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[jp] 雲南その1(3月23日~24日)

さて、今日から1週間ぐらいかけて、雲南省の映画祭&ワークショップについて書いて行きたいと思います。

(現地で私が見聞きしたものを個人の覚え書き的に書いていますので、記述が事実と異なる場合があるかもしれません。その場合はご容赦を。)

震災から約2週間後に雲南へ向けて出発した私ですが、計画停電などの影響で電車がマトモに運行されるのか心配していました。成田を9時半に発つ便だったので、成田には遅くとも8時ごろまでにはつかなければなりません。私の住まいは成田まで2時間半以上かかるので、始発で出たとしても、何かあったらもう間に合わないという状態。

そこで、初めて成田空港近くで前泊することにしてみました。ネットで安いビジネスホテルを見つけ、夕方にチェックイン。1泊3,500円でした。ホテルからは空港まで無料のシャトルバスも運行されていて20分ほどで空港までいけるので、朝早い便でもそんなに早起きする必要はありません。

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今回、カメラやバッテリー、テープ、充電器など一式を持っていったので、スーツケースは行きの時点からかなり重くなっていました。前日に移動できることで、精神的にも体力的にも、とても楽。これまでは、朝早い出発を避けていましたが、これだったら今後も朝早い便OKって感じです。

部屋の中も、スーツケースを広げるのに十分なサイズでした。
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早めに寝て、翌日は6時に起床。7時のシャトルバスに乗り、7時半ごろには空港に到着。同じ日程で今回雲南に行く山形ドキュメンタリー映画祭スタッフの若井さんと、映画監督の川部良太さんとロビーで待ち合わせして搭乗手続きをしました。空港で中国元を両替。今回の旅行は現地の滞在費や食費は含まれるということでしたので、お土産代+αと考えてとりあえず1万円分(実際は9300円分)を両替しました。

成田から広州に向かい、そこで国内線に乗り継いで昆明へ。お隣の国・中国への旅行ですが、国土が広いし、乗り継ぎにも時間がかかり、なんだかんだで移動は半日がかり。昆明の空港に着いたときには、夜8時を過ぎていました。

空港では、雲南映画祭のスタッフであるホ・ユェンとジダンが出迎えてくれ、タクシーで昆明市内のホテルまで。二人とも、自主制作のドキュメンタリー映画監督です。ジダンは90年代に日本に4年ほど滞在した経験があるそうで、日本語がぺらぺら! 映画祭&ワークショップを通じてずっと通訳としても大活躍でした。ホ・ユェンは、雲南大学在籍中に、映画研究会(?)のようなサークルに所属し、それで仲間とともに雲南の映画祭YUNFESTを立ち上げたそうです。

チェックインを済ませ、荷物を3階の部屋へ。元軍隊の宿泊所ということで、ホテルは外装は派手に装飾してあるものの、基本的なつくりはとても簡素。エレベーターがついていないので、荷物を上に運ぶのに一苦労。

ホテル外観(夜)
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ホテル外観(翌朝撮影)
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ホテルのロビー
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フロントには世界各国の時計が飾られていますが、時間は間違っているし、英語は一切通じません。ただの飾りかよぉーー!!
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部屋の中はとても広いです。
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軍隊の宿泊所であったことの名残りが、ホテルの名前にも残されているようです。
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昆明は台湾とほぼ同緯度のところにあり、温暖で、「春城」と呼ばれているほど、一年を通じて暖かい地域と聞いていたのですが、到着したその日と、それから数日間は雨でとても寒く、東京と同じくらいの気温でした。

でも、地域自体は「温暖」を前提としているためか、ホテル内やレストラン、公共施設などではほとんど暖房設備がなく、本当に寒かったです!

部屋の中で洗濯物を干しても2日以上かかっても乾きません。部屋の中はとても寒く・・・。ふと、窓際を見てみると、窓のサッシに隙間が2センチ以上あるではありませんか!!(この写真からその隙間が分かると良いですが・・・)。
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これじゃあ隙間風で寒いはずですよね・・・。

さて、話は到着した日に戻ります。ホテルに荷物を置いたあとは、15分ほど歩いて映画祭の会場へ。ホテルは雲南大学のそばにあるということもあり、周辺は学生街。学生が好みそうな居酒屋やお店が立ち並びます。

映画祭の会場は昆明市の図書館。昆明の観光名所である翠湖(すいこ)公園のすぐそばにあります。会場に到着すると、この日の最終プログラムが上映されていました。ロビーにいた何人かの中国人映像制作者たちと自己紹介をした後、プログラムの最後の部分だけででしたが、メイン会場で映画をみました。

映画は全157分で、最後の15分ぐらいしか見られませんでしたが、Xu Tong監督の「算命」(英題:Fortune Teller)という作品を観ました。中国北部で暮す占い師の男性と、身体障がいを抱える女性のドキュメンタリーです。最後の部分しか見られなかったのですが、劇中には売春婦なども登場するそうで、そのためか上映後の監督Q&Aでは、観客から「あなたの制作モラルを問う!」、「この映画が大嫌い!」などのとても激しい応酬がありました。

しかし、映画を15分とはいえ観れた私としては、監督がとても温かなまなざしと尊敬を持ってこれらの人々に接し、カメラを向けているということが十分伝わってきましたので、そんなに激高するものかな??と不思議に思いましたが、Q&Aは30分近くも続きずいぶん白熱。中には一人で15分以上マイクを握り、話続ける人も。(中国の映画祭はすごいんだなぁ・・・)と呆然と見ていました。

一緒に見ていたジダンによると、この作品の監督は写真家からドキュメンタリー制作者になったそうで、いつも中国社会のモラルを揺さぶる作品を送り出しているそうです。前作は売春婦の生活に密着した作品だったとか。

Q&Aが終わり、ロビーに出ると、見終えた観客・映画祭参加の制作者たちが沢山いました。10人ぐらい紹介されて自己紹介をしましたが、英語を話す人(単語を並べるのではないレベルで)は、2割ぐらいでしょうか? 私は大学で中国語を第二外国語として勉強したのですが、すでに10年以上前の話で、しかもやる気ゼロでしたので、「こんにちは」、「日本人」、「ありがとう」、「さようなら」、「おいしい」くらいしか話せません。(あの時まじめに勉強していれば・・・)といまさら後悔したのでした。

驚いたのは、映画祭に来ている観客の中で、少なからずいる(見た目)欧米人たちが、ネイティブ並みに中国語を話すことです! その中で、香港に滞在して、中国の現代文化を自国・フランスに紹介するセバスチャンと会いましたが、彼も中国語がぺらぺら。日本に滞在していたこともあるそうで、日本語も問題なく話します。映画祭では、彼にずいぶん通訳をしてもらい、色んな監督さんたちと話すことが出来ました。

映画祭に来ている(自作を上映するか否かにかかわらず)自主制作のドキュメンタリー制作者たちはほとんどが男性でした。ジダンに聞いたところ、参加者の男女比は男性50人に対して女性2人程度の割合! 圧倒的に男社会なわけです。そんなにマッチョな雰囲気はありませんでしたが、あれこれ荷物を持ってくれようとするのが面白かったです。自主制作者は、男女問わず普段から自分ひとりで重い機材を運ぶのに馴れているのに!

観客がはけたあとは、貸し切りバス2台でパーティー会場へ。雲南の映画祭の支援者でもある映画監督のジャ・ジャンクーが来ていて、今夜は彼主催(だったかな?)のパーティーなのだそうです。

セバスチャンに通訳をしてもらい、地元昆明の詩人であり、ドキュメンタリー映画監督でもあるYu Jian(Hometownの監督)と話しました。彼に限らず、今回多くの人にまず聞かれたのは地震の被害、そして原発のこと。被爆国にもかかわらず、なぜ日本人は原発を持つのか?と聞かれました。また、放射能の被害で、影響を受けやすい妊婦や子供をまず安全な場所にという動きに対して、彼は違和感を感じる、とも。中国では、老人を敬い、大切にする文化なので、子供が優先されるのがおかしい、と。

放射能に関しては健康に関しての配慮と措置なので、一概に比べられませんが、しかし、日本社会全般で高齢者に対する尊敬は少ないように思います。「年寄りになったら邪魔者扱いされる」というような社会では、若者も結局自分自身を大切にしないようになるかもしれません。そんなことを考えました。

台湾から来た映画監督とも話しました。後に、ワークショップで同じ班にもなったYinです。大学では社会学を専攻して、現在は大学院でドキュメンタリーを学んでいるそうです。なんと、大学院に5年も在籍しているとか! 「作品を仕上げるのに時間がかかり、いつも提出期限に間に合わない」結果、卒業できずにいるそうです。

彼も自主制作でドキュメンタリーを作っているのですが、彼曰く、中国に比べて台湾は作品作りのための助成金や補助金を得るのは易しいそうです。しかし、政治的に難しい問題を抱えている国でもあるので、政治的な内容をテーマにするのは難しいといっていました。

在学していることの利点は、学校から高品質の機材を借りられること。作品はHDVのカメラで制作したといっていました。

パーティーは2時ごろにお開きとなり、ホテルに戻りました。映画祭のスタッフたちは、映画祭が始まって以降、連日2時ごろまで飲んでいるそうです。朝はそれなりに早く始まるので相当体力的にもきついでしょうが、ジダンは「幸せだからあまり寝なくても元気」と言っていました。

昆明初日が終わりました。

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