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[jp] 雲南その9(4月1日)

この日の朝ごはんは、かわいらしい紅白の蒸しパン。
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温かい豆腐のようなもの。それに温かい豆乳や砂糖をかけて食べる人が多かったです。

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肉まんの皮のようなパンに、コリアンダーやネギ、辛い豆腐のペーストなどをはさんで食べる。
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蒸しパンは意外に縦長でした。
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この日も快晴! でも編集作業で出かける時間がなく・・・weep
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朝食の後は、編集作業の続きです。ホテルのロビーでは、他のグループと一緒で騒がしいため、菊池さんの部屋を貸してもらい、編集作業をすることになりました。前日の夜までに、撮影したものの取り込みと、素材の把握、そして中国語会話部分の抜き取りは済ませていました。

ただ、一番問題なのは、コンセプトについて話し合うことをせずに撮影に出かけ、その場のノリで面白いと思うものを撮影しただけなので、各素材に脈絡がなく、全体を通してのテーマや一貫性がまるでない、ということなのです。取り込んだ素材から、一応使用候補としていくつかの素材を切り出し、タイムライン上に並べましたが、あまりにもバラバラで、ここから浮かび上がってくるテーマのようなものはまるで感じられないのでした。

どうしたものか・・・とみんなで話し合った結果、私たちは大理を訪れて、普通の人たちの暮らしを撮影しようと外に出かけた。おばあさんやおじいさん、いろんな人を撮影できた。でも、結局、深いところまでは所詮撮影できていない。だから、「ちょっと見た大理」というのがこの作品の全体に流れているものではないか?という結論になりました。そこで、タイトルは「GLANCED in Dali」に。

このタイトルの元、私たちが出会った大理の人、風景をつなげて行こうということに。方向性が決まったことで一同安心。その方針の下、素材をつなげていくことにします。

・・・しかし、ここで問題が。

私たちは、割と積極的な人たちの集まりだったので、いろんな人に声をかけ、インタビューもしました。インタビューの映像は、被写体の人のクローズアップ映像であることが多くなりますが、今回の課題では映像と音声をシンクロさせてはいけない、という決まりがあるのです。

でも、インタビューで、会話をしている顔のクローズアップと、その音声がずれているというのはめちゃめちゃ違和感ありますよね?? 絶対無理でしょ、見たいな。

ちょうど私たちの進行状況を見に来た菊池さんに、「シンクロさせないという決まりは全体を通してなのか、それとも部分的にはシンクロさせてもOKなのか?」と聞いてみました。
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菊池さんからは「全体を通してシンクロさせてはダメ」と言われてしまいました。・・・うーーん、では、沢山撮って使いたいと思っている顔の表情のアップはどうなるのか・・・

菊池さん曰く、おばあさんの豊かな表情は、彼女の声がなくても伝わってくる。例えば、彼女の表情に、川の流れの穏やかな音などをかぶせるのは、合うのではないか?とのことでした。私たちのグループのみんなは、普通にドキュメンタリーのインタビュー映像を使うというやり方をしてきた人ばかりなので(インタビュー音声に、他の映像をかぶせるということはやりますが、その逆はしたことがありません)、その提案にものすごい違和感を感じてしまいます。

しかし、「シンクロはダメ」というのが揺るがないルールだということは分かり、限られた素材の中でどうやって使っていくか、ゼロから考え直すしかないのでした。撮影するときから、シンクロはダメと分かっていたものの、やはりシンクロ前提で撮影してしまっているのです。だから、音と一緒に使えないとなると、とても使いにくい素材ばかり・・・。今頃になって気がつくのでした。

パソコンの操作はケイが担当でしたが、昆明~大理の意外な寒さで、バンコクから来た彼は風邪を引いていました。それでも、彼がやるのが一番早いので、続けてもらいます・・・
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5時間ぐらい続けるとさすがに風邪を引いていなくても疲れてきます。明らかに彼の体調が悪くなっていくことが、私たちにも伝わってきました。

マッサージを施して、またがんばってもらいます! 可哀想! 私たちは鬼です、鬼!
だって、誰も編集作業を変わってあげようとしないのですから!
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「どう、良くなった?」と聞くシャオボ。
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「あまり変化がない」とケイが言うので、今度は手のひらのマッサージを。
イェンと私もついでにマッサージをしてもらいます。
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音の録音のときに撮った、軍隊の行進曲的な曲は、学校の体操に使われる音楽でした。それと、朝の街で働く労働者たちの様子が、共産主義国的な、働け、労働者諸君!風なプロパガンダで面白かったので、労働者たちのシーンにその曲を載せました。

あ、これぴったりじゃん、とみんな気に入ったのですが、菊池さんはそれを見て、ある”効果”を狙って音を使うという意識が、無意識にあるといいました。効果を狙って音をつけるのではなく、大切なのは「現実」を音によってどう表現・再現するかということなのだ、と言われました。

うーーーん。音をかぶせるという行為自体、普段あまりやらないし、やるとすれば、それは何らかの効果を期待してやるということになれている私たちにとっては、またまた難題・・・。

菊池さんが、1時間に1度ぐらい様子を見に来ては、私たちが既成概念にとらわれて組み合わせた音を崩していくという、その繰り返しが6時間ぐらい続きました。

予定では、この日の6時までが締め切りでしたが、この時間に完成した班はひとつもなく、新たな締め切りは9時となりました。とりあえず夕食を食べるためにいったん編集作業をやめます。

この日の夕食は、屋上でラム肉のバーベキュー
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バーベキューの様子を撮ったビデオ。焼いた肉を切り分ける様子など、豪快です!

夕食のときに隣に座った男性は、道場の参加者ではなく、この日だけ遊びに来た中国人のジャーナリストでした。地方紙の記者をしていて、数日前まで2週間、仙台で震災の取材をしていたそうです。日本のマスメディア、特にNHKは優秀だと盛んに言っていました。私は同意しなかったのですがcoldsweats01、でも彼は「中国に比べれば断然いいでしょ?」と言っていました。仙台では、震災でなくなった人たちの大きなお葬式を取材したそうです。それは日本のメディアは立ち入り禁止で、海外のメディアにのみ取材が許されたものだった、と言っていました。(←こういうこともあるのでしょうか? 事実確認が出来ていませんが、彼はそう言っていました)

海外のメディアは山形に滞在し、仙台に取材へ出向くという人たちが多かったそうですが、山形では低廉な宿が足りず、みんなラブホテルに宿泊していたそうです! 

中国の地方紙で、週1のペースで特集記事を書くのが彼の仕事で、今の会社で6年ほど働いているそうです。テーマはそのときに応じて、どんなジャンルでも。年に数回、海外での取材を行うそうです。地方紙の中では割と自主性を守っている新聞だそうですが、それでも「書けることは限られている」と話していました。日本のメディアをうらやましがっていましたが、うらやましがられるような状況でもないと私は思います。

夕食の後は、また編集作業の続きをしました。シンクロさせないという方針があるので、タイムラインに並べた映像の音声を全てカットしました。それで、一度映像だけで再生してみて、各パートにどんな音が合うのか、音素材の中から合うものを探してきて載せる・・・この作業を試行錯誤しながら進めました。

エンディングクレジットをどうしようかという話になり、ではみんなで写真を撮ろう!ということに。最初、普通に撮影する予定でしたが、またアイデアがエスカレートして、最後はこんな状態に!
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「目をつぶったほうが良い!」ということで、目をつぶったバージョンも。
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みんな大はしゃぎで、これが一番盛り上がったかも・・・coldsweats01

結局、10時になっても完成した班はまだひとつしかなく、もう締め切り時間の目標はなくなってしまいました。「出来上がり次第上映会をする」ということに。

菊池さんはこの頃には30分に1度ぐらいの割合で私たちのところに来ていました。私たちが載せた音について、「確かにシンクロはさせていないけれど、似たような音を載せている。無難すぎる選択だ。新たな世界を作り上げていない」と・・・。

うーーーん。

菊池さんが私たちの映像を見ながら、また撮ってきた音を聞きながら、私たちにあれこれとアドバイスをします。それを私が英語に通訳してみんなに伝えます。

でも、菊池さんは音の世界観を話すので、具体的ではなく、通訳もとても難しく・・・。

しかし一方で、私はアイデアについての意見交換や、提案を英語で行うことが、そんなに苦でもなかったように感じていました。国際的なワークショップに参加するのは初めてでしたが、ウェブサイトの構築作業を、イギリス人とメール&スカイプでしょっちゅう行っているからではないか?と思い当たりました。日本語でも表現しにくい”感覚”や、大小さまざまな”提案”など、全てを英語で言わなくてはいけない環境に置かれていいるので、それがこういうときの役に立つのかもしれません。こういう経験なく、いきなりワークショップに参加していたら、結構苦労していたかも。

とはいえ、気がついたらもう2時を過ぎていて、私は延べ16時間近く通訳をやっていたのでした! いくら英語で説明する環境には慣れているといっても、こんな長時間やっていると集中力が切れてしまい、2時過ぎあたりにスタッフの愛さんに通訳をバトンタッチしてもらいました。

3時ごろになっても、音を入れては菊池さんのダメ出しの繰り返し・・・
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でも何とかまだ元気・・・
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最後の方は、菊池さんのアドバイスが概念的なものから、具体的なものへと変わりました。具体的というか、今度は「ここを1秒ぐらい後から始めて」とか、「この音はここに持ってきて」、「ここはクロスフェードで切り替え」、「ボリュームをここまで絞って」とか、アドバイスというより、編集指示といったような状態になり、ケイがひたすらそれを編集ソフト上で合わせていくという状態。私たちは、これらの指示がどういう目的のために出されているのか分からず、そして音が良くなっていっているという実感もなく、1時間ほどそれを黙って見つめるだけでした。

最終的な作品の仕上がりを観て始めて、(こんな風に変わるんだ、全然良くなった!)と思えました。まるで手品を見ているかのようでした。菊池さんの中では、最初から全体のドラマの構成があって、それを実現するための具体的な編集指示を1つ1つ出していたのかと思いますが、全体像が見えていなかった私たちは、出来上がり品をみて初めて(そういうことだったのか)ということが分かったわけです。こんな経験はめったに出来るものではないと思いました。プロの現場とプロ魂にふれたような気がしました。

でも、最後のこの進め方と、そしてワークショップ全体の進行スケジュールは、課題が残されているというのも確かです。本来は、参加者自身の手で作品を仕上げるのに、最後のほうは菊池さん主導で全てが完成してしまいましたし、当初夕方6時としていた締め切りの設定が午前4時になっても終わらないというのが、果たして設定として適切だったのか、と。

道場主催者側も、私たちワークショップ参加者側も、この日の深夜ごろには(こんな激しいワークショップなの?)という気持ちが蔓延していたように思います。朝4時ごろ撮ったこの写真の雰囲気に良く現れています。
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菊池さんの編集指示が終わり、出来上がりを観て見ます。OKが出るまで終われません。

緊張の瞬間をビデオに撮りました。

無事菊池さんのOKがもらえたのは4時半過ぎ! なんと、道場のスタッフの人たち+一部の参加者たちはロビーでお酒を飲みながら、起きていてくれたのでした! ロビーに行き、みんなと話します。みんな、この日のこの展開は予想していなかったようでした。眠い&疲れたを通り越して、気力だけで頭が冴え渡っているような感覚。「疲れた~」と私が言ったら、菊池さんから「それは俺のほうだよ!」と言われました。スミマセンcoldsweats01

5時半頃まで話して、寝ることにしました。午前中に上映会ということだったので、3時間ほどしか寝れませんが・・・。

ハードな道場3日目が終わりました。

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