« ここ最近のロンドン社会情勢 | トップページ | 誤爆を防ぐ »

つなぐ言葉

今日は、事実上最後のインタビュー映像を見返していました。長かった素材見返し作業も、問題なく行けば、明日には終わる予定です。ヤッタ!

今日見ていたインタビューは、3人でお住まいの家族。団地住民のほとんどは60代以上で、子供はすでに独立しているという人が多い中で、唯一24歳の息子さんとご両親で暮らしている家庭です。

インタビューは11月6日に行いました。家族3人そろってのインタビューなので、3人がコタツに入り、3人ともフレーム内に収まっているという構図にしました。普段住民の会のミーティングには出てこられない奥さんがとても面白い方で、私の代わりにインタビュアーとなって、普段ご主人に聞きたかったことを、ここぞとばかり聞いているようでしたcoldsweats01

立ち退き請求にもめげず、住み続けるには家庭内の意見の一致が不可欠です。これまでに出て行かれた方のなかには、夫婦のどちらか一方は住み続けたかったけれども、もう一方の強い反対にあい、仕方なく出て行くことにしたというかたも、沢山いらっしゃいました。

なので、この日のインタビューの前、奥さんにはこれまでほとんどお話したことがありませんでしたが、当然住み続けたいと思っている方なのだと思っていました。ところが話を聞いてみると、ご主人が住み続けたいと思っているけれども、奥さんとしては「早く出たほうがいいわよ」という考えだったのです! 「何を言ってもお父さんは聞かないからねぇ。今はあきらめモード」とも言っていました。こういう状態、とても大変だろうなぁと思います。

映像的には、”コタツで団欒”といういかにもアットホームで和気藹々とした構図にもかかわらず、実際には家族の意見がみんなバラバラというギャップがとても面白かったのですが、悲しいのはこういった問題が、家庭内から出たものではなく、機構から、もっと大きく言えば政府の方針(団地の削減)に由来するものだということです。こんなことで家族が分裂するなんて悲しい。でも、この問題を考えるときに、政府の方向性を語ることなしに考えることは出来ません。

しかし、ひとつの団地に密着し、住民の方へのインタビューで日々の暮らしを語ってもらうという映画の中で、それを政府にまで結びつけるのはかなりの飛躍があります。どうやってストーリーをつなげるのか???

素材を見返す前に、粗い構成を考えていましたが、各パーツごとをどう結びつけるか、結び付けられるのかについて、しっかりとした確信を持つことは出来ていませんでした。特に、機構を考える上で大きな意味を持つ”事業仕分け”。このときの映像を使うということは心に決めていて、そこから国交省やあり方検討会につなげることは考えていましたが、住民のインタビューから突然仕分けに飛ぶのは無理がないか?と。

自分の思うように物語を展開するために、ナレーションで引っ張っていくということも出来ますが(「この背景には、一体どんな動きがあるのでしょうか?」的なナレーションを入れるとか)、私は今回は基本的にナレーション無しで、モンタージュで、編集で繋ぎたいという思いがあるので、ぐいぐいナレーションで展開させたくないのです。

しかし、今日住民の方のインタビューを見返していて、奥さんが「こういうの、仕分けのお姉さんがみたら、なんて言うかしらね? 聞いてみたいわ」と、ぽつりと言ったのです。一向に出て行く気のないご主人を横目で見ながら。

・・・仕分けのお姉さん・・・

ふと、(これは事業仕分けへのつなぎに使えるのでは???)と思い浮かびました。うん、面白いじゃん、じゃあ仕分けのお姉さんとやらに聞いて見ましょう!ということで、レンホウさん登場!みたいな???

本当にぴったりとはまるかどうかは、編集で、タイムライン上に載せて繋いで見ないとわからないものですが、今私の中ではこの流れで行って見たいなと思っています。

インタビューでは、基本的に中身に注目しているのですが、でもこういったさりげない一言って、結構色んなところで使いやすかったりするんですよね。思わせぶりな発言とか、予告編にも使えるし。でも、それらをあらかじめ使ってやろうという気がないと、聞き逃したり、重要じゃないと思ってキャプチャーしなかったりするので、見逃していることも多いと思います。だから、(これは!)と思う気になる一言があったら、それはピックアップしておいたほうが良いでしょう! きっとどこかで使えるはずです。

|

« ここ最近のロンドン社会情勢 | トップページ | 誤爆を防ぐ »

新作制作状況」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ここ最近のロンドン社会情勢 | トップページ | 誤爆を防ぐ »