという事情もあるそうです。なので、明星学園の生徒の中には「君が代知らない」と言っている人もいたほどです!

私が中学・高校生の時は、学校選びにさほど重要性を感じていませんでしたが(通学時間、進学率ぐらいしか注目していませんでした)、どの学校で教育を受けるかというのはずいぶんな違いがあるのだと思いました。今後は少子化にあわせて、学校側もどんどん独自色を打ち出して生徒を募集するでしょうから、その違いはますます大きくなっていくのかも知れません。

あっという間に時間が過ぎ、お開きとなりました。川手先生は翌日は朝から留学生を観光に連れて行くとのこと。やっぱりオフではないんですねcoldsweats01

上映会を企画してくださった川手先生、自治会の学生さんたち、映画を観に来てくれた方々、そして最初から最後まで面倒を見ていただいた是恒さん、どうもありがとうございました!

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