[jp] 住まいるチャンネル・仙台生放送 報告
9月30日は、「住まいの貧困に取り組むネットワーク」の有志メンバーが仙台に向かい、住まいに関するインターネットTV「住まいるチャンネル」の第2回放送をしました!
相変わらず貧乏な私は、新幹線で到着するほかのメンバーより一足早く、前日に高速バスで仙台入りしました。
せんだいメディアテークのチナツさんのお宅に泊めてもらいました。チナツさんにはいつも超x100お世話になっていて、本当に感謝です!!
チナツさんのお友達が作ったという天然酵母のパン。おいしかったです!
お昼に、「住まいるチャンネル」でキャスターを務める松元千枝さんたちと、仙台長町の仮設住宅で待ち合わせをしました。
私は早めに着いて、8月の取材で飛び込みインタビューをさせていただいた80歳の元漁師・中澤さんのお宅に立ち寄ってみました。中澤さん夫婦は私のことを覚えていてくれ、家にあげて歓迎してくれました。
初めてお会いしたときには、奥さんは私とあまり口をきいてくれませんでしたが、今回はとても良く話しかけてくれ、アイスまでご馳走になってしまいました。やはり、一度きりの関係ではズカズカと家の中にまであげられ、撮影されるのは大抵の人にとって気持ちの良いものではありませんよね。もう一度戻って来れて良かったと思いました。
長町の仮設住宅は、8月に来た時は「異質な町」という印象を持っていました。住民はほとんど外におらず、「埼玉県警」という制服を着た警察官や、雇われの見回りサービス、大学生ボランティアなどがせっせと個人宅を訪問している。。。コミュニティーは何もなく、「施設」のような感じがしました。
しかし今回は、外に出て住民同士で日曜大工をやっている人たちが多く見かけられ、だいぶ雰囲気がよくなっているように感じました。
千枝さんとともに、「住まいるチャンネル」出演者で長町の仮設住宅にお住まいの鈴木さんのところへご挨拶に行きました。放送前に実際にキャスターも仮設住宅を拝見し、お話を聞かせてもらいたいと思ったからです。
なんと、8月に取材した時に病気だった愛犬のバロンちゃんが、つい10日前に亡くなってしまったのだそうです・・・。津波を乗り越え、避難所生活も体験して、相当ストレスがたまってしまったのではないか、と話していました。
8月に鈴木さんからお話を聞いたときは、ここの仮設住宅には自治会がないので、行政に要望が通りにくい。自分は自治会をたてる道筋を作る、というようなことをお話されていました。私としてはそれがその後どうなったのかにとても興味がありました。
鈴木さんに新しい名刺をいただいたら、「あすと長町仮設住宅運営委員会・会長」という肩書きが書かれているではありませんか!! 8月にここに住む人たちに呼びかけて集まりを持ち、そこで運営委員会を立ち上げ、今は会長をされているのだそうです。
運営委員会の立ち上げにより、ずいぶん要望が通りやすくなったそうですが(仮設住宅内への郵便ポストの設置等)、それでも運営委員会活動による個人の出費は相当かさんでいるようです。これまでは月3000円ほどだった携帯電話代が、今は毎月18000円ほどになっているそうです。(そのほとんどは仮設住宅がらみの用件)。全戸配布する資料の印刷代も相当かかります。時間や労力だけでなく、その経済的負担も大変だなぁ・・・と思いました。こういったことが自治会運営費や仮設住宅内の集会所などでまかなえたらよいのですが。
鈴木さん宅訪問を終え、生放送スタジオであるせんだいメディアテークへ向かいました。
今回の放送は、「せんだいメディアテーク・3がつ11にちをわすれないためにセンター」の協力で実現しました。生放送の技術的な部分を全て担当していただいて、本当に感謝です!
出演者が多く、番組構成も複雑なので、番組開始2時間前に打ち合わせを始めました。(早すぎるかな?と思いましたが、結局は時間が足りないぐらいでした)
3がつ11にちをわすれないためにセンターのスタッフ、北野さんによる説明
出演者が通しで順番にテレビ画面の前に座り、位置を調整します。
カメラを担当していただいた、せんだいメディアテークの長崎さん
大船渡の仮設住宅とスカイプでつなぐことになっていたので、そちらの接続チェックを。
無事繋がりました!
事前に必要なデータなどは全て提供していたと思いきや、やはり伝えていなかったこと、当日ここで確認しなければならなくなったものなどが噴出。私は生放送番組に携わるのが初めてだったのですが、必要な資料、段取り等、今回の生放送を通じてものすごく勉強になりました。
せんだいメディアテークスタッフ(お名前を失念してしまいました)の方が、番組放送中にツイッターで放送内容をリアルタイムでつぶやいてくれました。ユースト放送では、ツイッターによるつぶやきが、視聴者数拡大のためには欠かせません。
うわぁ~、いよいよ生放送開始!! トップバッターは鈴木さんです!
マイクはギャラリーの声も拾ってしまうため、拍手や反応の声などを除き、私語は謹んで放送を見守ります。(でもやっぱりみんなの中に緊張感があって、注意しなくても私語は出ないような雰囲気でした)
大船渡のほうのインターネット環境がやや不安定で、接続を切らないでつないだままにしてとお願いする北野さん。(一度切ってしまうとまた繋げるのが大変なのだそうです)
当日のキャスター、もやいの稲葉剛さんとジャーナリストの松元千枝さん。いつも、生放送番組ではコーナーの入れ替わり時にステブレと呼ばれる短いクリップなどが流れ、それが流れている間にキャスターは水を飲んだりできるのですが、この日はステブレがなく二人はずっと画面に映りっぱなしで、本当に大変だっただろうと思います。(私は裏方だったんで、お饅頭食べたり、ジュース飲んだりと、やりたい放題だったんですが)
今回の東日本大震災に関するせんだいメディアテークのアーカイブへの取り組み。ぜひ写真をクリックして、拡大して読んでください。
フローランスさんの出番です! 仙台に住んで28年。東日本大震災で被災した経験や、フランス語通訳としてフランス人ジャーナリストたちに同行した経験を話していただきました。私は香港に住むフランス人のセバスチャン(雲南映画祭で知り合った)に、今回の放送のURLを事前に知らせていて、彼もこの放送を見てくれていたのですが、見終わったあとで「特にあのフランス人女性には驚いた。フランスでは、日本文化に傾倒して日本人のようになっている人のことを"tatami-ization"(←フランス語を英語に翻訳すると)と呼ぶが、彼女はまさにそうだ!」と言っていました。
東日本大震災、そして福島原発のあと、彼女のところにはフランスからの問い合わせが殺到して、みんなは彼女がパニックになっていることを期待して、質問してきたのだそうです。「どうして逃げないんですか? すぐ国外に避難すべきでしょう」とも散々言われたのだとか。
なので彼女はパニックにならないように、フランスやその他の国のニュースをなるべく見ないようにし、NHKだけ見るようにした!と話していました。私を含む、日本人の多くはウソばっかりのNHKなんてうんざりだという人が多いと思いますが、パニックに陥りたくないからという発想でNHKを見たいという人もいるのだなぁ、海外からたくさん煽られたらなおさらそう思うんだろうなぁ・・・と思いました。
タイムキーパーを務めてくれた大窪さん。おかげで放送開始は5分遅れたものの番組終了時間はぴったりでした。
さて、次は乱鬼龍さんによる川柳コーナー。川柳の前に、乱さんが8月まで多摩ニュータウンの諏訪2丁目団地にお住まいだったこと(諏訪2丁目団地はつい先日解体工事が始まりました)と関連して、公共住宅、国の住宅政策に関する考えを述べ、続いて、今回の福島原発事故と、乱さんの出身地(足尾鉱毒事件が起こり、汚染された土地)の共通性などをお話していました。
お話はとても興味深かったのですが、乱さんの持ち時間(10分)がもうあと残り数分となっているにもかかわらず、いっこうに川柳の紹介がありません!! 大窪さんのタイムキープのためのホワイトボードに「そろそろ川柳の紹介してください!」と大きく書き、乱さんに知らせます。
・・・と、ここからがびっくり。司会の千枝さんたちの仕切りが全く必要ないぐらい、乱さんは自分主導で鮮やかに川柳を紹介して見せ、時間ぴったりに自分のコーナーを終わらせたのです! これには私たちもびっくりで、新井先生は「彼だけでひとつの番組できちゃいますね」と言っていました。私も同感。
さて、最後のコーナーは中島先生と新井先生です。これまでの出演者たちの話も総括した感じで、ではこれからの被災地における住宅政策はどうすればよいのかなどを話していただきました。
新井先生による仙台・長町の仮設住宅での入居者支援の取り組みを、パネルを用いて説明します。
例えば仮設住宅では収納が少ないのが問題となっていますが、建築学科の学生たちがボランティアで外に収納棚を取り付けたり、先生が木材などを調達してきて住民の方たちが自分たちで作れるようにしたり、といった活動をされています。
10月には長町の仮設住宅で、「仮設住宅祭り」(!)をされるそうで、その紹介もしていました。おしゃれなカフェも登場するのだそうです。行きたかったなぁ!!
中島先生からは、震災における女性、子ども、障がい者、高齢者、外国人などに必要な支援というテーマでお話をされました。
無事、先生たちのトークも終わり、これで予定していた全てのプログラムが終了しました。最後は「住まいの貧困に取り組むネットワーク」から、カンパのお願い(切実)や、10月16日の反貧困集会のお知らせなどがアナウンスされました。
予定していた7時45分に放送終了!! 出演者、スタッフ、メディアテークスタッフの方々と記念撮影。(シャッターを押してくれたチナツさんが入っていないのが残念。。。)
放送終了後は、スタッフと出演者で飲み会。フローランスさん行きつけのフレンチレストランを勧められたのですが「え? フランス料理? 高そう。私たちワープアなんで」との声続出(一番言っていたのは私なんですが)。なんと、フローランスさんは値段についてお店に交渉すると言うではありませんか!
飲み物と数品の料理がついて2,000円!!! なんだか申し訳ない気持ちに・・・。ちなみに、イチジクの白ワイン煮なる繊細な料理も出て、おいしかったです! ランチは1500円ぐらいだそうなので、ランチだったら今度行けるかも。
かわいらしいイチジクの白ワイン煮の登場に、思わず写真を撮る新井先生。
フローランスさん、値下げ交渉、ありがとう! でもやっぱり、仕入れ価格や利益も考えて値段が設定されているわけだから、強引に値下げをお願いするのはよくないことですよね、本来は。まぁ、めったに食べられない、おそらく今年最後のフレンチだと思うので、今回は仕方ないけど。(超迷惑な客!)
おいしい料理を堪能できましたが、やはりおなかが空いているのでもう一軒行くことになりました。特にキャスターを務めた千枝さんの食欲がすごくて「とにかく腹にたまるものを!」と何回も言っていました。あんなにスリムなのに、すごい食欲なんだなぁ。でも、ずっと画面に出っ放しで何も食べられなかったから、相当おなかが空いたんだろうな、と思いました。
「腹にたまる」をキーワードに、新井先生に別のお店に連れて行ってもらいました。雰囲気の良さそうな飲み屋街へ。
連れて行かれたお店はジャズバー。ここでおなかいっぱい食べられるのか? 千枝さんは不安そうでした。
新井先生がお店のママさんにガッツリ食べられるものを、と注文したところ、まるで漁師メシのような魚の煮付けが山盛り出てきました。そのほかにもカレーとか、色んな料理が並んで、千枝さんもやっとおなかが満たされたみたいです
打ち上げも終わり、チナツさんのところへ戻りました。出演者の皆さん、「住まいの貧困に取り組むネットワーク」有志の皆さん、そして「せんだいメディアテーク 3がつ11にちをわすれないためにセンター」スタッフの皆さん、どうもありがとうございました&大変お疲れ様でした!!
今回の放送の録画は、コチラのウェブサイトからご覧になれます。生放送を見逃した方は、ぜひご覧くださいね!
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