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2010年10月

ゲストを迎えて(上映会報告2010/10/24)

10月24日は、無年金者同盟の山口静子さん主催で、上映とお話の会を開催していただきました。上映会の詳しい段取りは、喜八さんが中心になり、連絡を取り合っていました。

これまでの私の上映会では、大抵、上映後のトークは、主催者側の誰かが質問役となり進める形式、もしくは私一人で話す講演会形式のどちらかでした。しかし、今回は誰かゲストを呼ぼうという事になりました。

ゲストの選定にあたり、誰が良いかと喜八さんと智恵を出し合う中で、”界隈”(←活動家系の人たちの中では良く使われる言葉ですねhappy01!)でそれなりに活動をし、知られている人たちの名前があがりました。界隈の有名人を呼ぶことの良さは、その道に理論的にも実践的にも明るい人たちだから、その運動の最新・最先端の情報を聞くことができるし、名前が知られているからその人目当てでイベントに来る人たちを見込める、と言うことだと思います。

でも一方で、そもそも”界隈”と呼ばれているぐらいなのだから、分野は多岐に渡っていたとして、その世界は意外に狭くて、各地で行なわれているイベントのゲストというのはいつも似たような顔ぶれ(←別に悪いことではないけれど)になってしまうようにも感じていました。

それで、私はゲストは誰が良いかと聞かれたときに、あえて”界隈”とは関係ない人を呼んだら、逆に新鮮だし面白いのではないか?と思ったのです。それで真っ先に思いついたのは、昨年秋の明星学園上映会でお会いした、現在大学1年生のKさんでした。学校で平和に関するサークルを自ら立ち上げたり、学生が発行するフリーペーパーの編集に携わったりと、パワフルに活動しているのです!

私の映画の中にも大学生の女の子が出てきます。平和に関するチラシを学内で配ろうとしたら、学校から警察に通報されてしまったというエピソードの。私はこれまでに学校で上映してもらったこともあるので、その時は学生さんたちに映画の感想を聞く機会はもてましたが、日常的に彼らが平和についてや、社会問題について、どのように考え、そして友達同士で話したりするのかは分からなかったので、それを聞いてみたいと言う気持ちもありました。

そこで大学生のKさんにゲスト出演を依頼。Kさんは学校の文化祭で忙しい時期にもかかわらず引き受けてくださいました。

そんないきさつで迎えた24日の上映会。会場は高円寺の素人の乱12号店。(エリア的には、まさに”界隈”ですねhappy02
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不動産屋に向かう階段を登ります。
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奥が素人の乱12号店。
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色んなチラシが洗濯乾しに吊るしてあります。
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会場に着き、今回の上映会の段取りを決めてくれた喜八さん、素敵なチラシを作ってくれた永瀬さんたちにお会いしました。

今回は入場料に加え、「ワンドリンクオーダー」制になっていたのですが、ドリンクは冷蔵庫から自分でとり、お金は冷蔵庫横のポケットに入れるという、超性善説方式! 

冷蔵庫の傍らに立つ喜八さん。
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そのうち、山口さん、ゲストのKさんも現れて、とりあえずお茶を飲みながら準備しましょうということになりました。山口さんが抹茶を淹れてくださいました。紙コップに茶せんが!!!
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段々とお客さんも集まり、上映開始となりました。Dsc08644

上映後は、椅子の配置を車座に変えてトークを。
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この日はちょうど高円寺フェスが開催されていて、素人の乱12号店のオーナーさんはフェスで韓国海苔巻きを販売するとのことでした。多めに用意した具材をおすそ分けしていただき、私たちも食べられることに! 感謝!!
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山口さんの手際の良さにはいつも脱帽catface
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トークでは、最初に10分程度、私のほうから映画についての補足説明をしました。そのあとに、ゲストのKさんを紹介。写真左側がKさん。
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私にはKさんに特に聞いて見たいことがいくつかありました。そのうちの一つは、前にお会いしたときに、「早川さんの映画を観て、(女性でも映画が作れるんだ)と思った」と言われたこと。確かに、メディアや映画制作の現場は男性中心のマッチョな業界かもしれませんが、でも女性もかなりいます。私自身は、最初(映画なんて作れるのかな~)と不安に思いましたが、それは性別から来るものではなく、技術面(映像制作について学んだことがない)とネットワーク面(上映したくても繋がりがない)から、そう思ったのでした。でも、最終的にはそれらの課題をクリアすることなく、(とにかくやらなくちゃ!)という思いで乗り越えたと言うか、ここまで来てしまったのですけれど・・・coldsweats01

なので、Kさんがなぜ女性では無理と思ったのかを聞いてみました。すると、Kさんは土井監督の「沈黙を破る」を観てドキュメンタリー映画の面白さにはまったそうなのですが、その映画はイスラエル兵へのインタビューで構成されたもの。(やっぱり男性だから、こういう危険なところへの取材や撮影が可能なんだ)と思ったのだそうです。それが、私の映画を観て、女性でもかなり撮影していると驚いたのだとか。

なるほど~、そういうことだったのか。・・・と思いつつ、でも私の思うところも言いました。私は自主制作の映像制作者、もしくはフリーランスのジャーナリストとして活動する上で、性別なんかよりももっと深刻な壁を感じ、日々もがいているものは、マスメディアではない、フリーランスだと言うことから来る差別です。(もしマスメディアに所属している女子ならば、企業社会の中での性差別を感じるのかもしれないけど、フリーランスはそれは感じる場面はそんなにないです、今のところは。まぁ、取り上げる題材にもよるのかもしれませんが)

例えば、フリーと言うだけで、企業や役所のインタビューを受けてもらえない。また、記者クラブに所属するメディア(いわゆるマスメディア)は、役所や大臣の記者会見に出席でき、発言も出来る。でも、フリーランスは役所によっては出席を認められていなかったり、認められる場合でも質問は出来ないという待遇です。情報がマスメディアだけに独占されている状況です。これでは、もはやマスメディアに権力監視の機能は望みようがなく、メディアと権力の馴れ合いとなってしまっています。スポンサーの影響を受けにくい自主系、独立系のメディアは、政府の側だけでなく、マスメディアの側からも排除されるのです。

私は次回作では、企業、役所、所管大臣などにもインタビューを試みたのですが、これらはことごとく断られ、結局彼らをマイケル・ムーア方式で直撃しました。(それはそれで良いのかもしれないけれど、やはり企業や役所は情報公開やインタビューには積極的に応じるべきで、自分たちのやっていることを正当化するなら、逃げ隠れせずきちんとインタビューで答えろ、と言いたいです)

Kさんのこれからの活躍に期待です!!!!!Dsc08673

Kさんとのトークのあとは、参加者の皆さんに自己紹介や感想などを話してもらいました。本当にいろんな分野の方が参加されていました。多摩川で捨てられた動物の保護をされている方、宮下公園に関わって映像に最近興味を持ったという方、桃色ゲリラなどの活動で知られる画家の増山麗奈さん 、などなど。「最近映像を撮り始めて、カメラの暴力性を意識するようになった」、「編集では、どういう判断で映像をつないでいくのか? 被写体の人が伝えたいことと、編集者が使いたいところは必ずしも一致しないのか?」、「自主上映はどうやって始めたのか?」など、感想や質問がたくさん出ました。

18時近くになって、お開きとなりました。外は激しい雨。会場を片付け終わった頃には、やや小ぶりになってきました。

会のあとは、映画を観に来てくれた宮本さんとご飯を食べに行きました。お互い家が遠いからサクッと、のつもりでしたが、気が付いたら4時間近く盛り上がってしまいました!! 撮る側、撮られる側の話が中心で、詳しくは割愛しますが、こちらもとても興味深くかつ深い問題だな~と思いました。

上映会を企画してくださった山口さん、ゲストとして登場してくださったKさん、上映会の段取りや準備をしてくださった喜八さん、永瀬さん、そして高円寺フェスとバッティングしたにもかかわらず映画を観に来てくださった皆様、どうもありがとうございました!

※喜八さんのブログで、この日の上映会のレポートを書いていただいています。是非覗いてみてくださいhappy01

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ラジオ初出演!(イベント報告2010/10/22)

10月22日は、初めてラジオの生放送に出演しました! 

先月、武蔵野市の成蹊大学で行なわれたメディフェスで、「ブライアン~」をご覧になったむさしのFM市民の会代表の松岡裕子さんより、同会が企画・コーディネートするラジオ番組「発信!わがまち・武蔵野人」出演をお誘いしてもらったのでした。私自身は武蔵野市に暮らしてはいませんが、成蹊出身で、現在はむさしのみたか市民テレビ局に在籍しているということから、出演させていただくことになりました。

今まで、上映後のトークや講演などは経験があるものの、生放送は初めてです。「発信!~」は毎週金曜日オンエアの20分の番組。なんと、私は459回目のゲストなのだそうです!!

むさしのFMスタジオが入っている武蔵野商工会館・外観
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入り口
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番組紹介の看板が立てかけてありました! うれしいと同時に、緊張してきましたcoldsweats01
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エレベーターで3階のスタジオへ上がります。スタジオの入り口で、松岡さん(向かって右側)と、応援に駆けつけてくれたむさしのみたか市民テレビ局の河戸さん(左側)。
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スタジオの中に入り、番組のパーソナリティーをされている西達彦さんにご挨拶をしました。西さんは、あらかじめ「ブライアン~」の映画を見ていただいていて、この日の話題はブライアンの映画の事を中心に、ということでした。私は、初生放送&公共電波ということで、「何か気をつけておくことはありますか?」と聞きました。だって、普段の上映後トークは、話題や発言にタブーはナシ状態でやっているので、もしかして放送禁止用語とか入っちゃってるかもしれないじゃないですか!

スタジオの中の様子
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生放送中の西さん
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放送までの間、番組中で聞く予定のことについて、雑談も交えながら話し合いました。大まかには、ブライアンと出会ったきっかけや、映画を作るに至った過程、映画を観た人たちからの反響、次回作についてなどでした。西さんご自身も、パーソナリティーとして日常的にインタビューをする側ですが、私の映画を見て、(最初はどうやってインタビューをしたのか? インタビューは最初から歓迎されたのか?)ということに興味を持ったそうです。

私の映画の中で、ブライアンのパートの中で使われているインタビュー映像は、私が初めてブライアンと会ったときのものです(←このことは前にブログでも書きました)。この日、インタビューをしたいとブライアンに会いに行き、最初から歓迎されたわけではありませんでした。パーラメント・スクエアに行き、タバコをふかしてポツリと座っているブライアンを見つけ、「インタビューさせてください」と話しかけたら、「ごめん、今忙しいんだ」と言われてしまったのです! ただタバコを吸って、そこに座っているだけのようでしたが・・・。

私は(う~~~ん)と考えてしまい、でも、インタビューをしてもらえないからすぐに立ち去るのもどうかと思ったので、しばらくブライアンの横に座っていました。相変わらずブライアンはタバコを吸っているだけ・・・。忙しそうな様子は皆無。

30分ぐらいたった頃でしょうか? おもむろにブライアンは「どこから来たの?」、「何やっている人?」などとぽつりぽつり話しかけてきました。話始めて30分もすると、ブライアンはどんどん気持ちが乗ってきて、まるで一人芝居のように歌ったり、怒ったりするのです。私はここで「インタビューしてもいいですか?」と切り出すのは、彼のこのリズムが失われてしまうと思い、何も聞かずにカメラをセットして撮影を始めて、本人が喋り捲るのを撮影しました。。。これが初めてのブライアンのインタビュー。実際にはインタビュー(つまり、話を導いていくのは聞き手)ではなく、ただ撮る、撮影と言ったほうがよいかもしれませんがwobbly

西さんとの打ち合わせが終わり、放送開始5分前になって、録音をする部屋へ! さっきまで普通に会話をしていた私ですが、段々緊張してきました!!!

番組が始まり、西さんが話し始めます。私が紹介され、そのあとにブライアンが何をしている人なのかという質問。ごくごく基本的な質問にもかかわらず、私は一瞬、”間”を作っちゃいましたbearing! 多分1秒にも満たない”間”でしたが、放送上(しかも音声だけ)では長い”間”でしょう。でも、それで逆に開き直ったのか、それとも段々慣れてきたのか、後半に向かうにつれて、自分でも段々自分のテンションがあがっていくのが分かりました。最後は「映画監督はプータロー」とか、「居候という生活を広めたい!」とか、共感できるリスナーを限定してしまうような発言まで飛び出す始末。いやいや、あと放送が10分続いていたら、どうなっていたか分かりませんcoldsweats01 気がついたらあっという間の20分間でした。

聞いていた人の感想は分かりませんが、私自身はとても楽しくて、面白い経験をさせてもらいました。ラジオ(テレビもかも)の特性ですが、時間が秒単位できっちりと決まっていますよね? だから、どんなに話が色んな方向に飛んでいっても、最終的にはその時間内にまとまらせて一つの番組として成り立たなければならない。私のように、後半になるにつれて盛り上がっていくタイプの人は多いと思いますが(←普通、人はそういうものだと思いますが)、20分という限られた短い時間では(←20分はテレビやラジオでは長いぐらいかも)、そんなにウォーミングアップの時間はありません。基本的には最初からテンションをあげていかないと、番組を最後まで聞いてもらえないというのもあるでしょう。

私自身は普段、トークの経験はあるものの、基本的にダラ~っという感じで始まりますし、始まる時間も5分遅れなんて、全然“定刻”の範囲内です。なんとなく始まって、お客さんの反応も見ながら、段々テンションが上がって乗ってくる・・・という感じです。それはそれで良いのかもしれないけれど、やはり生放送の、限られた時間でやる場合には、それなりのやり方でやらなければらないだろうな、ということを身を持って体験しました。面白い経験でした。

番組終了後に、西パーソナリティーと。
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この日、収録には映画監督の中島央(ひろし)さんも遊びに来てくれました! 中島さんはアメリカで映画制作を学び、初監督短編映画「リリィ」が世界中の映画祭で上映されました。現在は、劇場用長編映画「アーケード・ディケード」(日米合作)の制作準備中なのだそうです! 同じ映画制作者とはいえ、かなり土俵は違いますが(gawk)、お話できてヨカッタ!

中島央監督と。中島監督のウェブサイトはこちら
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番組終了後、寄り道して帰ろうと思いました。むさしのFM市民の会のスタッフの方に、かわいい雑貨屋があると教えていただきました。

不動産屋の2階に最近引っ越したお店だそうです。言われなきゃ見落としてしまいそうな感じ。
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お店の名前は「36 Sublo」。
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店内はチラッと個性の光るものばかり。(チラッと、さりげなくというのがポイント。決して主張しすぎないんだけど、よく見ると面白いというものが多いですwink
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私が購入したのは、手紙の封緘用のシール。小学生の頃って、こういう経験あったよなぁ・・・とつい買ってしまった。
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雑貨屋さんのあとは、今月15日にオープンしたばかりのコピスへ。
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コピス外観。
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コピスの中を見たあと、帰宅。楽しい一日でした!
FMむさしのの松岡さん、西さんはじめ、皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました!

今回のラジオ収録内容は、むさしのFMウェブサイト上のポッドキャストにてお聴きいただけます。ご興味のある方はぜひ聴いてみて下さいhappy01

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次回作との初接点(上映会報告2010/09/23)

だいぶ時間が経ってしまって恐縮なのですが、先月23日には高田馬場にある新宿区立戸塚地域センターで上映会がありました。

今回の上映会の主催者は「住まいの貧困に取り組むネットワーク」という団体です。私は住宅問題に関心を持ち、3月の終わりごろからここのミーティング(毎月1回都内で開催。興味のある方はウェブサイトにてミーティング日時をご覧ください)に参加している関係で、今回の上映会を開いていただきました。

この戸塚地域センター、かなり新しい建物で、駅からも近く、しかも利用料金が格安です! 30人ぐらい入る会場で、プロジェクターやDVDプレーヤー、マイクなどがそろっている場所を見つけるのはなかなか難しいもの。でも、ここにはそれらの設備も完備されていて、しかも4時間借りて利用料が1,400円でした!!(←ネットワークが利用登録しているので、割引が適用)。映画を作ることの敷居はだいぶ低くなったけれど、低料金で上映設備の整った会場を探すのは未だに困難です。もし、自主映画の上映会を開いてみたいと考えている方にはオススメの施設です。

・・・しかし、低料金だから、と言うわけではないけれど、当日プロジェクターの調子が悪く(施設の担当者の方のお話では、先週使った利用者が使用後にプロジェクターやスピーカーの配線を全て取り外してしまったそうで、そのあとに配線しなおしたら映らなくなってしまったとの事)、せっかく大きなスクリーンと音響設備が用意されていたのですが、大型のテレビでの上映となってしまいました。字幕つきの映画だから見づらくて、本当に残念crying

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何とか上映は終わり、イベントの後半は某機構のある団地に関する報告集会となりました。ここの団地は耐震性に問題があるとして取り壊しが予定されているのですが、機構自体の削減方針もあり、本当に耐震性に問題があって取り壊さなければならないのか、直して使い続けることは出来ないのかと、機構のやり方に疑問を持つ住民たちが住み続けています。私は現在、この問題について映画を作っている関係で、この日は関係する人たちも来てくださったのでした。

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団地の最新状況について説明があり、その後は映画についての質問を受けました。現在、私が撮影している団地の住民の方からは、「反戦映画の次が何で住宅問題なのか?」という質問を頂きました。

戦争と住宅は、確かに全然分野の異なるものに見えるかもしれません。でも、私の中では一つの流れになっているのです(←無理やり?)。というのも、「ブライアン~」を作って以降、日本各地で映画を上映してもらった私は、行く先々で、いわゆる”反戦”、”平和”に関わる人々の高齢化を見てきました。それ自体は悪いことではないですが、社会的なことに関心を持ち、行動している人たちの中で、社会に対してもっと活発にモノを言うべき若い世代の姿が少ないと感じたのです。

なぜか?と考えると、「戦争に関心を持ち、繰り返したくないと強く思うのは、戦争を実際に体験した方たちだから」、と言う人もいます。それもあるかもしれませんが、私が私の身の回りの友人などを通じて感じたことは、「若い人たちは、仕事が忙しすぎて、給料が安くて、生活が精一杯で、他人の事や社会に構っている余裕がない」ということです。

非正規型の雇用が増え、派遣などで働くと、交通費ナシ、社会保険ナシが普通です。となると、一人暮らしの場合、20万円ほどの給料のうち、家賃、食費、交通費などの諸経費を引くと、ほとんど手元に残らない状態になってしまいます。これじゃ、いくら世の中に不満があったって、それを文句言う気力も、時間も、お金もない。。。

一方、映画監督といいつつ実態は限りなくプータローに近い生活をしている私は、ほとんど収入がない中で上映活動を続け、更には次回作にまで取り組んでしまうという生活をしています。こんなことが可能なのは、私が居候という生活スタイルを取り入れているからなのであります!(居候先には迷惑以外の何者でもありませんがcoldsweats01)。これが家賃や生活費に追われる生活だったら、上映や制作活動をするなんて、はっきり言って無理です! 商業映画ならば、ギャラが入ってくるのかもしれませんが、技術的にハードルが高いし、何よりスポンサーの意向で映画の内容も口出しされるでしょう。報道や表現の自由がどこまで守れるのか、難しい面もあります。

そんな風に考えた私は、(そうだ、居候を広めればいいんだ!)と思ったのです。今の、この家賃がかかりすぎると言う状態を、まず何とかしない限り、社会に対してモノを言おうと考えたり、多少収入が減っても、自分の好きなことをやる時間が持てる生き方がしたいとか、そういう風に考える人は出てこないだろう、と。反戦運動やモロモロの社会運動は、いわば現在既に起こっている問題に対する対処療法。それはそれで必要なのですが、もっと根本から、日ごろから社会に対して私たちが関心を持ち、意見を言うような社会になっていかないと、と思うのです。そのためには、家賃は2万円ぐらいまでがベストでしょう!(←独断!)

・・・と考え、私の中では、矛盾なく反戦→住宅と流れていったのです。まぁ、これがどれだけ他の人たちに共感を持ってもらえるか分かりませんが、私としては、居候、共同生活、間借り・・・といったライフスタイルを広めたいと思っております。

といいつつ、現在は団地の追い出し問題を撮影していて、それは居候が直接のテーマなのではないですが、公共住宅も守っていくべき必要な存在。それで今は団地問題を撮影しています。いやいや、これまで住宅問題とか、この国の住宅政策とか、そんなに関心を持って深く追ったことがなかったので、この取材を通して考えること、ぞっとすることなど、多々あります。このままだと映画のテーマがてんこ盛りになってしまうので、自分の中で整理し、編集しないと、と思っています。

そんなわけで、この日は初めて、初監督作ブライアンと、次回作が接点を持ったと言う、私にとって記念すべき上映会となったのでした。主催してくださった「住まいの貧困に取り組むネットワーク」の皆様、大雨にもかかわらず来てくださった皆様、どうもありがとうございました!

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カッコイイ! 反転地(福岡2010/9/19)

福岡の最終日。朝10時にゲストハウスをチェックアウトして、博多駅へ向かいました。ゲストハウスなので、朝食は付いていないため、どこかで朝食を食べようと思い、歩き回ります。カフェで軽く朝食を済ませた後は、前日より予定していた、ビデオアーティスト、ナム・ジュン・パイクに関するシンポジウムを聞きに行こうと、マリンメッセ福岡へ向かいました。

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ナム・ジュン・パイクは、確かに世界的に知られたビデオ・アーティストではあるものの、道中、かなりの人出で、ちょっと戸惑いました。子供づれで、家族総出で聞きに来るようなイベントじゃないはずですが・・・?

会場についてから初めて気が付いたのですが、なんと、ナム・ジュン・パイクのシンポは翌日なのでした! この日は「アジア太平洋フェスティバル」が開催され、人の波はそれに向かうものでした。なんという初歩的なミス!!
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ここまで来たので、ではちょっと覗いてみよう、ということで中に入りました。
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アジア、太平洋地域の観光PRを目的としたイベントで、各国の観光局やメジャーな旅行会社による紹介ブースが多数出展されています。
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アジア・太平洋の屋台は長蛇の列!
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そもそも”早い、安い”が売りの屋台スタイルで、45分待ちってどーよ!
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小腹がすいたので、屋台で何か食べようと思っていましたが、それを断念して、ステージで行なわれている民族舞踊を見に行くことにしました。
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ステージ上では、ちょうど台湾の原住民「阿美族」によるダンスのパフォーマンスが。
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それにしても、この人の多さはなんでしょう! 座る椅子さえない状態crying
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こんなに人がいて、”盛り上がっている”状態にもかかわらず、私はこのイベントに対してとてつもない”つまらなさ”を感じていました。だって、ここで得られる情報は、いわば全てがコマーシャル。政府の観光局や旅行会社が、旅行に行かせよう、商品を買わせようと、総出になって私たちの購買意欲を掻きたてようとしているだけのことです。私たちは、ただそれらの情報を受身で与えられるだけ。テレビのCMを見ているのと、なんら変わりはないのですから。

あまりの人の多さに疲れ、私は会場の外に出ました。すると、今から2階のホールで深町健二郎さんと斉藤ふみさんによるトークイベントが始まると、スタッフの人たちが大きな声で叫んでいました。私は聞いた事がない名前の人だったので、「誰ですか?」と聞きました。すると、「あ、県外の人ですか? この二人は福岡では有名なタレントさんですよ」とのことでした。ローカルタレント、面白そう!と興味を持った私は、早速会場へ。

トークのテーマは「海外旅行」
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斉藤ふみさん(左)と深町健二郎さん。在福の方はご存知??
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トークイベントの後は、福岡港の周りを散策しました。
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よさこいのパフォーマンスをやっていました!
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マリンメッセ福岡を離れ、天神行きのバスに乗りました。私には、東京へ戻る前にもう一箇所、立ち寄りたい場所がありました。金曜日にワークショップをした江上さんより、「福岡に初めてのインフォショップが出来たらしい」と聞いていたのです。「それは是非行きましょう!!」と言っていたのですが、江上さんの都合が悪くなってしまったので、お店の名前を聞き、ネットで調べて私一人で行ってみることにしました。

ネットで住所を調べると、そのインフォショップは、福岡の超中心地、三越デパートなどが立ち並ぶエリアにあるのだそうです。インフォショップって、普通、知る人ぞ知る的エリアに建っているのがほとんどだから(失礼!)、とても意外に思いました。

地図を頼りに三越デパートの付近までやってきて、大通りから少し歩くと、突然”場”の空気が変わり、そこには怪しげな雑居ビルが!! どうやらこのビルのようなのですが・・・!
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インフォショップ「反転地」の看板が出ていますので、間違いありません!
反転地のウェブサイトはこちら
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階段を上り、お店の前までやってきました。
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中に入ると、お店のオーナーの一人(二人で経営)である佐野陽子さんが迎えてくれました。店内に一歩入り、その個性的な内装と品揃えに感激! 挨拶もそこそこに、「ブログで紹介したいので写真を撮ってよいですか?」と写真をとりまくりました。

佐野さん。お店は8月8日にオープンしたばかりなのだそうです。
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授産施設で作られた再生古紙、無漂白のトイレットペーパーや布ナプキンなど、こだわりの品々が並んでいます。

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古い着物を使ったぬいぐるみ
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佐野さん曰く「オープンしたばかりで品揃えがまだ」とのことでしたが、もう既にかなり充実しているように見えました。
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ところで、そもそも「インフォショップって何?」という方も多いかもしれません。下記ブログに参考となりそうな記事がありましたので、興味のある方はご覧ください。東京のインフォショップ、Irregular Rhythm Asylum(イレギュラー・リズム・アサイラム)も紹介されています。

人と人をつなぐ新しい形「インフォショップ」ってナニ?
http://greenz.jp/2007/10/09/740/

インフォショップならではの、情報コーナー。福岡を始め、各地のイベントや取り組みなどのチラシが置かれていました。
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東京の野宿者に関するパンフも。
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店内には、ゲリラ的に行なわれる口コミでしか知らせない場所でのレイブのお知らせも貼ってあったりして、(うわぁ~、すごい面白い!)と思いながら、あれこれ店内を見て回っていました。マスメディアでは取り上げられないような情報がある、コマーシャルじゃない情報がある、自分も情報発信できる、誰かと情報交換できる・・・。午前中に行った「アジア太平洋フェスティバル」とは対極の面白さがここにある、と思いました。

昼間はカフェ、夜は角打ちとのことでしたので、紅茶を注文することに。

カフェのメニュー
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紅茶を準備する佐野さん
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こちらで出される紅茶は、宮崎産のオーガニック紅茶なのだそうです。ストレートで頂きました。
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紅茶を飲みながら、佐野さんとあれこれお話をしました。ミュージシャンでもある佐野さんは、ミュージシャンたちがもっと社会的な問題に関心を持ち、取り上げていくべきだと思っているそうです。まずはミュージシャンから変わっていくように、との思いも込めてこのお店を始めたのだとか。

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数年前、イルコモンズさんが福岡でイベントをやったときに、グローバリゼーションなどについて問題意識を持ち、東京に行って、イレギュラー・リズム・アサイラムへ行き、初めてインフォショップの存在を知ったそうです。そのときに1万円分ぐらい買いこんで、自分でもインフォショップを始めようと決めたとか。

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福岡でもインフォショップらしきものが、無くはないそうですが、郊外にあったり、個人的にやっていたりして、他とのつながりや広がりを意識したものではないため、中心地にインフォショップとして場所を作らないと、と思ったそうです。

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お店はまだオープンしたばかりで、宣伝もそんなに積極的にしていないそうで、お客さんの中心は友達・知り合い関係が多いそうですが、今後口コミで広まって面白い展開になりそう! この日はちょうど、東京界隈の面白い情報が載っているフリーペーパー「tokyo なんとか」に掲載するお店の原稿を執筆中ということでしたので、東京の人たちの間でもウワサされていくことでしょう。

tokyoなんとかの書きかけ原稿。10月号に載る予定だそうです。
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気が付いたら飛行機までもうそんなに時間がなくなってしまいました。もっとお話したかったですが、それはまた今度にということで、空港へ向かいました。福岡で面白いお店があると知って、また福岡へ行く楽しみが増えました。福岡にお住まいの方&福岡に行かれる予定のある方は、ぜひお店に行って見て下さい!(ちなみに不定休だそうなので、事前に確認していったほうが安心かも)

空港で、最後のとんこつラーメン&餃子を。
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忙しい中お話に付き合ってくださった佐野さん、どうもありがとうございました! 

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