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[jp] 3年連続安房!

12月10日は、千葉の館山に向かいました。「安房・今、ここから未来へフォーラム」に出席するためです。一昨年、昨年と「安房平和映画祭」で「ブライアン~」を上映していただき、今年は新たな名称によるイベントで「さようならUR」の上映とワークショップをさせていただくことになっていました。3年連続で、同じ映画祭に出席させてもらうというのは、安房だけです!!

6月に東京で実行委員の真魚さんとお会いしました。この大震災で、千葉は広範囲で被害を受け、津波では数十人の方が亡くなり、農業を営んでいた人たちは原発事故で廃業・避難した人たちもいて、安房の地域コミュニティーもずいぶん変わってしまったとのこと。(実際、千葉の人口は大正時代に統計を取り始めて以降初めて”減少”に転じたそうです)。

地域のつながりを今再び考えようと、これまで夏に開催していた「安房平和映画祭」を、内容&名称共に変え、「安房・今、ここから未来へフィーラム」として再出発することにしたということでした。

11時半頃に会場に到着。「南総文化ホール」
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この日はちょうど自衛隊のクリスマスコンサートも同じ会場で開催されていて、会場には海上自衛隊の制服を着た人たちが多くいました。
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開場まではまだだいぶ時間があるので、会場に入って実行委員の真魚さんたちに挨拶をした後は、ご飯を食べに外に出ました。実はバス停で降りて会場で向かう途中に、良さそうなお店を見かけたので、そこに行くことに。

珈琲館さるびあ
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店内もよい感じ。
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自家焙煎のコーヒーとグラタンのランチを注文。
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もちろんすごく美味しかったのですが、”軽食”程度で全然おなかにたまりませんでした。これから上映+トーク+ワークショップと4時間もあるのですから、これでは力が入りません。やはり、ご飯ものとか食べておかないと、と思いました。

会場に戻り、なんと新たにカレーライスを注文!
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やはり、ここ一番というときに、マカロニのような穴の開いたものではダメ!と思い、普通盛りのカレーライスを食べてしまいました。さすがに、完食後は超おなかいっぱいです!

フォーラムの入り口
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真魚さんによる挨拶
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バスを降りたときにまず思ったのは(やっぱり館山って暖かい)ということでした。さすが保養地として有名な場所でもあります。でも、地元の人にはそれでも十分寒いと感じるようで、真魚さんは東京でも真冬くらいしか着ている人を見ない、カウチン・セーターを着ていましたhappy01

挨拶の後は、映画の上映。上映後には質疑応答をしました。館山はずいぶん南の方ですが、千葉自体はとても団地の多い場所です。千葉市内のバスのほとんどは「○○団地行き」になっていたりします。それだけに、東京の団地で起こっていることと同じことが、ものすごいスピードで千葉でも起こっていると聞きました。団地商店街のシャッター街化、買い物難民、高齢化・・・。やはりこの問題は全国の都市で起こっていることなのだと感じました。

10分ほどの休憩を挟んだ後は、映像制作についてのワークショップをしました。90分ぐらいを目安に話す内容や素材を準備したつもりでしたが、結局は2時間弱になりました。

「映像はどのようにして作られるのか? 映像の持つ力とは?」というトピックで話した時に、「映像は、(良くも悪くも)必ず誰かが何かの目的を持って作っているもの。それを読み解くことが大事」ということを話し、分かりやすい例の一つとして自衛隊のリクルートCMをいくつか紹介しました。ちょうど、この日は同会場で自衛隊のクリスマスコンサートが、地元住民無料招待という形で行われていて(主催は広報部)、自衛隊という存在を地域に根付かせ、好印象を与えるという説明をするのに良かったですhappy01

ワークショップの様子
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大体話した内容は、先日このブログで紹介したとおりの内容だったのですが、撮ってみたい映像は何かと参加者の皆さんに聞いたところ、「自分の母親」や「家族」といった声がありました。こういうトピックが挙がってくるということは私の方も想定していましたので、「ドキュメンタリーとホームビデオの違いは?」などの質問も交えながら、”身内を撮る”ことについて一緒に考えました。

私自身は自分の身内を遊び以外で撮影したことはないのですが、ドキュメンタリーの普遍的なテーマとして、”家族”はもっとも身近で奥の深い題材です。でも、同時にとても難しいテーマだとも思います。敷居は低く見えるものの、やってみると実は難易度が高い、みたいな。他人だからこそ気楽に色々話せるということも良くあります。(カウンセラーなどが良い例)。身内では、逆に恥ずかしさやプライドなどが邪魔をしたりするのです。

しかし一方で、現在公開中の「エンディング・ノート」のように(←すごく面白かった!)、家族だからこそ撮れたという映画ももちろんあるのですし・・・。

私は”家族”をテーマに撮ったことがなく、”家族”というのは私にとってはあんまりピンと来ないテーマなので(逆に”国家と個人”とかのほうがピンと来る・・・。どうなんだ、それ・・・!?)、この先も撮ることは恐らくないだろうなと思います。

一通り、用意してきた内容では話せたのですが、でも、メディアについて、その仕組みをどこまで分かりやすく話せたか、映像制作に踏み出してみようと思わせるような内容で話せたか、議論をもっと活発にするにはどんな工夫をすればよかったのかetc、反省すべき点は多いです。今後もまたもしこのような機会があれば、試行錯誤して臨みたいです。

ワークショップ後はしばらく休憩。お茶&お菓子を食べながらお話しました。
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5時半からは、アメリカのドキュメンタリー映画「END:CIV」の上映と真魚さんによるお話でした。この映画、私は東京での上映を見逃してしまっていたのですが、現在はなんとウェブ上で全編が観られるようになっているそうです!!(しかも日本語字幕付き)。映画はこちらよりご覧いただけます。

環境保護についてのドキュメンタリーと思って観ていたのですが(確かに前半はそうでした)、後半からはあらゆる社会運動が「非暴力・民主的・対話」などの名の下に牙を抜かれ、権力と取引し、骨抜きにされていくことについての、非常に興味深いドキュメンタリーでした。私も、前作「ブライアン~」でイギリスの平和運動に関わり、新作「さようならUR」では日本の住宅運動に関わってきましたが、組織が大きくなればなるほど、外見はラディカルに見えて実態は官僚的に硬直した姿、自己批判を受け入れず運動の存在が目的化してしまうような姿など、洋の東西を問わず、問題の種類を問わずに見て来ました。(これは運動体だけでなく、例えばリベラル、左派と呼ばれるような政党・政治団体などについても同様のことを感じました)。

なぜそうなってしまうのか? これは組織が大きくなることの必然的な宿命なのか?と、ずっと疑問に思っていたことについて、この映画はずばり正面から取り上げているのです。とても面白い映画でした。

映画上映後の真魚さんのお話
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この日は、地元の「房日新聞社」の記者の方も参加していました。「地域でメディアを持つには?」という話題になりました。自分たちで地元で新聞を発行する場合、資本はどれぐらい必要か、記者の数は?といったことを、房日新聞のデータを参考にしながら話していました。会社組織として存続している房日新聞でさえ、9人の記者を雇っていても、例えば日々の取材に平行して地元議会の取材を毎日行うのは、かなり大変なことだということが分かりました。地元にメディアはほしいけど、お金がない中でどれだけコミットする人を確保できるのか、ハードルを高く感じているようでした。

私はやり取りを聞いていて、自分がイギリス留学前に参加していた市民メディアサイト「オーマイニュース」のことを思い出しました。市民記者が数百~数千人(?忘れました)参加して、最低限のルールに基づいて各人の好きな分野を取材し、編集部が最低限の校正・チェックをして掲載するというサイトでした。こんな形で、地元メディアを運営するのはどうか?と思ったのです。

なぜなら、自分たちで新聞を発行する=記者を自分たちでそろえる(給料と言うほどは支払えない)=地元企業の広告が必要=どうでも良い宣伝記事や広告まで入れなくてはならない・・・という構図に陥ってしまっては、単にマスメディアの真似事(小さいバージョン)になるだけだからです。それでは自分たちでメディアを持つ意味が全くありません。ならば、必要なコンプライアンス研修や取材の仕方、記事の書き方を習得した市民記者的な人たちにたくさん登録してもらって、取材を分担してもらえばよいのでは?と思ったわけです。

例えば、議会の傍聴にほぼ毎日出かけ、議会をチェックしている個人が稀に存在したりします。そういう人には、ただ会議を傍聴するだけでなく、そのレポートを書いて提出してもらうようにすれば、立派な議会記事となるでしょう。

また、私の住んでいる市では、個人でガイガーカウンターを持ち、原発事故直後からその人の家の周りの放射能数値を毎日計測し、それをホームページで公開している人がいます。ただその数値だけを淡々と日々掲載するのも、市民目線の報道の原点であるとも思います。

地域の人材やつながりをフル活用して、自分たちに必要な情報を集め、広告に頼らなくて済むようにネットやメーリングリストで配信する・・・。このようなやり方によって、地域で自分たちの力でメディアを持つというのは、まったく可能なのではないかと思うのでした。

ただし、議会で議員たちに買収されたり、地元の有力者に圧力をかけられて記事をゆがめてしまうとか、市民記者とはいえ記事を書く以上は色々と気をつけなければならないことがあります。でも、そういうことを学んで市民が情報発信をしていく力を身につけたら、それは地域にとってすごい財産だと思います。

幸い、房日新聞の記者の方は、地元に帰って房日新聞に就職する前は、世界を駆け回って取材をした敏腕記者だったそうなので、館山で自分たちの新聞を立ち上げると言う場合は、強力な先生がいて頼もしいですねhappy01

真魚さんのお話の後半は、映画「END:CIV」に関連して、安房で起こっている問題に対して自分たちはどのように取り組んでいくべきなのか?ということが話し合われました。

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夏に熊本に行った時に、宮田さんが「原発やダム問題など、住民運動で何とか止めさせても、数年~10年ぐらいでまた亡霊のようにその話が持ち上がってくる」と聞きましたが、安房でも同じような状態らしく(多分日本中でしょうが)、再開発の話などは立ち消えてもまた持ち上がってくるそうです。
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「(非暴力)直接行動」というと、ラディカルなイメージを持たれ、運動の中では非主流扱いですが(多分ネガティブに報道されているせいもあるでしょう)、直接行動は人類の歴史の中で権利を奪われようとする人たちが用いてきた手段でもあるとお話されていました。

インドのチプコ運動(インドの森林伐採に反対して、女性たちが木を切らせないように木に抱きつく)
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再開発の問題、そして原発の問題・・・。市民の願いとかけ離れた政治のありように対し、私たちはどう対抗していくべきなのか? 非暴力直接行動はひとつの大事なキーワードであるように思います。上述のチプコ運動、そして座り込みや占拠なども直接行動といえます。チカラや権力で相手に対抗することができないときに用いられるもの、それが直接行動だと思います。

直接行動をするにしても仲間が必要です。チカラやお金では対抗できないなら、数の力で対抗するしかありません。でも、反戦や地元の社会運動では、ほとんどいつも同じ顔ぶれというのは、どこの団体も同じ悩みを抱えていることでしょう。

それに対して真魚さんは「今までは95%ぐらい価値観を共有できる人たちと活動してきたけれど、それではダメだ。2割ぐらい合えば良しとして一緒にやろうという風にしないと広がっていかない」と言っていました。2割って、ずいぶん低い見積もりだなぁと思いますがcoldsweats01、でもこの非常事態時にはイデオロギーなどの違いも乗り越えて対立・分裂せずにやっていかないといけないと思うので、それぐらいに設定した方が良いのかもと思いました。

フォーラムは2日間で、私は翌朝に広島へ行くため、前半1日しか参加できず残念でしたが、でもとても充実して、いろんなことを考える機会となりました。

実行委員の皆さん、映画&ワークショップに参加していただいた皆さん、ありがとうございました!!

フォーラム終了後は、夜9時に館山駅から電車に乗り、約1時間かけて君津へ向かいました。なぜ君津かというと、翌朝は羽田から飛行機で広島へ行くことになっていたのですが、アクアラインがあるので、君津から羽田空港まではなんと40分ほどでいけるのです。それでこの日は君津に泊まることにしていました。

1時間に1本しかない電車ですが、それでも車内はガラガラ
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君津駅の駅前もひっそりしていて驚きました。コンビニさえ見当たりません・・・! 
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駅から歩いて数分でホテルと聞いていましたが、こんなにひっそりとしているのに、ホテルなんてあるのでしょうか? 不安になりました。
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ひと気のない通りでしたが、突然ホテルが現れ、とりあえず安心。
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朝早いため12時には寝ました。

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