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マスコミによる取材

今日見返していたテープは、6月初旬のころのもの。TBSの噂の東京マガジンという番組が、この団地を取り上げるということで、6月初めごろから何度か団地に足を運び、住民の会のミーティングなどを取材していました。もちろん私も自分の映画のために取材をしていたので、彼らが撮影中に私は私のビデオで撮影していたため、TBSのディレクターさん、ADさんと住民の方との会話があれこれと記録されていたのでした。

年代のせいだけではなく、一般的に”フリーランス”というものはメディアではない(=マスメディアこそがメディアである)、大きな影響力として捉えられていないという傾向があるかと思いますが(←それに対して私としてはもちろん不満なのですが、しかしそれが世間一般のものだとは自覚しています)、住民の方たちも、ぶっちゃけそうです。そうとは言いませんが、でも言葉の端々や態度(対応?)からそれは分かります。

そんなわけで、TBSの取材がくるということで、住民の方たちはとても喜んでいました。(若干名の映りたくない人を除いて)。私としては、この問題が広く取り上げられてほしい、色んなメディアの人たち(マスメディア、独立系を問わず)が色んな視点で取り上げたらよいと思っているので、私もTBSがどのように取材し、どう構成するのかを興味を持ってみていました。

例えば、インタビュー時に”注意事項”的なお願いをするなど、(へぇ~~~)と思いながら聞きました。テレビに取り上げられるというと、過剰な期待をする住民もいます。それに対して、「住民の方の不満は分かるが、向こうには向こうの言い分もあって、報道する側としてはそれも取り上げざるを得ないのです」とか。他にも、「皆さんが同時に話し出すと、編集のときにとても大変なので、お一人が話しているときは、他の方は静かに。その方のお話が終わったら、他の人が話すようにしてください」とか。これは私も超同感!! そうなんですよねぇ!! インタビューに答える側は、みんなでよってたかって話すし、色んな言葉がぽんぽん飛び交ったほうが、向こうもたくさん情報が得られて良いんでしょ?ぐらいに思っているのかもしれませんが、これは大きな間違い!!

また、これはマスコミならではの配慮だと思いましたが、この時期は参議院選挙が近づいていましたので、ベランダなどに選挙のポスターを張っている人は一時的に取り外してください、とも言っていました。立候補者や政党名が入っているものを映してしまうと、公職選挙法に触れてしまうのだとか。

30分近くのコーナーで取り上げるということで、何度も撮影に来ていましたし、ミーティングだけでなく、集会なども撮影されていたので、結構丁寧に取材しているほうだと思いました。

結局、6月初めから取材を始めたTBSは6月末には番組をオンエアし、3月から取材を始めて、いまだに完成していない私をあっという間に追い越したのですが、それは人員、資金力、設備が整っている全国レベルの放送局と、かたや居候生活での制作環境なのですから、当たり前といえば当たり前。

番組自体は、ややバラエティーっぽく仕上げてあるものの、ポイントはきちんと抑えられていて、機構側にも取材をしていて、良かったと思います。

・・・しかし、私が納得がいかないのは、TBSに対してではなく、機構に対して。私の再三の取材申し込みには応じないのに、TBSには応じている!! この件に対して私は電話でも文書でも抗議をし、最終的には直撃取材までしたのですが、やっぱりフリーランスはなめられているよなぁ!と腹が立つのです。電話でのやり取りなんて、向こうの言い分に対して、私は文字通り髪の毛が逆立つような怒りを感じました。取材断るにも、説明が幼稚すぎる。

過去・現在・(かなりの確率で)将来も、マスメディアに所属することなく、フリーでやってきた私は、今後もこの壁と戦っていくことになります。でも、最近は例のYouTubeに投稿されたビデオや、ウィキリークスなどが大きな話題となっている関係で、だんだんとその効力の大きさや速さに対して、一般の認識も変わってきているのかもしれません。そして私の先輩に当たるフリーランスでずっと活躍してきた独立系の人たちのおかげにもよって。

取材の難しさは、単純にマスメディアVSフリーランスの構図ではありませんが(例えば、フリーランスといっても超有名な人から無名の人までいますし、フリーランスでもたくさん取材を成功させている人はいるし、マスメディアだからといって常に取材に応じてもらえるわけではなく、断られ続けても粘り強く交渉したり、内容を妥協したり、相手側に取材を受けさせざるを得ないような弱みを握ったりして、取材を可能にする・・・など、さまざまなケースがあり、単純に比較は出来ません)、しかし、今回のような、私と全く同じ取材内容で、私と同時期に取材を申し込んでいたにもかかわらず(私のほうが長く取材しているし、早くから取材も申し込み続けていました)、TBSの取材を受けて、私のは却下というのは、明らかに無名のフリーランスの差別でしょう! (同じ内容でも、時期が違えば取材に応じられないケースもあるでしょう。例えば、この件が裁判になれば「現在係争中の案件なので、コメントは差し控えさせていただきます」といったように。しかし、今回のケースでは、事態も動いていないし、同じ時期に取材申し込みをしています。こんなに条件を合わせて比較できるケースも珍しいぐらいです)。

取材拒否の理由については、機構側の担当者は「TBSは別件の取材もあったので受けた。その別件の内容については答えられない」と説明していました。”別件の取材”・・・。彼らと連絡を取り続けていた数ヶ月は、心身ともにかなり消耗しました。あんなのずっと続いたら、体に相当悪いだろうな・・・。

でも、本当の意味でフリーランスの世間的な評価を上げるためには、「偏見をなくして!」と叫ぶのではなく、きちんと取材をした質の高いものを提供し続けていくことを通じてのみ可能なのだと思います。

いわゆる”マスメディア”取材のテープを見ながら、そんなことを考えました。

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