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[jp] パチンコ新装開店状態に・・・?!

昨日はビデオアクトさん主催で、再編集後の完成披露上映会をしていただきました! チラシやネットで上映会のことを知ってきてくださった方や、私の昔からの友達、そして高幡台団地の住民の方々も来てくれて、とてもうれしかったです。

DVD上映はトラブルが多いということで、事前にビデオアクトの土屋トカチさんがミニDVテープにダビングをしてくれました。なので、この日の上映会は、ミニDVテープでの上映でした。私は今回上映まで日にちがなかったので、ミニDVテープへのダビングをトカチさんにお願いしてしまいましたが、今度は自分でもやってみようと思います。

上映の後は、トカチさん司会でディスカッションをしました。この映画を作ることになったきっかけ、URから何か言われたか、住民の方の感想、現在の裁判の状況、私が以前留学していたイギリスの公共住宅事情、そしてこの映画を今後どのように広めて行きたいか、などお話しました。

ディスカッションの様子(小林アツシさんに撮っていただいた写真)
Dsc01931

その後は、会場からの質問。URの分譲住宅に住んで、自治会にも関わっているという方からは、高幡台団地の自治会についての質問がありました。その他には、「代替施設というのは何のための施設か」、「黒塗りでない設計図が最終的に住民に開示されたのはなぜか?」といった質問をいただきました。

高幡台団地73号棟の住民を代表して、映画にも登場する吉津さんは、「73号棟がたった7世帯で孤立している。自分は気にしないけれど、一人暮らしの高齢の女性住民たちは、だいぶさびしいのではないか?」と話しました。気になる裁判については、先日の公判に私は参加できなかったのですが、「裁判官は女性で、住民の立場に理解があった。裁判官の心証はいいみたい。直そうと思えば直せるじゃないか、みたいな・・・」と言っていました。

う~~~ん、これはかなり楽観的な推測だと思います。ちょうど昨日は、私もすこし関わっている、情報公開に関する裁判の判決があったのですが(ジャーナリストの寺澤有さんが数百万枚に上る情報公開請求をして、その量が膨大すぎることを理由に権利の濫用として請求を拒否されたことに対する訴訟です)、裁判官は情報公開の必要性は認めつつ、権利の濫用であるという立場を崩さず、アメリカでは数百万枚の請求にもきちんと対応している事例・体制があることについては、将来的には日本もそうなるのが望ましいが、日本は現在予算や体制的にも整っていないので出来ない、といったような開き直り判決でした。結局現状を容認し、国民の知る権利をないがしろにした判決といえます。(寺澤さんは「もちろん控訴する」と言っていました)

URもいわば国みたいな組織ですので、裁判官は住民感情に一定の配慮をしつつも(←うわべだけ)、基本的には国の擁護者として、URの姿勢を支持する立場を取る可能性が高いでしょう。(裁判官の心証が良い)と油断せずにもっと支持の輪を広げていく必要があると思います。

ディスカッション終了後、横浜市のUR団地のドキュメンタリー「海岸通団地物語」の監督・杉本暁子さんが声をかけてくれました。先日このブログで書いた、築50年の取り壊し&一部建て替え予定の団地をずっと追い続けて、撮影されているそうです! 映画を完成された後も、団地に通い続け、取り壊しまで追うという杉本さんは、私に「これからも撮り続けるのですか?」と聞かれ、私としてはもちろん今後の裁判にも注目して住民の方々と関わっていくつもりだけれど、例えば”続編”を作るつもりでカメラを回し続けるのか?ということまでは考えていなかったので、そう答えました。

まず、この問題を始めて知ったときから、(これはやがて裁判になる)と思ったので、公共住宅の必要性についての世論(←これまた得体の知れない、厄介なものですが)を高めることが必要で、そのために映画を作りたいと思っていたので、裁判が始まる前に映画を完成させて、裁判に合わせてどんどん各地で上映していく・・・という目的で作り始めたからです。なので、ずっと追って、全てを見届けた後に「こんな生き様をした人たちが、かつてここに暮していた」という記録ではなくて、現在進行形の、現在の状況に”働きかける”映画を作りたかったのです。

「映画を作る」つもりで撮るというのは、商業映画の監督も自主映画の監督も同じだと思いますが、”覚悟”がいることだと思います。やっぱり片手間な気持ちでは出来ない。精神的にもそうですが、例えば経済的にも、私だったら1年ぐらいは無収入になっちゃうだろうなと思うし、映画を完成させるまでは生活の中心は映画作りになる・・・というような。

もっとバランスの取れた生活をしながら、素晴らしい作品を作れている監督さんはたくさんいますが、自分の場合はかなりの高確率でそうなってしまうだろうと予測するので、それなりのつもりでやらないと、と思うんです。

でも一方で、如何にも”映画作るぞー!”的な、気合の入ったものだったら、良い映像が出来るのかというとそういうものでもないということは、私も承知しています。自然体でカメラを向けたときのほうが、実はよい映像が撮れたという経験もこれまでに何度もあるし・・・

映画を完成させた直後の今、「続編を作るのか」という質問には、即答できないというのが正直なところなのでした。だから、映画を作った後でも、続編も作るつもりでずっと海岸通団地を追い続けている杉本さんは、きっとすごいパワーと持続力の持ち主なんだろうなぁと思います。

・・・ここまで書いてみて、ふと、”覚悟”とか何とか書いたけれど、私はとりあえず1年2ヶ月この作品だけに集中してきて、今は一休みしたいor他のものも見てみたいだけなのかも、とも思えてきました。この半年ぐらいは、ほとんど外にも出てないんだしgawk。自分の今の心理状態が、良くわかりません・・・。

上映会場から撤収した後は、ビデオアクトのメンバーの方々と飲み会に行きました。そこでも、皆さんから映画の感想をもらいました。前作「ブライアン~」もビデオアクトで上映していただいたので、ブライアンと比較してのコメントももらいました。前作に比べて撮影や編集はだいぶ観やすくなったと言われました。ナレーションも良くなったとも。

でも、課題もまだまだいっぱいあって、例えばもっと住民の生活に寄り添うことで、観客が住民たちに対して感情移入が出来、最後の直撃取材のときに、観客も(コノヤロー!)という気持ちで見られるのではないか?ということや、同じポジションで撮影したインタビュー映像では編集のつなぎが難しいので2カメで撮影したほうが良い(一台は三脚固定で、もう一台は手で持ち自由に動かす用)、もっとボリュームを減らすべきと指摘されていた大学教授のパートがほとんど減っていない、そもそも「UR」がなんなのか、一般の人は分からない、JR、JA、JALほど一般に浸透した名称ではない(←確かに!!)、取り壊しではなく建替えならいいじゃないか?と思う人もいるかもしれないが、建て替えの場合、大抵は家賃が3倍などとても高額になるなどの、そういう事実も盛り込んだほうが良かったのでは?、団地から出て行った人の話も聞いてみたかった・・・etc、たくさんコメントをいただきました。

まず、「住民に寄り添う」ですが、これについては2月に行った映像制作者批評会でも指摘されていました。私はそれを受けて、再編集のときに(何か普段の生活が伝わるようなものを・・・)と思って、撮影した全素材を探したのですが、無かったのです!! 

この映画を作るときに、取材を始めて割りと早い段階で、団地の追い出しというのは国家的な事業なんだ、これは国の方針として行われているものなんだ、と思い、その大きな構図を示すべきだと思いました。

どんな流れで、どんな人が、どんな思惑で住宅政策を考えて、決まっていくものなのか・・・。”追い出し”というと、例えばTVでは「悪人UR VS かわいそうなお年寄り」みたいな構図で描かれているのを何度か見たことがありますが、私はもっと大きな構図を示したいという思いがあって、それはそれで間違ってはないとも思うのですが、そちらばかりに捉われて、大きな構図だけに終始してしまい、小さな日常も伝えることで、よりこの問題をアピールできるという考えが抜け落ちていた(←こう書くと、自分は映像制作者としてどうなんだろうか・・・とも思いますが、これが本心でした)、と思うのです。

なので、住民の方と一緒にいるときも、”インタビュー”ばかりを映像で記録してしまって、日常生活については、私は一緒にいても映像には記録しないまま、ぶっちゃけ”のんべんだらりと”過ごしていたように思います。カメラを回さないで一緒にいるときというのは、撮影の合間の休憩時間というようなノリで! 日常生活をきちんと撮り、それを映像に入れるという意識が欠如していたので、もちろん撮れてもいないわけです。それで、「住民に寄り添う映像」の必要性を後から認識したけれども、素材自体がないのだから、それはどうしようもないって思っていました。

この映画を作る目的のひとつは、裁判にあわせて映画を上映するということなので、昨日上映したバージョンでたくさん上映会をしていきたいと思っているのですが、一方で、私自身への課題として「これまできちんと記録していなかった住民の日常生活を撮ろうとした場合、自分はどんな風に彼らの日常を切り取れるのかな?」という興味も、今現在このブログを書いていてひそかに湧き上がってきました! 

そこで思いついたのは(ホントに思いつきなのですがcoldsweats01)、季節も暖かい時期になってきたし、何人かの住民の方のお宅で”合宿”してみようかなと思ったのです。何泊かずつ、それぞれの方の家に泊めてもらって、どんな一日、どんな日常を送っているのか、記録してみようという、いわば”ひとりワークショップ”みたいなもの。

住民の方にはまだ話していませんが(←かなり迷惑がられる企画であることは間違いないのですが)、私としては寝袋は自分で持参するからお願いします、と提案してみようと思います。

”続編を作る”とか”再々編集をする”予定は今はないのですが、私がこの映画を作るときにやり残してしまったものへの取り組みとして、今は映画も完成してとりあえず気持ちにも余裕があるのだから、気楽な気持ちでワークショップをしてみたいと思います。

・・・でも、私は発言や計画がよく180度転換するので、もしかして将来それを映画に組み込んでしまうという事態も、ありえなくもありませんよね?!?! いやいや、そんなことは今ここで宣言してしまわないほうが良いかしら。

まずは「一緒に時間を過ごしてそれを記録する」というシンプルな目標のみ掲げ、とりあえずやってみてどんなものが捉えられたかを見てみる、ということにしたいと思います。その後のことは、その後になってから考えればよいではないか。

なんか、再々編集とか、観るたびにバージョンが変わっているとかって、他の人から見たらまるでパチンコ屋が毎週「新装開店!」とか「新台入れ替え!」とか、客寄せのために派手に宣伝している風だと思われるんじゃないか・・・という危惧もあるのですが、自分の映画だし、ここまで来たらもう好きなようにやるしかないんじゃないの?って気もしてきました。。。

とりあえず、そんなことを考えた完成披露上映会でした。

ビデオアクトのスタッフの皆さま、会場に足を運んでいただいた皆さま、どうもありがとうございました!!

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