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[jp] 山形ドキュメンタリー映画祭報告その4(10月9日)

前日はお酒も飲まず、早めに寝たので、この日は割りとよく寝られたほうでした。でも、時々目が覚めるのは、お酒のせいではなく、やはり自分の上映が終わらない限りは落ち着かなくて、常に自分の気持ちのどこかで上映のことを考えているからなのだと思いました。

今回、私は初めてのブルーレイディスク上映をすることになっていました。山形では、HD素材は全てブルーレイ上映となっているためです。私としては再生が安定するMP4データなどでの上映を望んだのですが、ブルーレイでということだったのでそうしました。ブルーレイはDVDより再生が安定していると聞いたこともありますし(←プレーヤー自体が、古いものは存在しないし)、一方で、同じディスク領域に高密度にデータを書き込んでいるブルーレイのほうがエラーが多く発生すると聞いたこともあります。一体どちらが正しいのか、未だに分かりません。

私は自分で字幕を翻訳し、字幕入れをし、ブルーレイに焼いたので、そのディスクが山形で上映されるプレーヤーでちゃんと最初から最後まで再生されるのか、事前に「ニュー・ドックス・ジャパン」プログラム担当の愛さんにお願いしていました。愛さんからは9月のはじめ頃に「山形で使用する再生機できちんと最後まで再生された」という連絡をいただいていたのですが、(プレーヤーにほこりが入ったら・・・)とか、(映画祭会期の最後のほうなのでプレーヤーもくたびれてくるのではないか?)とか、色んな不安が頭をよぎり、香味庵にいても、レストランにいても、時々そんなことを考えたりして、やはり完全に開放されてお酒を飲むということはしませんでした(その代わり、上映が終わったその日からは深夜まで遊びに出かけるようになりましたけどcatface)。

私としては自分の上映はなるべく早く終わってもらい、後は映画祭を楽しみたいと思うタイプなのですが、他の上映監督たちと話していて、その人たちは初日の上映だったのですが、「映画祭で色んな人たちと知り合って、仲良くなって『あなたの映画を観にいくよ!』と言ってくれるのに、自分の上映がもう既に終わっていて悲しい」と言っていました。・・・そうかぁ、確かにそれも残念ですね。いつ上映するのがベストか、これはなかなか悩ましいところです。

さて、話がずれましたが、この日は朝8時に起きて、朝食を食べに行きました。前日にティーさんから聞いたベトナムのインディペンデント・メディアセンターの状況を下之坊さんにも話しました。「では彼女にインタビューをさせてもらおう!」ということになり、後から朝食を食べに来たティーさんに取材を申し込みました。とんとん拍子で話が進み、12時半からインタビューをすることになり、インタビューの会場は私が探すことになりました。

デイリーの編集室に行き、川口さんにインタビューで使わせてもらう部屋はないかと聞きました。結局、アワプラさんが公民館4階のトークサロンで使っているスペースの空き時間に場所を貸してもらえることになりました。

場所の確保が出来たので、フォーラムに「よみがえりのレシピ」(渡辺智史監督)を観にいきました。監督のプロフィールに「鶴岡市生まれ」と書いてあったのを見て、(もしかして鶴岡の高雄さんが以前話していた監督では?)と思い、観にいってみることにしました。劇場に到着したときには、既に30分ぐらい経過していました。山形の在来作物を守り育てる生産者、それらの野菜を用いるレストランのシェフ、漬物屋さん・・・。それらの人々の思いが語られていました。画面いっぱいに映し出される野菜たちのおいしそうなこと!

そのあとは、20分ぐらいだけ、「ニュー・ドックス・ジャパン」プログラムの「”私”を生きる」(土井敏邦監督)を観ました。

本当は最後まで観たかったのですが、私はお昼からのティーさんインタビューが気になって、早めに4階のスペースに行くことにしました。インタビューのセッティングというのは、やはり何かと時間がかかりますし、三脚やマイクを借りたいとも思っていたので。

デイリー編集室では、2007年に「遭難フリーター」を山形で上映した岩淵弘樹監督のビデオリポートをアップロード中でした。昨日一日で撮影&編集したそうです! デイリー記録班(の主に女の子ボランティアたち)に密着した(しようとした)記録。見せてもらったら、とても面白かったです。ビデオはこちらからご覧いただけます。
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私と下之坊さんによるティーさんのインタビューはビデオリポート第2弾とすることが決定! どうしましょう~~~!

ちなみにこのビデオリポート企画は、映画祭を訪れた映像作家たちが、自由に映画祭を記録し、リポートするという企画で、第3弾は「ともにある Cinema With Us」プログラムの「雪海」監督、大竹暁(あかつき)さん(ビデオはこちら)、第4弾は雲南の映像ワークショップでも一緒だった木室志穂さん(ビデオはこちら)でした。

いつ行ってもたくさんの人がいるデイリー編集室
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川口さんに三脚とマイクを借り、4階に行きました。私の持っているマイクは、キャノンの純正のものなのですが、私の映画を観た他の映像関係者からよく「音が悪い」と言われます。川口さんに借りたマイクはAudio Technica AT9940というもので、安価な割には音が良いと評判なのだそうです。実際ヘッドホンで聞いてみると、私のよりだいぶ良い感じ。次回制作に取り掛かるときには最低でもマイクは買い換えないとと思っているので、とても参考になりました。(カメラに関しては、ハードディスクのフルハイビジョンに切り替えるかはまだ検討中です。作品作りの度にカメラを買い換えてますcrying

4階のトークサロンスペースは、監督のQ&Aの時間が押して、予定時刻を過ぎてもまだ終わる気配がありませんでした。
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予定時間を30分ほど過ぎたところで、ようやくトークサロンが終了しました。アワプラの平野さんたちに会場の設営を手伝ってもらい、インタビューの準備をします。
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実際に下之坊さんに座ってもらい、カメラの位置を調整します。他人とコラボでインタビューやるのって、実は私は初めてかも!!
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インタビュー開始!
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私は映画祭に来て以降、割りと海外の監督と話す機会が多かったですし、ティーさんのメディアセンターについては事前にたくさん話を聞いていましたし、自分もなじみのある分野の会話であったこと、数週間前のブライアン追悼上映でイギリスとのスカイプ通訳をやったことなどから、今回のインタビュー通訳に関しても(やはりところどころ誤訳はあったと思いますが)そんなに苦労を感じることなく通訳をすることが出来ました。

・・・でも通訳がやりやすかった一番の理由は、ティーさんがとても論理的に、明瞭に話す人だったからなんですがcoldsweats01

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約40分のインタビューを終え、記念撮影。
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インタビューを終えたら、とてもおなかが空いてきてしまいました。ティーさん、下之坊さんとともに、前日に行った”男性客のいない”イタリアンへ、また女性ばかりで行きました。

私はトマトクリームソースを注文。大盛りは300円増しと言われ(←高くないですか? 普通は100円増しでしょ?)断念し、普通盛りでがまん。
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ティーさんは梅干とシソの和風パスタを。どんな反応が出るかと思ったら「意外においしい」とのこと。でも表情は微妙です。
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お昼ごはんを食べ終わった後、下之坊さんやティーさんは映画を観に、私はデイリー編集室に戻って動画の取り込みをすることにしました。

デイリー編集室では、毎日発行する映画祭の新聞の印刷作業に大忙し! 毎日発行で、バイリンガルなのですから、本当に大変そうです!
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「アプダ」のホ・ユェンが表紙を飾っていました!
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印刷機もフル稼働
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「ともにある Cinema With Us」プログラムの「雪海」監督、大竹暁(あかつき)さんが、第3弾リポートのためにビデオカメラを借りにきていました!
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さて、私の考えでは約40分間のインタビューを、日本語での通訳部分を除いて半分以下にして、それでYouTubeにアップしようと思っていました。字幕をつけるなんて、とてもじゃないですがそれでは映画祭期間中には仕上がりません。20分は”中編”といわれる長さなのですから。

私はビデオを取り込みながら、デイリーの川口さんにもそう伝えました。すると川口さんは、字幕が全くないのは良くない、部分的にでも要約としての字幕を載せたらどうか?と提案しました。でも、私からすれば逆に要約をするほうが難しいのです。全てを把握した上で、エッセンスを凝縮して字幕を短くし、入れる場所を厳選するのですから。それはほとんど、全てに字幕を載せるのと、そう変わりはない作業量だといえます。

デイリー編集室の編集環境はマックだったので、ファイナルカットで動画を取り込み、基本的な使い方を教えてもらい、不要な部分をカットしました。予想したとおり20分ほどになりました。でも、このマックの処理スピードの遅さと、ファイナルカットの使い勝手の悪さは、超高速パソコンで、使いやすいエディウスに慣れてしまった私には、ものすごく苦痛でした。写真を画面サイズに合わせたり、タイトルを入れるのに悪戦苦闘。これに字幕をつけるなんてもってのほかです。

「今これに字幕を入れるなんて無理」と、私は何度も主張しました。映画祭に来るお客さんの多くは英語がわかる人たちもいるのだから、仮のアップで日本語字幕がなくても全然問題がないのではないか、と。それよりも、早くアップするというスピードのほうを重視すべきだ、と。映画祭の後で字幕入りバージョンを載せるでいいではないか、と。

何んだかんだ言っているうちに、5時近くになってしまいました。今日はこれから映画を2本観ようと思っているし、そろそろ行かなくては・・・と思ってもいました。

しばらく考え込んでいた川口さんが、「それじゃあ、早川さんに口頭で訳してもらって、自分が字幕を入れましょうか?」と言うではありませんか・・・!!!!!!!

それがどれだけ大変な作業を意味するのかは、映画監督でもある川口さんならきっと理解していたはずです。それを承知の上で言っているのです・・・!!!

私は川口さんが字幕作業を引き受けると発言した時点で、私も(今日はもう映画を観れないんだ、観るわけには行かないんだぁぁぁ・・・)と覚悟を決めたのでした。

既に夕方5時。それから1フレーズずつ再生→翻訳→字幕入れ→聞き取れなかった場合はまた再生を果てしなく繰り返します。私は今まで字幕入れ作業を1日でやったことなんてありませんでしたから、本当に(今、とんでもないことをやっている)という気持ちでした。

夜8時半。まだ半分ほどしか終わっていませんでしたが、デイリー取材班のミーティングが始まりました。私も作業をやめて、ミーティングの様子を見ていました。
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会社員ならば、もう今日の仕事は終わりで飲みに行く・・・の時間ですが、この30畳ほどのスペースに、たくさんのスタッフが集まって、今日一日の報告、注意事項、明日の人員配置などを真剣にやり取りしている様子は、まるで部活のようです!!!

デイリー記録班の人たちは、デイリーニュースのために各会場の監督質疑応答の顔写真なども撮影しているのですが、その撮影について、バストトップの写真を撮るときの注意事項や、ISOの設定を変えないように、とか様々な注意事項を伝えていました。それらを真剣に説明していて、聞いている人たちも真剣そのもので、(青春だなぁ・・・)とか思いながら私はその場にいました。
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この日のミーティングでは、デイリーの0号と1号が在庫切れになってしまったので、今夜中に増刷する、その作業を手伝って欲しいということも話し合われていました。これから印刷・・・!!?? スタッフの皆さんの大変な努力によって、このような大きな映画祭が運営されているのだということを、私はこのミーティングに居合わせたことで、その片鱗を感じられることが出来、つくづく(デイリーの編集室で作業させてもらってよかった)と思いました。

あとで川口さんに聞いたところ、デイリー編集室のスタッフの人たち(主に山形在住のスタッフたち)は、隔年で開かれる映画祭の合間にも、ボランティアスタッフの人たちと人間関係を作っているので、映画祭の時にこのように結束して仕事をすることが出来るのだ、と言っていました。映画祭がない時期でも、例えば毎月(?)の地域での上映会に誘ったり、会ったりして、関係が続いているのだそうです。確かに、人間関係とか信頼関係が出来てないと、一丸となってやらなければならない作業の時にみんながまとまるのは難しいでしょうからね。きめ細かい努力をしているんだなぁ・・・と思いました。

9時を過ぎても、デイリー編集室は相変わらずフル稼働で、ほとんど全ての人がパソコンを立ち上げ、印刷機も運転しており、誰かが「ブレーカーが落ちる!」と叫びました。明日のインタビューのために作品のDVDを鑑賞する人、デイリー新聞用に撮ってきた写真を選定する人、果ては、映画祭の最新情報をツイッターでつぶやき続ける人まで・・・。ここにいると、時間の感覚がなくなり、アドレナリンだけで走り続けているような気分になってしまいます。多分映画祭が終わった後は、みんなぐったりなんだろうなぁ。

映画祭の写真をネットにアップ

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ミーティング終了後は、また字幕作業を再開。10時ごろに、やっと字幕の仮入れ作業が完了しました! ・・・とはいえ、これは川口さんにざっくりと入れていってもらったものなので、私が最初から見直して、翻訳の直しと、入れる位置の最終調整をしていかなければなりません。でも、大変な部分を全部川口さんにやってもらったので、残りの作業は本当に楽です。ほんと、すごく助かっちゃいました。感謝してもしきれません・・・!

10時半頃のデイリー編集室。
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まだこんなにうじゃうじゃ人がいる!
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私はひたすら字幕の修正作業をし、11時半ごろにはあと数分ぶんで終わり、というところまでたどり着きました。このまま行けば、明日の朝30分ぐらい作業すれば完成の見通しです。この頃にはもうぐったりでした。今日の作業はここまでにすることにしました。

デイリー編集室の人たちは、まだかなりの人数がいましたが、私は先に失礼することに。一体最後に編集室を出る人って何時なんだろうと思いながら・・・。

この日は、この日から映画祭に遊びに来た、自由と生存の家・野菜市の金さんと待ち合わせして、香味庵に行くことになりました。金さんは最終の映画を観ていて、終わるのが11時半ごろと言っていたので、私もちょうど時間が合いました。

週末の香味庵は、たくさんの人でごった返していました。お店の奥のほうに行くのも大変な状態でしたが、何とか人の波をすり抜け、混雑を避けた場所をみつけます。ちょうど雲南の映画祭のオーガナイザー、イ・スチャンがいました。

金さんが「雲南はインディペンデントのドキュメンタリーが盛んと聞いた」と話すと、イ・スチャンは「そんなことはない。雲南の映画祭があるから、インディペンデントのドキュメンタリーが盛んという印象をもたれているのだろう。実際は北京などのほうがずっと盛んだ」と言っていました。ただし、政府(北京)から距離的に離れている分、北京よりは自由に出来る度合いが高いかもしれない、とも。

香味庵にはあまり長居せずに、1時ごろにはホテルに戻りました。今日は、全く予想外の展開でした。映画祭に来て、1日に1本もまともに映画を観なかったなんて! でも、私の中では充実感がありました。下之坊さんと一緒に、ティーさんのインタビューを撮れたこと。私一人だったら、いくら面白いと思っても、こうしてせいぜいブログに書くぐらいで、場所を押さえてちゃんとビデオでインタビューしようとまでは思わなかったかもしれません。ちゃんと記録して、伝えられるようにして良かったですし、やはり日本語字幕も入れることにしたほうが、断然見てくれる人の数も多くなるだろうと思いました。そして、映画祭を支えるボランティアスタッフの方々のお仕事を、間近でみることができたこと。映画を観るよりも、とても充実した1日だったと思いました。

・・・でも明日はさすがに映画を観たいよなぁ・・・catface

そう思いながら2時ごろに寝ました。

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