[jp] 深夜の総括
12月11日は、朝10時の飛行機で広島へ向かうことになっていました。
6時半に朝食
ホテルには中学生の野球部員たちが集団で宿泊していて、朝食バイキングには長蛇の列。一番乗りで入っておいて良かったです。
7時半に君津駅から高速バスに乗り、約40分で羽田空港に到着。10時のフライトまでずいぶん時間がありましたが、ぶらぶらしていたら逆に時間がなくなり、あわてて飛行機に乗りました。広島空港は、2年半前にも利用したことがありますが、広島市内からとても離れた場所にあるのです。せっかく飛行機に乗っても、リムジンバスに1時間も乗らないと市内につきません。広島市内に到着したときには既に12時半ごろになっていました。
ヒロシマ平和映画祭は、広島駅の隣、横川駅にある横川シネマで1時からということだったので、このまますぐ電車に乗ればオープニングに間に合うわけですが、やはりご飯は食べられる時に食べておかないと、と思ってお昼ご飯を食べることにしました。
駅ビルに入っているお店なんてどれも観光客相手の高くてまずいお店ばかりと地元の人には笑われてしまうかもしれませんが、大きな荷物を持ってあちこち歩き回るのもイヤだったので、駅ビルに。
広島風お好み焼きのお店に入りました。
広島に来たからにはお好み焼きを・・・というノリで入ったのでしたが、しばらくして後悔。お昼時で座席は満席で、出てくるまでにかなり時間がかかったのです。店内には「混雑時には10~30分ほど時間がかかります」と張り紙がしてありました。「急いでいるときにお好み焼きはダメ」、今後は覚えておかなければなりません。
20分ほど待つと、やっと私の番になりました。
食べ終わる頃には既に1時はとっくに過ぎていて、横川シネマについたのは1時半ごろになってしまいました。会場に到着すると、実行委員の東さんや柿木さん、高雄きくえさんなど、2年半ぶりの懐かしい人たちに会えてうれしかったです。
・・・っていうか、劇場の入り口で牡蠣を焼いているではありませんか・・・!!!
映画館、映画祭に来たのに、映画を観ないでまず牡蠣というのは、それはそれでヒロシマ平和映画祭ならではなのかもしれません。
私もいただきました。美味しい!!
「百合子、ダスビダーニャ」の浜野佐知監督と、「サウダーヂ」の富田克也監督が、「広島の七輪で牡蠣」という激レア写真です!!
牡蠣をいただいた後、やっと映画を観ました。小栗はるひ監督の「どんずまり便器」という映画でした。偶然にも、この日のラストの映画「百合子、ダスビダーニャ」と同じ、菜葉菜さんの主演作品。菜葉菜さん、どちらの作品でも強い情念を内に秘めた役柄を演じていて、すごい迫力でした。
「どんずまり便器」上映後のトーク。向かって左側が小栗はるひ監督。右側は司会のヒロシマ平和映画祭実行委員、高雄さん。
さて、いよいよ私の上映の番です。この日は日本語版のブルーレイで上映してもらうように準備していましたが、プレーヤーの調子(ディスクとプレーヤーの相性かもしれませんが)が余りよくなかったようなので、念のためにDVCAMテープでの上映としてもらいました。無事映画は最後まで問題なく再生され、安心して観ることができました。(会場のお客さんには、「監督が思っているほど観客は途中で再生が止まるのを気にしていないよ。昔のフィルム映画とか、しょっちゅう止まって待たされたんだから」と言われもしましたが、それでもやはり再生が止まるのは、私にとっては心臓が止まるに等しいです!)
実は、ヒロシマ平和映画祭のメンバーの方には、この日初めて「さようならUR」を観て頂いたのでした。普通、映画祭で上映する作品というのは、ギリギリまで完成しなかったというような場合を除いて、事前に作品を観て、上映するかどうかを決めるのだと思います。
でも、今回の「さようならUR」の場合、完成前の批評会に映画祭代表でドキュメンタリー監督の青原さとしさんに来てほしいとお誘いしていたり(スケジュールが合わずに来られませんでしたが)、2年半前のヒロシマ平和映画祭後も時々色んな用件で東さんとも連絡を取っていたりと、私の映画の内容や進捗状況について随時お知らせする機会があったわけです。それで、新作ができたらぜひ映画祭でと言って下さり、結局は完成品を見ることなく上映作品として選んでいただいたのでした。
映画祭のメンバーが誰も観ていない作品の、上映後トークをどうするか。。。
結局、青原さんと高雄さんの2人体制でやるという結論になりました。(以下の上映後トークの写真は、脚本家の山崎邦紀さんに撮っていただいたもの。どうもありがとうございました)
会場のお客さんからも質問や感想をいただきました。
映画を観に来ていただいた皆様、ありがとうございました!!
私の映画の後は、ヒロシマ平和映画祭のクロージング上映として、浜野佐知監督の「百合子、ダスビダーニャ」の上映と監督トークでした。
相変わらずパワフルで大爆笑の浜野監督のトーク
脚本家としての立場から裏事情を説明する山崎さん。
クロージングの挨拶(舞台向かって右側は「ギフト」の奥間勝也監督)
映画祭終了後は、映画館のロビーにて立食形式で打ち上げがありました。七輪では休むことなく魚介類やソーセージ、鶏肉などが焼かれていました。火の加減や、魚を裏返すのも相当大変な作業です!
しばらくして、映画祭に遊びに来ていた濱さんや奥間監督たちと、近くの中華料理屋さんへ食べに行くことになりました。「広島では中華料理屋にはおでんがデフォルトで用意されている」とのことで、確かにおでん鍋があります! しかも12時を過ぎても、中華料理屋は満席。
ラーメンを食べて横川シネマに戻ると、打ち上げ会場となっていたロビーには、既にお客さんたちはおらず、実行委員のメンバーによって”占拠”されたような状態になっていました。まるで”バンチョー”な皆さんの雰囲気に、思わず写真を。(ちなみに、後方のソファに座っているのは、横川シネマ支配人の溝口さんです)
一体何事??と思い、しばらく会話を聞いていると、今回の映画祭について総括していたのでした(総括と言う言葉がふさわしいかどうかは分かりませんが)。11月末から、13日間に渡った映画祭の最終日となれば、皆さんの疲労もピークに達していると思います。運営について、スタッフの参加状況について、そして映画祭をやる意義について、走っている途中は言い出せなかったことが、最終日に噴出しているという状態でした。
細かい話の内容はここでは触れませんが、映画祭をやることの意義については、私にも思うところがありますので、自分の考えを書いておきます。映画祭のスタッフの皆さんは、ボランティアで関わっていますが、映画祭のボランティアというのは、それはもうものすごい時間・労働力の提供、そして金銭の持ち出しもあるわけです。特に、ヒロシマ平和映画祭の場合は、上映本数や企画イベントがものすごく多い。これだけの内容をボランティアで運営されていると言うのは、奇跡といってよいくらいでしょう。
すごく大変でも、それでもやり続けられるのは、そこにそれ以上の価値ややりがいを見出しているからなのだと思いますが、映画祭の運営に行き詰まりを感じたり、お客さんの数が減ったりとか、中心的なボランティアが少なくなっていったりすると、ふと(何でやってるのかな、自分)と思ったりすることがあるかもしれません。
モチベーションがいったん下がってしまうと、映画祭のボランティアと言うハードな作業は本当にしんどくなってくるでしょう。
映画祭のボランティアと自主制作のドキュメンタリーを作るという行為に果たして共通点があるのかどうか分かりませんが、私自身は続ける要素として、基本的には自分が満足していることがとても大事であるように思います。全くの赤字、お客さんが少ない、こんな苦労をして映画を作って一体どんな意味があるのか・・・というような問いかけや、採算が取れない行為に対して、それでもやる、やり続けるのは、やはり自分自身がそれをやりたいから、ということなのではないかと思います。自己満足というと、作品が独りよがりになってしまう危険性も孕んでいると思いますが、でもまず自己満足がない限り、絶対続けられない。自分が面白いと思えているならば、たとえお客さんが少なくても、赤字でも、作ったことに対して後悔はしないと思うし、人は楽しんでやっている人のところに自然に集まってくるようにも思います。
そんなわけで、私としてはヒロシマ平和映画祭の皆さんにも、「自分が面白いと思ったからやる」という単純な姿勢でいてもらいたいと思うのでした。(なかなかそう単純には行かないのが実情だし、面白さでもありますが)。とにかく、メンバーの皆さん自身が楽しめる限りは、自分のやりたいことを実現できる場として映画祭(なり他の形でも)が続いていってもらえたらと思ったのでした。
床には食べ物やタバコの灰が散乱し、お酒もあちこちにこぼれて・・・
そんなことは全く気にしないかのように、話し合いは続きます・・・
気がつけば、もう朝の5時になっていました。お開きとなり、散乱した空き缶や食べ物などをざっと片付けます。それでも、大部分のお掃除は支配人の溝口さん任せとなりますので、映画祭の存続以前に横川シネマを映画祭会場としてまた使わせてもらえるのかのほうが、よっぽど気になりました
明け方、高雄さんの女性研に泊まらせてもらいました。
2年半前にヒロシマ平和映画祭のプレ・イベントに参加したときも、パワフルだなと思ったのですが、本当に実行委員のメンバーの皆さんが熱くて、面白かったです。また来れて良かったと思いました。
朝6時ごろに寝ました。
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