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2010年4月

眉間にシワ寄せずに(上映会報告2010/4/10)

今年初めての上映は、あいち平和映画祭のプレ企画でした。名古屋での上映は、昨年9月のあいち女性映画祭以来、2度目となります。土曜日の朝に新幹線で名古屋に到着し、そこから地下鉄に乗り換え、上映会場である本山駅に向かいました。本山駅では、映画祭スタッフの安藤さんが出迎えてくれました。

駅から歩き、本日の会場である「生協生活文化会館」に到着。この建物の4階が上映会場です。
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お店の前には小さな川があり、川沿いに見事な桜が咲いていました。このあたり一体は桜の名所なのだそうです。
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会場に入り、映画祭事務局の加藤さん、副代表の岩田さん、そして代表の稲垣さんにご挨拶をしました。少し早めのお昼ご飯をいただきながら、打ち合わせをします。

この日は2回上映となっており、私が到着したときには既に午前の部の上映が始まっていました。午前の部が終了したときに、5分程度の舞台挨拶をし、午後の部では1時間ほどトークと質疑応答をする、という段取りでした。トークのお相手は安藤さんがしてくださることになっていましたが、トークの相手役をされるのは初めてとのことで、とても緊張されていました。

プレ企画のパンフレット(表紙)
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お昼を食べ終わった後、舞台挨拶をしました。映画のDVDを販売用に10枚持ってきていたのですが、10分ほどで売切れてしまいました! (10枚あれば余るだろう)という目論見で持ってきていましたので、これはうれしい誤算でした。

物販ブースの前でスタッフの皆さんと
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午後の上映までだいぶ時間があるということで、「この辺りが地元だった」という安藤さんに近くを案内していただくことになりました。外に出ると、”暖かい”というより、むしろ”暑い”ぐらいの陽気です。

しばらく歩き、桃巌寺に到着しました。織田信長の弟、信行が父信秀を弔う為に建立したお寺だそうです。
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周囲の喧騒がウソのような静けさです。この日は晴れでしたが、安藤さんによると、夕方や、雨が降った後なども風情があって良い感じだそうです。
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織田信長の父、信秀の墓
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お寺の境内の様子
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巨大木魚!
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名古屋市の文化財でもある「四方竹の群生」。
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よ~く見ると、竹が筒状ではなく角ばっています。名前はこれに由来するようです。
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竹林を過ぎて視界が開けたとたん、ありえない光景が目の前に広がりました。マンションの前に立ちはだかる真緑の大仏です!!
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(まるで合成写真のようですが、本物です)

それにしても住宅街にこのサイズは巨大だし、この色もいかがなものか・・・
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そう広くはない敷地内に、風情のある佇まいから巨大大仏までと、色んなものが詰まっていることに驚きました。名古屋に来たけれど、観光をする時間がない!という方には、オススメかもしれません?!(しかも、拝観料を払うと、妖艶な眠り弁天なるものが拝めるとの情報もアリhappy02

桃巌寺見学の後は、住宅街を通り抜けて上映会場へ戻りました。歩きながら、安藤さんと色々お話をしました。安藤さんは、あいち平和映画祭でスタッフとして活動される他、あいち女性映画祭で「シネマ・ピクニック」という企画にも関わっているそうです。”親子で映画を楽しむ”をテーマに、市民が映画のプログラムを作っていくという企画。

安藤さんの普段のお仕事は、グルメや観光本などのライターをされているとのこと。ならば、インタビュー経験は豊富なのでしょうから、映画のトークの相手をするのはそんなに心配する必要はないのでは?と聞いてみましたが、原稿を後でまとめることが出来るライターのお仕事と違って、映画のトークはライブ。観客の皆さんが見ている前で、どんな質問や答えが飛び出してくるか分からない状況でのインタビューというのは、全然違うと言っていました。確かにずいぶん違いますね・・・。

私自身にとっては、1人で講演形式でお話しするよりも、トークの相手役の方がいるほうが話しやすいと感じます。質問ごとに話が区切れるほうが、だらだらと話がとりとめもなく進んでいくより(←これは講演者の技量によるところも大きいのですが)、聞いている人のほうもメリハリを持って聞けるのではないかと思うのです。

インタビューは、ドキュメンタリーの撮影でもやりますが、聞くほうと答えるほう、どちらによりその手腕が問われるかといったら、それは聞くほうだと私は思います。私はイギリスのジャーナリズム学校に通っていたとき、「インタビュー」という授業がありました。そこでは、理想的なインタビューは、「会話のように自然に流れていくもの」が望ましいとされ、悪い例は「質問を箇条書きにして、それを上から順番に聞いていくだけに終始するもの」と教えられました。”会話”なのだから、相手の話を良く聞き、その答えから更に質問をしたり、次の話題に移っていくのだ、と。でも、”会話”と”インタビュー”の決定的な違いは、インタビューは会話の主導権を自分が握り、会話の流れを自分が作り出すこと、だとも言っていました。

私自身もまだインタビューについて試行錯誤なのですが、インタビュー成功の鍵は、相手の話を良く聞くことと(←集中力が必要なので、二日酔いや寝不足はダメ)、事前に相手との関係をどれだけ構築出来ているか、相手に関する情報をどれだけ持っているか、になるのではないか、と思っています。

この日は上映後のトークの前に、昼食・観光と安藤さんとご一緒して、お互いのことを話す時間を多く持てたので、トークの進行はバッチリでしたhappy01

(余談ですが、トークの相手役も大変ですけれど、複数のパネラーのディスカッションをまとめる司会というのは、更に難易度が高いように思います。パネラーたちの好き勝手な発言(?)に、ある程度の共通性・方向性を見出し、話を進めていかなければならないのですから・・・。)

上映後のトークの様子。安藤さんと。
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質疑応答では、「オックスフォード・ユニオンの討論会で、大差でブライアン側が負けてしまったのはなぜか」、「ロンドンを留学先に選んだ理由は?」、そして「日本の若者たちが、”KY”と言われるのを恐れるのではなく立ち上がるためにはどうしたら良いと思うか?」といった質問をいただきました。

午前・午後の部が無事終了し、片づけが始まりました。片付けの最中も、色々と話しかけてくれる方がいました。あいち平和映画祭と、昨年共同で映画祭を開催した大学生たちと話しました。

私が上映後のトークで、「日本の若者が立ち上がるためには?」の質問に対し、「仕事が不安定でいつクビになるか分からない。稼いだ給料の多くが家賃に消える。この悪循環で若者に物言わせぬ社会になっているのだから、今の派遣労働のような不安定な労働形態や、過労死してもおかしくないような正社員の働き方を改善し、家賃の低い(またはほとんどかからない)仕組みを作っていくべきだ。そうすれば、その分時間とお金に余裕が生まれて色んな活動が出来る」というような趣旨の話をしたのに対して、大学生たちが共感してくれていたのがうれしかったです。

ある美大に通う女子大生は、現在、学校が紹介した一軒家を数人の学生でシェアしているとかで、家賃が月2万円程度に納まっているそうです。こういった住み方も広まっていって欲しいと思います!

映画祭スタッフの福田さんからは、ご自分の詩が掲載された素敵な詩集をいただきました。
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岩田さんの同級生の方からは、手作りのフルーツケーキをいただきました!
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稲垣さんからは「えびの恩返し」というお菓子を!
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撤収作業後、会場の外で記念撮影。お疲れ様でした!!
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解散のときに、岩田さんがスタッフの皆さんに対して連絡事項などを話していました。映画祭のメインイベントは5月22日。これからますます忙しくなると予想しますが、岩田さんはスタッフの皆さんに「眉間にしわを寄せないで、楽しんでやりましょう」とおっしゃっていたのが、とても印象的でした。何しろ、こちらの映画祭の皆さんは、お昼ご飯を食べながらの打ち合わせのときから、最後の交流会にいたるまで、皆さんの笑い声が絶えないのです。楽しみながら続ける、だからこそ続けられる・・・そんなことを考えました。

あいち平和映画祭 5月22日のメインイベントの情報はこちらをご覧ください。

会場の前で解散した後は、交流会を開いていただきました。
交流会のお店の前で。岩田さんと。
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交流会では、スタッフの皆さんから自己紹介と映画の感想を話してもらいました。鉄道会社の労働組合員の方からは、「イギリスは元々労働組合の強い国だけれど、最近は余り力がないと感じていた。でも、ブライアンのように活動をしている人がいると知って、イギリスもまだ頑張っていると思った」という感想をいただきました。

映画にとても詳しく、あいち平和映画祭以外にも中津川映画祭などいくつかの映画祭に携わっている岩田さんは、「この映画(私の映画)を上映するかどうか、スタッフ内で意見が分かれた」と言いました。ご自身も、40年近く前に高校の映画研究会で8ミリ映画を作られたそうです。私の映画については、私の伝えたいという意欲は良く分かるけれど、それだけでは伝わらない、映画には映画の伝え方というものがある、と。表現として、映画を選ぶ以上は、まず画がきれいでなければならないし、音もきれいにとれていなければならない。

私の映画の中で、最初のブライアンのインタビューシーンで、インタビューの途中でブライアンが「働け!」と車の中から野次が飛んだことに怒って立ち上がるシーンがあります。カメラは固定されたままなので、画面にはブライアンのズボンしか映っていません。(全く狙った効果ではなかったのですが、幸か不幸か、「ぽこちん野郎!」と怒鳴るブライアンの股間部分をカメラは捉えているのですcoldsweats01!)。このような画は、映画ではありえない、と。確かに、普通の映画ならば、立ち上がって怒鳴るブライアンの表情をカメラは追うのでしょう。

こうなってしまった理由について、私の言い訳(?)としては、私自身があの状況のときに、呆然としてカメラを動かすのを忘れていた、ということです。あのインタビューの日が、私にとって初めてブライアンと対面した日でした。イギリスで生活を始めてわずか1ヶ月の、日本でも反戦活動なんて関わったことのなかった私が、いきなりイギリスの反戦活動の最前線に立つ人物に遭遇したのです。怒り、叫び、笑い、歌う・・・という、まるで独り芝居のようにめまぐるしく展開する彼のスピーチに、私は驚いてしまいました。そんなわけで、インタビューの途中で突然立ち上がり、罵声を飛ばすという彼の行動を、私は取材中であるにもかかわらず、呆気にとられてみていることしか出来なかったのです!

岩田さんからはその他にも、色んなアドバイスをいただくことが出来ました。まだまだ映画作りについて勉強しなくてはと思います!

交流会の様子
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プレイベントで映写を担当してくださった、映画センターちゅうぶの神谷さんは、前述したブライアンの股間事件(!)について、「逆にそれが良かった」とおっしゃっていました。私がカメラを動かせなかったということは、私が「展開を読めていなかったということだから」、と。

また、ドキュメンタリーと言えども、最初に綿密に構成し、取材前に結論まで決めてしまってから作るやり方や、撮影時に現場で被写体の人を仕切るようなやり方もあったりするので、私が質疑応答で、現在制作中の作品について「撮り始めたが、どこに着地するか分からない」と答えたことも、新鮮に感じたといっていました。まぁ、これに関しては、私がまだ撮りたいテーマについて勉強不足であるがゆえに、分からないというのが多分にあるのですが・・・coldsweats01

愛知、岐阜、石川エリアを中心に、教育映画などの上映を手がけている「映画センターちゅうぶ」のホームページはこちらをご覧ください。

映画祭スタッフの加藤さんは、ご夫婦で平和活動をされています。もともとは九条の会で活動をされていましたが、映画を通じて平和活動に関わったことにない人たちにも平和のメッセージを広めたいという思いから、5年前にあいち平和映画祭に加わったそうです。

加藤さんのご主人からは「上映会のブログ、読んでるよ!」とうれしい言葉をいただきました。毎回ものすごいボリュームなので、一体誰が読んでいるのだろうと思いながら書いているのですが、こうして実際に読んでいる人がいると知るのは、うれしいですね。「文章が長すぎないですか?」と聞いたところ、「長いから、写真だけ見てる」と言われましたが・・・happy02!! やっぱり!

上映会を企画してくださる方は、東京近郊以外の方は私と初対面という方が多いので、上映会前に私のブログを読まれる方が多いようです。私の人柄が(良くも悪くも)伝わると思うので、それはそれで便利な人物資料にもなっていると思います。でも、ブログに、上映会や交流会の様子をかなり細かく書いているので、人によっては「早川さん、これもブログに載せちゃうんでしょう~!」と釘を刺されたりもするのですがwink、加藤さんはなぜかブログで紹介されることを、とても楽しみにして下さっていて、何度も「ブログが楽しみだなぁ! 写真はたくさん撮れた?」などと言っていたので、このご時世ではかえって珍しいタイプと言えるかもしれませんcatface。今回のブログレポートがとても遅くなってしまったことを、この場を借りて加藤さんにお詫びします!

あっという間に時間が過ぎ、交流会はお開きとなりました。おかげさまで、「ブライアンと仲間たち」の今年初の上映を、楽しくスタートすることが出来ました。

あいち平和映画祭のスタッフの皆様、プレ企画を観に来ていただいた皆様、どうもありがとうございました! 

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