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いよいよオープニング!トルコ映画祭②(映画祭報告2009/12/3)

12月3日は、夜に映画祭のオープニング・パーティーがあるということでした。それまではだいぶ時間があるので、朝10時ごろに起きて、旧市街にある「グランド・バザール」へ行くことにしました。ここは、約4400軒以上ものお店が集まる、中近東最大規模のマーケットとして有名な場所です。

グランド・バザールの入り口
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マーケットは屋根つきで、宝石、絨毯、アンティーク、雑貨、食堂など、大まかなカテゴリーごとにある程度まとまっています。
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ランプなどを売る店
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マーケット内には、通りごとに名前がついていて、それで今自分がどこにいるのか把握します。あまりにも広大すぎて、マーケットというより、それ自体が既に街と言っても良いくらい。
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ネコがアラビア風のスリッパの上にちょこんと座っていました。マーケットを見渡すと、結構犬やネコをお店で飼っている人の率高し。
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日本では、「夜遊びのシメはラーメン!」という人は多いですが、ロンドンの夜遊びではなぜか「ドネルケバブ」という人が多いです。というのも、夜間は閉まる飲食店が多い中で、ケバブの屋台は朝までやっているところが多いため。私もロンドンでよく食べました。本場トルコのドネルケバブのお味は如何に? ということで、ケバブを食べることにしました。
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ロンドンの屋台もトルコ人がやっているみたいでしたが、いやいや、本場の美味しさとボリュームにはかないません! 写真を撮り忘れてしまいましたが、美味しかったです。

ところで、屋台の小さな椅子に腰掛けて食べながら思ったのですが、このグランド・バザールに限らず、どこのお店もやたらに従業員が沢山いるのです! 例えば、このケバブサンドのお店なんて、店舗スペースはたった6畳程度。そんなに繁盛しているようでもありません。なのに、一つのケバブを作るのに、肉を削る人、野菜をサンドする人、出来上がったサンドを紙に包む人、お客さんを座席に案内する人、サンドをテーブルまで運ぶ人、お会計をする人、そして何もしないで、傍らに立ってチャイを飲みながら世間話をする人(←でもお客さんではなく店員らしい)etcと、6~7人の店員がいるのです。日本だったら、この程度の仕事の規模だったら、きっと一人で任せ切りになるところも多いでしょうし、もっと忙しい仕事でも一人でやらされるはずです。

私はイスタンブール市内を歩いてまだ2日ほどしか経っていませんでしたが、市内に野宿者の姿が少ないのに驚いていました。全体的な経済状況は日本のほうが良いかもしれませんが、街にいる野宿者の数は、東京やロンドンのほうが圧倒的に多いように感じました。その一因として、(給料は決して多くないだろうけれど)親戚や家族でお店を経営して、人は十分足りている状態でも、雇って働かせているのではないか? と思いました。沢山の人が働くことで、一人一人のもらうお金は少なくなってしまいますが、その分食いっぱぐれる人も少なくなる。こういった背景も野宿者の数に関係しているのではないか、と思いました。

(後からトルコ人に聞いたところによると、トルコの場合は、大都市以外がとても貧しいのだそうです。イスタンブール以外の都市(特に東側のイラクやイランと国境を接する山岳地帯で、クルド人が多く居住する地域)の貧しさは尋常ではなく、電気も水道も通らないような地域で暮らす人が沢山いるとのことでした)。

食べ終わって、ブラブラとお土産探しをしました。”交渉”が全てのマーケットでは、品物に値札はついていません。どう見ても観光客にしか見えない私は、かなり高めの値段を吹っかけられます。それでも粘って値下げ交渉。お店の人は片言の日本語を話す人も多くて、どこで覚えたのか「バザールでござーる!」とか「持ってけ泥棒!」とか突然言うので笑ってしまいました。言ってる本人は意味分かっているのかなぁ???

クッションカバー、アップルティー、携帯ストラップ、ブレスレットなどを購入しましたが、あとで街角のお土産やさん(こちらは値札がついています)のほうがずっと安いことを知ってがっかり。やっぱり交渉というのは、相場の値段をきちんと知っておかないと無理ですねbearing。高いといっても、それでも日本円に換算してみたら、凝った刺繍が施されたクッションカバーが500円とか、かなりお買い得なのですが。

良質のせっけんを売る店を見つけ、あれこれ物色していたら、日本語で声をかけられました。仕事をやめ、1ヶ月かけてエジプト→トルコ→インドと一人旅をしているという多恵美さん。一緒にお茶を飲みましょう、ということになりました。
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手前にあるグラスに入っているのがチャイ。どこでも大抵ガラスのコップで出されます。熱くて持てないので、大抵多恵美さんのように上のほうを持って飲みます。サイズは小さめで値段も50円程度と手ごろ。これを一日に何杯も飲む。
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多恵美さんは、医学部を卒業して、お医者さんとして働いていたそうですが、その仕事をやめ、来年からはオーストリアのウィーンで生活するそうです。以前、ウィーンに留学していたときに、現在のボーイフレンドと運命的な出会いをし、婚約したのだとかheart01 おめでとうございます!!shine

お茶を飲んだ後は、またマーケット内を巡りました。
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大体お土産も買い終わりました(気がついたら必要以上に買っていました)。多恵美さんがこの近くの魚市場に行くつもりだといっていたので、私もそれについて行くことにしました。20分ほど歩いた海沿いに魚市場がありました。

魚市場。日本では見かけないような魚も。
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魚市場の人たちは、とても人懐こくて、「一緒に写真を撮ろう!」とか声を掛けてきます。(魚売りつけられても、持って帰れないから!)と思いつつ、写真を撮ります。
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ロンドンでもありましたが、「なぜか日本人に人気」という商品があります。トルコでもそれは同じで、「さばサンド」が日本人に人気なのだそうです。さばサンドとは、文字通り、焼いたさばをパンにはさんだもの。私たち日本人が歩いているのをみて「サバサンド!」と声を掛けてきます。

サバサンド売りのお兄さん。
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恐らくこういった現象はガイドブックの功罪であると言えるでしょう。たまたまガイドブックに取り上げられたのを見て、旅行者は(現地の人たちにとってはこれが定番なんだ!)と思いこみ、それを探し求める。でも実はその食べ物や名所は、地元の人はほとんど見向きもしないようなものだったりする・・・こういった現象がおきているのだと思います。

夕方になり、多恵美さんとわかれて、私はいったんホテルに戻りました。買いすぎたお土産をホテルにおいて、映画祭のオープニング・セレモニーのため新市街へ向かいます。タクシム広場でオズギュンと待ち合わせをして、セレモニーの会場へ行きました。

セレモニー会場。なにやらゴージャスな雰囲気。ひゃ~、ジャージにチノパンなんかで来ちゃったよぉ~、と今更後悔。
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あまりにカジュアルな服装で入り口で止められたらどうしよう、とビビリつつも、何とか入り口はスルー出来ました。既に中は結構な人で、フリードリンク、チーズやオリーブ、サンドイッチなどの軽食が用意されていました。レセプションで腹ごしらえをした後は、オペラハウスでオープニングのセレモニーと、コンサート、そして映画の上映があるとのことです。
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映画祭のスタッフ:オズギュン、ハリルと。
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(もしかして開催されないのではないか?)とさえ思った映画祭ですが、こんなに盛大にオープニングパーティーが行われ、トルコの公共メディアの取材も沢山来ていて、かなり大規模なものであることが分かりました。

ゲストにはそれぞれインフォメーション・パックというものが渡されました。ファイルを開くと、中には映画祭のカタログ、映画祭スタッフの連絡先、各上映会場の地図などの情報が入っていました。
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映画祭のカタログもかなり立派な冊子です! 全上映作品のあらすじ、監督のプロフィール、配給の連絡先などの情報が載っています。
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私のページはこんな感じ!
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でも、肝心なプログラムがありません! 一体映画はいつ、どこで上映されるのでしょうか? そう思っていると、大量の紙束を抱えてやってくるスタッフの姿が見えました。刷り上がったばかりのプログラムが運ばれてきたのです! それをスタッフが三つ折にしつつ配っていますcoldsweats01

プログラムはA3サイズ。表面にはスポンサーのロゴなどが印刷されています。
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裏面には上映スケジュール。8日間7会場でのスケジュールがびっしりと!
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自分の映画がいつ上映されるのかを探すのは至難の業でしたが、7、8、9日の合計3回上映されることが分かりました。週末だけ、映画制作を手伝ってくれたポールがイギリスからトルコにやってくることになっていましたが(イギリスとトルコは4時間ほどのフライト時間なのです)、7日以降の上映だと彼は残念ながら見られません。あらかじめポールの滞在期間も映画祭側には伝えていたのですが、色んな混乱にまぎれて調整はされなかったようです。

レセプションパーティーでは、他のゲスト監督たちとも話すことができました。ブラジルとポルトガルの女性監督。挨拶もそこそこに、彼らは「昨日になってやっと映画祭から連絡が来て、どこに泊まるか教えられたのよ!」とか「上映用のテープを送ってほしいと言われたから送ったら、その後全然音沙汰がなくて、今日になって私が送ったNTSCのタイプでは上映できないって言われたの!」など、すごい勢いでまくしたてていました。映画祭の件でやきもきしているのは自分だけ?と思っていたのですが、やはり他のゲストも同じだったのですねbearing

オペラハウスでオープニングのセレモニーが始まりました。
セレモニー会場
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開会の挨拶。全てのスピーチはまずトルコ語で、続いて英語で行われました。
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映画祭代表の挨拶
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その後は、映画祭開催の母体となっているトルコのドキュメンタリー・アソシエーションの代表の挨拶、スポンサーであるイスタンブール市の挨拶などが続きました。

挨拶の後で、ミニコンサートがありました。
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小休憩を挟んで、今度は映画の上映です。上映されたのは「Superman of Malegaon」というドキュメンタリー。インドのムンバイから数百キロ離れたマレガオンという小さな町で、地元の有志による映画プロジェクトが立ち上がりました。内容は、スーパーマンのパロディー映画。電気が日に何度も停電してしまうような環境の中、家庭用の小型カメラで、ハリウッド並みのSFシーンを撮ろうと試行錯誤する彼らと、それを一目見ようと寄って来る観衆たちで町は大混乱。大切なカメラが池に落ちてしまい、さて、彼らは無事映画を完成できるのか・・・というのが大まかなストーリーです。

この映画、初めて観た私は大感激!!! その映画は登場人物たちの映画にかける純粋な愛とエネルギー、ユーモアで満ち溢れているのです! でも、きれい事だけでは終わらず、インドが抱える社会問題、そこで暮らす人々の貧しさなども逃すことなく描かれている・・・。いや、もう本当に最高、とすっかり気に入ってしまいました。

映画のエンディングクレジットで、NHKや韓国のKBSの名前を発見。(何でNHK?)と不思議に思いました。Asian Pitchという名前も出ていて、それをネットで検索してみて、なぜNHKの名前が出ていたのかを理解しました。
www3.nhk.or.jp/pr/keiei/kokusai/pdf/2007/10/20071009.pdf

(資料の内容を要約すると、2006年6月、公共放送局3 社(NHK、シンガポール・メディアコープ、韓国・KBS)が、アジアの制作会社を対象にした国際共同制作プロジェクト(Asian Pitch)を立ち上げました。アジアをテーマにしたドキュメンタリー企画を募集し、毎年4本程度のハイビジョン番組を国際共同制作。「Superman of Malegaon」はそれで選ばれて製作された作品なのでした)。

既に日本でも放送されたようなので、もしかしたらご覧になった方もいるかもしれません。ちなみに邦題は「お前はもう死んでいる」だそうです(すごい邦題だな)。BSのしかも深夜に放送されたようですが、ぜひ誰でも観られる地上波の普通の時間帯に再放送してほしい、と強く望みます!!

映画の上映の後は、写真撮影がありました。会場に設けられた写真ブースで、まず一人で、そしてグループで撮影されます。映画祭のアーカイブとして保存されるとのことでした。

写真撮影の様子
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もう少しマシな格好してくれば良かったと、つくづく後悔weep
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イベント会場を離れた頃には、もう11時半頃になっていました。オズギュンとハリルに路面電車の駅まで歩いて送ってもらいます。途中、車で通りかかった人が「路面電車の駅に向かっているなら、終電に乗り遅れるよ!」と車に乗せてくれ、私たちは慌ててその車に乗せてもらい、駅まで行きました。終電は8分後に発車するとのこと。ぎりぎりセーフ!

ホテルに戻ったのは12時ごろ。フロントのソファには、キルギスタン人のムバラクが寝ていました。私が帰ってきたのに気づいて、起き上がりました。何しろ、昼間はイスタンブール大学の大学院で国際学を勉強、そして夜はホテルでアルバイトなのですから、相当疲れているのでしょう。彼は夜間のフロント業務という仕事で、3ヶ月前からこのホテルで働いているそうです。夜間はほとんど人の出入りがないので、ソファで仮眠しながら、何かあれば対応するというスタンス。ここで働き始めてから、自分がこれまでに住んでいたアパートは引き払い、私物はここの物置にしまっているとのこと。夜間なのでそんなに忙しくない仕事とはいえ、1ヶ月に1日も休みはなく、給料は500USドル。「イスタンブールで普通の会社員の給料は1000USドルが相場だから、自分の給料は安すぎる」と言っていました。でも、家賃は要らないし、いろんな国からの旅行者と話せて面白いし、英語の勉強にもなるから、この仕事は楽しいともいっていました。

なぜイスタンブールに留学したのかと聞いてみました。それは、イスタンブール大学の奨学金に合格したからだ、と彼は言いました。大学の4年間を終え、現在はマスターで学んでいます。マスターの後は、ドクターに進むかもしれない、と言っていました。そこまで行ったら、学者になるだろうな、とも。ヨーロッパやアメリカの大学にも留学したいけど、奨学金がなければ無理と思っているそうです。トルコで就職するつもりはなく(トルコで就労ビザを得るのは難しいとも言っていました)、もし学者でなく、企業で働くとしたら、ロシアで働きたいと言っていました。ロシアと関係の良好なキルギスタンは、ロシアでビザなしで働けるのだそうです(←本当なんでしょうか??)。国際学を勉強しているので、働くとしたら貿易の仕事が良いなと思っているそうです。

お酒は飲む?と聞かれました。私は「まあ、普通に」と答え、ムバラクにも同じ質問をしました。彼は「自分はモスリムだから飲まないよ」と言いました。このホテルで日本人のお客さんがなぜか多いということは既に書きましたが、働き始めてからの3ヶ月で日本人と沢山話をするようになったムバラクは、「日本人は、お金を信仰して家族の絆がないよね」と言いました。私は「日本人と話していて、そう思ったの?」と慌てて聞きました。「そう」と彼は答えるのです! 彼が会った数十人の日本人の話だけで、日本を代表しているとは全く言えませんが、でも、ここに宿泊するいろんな国からのお客さんに、それぞれの国、政治、家族、宗教、勉強、仕事、将来のことなど質問をしていて、日本人からそんな印象を抱くなんて・・・。この日の昼間、グランド・バザールで家族経営のお店を見て家族の絆について思いをめぐらせていた私は、なんだかギクリとしてしまいました。

気がついたら3時過ぎになっていて、私は自分の部屋に戻って寝ました。

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