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2009年11月

ある視点(上映会報告2009/11/25)

今年で19回目を迎えるTAMA CINEMA FORUM。多摩地域で開催されている映画祭ですが、この映画祭ではTAMA NEW WAVEという若手映像作家の発掘を目的とした中・長編対象のコンペティションがあります。私もそのコンペに応募しましたが残念ながらノミネートはされませんでした。ですが、コンペ外の「ある視点」部門で上映していただけることになりました。「ある視点」部門とは映画祭曰く”コンペティションノミネートを最後まで競った作品の中から、審査員の実行委員から強い支持のあった個性あふれる作品”なのだそうです。3日間でフィクション、ノンフィクション合わせて13作品が上映されるとのこと。私のは、25日のドキュメンタリー・ナイトで上映されることに。

夕方に家を出て、会場である多摩市永山のベルブホールに向かいました。
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会場入り口には映画祭のポスターなどが貼られていました。
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ドキュメンタリー・ナイトは4本立てでした。最初の作品は「愛と、生きる」(石田未来監督)。会場に着いたときは2本目の「ベオグラード1999」(金子遊監督)が始まったところでした。

金子遊監督の舞台挨拶
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3本目の作品「合縁奇縁 他生之縁 ここは、山根四号組」の青山佳世監督舞台挨拶。
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次はいよいよ私の番です。受付に私の友達がやってきました。元ルームメイトの央子ちゃんです^^。普段土日の上映会が中心で、彼女の休みとはなかなか合わずに残念でしたが、やっと観てもらえてうれしい~。
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そのほかにも、先月沖縄の高江で会ったさとこさん、広島で出会った小野さん、中井信介監督の上映会でお会いした飯沼さん、つい先日知り合った女子大生・・・などなど、様々な方に来ていただきました。ありがとうございます!!

上映会場の様子。
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上映の後は5分ほどの舞台挨拶をやりました。
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上映の後は、央子ちゃん、さとこちゃんと共にラーメンを食べて帰りました。

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完成で燃え尽きない(上映会報告2009/11/23)

当初の予定では、19時ごろに京都大学を出るつもりでしたが、シンポジウムが盛り上がったこともあり、予定より1時間遅れて大学を出ました。結構大振りな雨で、時間がなかったので、私にしては珍しくタクシーで出町柳駅まで向かいました。途中、岡山映画祭スタッフの川端さんから電話をいただきました。私の岡山映画祭での上映は翌日でしたが、この日の夜は、スタッフの皆さんと、小林茂監督(「チョコラ」)、三浦淳子監督(「空とコムローイ」)を交えて交流会をすると聞いていたので、それに参加したいと言っていたのです。それで、何時に岡山に着く予定かと、川端さんが電話をくれたのでした。

その時は京都大学を出たばかりで、京都駅までは乗り換えも含めて大体30分ぐらいかかるだろうと思いました。京都から岡山までは新幹線で約1時間。スムーズに行ったとしても、着くのは9時半過ぎになってしまいます。6時から宴会は始まっていて、スタッフの方たちは翌朝も早くから映画祭の準備をするということだったので(しかも映画祭自体の会期が長く、14日から開催しているのです!)、もし遅くなりすぎるようなら解散して構いませんと伝えました。一応、私は京都駅についてはっきりと何時に岡山に到着するかが分かった時点でまた電話します、と言いました。もちろん交流会に参加したいですが、でも、あまりに遅すぎです。

出町柳に到着すると、10分ぐらいで特急が来るとのことでした。タイミングが良くてラッキーと思って電車に乗り込んだのですが、停車駅をよく確認せず(「東福寺駅」はJR乗り換えの駅なのだから全ての電車が止まるだろうと勝手に思っていたのです)、特急電車は無情にも東福寺駅を通り越し、10分近く走り続けるのでした。

結局次に止まった駅で下車し、だいぶ遠回りして京都駅へ到着しました。既に9時を回っています。次の岡山行きの新幹線は15分後。これでは岡山到着は10時15分になってしまう。かなりの遅刻です。駅から川端さんに電話をし、謝りました。宴会はお開きになるけれども、映画祭代表の小川さんが待っててくださるということでした。新幹線に乗ったとたん、眠気が襲ってきたのですが、ここで寝たら大変!と、ずっと起きていました。

岡山駅に到着して、新幹線の改札出口で小川さんとお会いしました。日曜日ということで早めに閉まる店が多く、今日交流会をやっていたというスペイン料理のお店に戻ることにしました。既に11時近くになっていましたが、私は到着したとたんなんだかお腹がすいてきて、結構食べましたcoldsweats01
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岡山映画祭のスタッフの皆さんは、お仕事などと掛け持ちをしながらボランティアで運営されているそうです。小川さんもNPOセンターで理事を務めてながら、映画祭の代表をされています。映画に大変詳しく(でなければ映画祭を立ち上げないのかもしれませんが)、映画制作者との親交もあり、映画作りにプロデューサーとしても関わってきたそうです。中でも、私が(こんなドキュメンタリーがあったのか!)と衝撃を受けた映画、「ゆきゆきて神軍」(原一男監督)にも関わり、山陰方面での撮影中は、原監督は小川さんの自宅に泊まっていたのだとか! 主人公である奥崎謙三さんとも面識があり、奥崎さんが元中隊長宅で長男に発砲した罪で服役し、刑期を終えて出所したときには、奥崎さん本人から小川さんに「紅白まんじゅう」が届いたそうです!!

「ゆきゆきて神軍」の映画の中では、奥崎さんが服役したというところで終わっていますので、その後がどうなったのか私は知りませんでした。小川さんによると、出所後はピンク映画などにも出演していたとのこと! 入院していた病院では看護婦さんを困らせていたとかで、やはり最後まですごい人なんだな~と思ってしまいました。ちなみに、撮影現場以外の奥崎さんはとても礼儀正しい人だったそうです。小川さんは彼の怒ったところを見た事はなかったとか(映画で観る限り、キレたら相当怖そうですよね・・・!)。

色んなお話をしていたら、気がついたら12時半を過ぎていて、小川さんにホテルまで送っていただきました。ホテルから映画祭会場へは徒歩2分ほどと聞き、明日の予定を話してお別れしました。

ホテルの部屋
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ホテル外観(翌朝撮影)
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朝9時ごろに起きて朝食をとり、10時にチェックアウトして映画祭会場へ向かいました。オリエント美術館の地下が会場です。

オリエント美術館
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会場の様子
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物販コーナー
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朝一番の作品、「小梅姐さん」を観ました。監督の山本眸古さんとは、福岡のモツ鍋屋さんで一緒に飲む機会がありましたが、作品をまだ観れていなかったので、今回観ることが出来てよかったです。小梅姐さんという存在を私は知らなかったのですが、彼女が発掘した地方の民謡、彼女の歌声は、民謡オンチの私でも知っているほど有名なものばかりでした。

受付では、映画祭側でスチール写真や上映用素材のやりとりなどを担当してくださった川端さんと初めてお会いすることが出来ました。これまで何度かメールや電話のやり取りはあったのですが、川端さんもイギリスに留学経験があり、映画を作っているということは全く知りませんでした。川端さんと、同じく映画祭スタッフの富田さんと一緒にお昼ご飯を食べに行くことになりました。

オリエント美術館から歩いて5分ほどのところにある「花食」へ。
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緑に溢れた庭があり、店内は天井も高く、ガラス張りで光が沢山差し込んできます。まるで温室にいるような雰囲気。いかにも女の子が好みそうなカフェっぽいつくりですが、夜は家庭の味を求めるサラリーマンたちで溢れるそうです。

メニューは健康志向。かなりボリュームがあったのと、話に夢中になりすぎて完食できませんでした。
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ご飯を食べながら、話題は川端さんの映画についての話になりました。イギリスに留学し、ロンドンで映画作りを学んだそうです。映画作りのキャリアは既に10年以上(19年ぐらい?と言っていたと思います)で、フィクションの作品をこれまでに7~8本作ったのだとか。もうしばらくしたら、新作の撮影に取り掛かるそうです。

私は「なんていう作品なんですか?」、「どこで観られるのですか?」、「どういうところで上映されているんですか?」と、矢継ぎ早に聞いてしまいました。フィクションであれ、ノンフィクションであれ、映画を1本作るというのは相当なエネルギーの要ることです。それが8本もあるなんて! 特集上映ができるじゃないですか!!

川端さんは、映画が完成する頃にはエネルギーを全て使い果たしてしまって、上映のために動く気力が残っていない、と言っていました。なので、これまでの作品は、主に関係者を中心に上映をしたり、DVDを配ったり、そういう発表形式が中心だったとのこと。ウェブサイトも特に持っていない、と言っていました。私が自分の作品を上映してもらいたいと岡山映画祭に連絡したときに(頑張って売り込んでるな~)と感心したのだそうです。

・・・なんと勿体無い・・・!!!!

作り終えた時点で、製作に全てのエネルギーを注ぎ込んで燃え尽きてしまうのは分かりますが、上映するための努力をしなかったら、製作につぎ込んだエネルギーが浮かばれないのではないかと思うのです。商業映画ならば、監督は製作だけに集中して、完成したら配給は配給会社に任せればよいですが、自主制作の映画は、宣伝も自分がやらなければ、なかなか人の目には留まりません・・・。それでなくとも、商業ベースの映画でも苦戦している近頃の映画業界で、ましてや自分のような無名の自主制作監督、しかも新人の映画を誰が気に留めてくれるでしょうか? それは限りなくゼロに近い。私はその大前提に立っています。だからこそ、製作以上に宣伝にも力を入れる。自主制作でもプロデューサーをつけているなら別ですが、そうでなければ自主制作作品の上映は、監督は製作だけでなく、プロデューサーもやる、そうしなければかなり難しいと思います。

とは言っても、製作と宣伝は、かなり性格の異なるもの。宣伝はいわば営業。映画制作を含むモノづくり全般に携わる人は、営業が苦手というタイプの人も多いです。しかも、努力すればするほど、その結果が目に見えて報われる製作と違い、宣伝はいくらやってもきりがないし、効果もよく分からない分野です。製作とは性質の異なる大変な作業。(宣伝しなきゃ!)と思っている私でさえも、会う人ごとに映画の宣伝をして回る勇気はない・・・。

しかし、前述したように自主製作者は、製作から上映まで自分でやるのですから、アーティストとしての側面と、営業マンとしての側面、そして社会人的な交渉力、社会常識なども兼ね備えていなければなりません。特にこの”社会常識”については三人で「必要だよね~!」という結論に至りました。まず、”挨拶が出来る”、”メールにちゃんと返信する”とか。普通そうなことに見えて、実は皆がしているとは限らないんですcatface!!

とりあえず、川端さんにはまず作品のウェブサイトを持っていただきたいと思いますhappy01!!!作品を観られるのが楽しみです!

フィクションの映画作りについても聞きました。ドキュメンタリー映画では、製作過程の中で”編集”が鍵で、それによって作品の出来がかなり左右されますが、川端さんはフィクションの場合、編集作業はそんなに大変ではないと言っていました。もともと企画したとおりの絵が撮れてさえいれば、それをつないでいくのが編集作業なのだから、と。フィクションでは、一番大切なのは、台本とスケジューリングだそうです。台本がしっかりしていれば、撮影も進行もうまく行く。でも台本をきちんと練っていないと、後で大変なことになる・・・。

スケジューリングについては、ロケ地の設定、移動、スタッフの確保、天気、役者など、予定と、現場での監督の”決断”というものがとても重要になってきます。例えば屋外で撮影していて、段々雲行きが怪しくなってきたとします。でも、ちょっと無理して決めたところまで撮影してからお昼を食べるのか、それとも、スタッフの士気が下がってきたので、ここで一端お昼を食べることにするのか・・・などなど、大小さまざまな”決断”が監督に求められます。うーーーん、聞いているだけで大変そう! 私なんてドキュメンタリーでしたから、”決断”ってそんなになかったような気がします。もちろん、撮影現場での”判断”はありますけど、基本は被写体の都合や意志で動いているので、こちらがコントロールできる部分が少ないからです。

フィクションの場合、役者さんの確保も重要です。撮影が1年とかの長期に及ぶ場合、最後まで付き合える人かどうか。もし途中でやめられてしまっては、それがメインの登場人物だった場合、その損害は甚大です。役者選びの際のポイントは、ちょっと演技が出来るとか、そういう基準ではなく、”信頼できる人”というのが大切だそうです。

これから撮りかかるという新作が楽しみです!!

お昼を食べ終え、オリエント美術館へ戻りました。いよいよブライアンの上映です。今回、映画の中に登場する日本人のご一行様の中に、岡山に住んでいる女性がいてお誘いしたのですが、上映の日はあいにく海外に出かけているということで、来られませんでした。

川端さんの挨拶
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上映の様子
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上映の後は上之町会館でのトークを予定していましたが、人数が少なかったこともあり、喫茶店かどこかで囲む会をしましょう、ということになりました。歩いて5分ほどのところにあるカフェに行きました。
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カフェでは、スタッフの方、映画を観てくださった方々とお話をしました。ブライアンについて(子どもは? 生活は? 収入は?など)や、私自身についてなども質問がありました。作品についての話も面白かったですが、特に”ドキュメンタリー映画を作ることの難しさ”についての話題が興味深かったです。

映画を作った後に、被写体の人からクレームがきた場合にどうするか、という話になりました。私は今のところ幸いにもそういう事態はありませんが、この先起こらない保証はありません。例えば、センシティブなテーマを取り扱っている場合、取材時に被写体の人がOKしてくれたとしても、後で(やっぱり嫌だ)と気が変わることもあるでしょうし、そうでなくても、完成品を観て(自分の本意と違う!)と上映中止を求める人もいるでしょう。インタビューなどの場合、インタビュー内容が最初から最後まで使われることのほうが稀ですから、大抵は大幅に編集されます。編集されて、本人の言いたいことが凝縮されたなら良いですが、前後の文脈抜きに一部だけ使われるのでは、ニュアンスが違ってしまうということもあるでしょう。

そうなった場合、どうするか? これは本当に判断の難しいところです。例えば「ここはオフレコで」と言われた部分を勝手に使ってしまうというようなことはあってはならないと思いますが、被写体の人に100%満足してもらえる映像なんてコマーシャルでない限り、まずありえないのですから・・・。

私はまだ経験が浅いですが、キーになるのは被写体の人との信頼関係ではないかなと思います。被取材者の生き方や主張に共感する・しないは別として、取材対象者に尊敬の念を持って取材・編集する。その尊敬の気持ちがあれば、被写体の人にとって辛い日常などを交えて構成されていたとしても、こちらの製作意図を納得してもらえる可能性が高いのではないかと思います。・・・なかなか難しいですが・・・

例外としては、例えば不正を図る権力者などや、批判されるべき公的な人物に関しては、正面からの取材に応じてもらえることが少ないので、ある程度強行的な取材も許されるべきだし、彼らがオフレコとしたい情報も、それが国民の生活に関わる重大なことと判断すれば、使うことも大いにありえると思っていますが、対一般人に関しては、やはり相当慎重に対応しなければならないと思います。

被写体となる個人が、その個人の辛い体験などを、世間にその問題を認識してもらうために晒しても良いという決意・覚悟を持っているならば、その体験を取材して公表することはいいですが、そうでない限り、個人の人生を踏みにじってまでその人を晒してよいのか??とも思います。この問題は、ドキュメンタリーを作る限りついて回るので、私も常に意識しておかなければなりません。

カフェで記念撮影
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カフェを出た後は、スタッフの方々と居酒屋へ行きました。
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岡山名物は「サヨリの刺身」と聞きましたが、この日は連休の最終日で、サヨリの入荷がないということでした。次回また岡山に来られる機会があれば、ぜひ食べてみたいです。
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食事をしながら、話は「監督トーク」の話題になりました。映画祭では、監督トークの際に、スタッフの方が質問をします。基本的な質問と言えば、「どういうキッカケでこの作品を作りましたか?」とか「次回作はなんですか?」と言ったものが挙げられますが、そういうことを聞くと、監督の中には「いつも聞かれてるんだけどね・・・」と言いながら話したりする人もいて、そういわれたりするとスタッフの側としてはちょっとガッカリするようです。

その気持ち、良く分かりますが、まだトークの経験が浅い私からすると、初めて映画を見るお客さんたちが知りたいことというのは共通してありますし、どこでも聞かれる基本的な質問でも、監督が何度も答えるうちに話す内容が磨かれていくと思うのです。答えてみて、お客さんの反応を見て(あ、あんまり伝わってなかったな)と思うと、次回は説明の仕方を変えたりするわけです。なので、私は同じ質問を聞かれることに対して(また~?)とは全然思いませんし、勉強になるとさえ思っています。基本的な質問を一通りした上で、あとは会場のお客さんに合わせた質問をするとか、質問者の個性を入れたひねった質問とかがあるのが、良いかもしれません。(答える側としては、アドリブに対応することが求められますがwink)。これはドキュメンタリーにおけるインタビューも同じだと思います。質問する側もされる側も、なかなかこれはテクニックのいることですが・・・!

そんなことを話しているうちに8時過ぎとなり、東京へ戻る夜行高速バスの時間となりました。スタッフのおかさんに高速バスの駐車場まで送っていただいて、無事バスに乗れました。

居酒屋で記念撮影
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岡山映画祭のスタッフの皆様、映画を見に来ていただいた皆様、ありがとうございました!

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観察者ではなく(上映会報告2009/11/22)

わくわくならしの映画祭の翌日は、朝6時に起きて京都へ向かいました。以前京都の上映会で京都へ行ったとき、京都大学で非正規職員の5年で雇い止め問題に反対して座り込みをしているユニオンエクスタシーを訪問しました。今回は、ユニオンエクスタシーが、京都大学の学園祭の企画で「国際すわりこみ映画祭」(!)を開催し、それで「ブライアンと仲間たち」も上映するということで、私も呼んでくれたのでした。

映画祭のラインナップは、ユニオンエクスタシーのドキュメンタリー「くびくび」、韓国の非正規労働の女性たちが、職場であるスーパーマーケットを占拠した「外泊」、そしてブライアン。日本、韓国、イギリスと、まさに国際的な座り込みなのですが、ユニオンエクスタシーという組合のネーミング同様、いつも面白い名前をつけるなぁと感心していました。しかも、映画祭の副題は「立ち上がれ! そして座り込め!」・・・!

ユニオンエクスタシーのブログ
http://extasy07.exblog.jp/

新幹線の中で睡眠不足を補った私は11時半ごろに京都駅に到着しました。
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京都駅から京都大学までは、JR、私鉄を乗り継いで行くことにしていました。「東福寺駅」で私鉄に乗り換えます。・・・と、小さな駅が溢れんばかりの人・人・人!! これは一体なんなのでしょうか? まるで花火大会のような人出です。
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聞くと、東福寺は紅葉の名所として有名で、この三連休で沢山の人が訪れるそうなのです。私は映画祭までまだちょっと時間があったので、ちょっと東福寺まで行って見る事にしました。(←ミーハーです)

いや~、それにしてもすごい人の数です。”風情”とかまったく・・・。添乗員に引率されたツアーのお客さんが沢山いました。
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駅には「東福寺まで徒歩10分」と書いてあったので、さっと行って見てこようと思った私でしたが、混雑でなかなか思うように歩けず、途中で引き返すことにしました。紅葉のせいで映画祭に遅れては本末転倒になっちゃいます。

東福寺から私鉄に乗り、京都大学のある「出町柳」駅に到着しました。駅から大学までは案内図などはほとんどありません。それで前回道に迷った私は、今回早めに人に聞くことにしました。ちょうど道を尋ねた二人組みが、大学のそばにある安くて美味しい食堂に行くところだと言うので、一緒に大学まで歩いていきました。

京都大学のシンボルである時計台とクスノキ。以前訪れたときはここにユニオンエクスタシーの「くびくびカフェ」がありました。時計台、クスノキ、くびくびの三点セットの光景しか知らない私には、なんだか寂しく見えます。
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なぜクスノキの下から移動したのかといえば、大学側から明け渡しの訴訟を起こされていたからだそうです。(結局、裁判の前に自ら移動したにもかかわらず、大学側は訴えを取り下げることはせず、裁判所も判決を下す、という異例の裁判となったようです)

明け渡し判決に対するユニオンエクスタシーの声明
http://extasy07.exblog.jp/11486150/

くびくびカフェ、今度は松の木のそばに移動していました。ユニオンエクスタシーのメンバーである小川さんにお会いしました。
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(↑ちなみに手前の布団カバーは、くびくびカフェでの上映時に使うスクリーンだそうですhappy01

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この日は学園祭で、出店が沢山出ていました。くびくびカフェの前には「模擬店のようですが、京大11月祭とは関係ありません」とのたて看板が。大学側からの要求だそうです。
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カフェ内に薪ストーブを発見!! 暖かそうですが、この辺で薪を探してくるのだとしたら大変です。
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映画祭の会場である、文学部の新館へ向かいました。
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映画祭の宣伝チラシが貼ってありました。
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人が段々集まってきました。
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映画祭の開始は1時からで、最初はドキュメンタリー「くびくび」の上映となっていましたが、ユニオンエクスタシーの井上さんが風邪を引いてしまって編集が出来ず、急遽、これまで撮りためた素材を解説しながら部分的に再生することになりました。
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井上さん
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小川さん
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素材の抜粋上映。完成が楽しみです!
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くびくびの抜粋上映の後は、休憩を挟んで韓国のドキュメンタリー「外泊」を観ました。この映画、5月に20分の予告編ロングバージョンを観て、500人の女性たちがスーパーマーケットを占拠し、歌い踊るという迫力の映像にとても驚いたのでした。その後東京での上映会に参加できなかったので、今回フルバージョンを観られることを、とても楽しみにしていました。

外泊のウェブサイト(キム・ミレ監督のインタビューなどもあります。必見!)
http://film.weabak.info/

「外泊」そして「ブライアン」と続けて観て、”座り込み”という共通テーマはあるとしても、その捉え方はずいぶん違うと改めて思いました。それは、韓国とイギリスでの女性の立場の違いもあると思いますが、それ以前に私としては”作り手の視線”の違いを強く感じました。「外泊」のキム・ミレ監督は、ジェンダーや労働者といった視線で作品を作り続けている方です。よって、「外泊」の座り込みの活動を、女性労働者の視点から、理想に燃えつつも、夫や家事との両立に悩んだり、彼女たちの運動が政治に利用されていく過程(男性中心の大きな労働組合や大統領選挙)を描いたりしています。

それに対し私の映画のほうは、登場してくる女性が全員シングルマザー(パーラメント・スクエアに関わる女性はそのほとんどがシングルマザーまたは独身)ということもあり、家庭との両立といった話はほとんど出てきません。また、イギリスという国自体がもともと個人主義の国で、ブライアンたちは仲間ではあるものの、各自の活動はスタンドプレーが中心です。そして何より、作り手である私の関心が”運動体とジェンダー”ではなく”表現の自由”にあります。なので、それを中心に活動を捉えていっているわけです。

とはいえ、パーラメント・スクエアの活動も現在9年目に突入しているのですから、各人の負担は多いです。彼らの生活についてや将来についてもインタビューをしましたが、私は最終的にはそれらのインタビュー内容を映画に採用しませんでした。

「外泊」の上映が終わり、詩人のTASKEさんのパフォーマンスがありました。
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最新の詩集「七転び八起き列伝」から三篇読むとのこと。・・・が、時間が押しているので二篇にして、と小川さんが駆けつけます。
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もみ合いの末、結局TASKEさんは三篇の詩の朗読をしました。このTASKEさん、後でちょっとお話しする機会があったのですが、何度かこの「国際すわりこみ映画祭」のことを「国際ロクデナシ映画祭」と言っていて、詩人だし、敢えてそういっているのか、それともただの言い間違いなのか判断がつきかね、面白かったです。

さて、そのあとはブライアンの上映。
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上映後、休憩を挟んでシンポジウムが始まりました。「立ち上がれ、そして座り込め!」というテーマでユニオンエクスタシーのお二人と、アクティビストの遠藤礼子さん、そして私の4人で、座り込みの意味、その思想と実践について徹底討論する!というものです。

遠藤さんにお会いするのは初めてでした。遠藤さんは立命館大学の元非常勤講師で、雇い止めに遭い、2007年7月に立命館大学の構内で4日間のハンストカフェを行ったそうです。ユニオンエクスタシーのお二人も、この時の遠藤さんの行動に強い影響を受け、ユニオンを結成したときに、スト=カフェと思いついたのだとか。

遠藤さんのハンストカフェの様子がYouTubeで観られます。
http://www.youtube.com/watch?v=6DTXdAcYpdU

シンポジウムの様子(左から遠藤さん、私、小川さん、井上さん)
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座り込みについて、会場の方から「我慢比べなのか?」という質問がありました。最初から意図せずとも、座り込みを始めた時点で、もしくは無期限ストライキという方針を決めた時点で、活動は長期化しがちです。よって我慢比べという側面はあります。それだけでなく、座り込みには多分に”相手に対する嫌がらせ”という側面もあります。(遠藤さんの場合、ハンストカフェをやることで雇い止めが撤回されるという期待はもともとしていなかったそうです。それよりも、ハンストカフェという行為によってその問題を広く知らしめること、大学当局への嫌がらせという目的のほうが強かった。)

ブライアン同様、ユニオンエクスタシーも「働け」とか「ハローワークへ行け」という野次があったそうです。また、京都大学のシンボルである時計台とクスノキの下でカフェをやっていた頃は、「記念写真を撮りたいからどいてくれ」と言われたこともあるそうです。ブライアンの場合、そう言って来る人たちに対して(時にはサポーターにも)、容赦なく怒鳴り散らしますが、それで支持を失っている部分もあるという話をしました。私が撮影をしていた時点でのパーラメント・スクエアの状況と現在のそれはかなり違うのです・・・。

座り込みは大変だろうけれど、だからと言って公共の場所にわざわざいることを選んだのだから、(大学当局や警察など戦う相手以外の)一般人やサポーターに対して怒鳴りつけるのは、どんな理由があってもなかなか同情されにくいと、私は思います。その点、ユニオンエクスタシーの二人は、何か言われても”暖簾に腕押し”状態で受け流しているそうなので、(そのほうがずっと良い!)と思いました。

座り込みを続けることで、自分のこれまでの生活は大きく変わります。小川さんは、「数年かけて育てたぬか床がダメになってしまった」と嘆いていました。確かに、毎日かき回さなければならないぬか床は、生活のペースが安定していることの象徴と言えるでしょう。自分だけでなく、自分に関わる周りの人への影響も大きいです。家族、友人、恋人・・・。「外泊」の中でも描かれるように、家族や社会とのつながりが”座り込み”という行為によって大きく変わってしまうのです。これに対して、ユニオンエクスタシーのお二人は「どうやって自分や周りの人への負担を減らしながら持続可能な活動をしていくべきか?」と言っていました。

私はこのシンポジウムに、”座り込みを記録した人”として呼ばれました。私以外の三人は、ハンスト、座り込みを体験した、いわば当事者です。それに対して、私は観察者という立場。シンポジウムは座り込みを含む非暴力直接行動の可能性を探るというものでしたから、観察者としての立場から、ある程度の客観性や冷静な意見を発することを期待されていたかもしれません。

しかし、私の発言や想いは、観察者としての冷静さは全くと言っていいほどなかったように思います。座り込み当事者の迷いや周りへの気遣いは分かります。でも、ハンストや座り込みなど、そんなすごいレベルのことをし始めてしまった人、やり始めてしまった人には、それが不本意だったとしても、ある程度割り切って堂々とやってほしいのです。泣き寝入りせずに、私たちの代弁者として立ち上がってくれたのだから、あとの生活面などのモロモロは(←こういっている時点で、私は理想のほうに重きを置いてしまっているのですが)周りがサポートするから! 勇気を出して立ち上がった人たちの決意を無駄にしたくない!そういう気持ちがあります。

私は座り込みこそ主体となってはやったことはありませんが、座り込みを取材し続けることで、私のほうにも予期せぬ大きな生活の変化がありました。まず一番大きなことは、座り込みを取材し続けるために、仕事を辞めたこと(仕事を1年間休職して留学していたので、帰国後は復職する予定でした)。そして、イギリス滞在期間が二倍に延びたので途中でお金がなくなってしまい、残り半年の撮影&編集作業はイギリス人家庭に居候しながら行いました。今も日本で居候中ですcoldsweats01。この先どうなるかも分からないし・・・。ってことで、状況としては、長期で座り込みをしている人と同様のことが私にも起こっているわけです。

よって、”座り込みのどこが悪い!”的に開き直った私の発言は、ある意味同じような状況に置かれている自分への言い逃れであるかもしれません。とにかく、自分の気持ちがあまりに主観的であることに、ずいぶん驚きました。

1時間半という予定をずいぶんオーバーしてシンポジウムは終わりました。外へ出ると雨がかなり強く降っていました。みんなでくびくびカフェに移動します。夜はくびくびで「外泊」と「ブライアン」を再上映するとのことで、ぜひ最後まで一緒にいたかったのですが、この日はこの後に岡山に行くことになっていて、お暇することにしました。

くびくびカフェでの上映の様子
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ユニオンエクスタシーは現在、大学当局に対し「地位確認訴訟」を起こしています。訴訟内容についての概要は下記ブログにて。裁判の行方に注目したいと思います!! 裁判傍聴など行ける方は是非行って、関心を示しましょう!!
http://extasy07.exblog.jp/11526561/

小川さん、井上さん、遠藤さん、そして映画・シンポジウムに来ていただいた皆様、どうもありがとうございました。

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どちらがハードル高い?(上映会報告2009/11/21)

21日の土曜日は、千葉県習志野市で「わくわくならしの映画祭」がありました。記念すべき第1回目の開催です! 映画祭の会期は3日間で、プログラムは初日が私の「ブライアンと仲間たち」、2日目は「つくられる自白」、3日目は「フツーの仕事がしたい」となっていました。

会場の習志野市民会館。
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私が到着したときは、ちょうど会場の設営作業の真っ最中でした。

映画祭の看板
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会場の様子。広すぎる~~~
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この建物はかなり年季が入っていましたが、駅から歩いて1分程度という立地条件のよさから、稼働率がとても高いのだそうです。会場にはプロジェクター設備がないため、映画祭3日目の「フツーの仕事がしたい」の監督である、土屋トカチさんがプロジェクターを持参してくれました。ありがとうございます!

土屋トカチ監督と言えば、先月ロンドンのレインダンス映画祭で、ベスト・ドキュメンタリーを受賞したそうです! この映画祭、私もロンドンに住んでいたときに知っていました。行く機会はありませんでしたが、とにかく映画祭のカタログ(雑誌並みの厚さ)の充実振りから察するにかなり大きな映画祭で、またプログラミングの特色としてちょっとひねった感じがある、面白そうな映画祭だったことを覚えています。ロンドンに9日間滞在して何をされたのか聞いたら「パブで飲んでた」そうです。ま、パブは交流の場ですから、それが一番面白いでしょうけれど・・・。

開場前に、地域新聞の記者さんよりインタビューを受けました。映画の内容から、どうして映画を作ったのかというお話などを10分ぐらいしました。

受付には、なんと前回の上映会でお客さんとして来ていただいた方が、スタッフとして頑張っています!! 垣内さんにリクルートされたのでしょうか・・・??
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映画の上映前に、垣内さんより舞台挨拶がありました。
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この会場は、舞台のようなつくりなので、壇上が客席よりだいぶ高いのです。上映後のトークは壇上にぽつんと私が座る形で40分ぐらい行われました。お客さんからの質問は、「イギリスのマスメディアはブライアンたちの活動をどのように報道しているのか?」、「ブライアンのディスプレイの中に森住卓さんの写真があったが、ブライアンはそのことについて何か言っていたか?」などの質問をいただきました。

質疑応答も終わり、会場は9時に撤収厳守ということでしたので、大急ぎで片づけが始まりました。

荷物をまとめて台車に載せます。この状態で徒歩5分の事務所まで運ぶとのこと。いかにも途中で崩れそうです・・・
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上映会の後は、駅前にある居酒屋で交流会がありました。
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ここは昔は喫茶店だったそうで、店内の内装も居酒屋にしてはさわやかです。そして何よりここにはカラオケが設置されているのです!
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マイク片手に順番に歌っていく地元の人たち、喫茶店の面影を残す店内と居酒屋にしては明るすぎる照明、そしてテレビに映し出されるカラオケのビデオ・・・。なんとも不思議な光景がそこには広がっていました。歌が途中で詰まると「がんばれっ!」と声援が送られます。ここで歌うのはかなり勇気が要りそうです。

お鍋
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刺身は解凍するまでしばらく待ちます。
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やがて、私たちのテーブルにも歌う番が回ってきました。私がカラオケボックスに最後に行った数年前は電話帳のように分厚いカタログから探す方式でしたが、今はカーナビのような機械で検索するのですね。
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最初にわくわくクッキングのスタッフでもある、お豆腐屋さんの木村さんが歌いました。私や土屋トカチ監督も「歌ったら?」と何度も誘われましたが、最後まで歌う勇気はありませんでした。考えてみたら、上映の後舞台に立ってトークなどをやっているのに(←いまだに得意ではありませんが)、なぜカラオケマイクで歌うことにここまで抵抗があるのか分かりません。最近の歌謡曲(と言ってる自体古いですが)は分からないし、昔歌ったことがある歌も今ではうろ覚えなので、かなりハードルが高く感じてしまうのでした。

垣内さんの島唄ブルース。十八番と聞いていただけあって、とても上手でした!
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終電は11時半ごろまでありましたが、ちょっと早めに10時半ごろにお暇することにしました。というのも、翌朝京都に向けて出発するからです。帰りは土屋監督と一緒でした。

監督のビデオを撮り始めたきっかけについて聞きました。監督は、京都から東京に引っ越してきたときに、新宿西口の野宿生活者の多さにとても驚いたそうです。そしてそのあとの強制排除についても、とても違和感を持ったといいます。それで野宿生活者に興味を持つようになり、新宿夏祭りのときにボランティアを募集していることを知って申し込み、様々な野宿生活者と話すようになったそうです。それがビデオを撮り始めるきっかけになったと言っていました。

また、組合の話にもなりました。日本でもイギリスでも、組合離れが進んでいるそうです。若い人は、組合自体知らない人も多いのだとか。ある人が相談に訪れて、労働組合で何が出来るかを説明したところ、その人はユニオンがそんなことまでできるのか?と驚いて、何度も「詐欺じゃないですよね?」と訪ねたそう。その人は上司に「ユニオンとは何ですか? 信用していいのですか?」と聞いたら、その上司は「ユニオンってことは”国連”でしょ? じゃあ、信頼できるんじゃない?」と言って逆に信用したんですって・・・!! そんな~~~!

以前垣内さんとお話していたときに、地域の方から生活相談を沢山受ける垣内さんは、「皆がそれぞれで組合を作れば、そこで解決できる問題が沢山ある。もっと組合を作っていかないと」と言っていたのを思い出しました。組合離れが進んでいるという現状はあっても、労働者の権利を守ってくれる(はず)なのは組合。雇用者側に労働条件の改善を期待するだけでは限界があります。組合に組織として弊害があるのならばそれを正して行くべきで、組合をもっと活用していくのが良いと思いました。そんなことを考えた上映会でした。

わくわくならしの映画祭、主催者の皆さま、映画を見に来ていただいた皆さま、どうもありがとうございました。第2回以降も、楽しみにしていますhappy02!!!

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ビラ配りは市民活動の基本(上映会報告2009/11/8)

11月8日の日曜日も前日に引き続いて早起きをした私は、千葉県習志野市の津田沼へ向かいました。今日は、京成津田沼駅に隣接するサンロード津田沼で午前中にトークショーを行うのです。主催してくださったのは、NGO団体の「言論・表現の自由を守る会」でした。

サンロード津田沼
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11月7日~8日の2日間、習志野を拠点に活動する市民団体が中心となり、「みんなでまちづくり」というイベントを開催しました。そのイベントで、11月7日に映画を上映していただき、翌8日は映画の試写会(前半30分)とトークショーを行うことになっていました。
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「言論・表現の自由を守る会」の垣内さんとは、夏のJCJ授賞式で初めてお会いしました。言論弾圧事件の無罪を求めるなどの活動をされています。

「言論・表現の自由を守る会」ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/jrfs20040729

垣内さんは、守る会の活動の他に8年前から毎月1回、子どもと保護者を対象にした「わくわくクッキング」という料理のイベントも開催しています。開催回数はこれまでに80回を超えるのだとか。

この日はわくわくクッキングのブースもありました。
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手作りクッキー
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ラスク(シナモンシュガーとガーリックの2種類)
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11時半になり、まず垣内さんから映画の紹介がありました。
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映画は前半の約30分。マリアのパートまで上映しました。
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上映の後は垣内さんの司会でトークショーが始まりました。映画を作ったキッカケ、ジャーナリストを志すに至った経緯、先日の沖縄・高江の訪問のことなど、話題は多岐に及びました。
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その後はお客さんからの感想や質問もいただきました。前日に引き続き映画を観に来ていただいた方からは、「この映画のことは渋谷の宮下公園のサマーフェスティバルで知った。宮下公園とは何かつながりがあるのか?」と質問がありました。その他には、「アメリカの活動は割りと知っているけど、イギリスについてはあまり知る機会がなかった」などの意見がありました。

映画の後は、垣内さんと昨日も映画を観に来てくれた方とでお話をしました。年齢も近く、高円寺の素人の乱などにも詳しいその方とは色んなお話で盛り上がりました。昨日の上映会のときに「明日は監督が来ますよ」と垣内さんに誘われて、今日も来てくれたそうです。とにかく垣内さんの行動力、特に物怖じせず誰にでも話しかける積極性がすごいのです。それで彼女の周りにはいろんな人が集まり、ネットワークが出来ていきます。

私もそんなに人見知りするほうではありませんが、「人見知りは全くしないんですか?」と聞いてみました。垣内さんは「看護師として働いていたから、全然しない」と言っていました。確かに看護士さんという職業は、患者さんに自分から積極的に声を掛けていくのですからね。なるほど、と思いました。

垣内さんは10年ほど前に習志野に引っ越してきたそうです。それまでは看護師の仕事がハードなため、休みの日は寝て過ごしていたそうですが、知り合いのお子さんが踏み切り事故で亡くなったときに、街づくりで防げたはずだという思いで立ち上がり、安全なまちづくりのために活動し始めたのだとか。いざ活動を始めると、街の中が安全やバリアフリーとは程遠いような状態であることに驚いたそうです。

街づくりの活動から始まって、今は「言論・表現の自由を守る会」の活動。どうして表現の自由を守る活動に至ったのかを聞いてみました。キッカケは2004年におきた堀越事件でした。社会保険庁の堀越さんが、休日に政治的なビラを配ったことが「国家公務員の政治活動を禁止している国家公務員法・人事院規則に違反する」として逮捕・起訴された事件です。

堀越事件について、詳しくは「国公法弾圧を許さず言論表現の自由を守る会」のホームページをご覧ください。
http://www.geocities.jp/kokkou_horikoshi/index.html

この事件を知った垣内さんは、市民活動をする上でビラ撒きは当然認められるべき行為と考え、表現の自由を守るために仲間とともにNGOを立ち上げたそうです。

垣内さんは守る会の活動の他に、地域の人々から相談も受けています。最近は特に高齢者の生活不安の相談がとても多いそう。一体どうやってこれらの活動を切り盛りしているのか、想像するだけで大変そうですが、垣内さんは更に映画祭まで立ち上げてしまったのです!!

その名も「第1回わくわくならしの映画祭」。来る11月21日(土)から三日間、習志野市民会館で開催します。初日は「ブライアンと仲間たち」、2日目(日)は「つくられる自白~志布志の悲劇~」、3日目(月・祝)は「フツーの仕事がしたい」が上映されます。各日、映画の上映とともにトークも予定されていますので、ご都合のつく方は是非!!

映画の上映会をたった1日でも企画するのはとても大変なこと。それを3日間、しかも”映画祭”を立ち上げるなんて、それはもう、ものすごいパワーのいることです。でも、「まだまだやりたいことが沢山あるけど、とりあえず出来ることから」と言ってのける垣内さん・・・すごいです。映画祭が今から楽しみhappy01

「みんなでまちづくり」イベントは上の階でもやっていると聞き、6階に上がってみることにしました。6階へと続く階段の踊り場では、習志野市原爆被爆者の会の原爆展がありました。
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6階には「言論・表現の自由を守る会」の展示
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大会議室では、様々なワークショップも行われていました。
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私は松ぼっくりのクリスマスツリー作りに挑戦! 

まず、好きな形の松ぼっくりをひとつ選びます。
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ペットボトルのキャップに綿をボンドで貼り付け、その綿を台座にして松ぼっくりをボンドで固定します。乾くまで輪ゴムで押さえます。
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白のスプレー缶で”雪”を表現することも出来ます。
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ポスカペンで色を塗っていき、ボンドでビーズなども付けます。
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完成!!
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イベントは4時に閉会となりました。昨年の来場者は800人近くあったそうですが、今年はインフルエンザ流行のため外出を控える親子が多く、今年の入場者数はどれぐらいになるだろうと話していました。このインフルエンザ、きっと色んなイベントで影響しているのでしょうね・・・。

帰りに、わくわくクッキングの手作りお菓子と、垣内さんのご兄弟が信州で作られているというリンゴをいただきました! とても大きくて甘いリンゴでした。どうもありがとうございます!!
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今回の上映会を企画してくださった垣内さん、上映会、トークショーと来て頂いた皆さま、ありがとうございました!また「わくわくならしの映画祭」でお世話になりますが、よろしくお願いします!!

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インターナショナル・ウィーク(上映会報告2009/11/7)

11月7日の土曜日は、東京三鷹市にある私立の明星(みょうじょう)学園高校で映画の上映をしてもらいました。毎年この学校では「インターナショナル・ウィーク」として1週間、留学生との交流や国際的なトピックについて学ぶ機会を設けているそうです。今年は「戦争と平和」がテーマで、それに合わせて自治会主催で私の映画も上映されることになりました。

インターナショナル・ウィークの最終日であるこの日は、午前中が平和に関するスピーチコンテンスト、午後に映画の上映とディスカッションをすると聞いていました。

私の場合、普段の生活で午前中に何かするということはまずありません。学生や社会人の人が聞いたら怒られそうですが、旅行以外は大体9時過ぎに自然に目覚めるというスタイルで生活しているのです。しかし、この日は学校の行事。8時半から開始すると聞き、(朝からなんて元気な人たちなんだ!)と驚いてしまいました。私も寝過ごしては大変と、その前の日は夜10時ごろ就寝。なかなか寝付けませんでしたが、なんとか朝6時半に起きることが出来ました。

8時半に、PTAの是恒さんと吉祥寺駅で待ち合わせをして、歩いて15~20分ほどで明星学園高校に到着。

学校の入り口
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インターナショナル・ウィークらしく、校舎には様々な国旗が飾られていました。
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体育館でスピーチコンテストが行われていました。この学校は私服なので、みんなの服装は様々です。中には”制服”のようなものを着ている子もかなりいました(特に女子)。この服装、”なんちゃって制服”と呼ぶのだそうですがどこで買うんでしょうね?? 私自身は制服のある学校でしたので、「制服は嫌」とか「制服は楽」(服のローテーションを考えなくて済むから)などと思っていましたが、私服の学校では逆に制服のようなものを着たがったりするのでしょうか? どういう気持ちからかは分かりませんが、面白いなと思いました。
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日本人の生徒は英語でスピーチをしていました。みなさん、とても流暢な英語でのスピーチです。スクリーンにパワーポイントで日本語訳が表示されていて、私の高校時代とは隔世の感がありました。留学生は日本語でのスピーチ。アジア、ヨーロッパ各国から留学生が学んでいます。戦争と平和をテーマに、日本人の学生の中には被爆した経験を持つ祖父の話をする人、留学生は自分の国の歴史と今の現状などを話していました。

スピーチの間、インフルエンザ予防のため、先生がマスクの入った箱を持って歩きながら皆に配っていました。

スピーチコンテストの後は、タイ、ドイツからの留学生によるダンスが披露されました。
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ダンスの後は、私もスピーチをすることになっていました。事前に聞いてはいましたが、スピーチはこれまでほとんどやったことがなかったので、どうしよう!と思っていました。普段、映画の上映の後に「トーク」はやっていますが、これは映画を観た人を前提に、映画にまつわる話をします。でも、スピーチの場合は皆が同じテーマ(今回ならば「戦争と平和」)で、自分なりの切り口で話すので、トークとはちょっと勝手が違います。

映画の上映で呼ばれたのだからブライアンについて話すことも出来ましたが、私は話す時間も限られているのだからどこまでイギリスのことを説明しきれるか分からないし、聞く人たちがもっと身近に感じられるようにと、日本の話題を選んで話すことにしました。

ずらっと並んだ生徒たちを前に、壇上に立つと緊張してきました! 声がちょっと息切れした感じになり(これはマズイ!)と思いながら話しました。
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でも、途中からなぜか緊張がほぐれ、後半は普通に話せました。こういうのも”馴れ”なんでしょうか? 分かりませんが、改めて母国語以外の言語で堂々とスピーチをしていた、スピーチコンテストの参加者はすごいな~と思いました。

スピーチコンテストの結果が発表され、その後は各クラスで平和に関する授業をすることになっていました。社会科の川手先生についていって、あるクラスの授業を見学させてもらうことになりました。1コマの授業の中で、3人の先生が20分ずつ話すという内容です。

最初はアメリカと日本のハーフの先生。米軍に勤める父親と沖縄出身の母親を両親に持ち、沖縄の歴史、混血児としての経験を話しました。基地の中で生活している分には守られているけれども、一歩基地の外に出ると混血ということでいじめられ、石を投げられたりもしたそうです。就職でも差別され、バブル景気の時になってやっと仕事につくことが出来たと話していました。
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次はスイス人の先生でした。まず、ヨーロッパの中でのスイスの地理的な位置の説明から始まりました。それから、スイスが永世中立国になるまでの歴史を説明。スイスは中立国といえどもそれは軍事力を持った中立国である、と話していました。川手先生が軍事力を持った中立国ということで、日本の自衛隊についてどう思うかと質問していました。スイス人の先生の答えは、時間が足りずに詳しくは答えられませんでしたが、「自国の防衛のためならば自衛隊はOKだと思う」というものでした。”自国の防衛”・・・この定義でこの国はずっともめているわけですが・・・。もっと詳しく聞きたかったね、と川手先生は話していました。
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最後の先生はインドの方でした。”平和”について、”心の平和”という視点から語るというユニークなものでした。先生はまず人間の脳の仕組み、特に”記憶”の仕組みについて話しました。試験のために嫌々覚えた記憶は、試験が終わるとすぐに忘れてしまう。でも、小さな頃に覚えた童謡などは、大きくなった今でも歌える。いかに楽しみながら記憶をする作業が大切か、と説明しました。また、せっかく覚えた知識でも、テストのときに緊張してしまっては、脳が硬直して活用できません。心の平穏を保ち、脳がフル活用されるように持っていくこと、そのトレーニングには”ヨガ”が一番、と話していました。さすがヨガの本場インド。先生の話にもそのお国柄が表れていました。
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授業の後は、学食でお昼ご飯を食べました。今週のメニューが壁に張られていましたが、今週はインターナショナル・ウィークということで、メニューも国際色豊かです。
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トレイを持って、自分の順番を待ちます。
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この日の日替わり定食はタコライスでした。美味しかったです!
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お昼ごはんの後、1時から上映会をすることになっていました。上映会場は、体育館の建物の中の、半地下の部屋です。
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上映会はインターナショナル・ウィークイベントに合わせてやるものの、午前中のスピーチコンテストのような生徒が全員参加するものではありません。川手先生と自治会の学生さんたちが中心となって企画してくれた上映会でした。午後は帰宅したり、部活動をやる人もいるから、どれだけ来てくれるかなと話していました。

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1時を過ぎて上映会が始まりました。スクリーンはなく、コンクリートの壁に直接プロジェクターで投射する方式でしたが、映像はきれいに映っていました。

上映の様子(是恒さんよりいただいた写真)
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上映の後は、椅子を輪になるように並べ、車座になってディスカッションをしました。学生さんたちが一人ずつ映画の感想を話していきます。「ブライアンは強い人だなと思った」、「日本ではブライアンたちのような活動は難しいのでは?」、「平和活動をしている人たちは、自分たちは偉いんだと振舞ってしまいがちではないか?」など、色んな意見が出ました。自治会のメンバーからは、「今の自分たちは、人を殺すっていうのが、何でいけないのか?っていうレベルからまず話し合わないといけないと思う」、「平和について語り合うことは大切だけど、そういうイベントをやってもなかなか人が集まらないのでは?」という意見も出ました。「個人主義が横行していて、他人のことを気にしない人が増えている」とも言っていました。

ディスカッションの様子(是恒さんよりいただいた写真)
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私は、普段の上映会は社会人がほとんどなので、高校生の意見を聞く機会が持ててうれしかったです。一通り感想を話したあとは、意見・質問などを自由に話していく形式で学生、保護者、先生などが話しをされ、あっという間に時間が過ぎました。

私は上映会の前の打ち合わせで「早川さんのほうから何か学生に質問したいことはありますか?」と聞かれ、その場では思いつかなかったのですが、あとで「今の高校生にとって”戦争”と言ってまず思い浮かぶのは、”太平洋戦争”なのか”9/11”なのか?」を聞きたかったなと思いました。太平洋戦争から60年以上が過ぎ、戦争の体験者から話が聞ける機会はますます少なくなり、修学旅行で広島や長崎を訪れる学校も減ってきているという状況の中、今の高校生にとって戦争はどういう風に捉えられているのだろう?と思ったからです。ディスカッションが活発に行われている最中は、それに夢中で忘れてしまいましたが・・・。また話す機会がもてたときには是非聞いてみたいです。

イベントが終わり、その後は川手先生と保護者の方たちでご飯を食べに連れて行っていただきました。

お刺身の盛り合わせ。”食に絶望した国”イギリスではまず食べられないものです・・・。
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居酒屋に着いたのは5時ごろ。私は今日一日、如何に盛りだくさんだったかと振り返っていました。朝8時半から活動するとこんなに色々できるのだ、と感心しつつ。食事をしながら、川手先生はどんなスケジュールで働いているのかを聞いてみました。

先生によると、大体一般的な先生の一日というのは、朝8時ごろの出勤から始まります。生徒に配布する資料の印刷のため、コピー機はその時間帯かなり混雑しているそうです。8時半からホームルーム。生徒の出席をとります。8時40分から授業が始まり、午後4時ごろ(?3時半だったかも)に全ての授業が終わる。

・・・といっても、それで先生の仕事も終わる訳ではありません。夕方は部活動の顧問として練習に付き添います(大抵どの先生も部活動の顧問をやっているそう)。部活動の終了後は翌日の授業の準備のため2時間ほど残業する先生もいます。準備が終われば、やっと帰宅できるのですが、先生の中には自分の教科の研究会などに所属している人もいて、夜はその学習会に出かけたりするそうです。・・・となると帰宅は夜遅く。土曜日も学校の授業があり、日曜日は部活の試合があれば先生も引率者としてそれに出かけます。

うーーーん、これでは1週間のうちで”完全オフ”と言える日はないに等しいのではないでしょうか? 大変だなぁ! しかも先生という職業は残業代も出ない(!)そうで、「好きじゃないとやってられないよ」と言っていました。・・・確かに。

労働時間の長さだけでも大変そうですが、教育現場を巡っては公立高校を中心に、ゆとり教育の導入→最近の見直しの流れ、保護者との関係、給食費の不払い問題、そして国旗掲揚・国歌斉唱など、あらゆる問題が山積みとなっています。最近のインフルエンザの大流行だって、学校にとっては重要な問題です。私立はどうなのでしょうか? 聞いてみました。

私立の学校教育は、公立とは違ってずいぶん自主性が認められているそうです。例えば、教科書も学校独自で決められますし(教科書を学校自前で作成したりもする)、明星学園の場合は教え方に関しても独自の方法を取り入れています。(中でも、タイルを使った算数の学習法「水道方式」が有名で、大手書店で明星学園の教科書が販売されているそうです)。

国旗掲揚・国歌斉唱に関しても、公立校のような強制はないそうです。その背景には、もともと私立学校には宗教系の学校も多く、その教育理念から国旗・国歌に対する抵抗感が伝統的に強いという事情もあるそうです。なので、明星学園の生徒の中には「君が代知らない」と言っている人もいたほどです!

私が中学・高校生の時は、学校選びにさほど重要性を感じていませんでしたが(通学時間、進学率ぐらいしか注目していませんでした)、どの学校で教育を受けるかというのはずいぶんな違いがあるのだと思いました。今後は少子化にあわせて、学校側もどんどん独自色を打ち出して生徒を募集するでしょうから、その違いはますます大きくなっていくのかも知れません。

あっという間に時間が過ぎ、お開きとなりました。川手先生は翌日は朝から留学生を観光に連れて行くとのこと。やっぱりオフではないんですねcoldsweats01

上映会を企画してくださった川手先生、自治会の学生さんたち、映画を観に来てくれた方々、そして最初から最後まで面倒を見ていただいた是恒さん、どうもありがとうございました!

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地域の拠点に(上映会報告2009/11/3)

11月3日の文化の日は、岐阜県大垣市で上映会がありました。9条の会・おおがきが今回の上映会を主催してくれました。9条の会・おおがきでは、西濃法律事務所を活動の事務所として、これまでに反戦、人権問題などを考える上映会や講演会などを企画しています。

9条の会・おおがき 活動ブログ
http://blogs.yahoo.co.jp/jog9_staff

上映会は夕方6時からでしたので、お昼頃に自宅を出ました。まず、東京駅から東海道新幹線に乗って名古屋へ。

名古屋からは東海道本線で大垣へ。
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快速電車ならば、30分ほどで大垣へ到着。
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大垣駅前の様子
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大垣に到着したのは4時過ぎ。上映会前に軽くご飯を食べることにしました。駅ビルに手打ちうどんのお店をみつけて入ります。

だし醤油かけうどん。
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あらかじめ駅前のホテルにチェックインして、今日の上映会のアレンジをしてくれた船田さんと待ち合わせをしました。車で会場の「ソフトピアジャパン」へ向かいます。ちょっと変わった名前ですが、「中部圏のIT拠点」を目指して作られた情報産業団地だそうで、高層の巨大ビル郡がそびえたっています。しかし、駅からは離れていて、交通の便も良くはなく、けっして有効活用されているとは言いがたいようです。

ビルのデザインはかつて東京都知事にも立候補した黒川紀章氏。
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建物の中に入ると、織田信長の銅像が! 思わず記念撮影。
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(ちなみに岐阜駅前には、更に巨大で金ぴかの織田信長像があるらしい・・・!)

「岐阜県の負の遺産」と揶揄されてしまうほど、この施設には沢山の税金が使われたそうなのですが、この建物郡の立派さとは対照的に、駅前の商店街は文字通りシャッター街となって寂れていました。かつて大垣は紡績業が盛んで、日本の大手紡績会社の工場があちこちにあったそうです。働き口を求めて、九州や東北地方などから沢山の人が移り住んで、それらの工場で働いていました。しかし、工場の海外移転が始まり、現在ではかつての紡績工場は巨大なスーパーに取って代わっているそうです。巨大小売店に人が流れ、駅前の商店街はすっかり寂しくなってしまったのだとか。

名古屋が通勤圏でもある大垣市では、トヨタ自動車の下請企業も多くあり、この不況で日本人・外国人労働者(ブラジルなど)の派遣切りが問題となっているそうです。そのため西濃法律事務所でも、派遣切りについての相談を多く受けており、反貧困問題に積極的に関わっていると聞きました。

西濃法律事務所も関わっている「ぎふ反貧困ネットワーク」
http://gifuhanhinkon.web.fc2.com/

さて、上映開始30分前になり、上映会場であるセミナーホールを開けてもらって、サウンドチェックをしました。200名収容の素晴らしい設備にビビリます。
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会場へ向かうバスは1時間に1本しかないそうですし、上映終了後にはバスも終わってしまうそうなので、車が無いとまず無理。こんな大きな会場でどれだけ来てくれるのかと、今更不安になりました。

それでも、段々とお客さんが来てくれました。中には、9月のあいち国際女性映画祭でお会いした山田さんが自転車で駆けつけてくれました。中には、名古屋から来てくださった方もいました。寒い中、ありがとうございます!!
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船田さんによる始まりの挨拶。大体70~80人弱の方が観に来てくださったそうです。ありがとうございました!
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船田さんが、「イベントのとき、主催者側は多く人が来ているようにみせるために、お客さんにまとまって座ってくれるようにお願いしたりする。でも、大垣の人はみんなバラバラ」と言っていたのが面白かったです。なるほど、パブリシティー用には多く見えたほうが良いですものね。でも、観るお客さん側としては、ゆったり座れた方が楽ですものね!

上映後のトークでは、大体20分ぐらいと言われていたにもかかわらず、30分以上話してしまいました。質疑応答が4分ですって! 大変!!

時計を手元に置いて話すべきでした・・・
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結局4分という制限時間を大幅に過ぎて質疑応答が行われました。「今後の予定」、「イギリスと日本の平和活動の違いをどう見るか?」、「クレジットに出てくる監督とは別の早川という名前は誰か?」、「修学旅行で最近広島や長崎へ行かなくなっていることをどう思うか?」などの質問をいただきました。

映画のDVDも沢山買っていただきました。ありがとうございます! 写真はサイン(?)をしているところですが、現在のところ付加価値はほとんどないためcoldsweats01、今後価値が上がるよう頑張らないといけません!
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上映会後は、スタッフの皆さんと創作和風居酒屋へ。
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創作料理の数々
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今回、上映会のアレンジなどをしてくださった船田さんは、ご主人は農業をされているそうです。交流会では、農業の話になりました。名古屋から大垣に向かう車中からは田んぼが沢山見えましたが、現在、農業を続けること、とくに兼業農家として農業に従事することはますます難しくなっているのだとか。会社勤めで長時間会社に拘束されては、農業は出来ません。今でも兼業農家としてやっている人たちの多くは、公務員、教員、郵便局員、もしくは農協職員などの比較的時間を持てる人がほとんどだそうです。

農業の人手が足りない、日本の食料自給率を上げよう、と、政府は新規就農人口を増やそうとしています。派遣先の工場をクビになった人たちを、巨大な農業会社へ就職させようとする。でも、それでは工場での労働と全く同じで、作物を作る厳しさや喜びなどを味わえる体験とは程遠いのが現状です・・・。

ところで、交流会にはKen Koshioさんというミュージシャンの方も来ていました。アメリカ・アリゾナ州で活動しながら、時々日本に戻ってきているそうです。ストリート・ミュージシャンとしての経験も長い彼は、ブライアンの路上での活動について「彼には覚悟がある」と言っていました。

Kenさんは、音楽活動の傍ら、アメリカの子供たちに日本文化を教えたりもするそうです。特に原爆について話題にしたときは、アメリカと日本の感じ方の違いを強く感じたのだとか。国というフィルターを通して情報が伝えられているのですから、原爆、原爆投下の是非などについて、感じ方に違いが起こります。特に、アメリカの場合、一部の大都市を除いて大多数の地域では自分の国の行いが誤っている・いたとは全く思わないようで、説明するのに苦労したと言っていました。

ロサンゼルスにあるリトル・トーキョーの話にもなりました。明治時代に移民としてアメリカへ渡った日本人たちが作った日系人のための町。私は行ったことがないのですが、そこには不思議なニッポンが存在するそうです。

現在では、日系三世、四世などの時代になり、苗字はかろうじて日本の姓ではあるものの、日本語はかなりカタコトだったりします。でも、カタコトのわりにはトイレのことを「ご不浄」などと、現在の日本人でも知らないような言い方で言ったりするのだとか! 「日本」の姿は、移民として渡った明治時代の当時のまま、日本人としてのアイデンティティーが不思議な形で継承・変化しているのでしょう。そういえば、私も以前日本で日系ブラジル人の方と会った時に、私と同年代にしてはどうも古びた名前の人で、(あれ??)と思ったことを思い出しました。リトル・トーキョー、私も訪れる機会があれば是非行ってみたいです。

911事件の当時、カリフォルニアにいたKenさんは、あらためてアメリカと日本の平和について考えるようになり、それ以降はアメリカ、日本で平和活動やライブなどを行っているそうです。

さて、ブライアンといえば、「大垣のブライアン」(!)との異名をもつ近藤ゆり子さんともお話が出来ました。9条の会・おおがきの世話人であり、徳山ダム建設中止を求める会の事務局長もされていて、「寝るのと食べるのが嫌い、時間がもったいない」というほど精力的に活動をしています!

徳山ダム建設中止を求める会ウェブサイト
http://www.tokuyamadam-chushi.net/

1日に出すメールの数は50~60通以上、その他にブログも書き、本まで出版されたとのこと・・・これでは確かに寝ていられないでしょう・・・!

あっという間に時間が過ぎ、11時ごろにお開きとなりました。考えてみれば、翌日は平日(=会社勤めの方はお仕事)・・・。遅くまですみません、そしてありがとうございました!
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ホテルへ戻ると、女性二人組がフロントで宿泊交渉をしていました。もう夜中なので、ホテル側としても空き室にしておくくらいなら値引きしてでも泊まってもらった方が良いのでしょう。それでも、交渉は双方の主張が難航して、結局2名でシングルルーム1泊8800円ということで決着したようです。定価よりだいぶ安い値段。(こんな交渉もアリなんだ・・・)とか思ってしまう私がいました・・・。でも、深夜まで宿が決まらない状態っていうのも精神的ストレスですよね? なので、これは最後の手段として持っておきたいと思います(←やっぱり挑戦する気なんだ・・・)。

翌朝は早めに起きて朝食とチェックアウトを済ませ、9時に船田さんと近藤さんが迎えに来てくれました。大垣市内を案内してくださるとのことです。「水の都」として知られる大垣には、市内のあちらこちらに「自噴水」が見られます。少し掘るだけで、水が湧き出てくるのだそうです!

八幡神社の「大垣の湧水」
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ペットボトルに湧水を汲みに来ている方もいました。
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住吉燈台と船町港跡
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市内を案内していただいた後は、9条の会・おおがきの事務所でもある、西濃法律事務所へ向かいました。

事務所のビル
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入り口には映画のポスターが貼られていました!
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中に入ると、事務員さんたちはお仕事の最中でした。弁護士の先生たちはもうちょっと後で出社するとのこと。何しろ、弁護士の先生方は夜2時過ぎごろまでお仕事をされるのも珍しくないのだとか! 日常の弁護士業務だけでも相当大変だろうと想像しますが、この事務所の場合、複数の弁護士が所属する法律事務所なので、物事を決めるためにミーティングも頻繁に行われます。ミーティングが終わって夜に接見、更に事務所に戻ってから資料作成。そうすると日付は既に変わっている・・・。決して”ワーキング・プア”ではないのでしょうが、かなり体力勝負の激務なんですね!

法律事務所は大抵、裁判所の近くや大都市に多く集中します。西濃法律事務所は、大垣にも弁護士事務所が欲しいという呼びかけに応じて、大垣へやってきたそうです。事務所を支えて地域の交流の拠点とすべく「友の会」を結成して、市民のための法律講座(「交通事故にあったら?」などの身近な問題)を開催したり、9条の会、さらには会員同士のゴルフまで、と幅広く活動しています。

相談者(弁護の依頼人)も「友の会」の会員になっているのは、全国的には珍しいのではないか、とのことでした。船田さん曰く、「地域の横のつながりを特に重視している」のだそうです。地域で阻害されてしまっては、社会復帰はますます難しくなってしまうからです。2008年から現在の場所で事務所を構えているそうですが、地域の交流の拠点として発展していってほしいと期待しています!

11時の高速バスで東京に戻る予定でしたので、10時ごろに事務所をおいとまして大垣から名古屋へ向かいました。

東海道線の車内にて。船田さんから頂いたお米が座席に鎮座しています! わ~、自家製のお米なんて感激です!! 頂くのが楽しみhappy01
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夕方に自宅に無事戻りました。今回の上映会をアレンジしてくださった船田さん、9条の会・おおがきのみなさま、寒い中映画を見に来てくださった皆様、どうもありがとうございました!

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