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2012年1月

[jp] 映画『ブライアンと仲間たち』 その後のパーラメント・スクエア

映画『ブライアンと仲間たち』後、ブライアン、彼の仲間たち、そしてパーラメント・スクエアをめぐる状況はどのように変わったのか。これまでブログで断片的に情報をお伝えしてきましたが、今年初めに改めてこれまでの流れをまとめた原稿を書き、「沖縄の怒りと共に」(79号)に掲載していただきました。以下に、原稿の全文を掲載しますので、ご一読いただければと思います。

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イギリスの平和活動家、ブライアン・ホウさん亡くなる

国会前での10年間の抗議活動とその後

2011年6月18日、イギリスの国会議事堂前で約10年間、英米政府のテロ撲滅戦争に対し抗議を続けた平和活動家、ブライアン・ホウ(Brian Haw)が亡くなられた。死因は肺ガンで、62歳という若さだった。
Brian10_terry_2

私は、ブライアンと彼のサポーターたちを追ったドキュメンタリー、「ブライアンと仲間たち パーラメント・スクエアSW1」という映画を2009年に制作した。ジャーナリズムを学ぶため2007年に渡英して、偶然ブライアンたちの抗議テントを見かけ、好奇心からカメラを回し始めたのがきっかけだった。その時点で抗議活動は6年目を向かえるところだった。

国会議事堂前の広場、パーラメント・スクエアで寝泊りし、一度も家に帰ったことがないという。一体どうやって生活をしているのか? 家族は? 日本の国会の前で同様の抗議活動は可能だろうか? 戦争は二度とすべきでないとは思いつつも、具体的に反戦の意思を表示したり、反戦デモ等に参加した経験もなかった私は、ブライアンの抗議活動にとても驚いた。

国会の前での占拠・抗議活動は、国家権力との闘いでもあった。36台の監視カメラで24時間体制で監視され、ブライアンの活動を止めさせるためにわざわざ法律まで制定された。それでもブライアンは裁判に訴え、世論に支持され、長期間の抗議活動を続けてきた。「いつまで抗議活動を続けるのか?」-これは通りすがりの観光客が一番よくする質問で、同時にブライアンを最も不快にさせる質問でもあったのだが-そう聞かれるとブライアンは、「あいつら(政府)に聞いてくれ」と、目の前の国会議事堂を指差していたのを覚えている。

英米政府が”テロと闘う”という名目で海外に派兵することに反対し、世界中の戦争が終わることを望んで、体を張った抗議活動を続けたブライアン。私が彼に密着したのは、彼の長い闘いの中のたった1年半という短い期間ではあったが、(この人の最期はどうなるのだろう?)というのは常に頭にあった。ブライアンが生きているうちに、彼の望む世界がやってくるのかどうかは疑わしい。となると、パーラメント・スクエアで果ててしまうのか? それとも家に帰れるのだろうか? 想像がつかなかった。

2009年2月に映画は完成し、イギリス滞在のビザも切れたので、私は帰国した。帰国直前にブライアンと彼のサポーターたちを招待して、ロンドンの小さな映画館で完成披露上映会を開いた。有名なブライアンの活動だが、意外にも長期の密着取材でブライアンを主人公とする長編映画を作ったのは、彼らの知る限りは世界中で私だけだったそうだ。ブライアンたちは映画を気に入り、その後映画が日本で受け入れられ、各地で上映されていることを伝えると、とても喜んでくれた。

年中無休の抗議活動を続けるブライアンと、彼を支えるサポーターたち。しかし実際は、映画を撮り終わる頃には、深刻な内部分裂が始まっていた。「戦争を止めさせる」という最終目標は同じでも、そのアプローチは人により様々である。あくまでも平和的に穏健に活動をしたいと思う人、権力に対し一切の妥協や歩み寄りを許さない人・・・。様々な思想や背景を持つ人が集まるほうが、より多様で魅力的な活動になると思うのだが、現実にはそうは行かないようで、いつしかブライアンを始めとする数人の中心的な人々によって、活動から排除される人々が出てくるようになった。

2010年には、ブライアンの抗議活動を初期から支えてきた、中心的なサポーターであるマリアも排除され(ブライアンたちからスパイ疑惑をかけられて!)、パーラメント・スクエアを訪れるサポーターの数は一気に減少した。それによりブライアンの活動はますます孤立していくことになった。(ちなみに、マリアはブライアンたちの活動から排除されたが、パーラメント・スクエアに留まり、彼女独自の平和活動を始め、現在も継続中である)。

2010年9月、ブライアンは肺に腫瘍が見つかり、ロンドンの病院に緊急入院した。しばらくその病院で治療を続けていたが、イギリスでカルト的な人気を持つ思想家、デイビッド・アイク(David Icke)は、「ブライアンが西欧の現代医療によって殺される」として、オルタナティブな医療を提供するオランダの病院に移すべきだと主張。そのための寄付金を集めるキャンペーンをネット上で展開した。現代医療には様々な問題が指摘されていることは事実だが、デイビッド・アイクがブライアンを送ろうとしたオランダの病院は、無免許の医師が逮捕されたり、ガン患者に重曹を注射して患者を死なせる等の問題が指摘される病院でもあった。

イギリスの活動家向けウェブサイト「インディーメディアUKIndymedia UK)」では、デイビッド・アイクのキャンペーンをめぐり、賛否両論の多数の意見がやりとりされたが、結局は寄付金が集まり、ブライアンはドイツの代替医療を提供する病院へ送られることになった。(ブライアン自身はデイビッド・アイクを信頼し、同意の上でドイツの病院へ入院した)。

ブライアンは結局、約半年間ドイツの病院に入院し治療を受け、最後はそこで息を引き取った。ブライアンの家族もドイツの病院を訪れ、再会できたと聞いているが、生前に離婚の申し立てをしていた妻も面会に行ったのかどうかはわからない。2011年6月2日にパーラメント・スクエアでの抗議活動開始10周年目の節目を迎えた直後、6月18日にブライアンは亡くなった。葬儀は家族だけで静かに行われ、サポーターたちによる追悼集会などは未だ開かれていない。悲しいかな、ブライアンが死んでもなお、一部のサポーター間の争いが続いているのである。

ブライアンの死後、最も早く動いたのは政府と警察だった。警察はブライアンのテントや所持品を撤去し、政府はパーラメント・スクエアでの泊りがけの抗議活動を禁止する法律を制定した。この原稿を書いている今も、ブライアンのサポーターたち、そしてマリアによる抗議活動は継続しているが、彼らのテントはいつ撤去されてもおかしくない緊迫した状況にある。

「日本では、国会の前で泊りがけの抗議活動なんて無理だろう」。イギリス留学当時、ブライアンの抗議活動を見てそう思った私は、2012年の年明けを経済産業省前の反原発テントで迎えた。東日本大震災、福島第一原子力発電所の大事故を経て、日本でも各地で占拠・泊りがけの抗議活動をせざるを得ない状況となっている。

昨年10月には、ブライアンの追悼上映会を武蔵野市吉祥寺で行った。その際、イギリスのマリアがスカイプで登場し、日本の観客と直接会話をした。平和を願う市民の声に国境はないと改めて感じさせられる一夜だった。

問題があれば声を上げる、そこへ出かけていく、必要とあらば”占拠”してでも市民の声を届ける。それを実践したブライアン、そしてその仲間たち、さらに日本&世界の仲間たち・・・。2012年こそ、市民が主役の世の中になってほしいと願う。

ブライアンのご冥福を心よりお祈りします。

2012年1月2日
早川由美子
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なお、この原稿を書いた後に、パーラメント・スクエアの抗議活動をめぐり、新たな法律の下による排除の動き、そしてそれに対抗する裁判がありました。引き続き、今後もこのブログ上で最新情報をお知らせします。

イギリスの”オキュパイ”系運動に打撃!新法・PASRAについて
http://brianandco.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/jp-a52f.html

”まるでゲシュタポのよう・・・”
http://brianandco.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/jp-5355.html

バーバラのすごい根性
http://brianandco.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/jp-d487.html

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[jp] こんなに大きいものだとは・・・

1月29日の中村葉子監督講演会についてまずご報告しなければと思うのですが、今日はまとまった時間が取れないので近日中にします。直前になっての上映会中止、講演会へ変更にも関わらず、当日には約25名の方にいらしていただき、予定していた講演と質疑応答の時間を1時間半もオーバーする、とても充実したイベントとなりました。来ていただいた皆さま、そして変更の告知にご協力いただいた皆様、どうもありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。

ところで、昨日は、以前このブログでも書いたHDCAMテープの受け取りに行きました。HDCAMテープを作るのが初めてで、そのダビング業者と取引するのも初めてだったので、郵送とはせずに、直接会社を訪ね、再生確認もさせてもらいました。

ダビングを担当してくれた社員の方と一緒に再生の確認をしたのですが、「オリジナルの撮影素材がPALだということは、観る人が観れば分かりますね」と言われました。「どうして分かるのですか?」と聞いたところ、映像に残像が残ったように見える部分があり、それはPAL⇔NTSC変換をした場合に生じるものだ、とのこと。

このブログでも書いたかもしれませんが、粗編集後の映像制作者批評会で、田代さん始め何人かの人から「カメラをパンした時に残像が見える」といわれました(よーく見れば残像が分かる部分があります)。そのときは、これはこのカメラの特性なのかと思っていたのですが、それがPAL⇔NTSC変換(編集ソフトの設定を日本用にNTSCとしたので、その時点で既にNTSC変換が行われました)で生じたものだとは知りませんでした!

編集とは単にパートをつなぐだけでなく、音量や明るさ、切り替わりのタイミングなど、無数の調整を加えて仕上げてあります。パートをつなぐ作業自体は(まな板で材料を切って、並べる、みたいな感じ)数週間で終わりましたが、仕上げの作業は2ヶ月近くかかったのです。

なので、今になってこれらをPAL編集で再現するのは、ほとんど不可能ではないかと思うのでしませんが、今後はやはりPALで撮影したものは、編集自体もPALでやらなければ、と思うようになりました。(でも、日本での上映用にNTSCのDVDなりDVCAMなりに変換する時点でやはりデータの劣化は起こりますが、とりあえずマスターは最良の状態で保持できるため)

残像の原因について知ることが出来たのはよかったです。

HDCAMの再生確認をして、画質はブルーレイのとおりと思ったのですが、なにより、そのテープの巨大さに驚きました! HDCAMはテープの長さにより、通常カセットとラージカセットに分かれるのですが、私の場合は作品が73分であるため、94分のラージカセットに収録することになります。でも、その「ラージカセット」が、そこまで巨大なものだとは・・・。

並べてみればその差は歴然。向かって左側から、ブルーレイディスク(DVDディスクと同じ大きさ)、ミニDVテープ、DVCAMテープ、HDCAMテープ(ラージカセット)。

Dsc06770

立てた状態で撮影。まるで「図鑑」なみの大きさと重さです。
Dsc06772

ちなみにテープはこんな感じ。
Dsc06774

郵送方法の指示については、映画祭側が通関の書類を用意してからということなのでまだなのですが、郵送費も映画祭側が負担してくれるとはいえ、それなりにかかるのでは?と思います。

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[jp] 高幡台73号棟住民・畦地豊彦さんの突然の訃報

今朝、高幡台73号棟住民の村田さんからお電話をいただき、同じく73号棟の住民であり、「さようならUR」にもたくさん登場していただいた、畦地豊彦さんが昨日突然倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまったと知らされました。

私の記憶が間違っていなければ、確か畦地さんは68歳で、足の痛みで病院に長いこと通院されていましたが、それ以外は全く元気な様子でした。明日29日のイベントで中村監督が高幡台団地に来られることを一番楽しみにしていたのは畦地さんで、彼女に家に泊まってもらうことについて、つい2日前に電話でお話したときも、とてもうれしそうに話していました。

なので、本当に本当に信じられない、というのが私の気持ちです。

村田さん経由でしかお聞きしていないのですが、ご本人の意向で葬儀はせず、お別れ会を開くかもしれないとのこと。出棺は31日に予定されているそうです。

朝、村田さんからお電話をいただくということ自体、良い知らせではないということは予想していたものの、でもそれは例えば29日のイベントに何らかの支障が出たとか、URが何か言ってきたとか、そういう類のことだと思っていました。73号棟の住民の中では”若造”である畦地さんが亡くなられるとは・・・。

私が映画のために撮影したテープ、約170本のうち、一番多くを占めているのが畦地さんです。一番たくさん家に上がらせていただきましたし、一番たくさんご飯も頂き、家族同様に可愛がってもらいました。

今日は午後から高幡台団地を考える会主催のイベントが日野市内であり、それは予定通り行われるということですので、私も行ってきます。詳しいことについて全然分からないので、その時に聞けるかもしれません。

今はまだにわかには信じられない気持ちではありますが、畦地さんのご冥福を心よりお祈りします。

映画の中から切り取った畦地さんの写真の中で、私が一番お気に入りの2枚を掲載します。

畦地さんインタビュー時の写真
Azechisan

畦地さんの昔の写真
Azechisan_18_re

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[jp] 制作者からの上映会中止のお詫び

『空っ風』の中村葉子監督より、1月29日(日)の上映会中止・講演会への変更について、メッセージを頂きました。

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制作者からの上映会中止のお詫び

上映会に参加する予定であった皆さん、今回こういう事態を招いてしまい大変申し訳ありません。千里桃山台第二団地の建て替え反対住民の方から、上映してほしくないという連絡をもらい、今回は上映を中止したいと考えています。

今回、上映中止になった原因は、まず当事者である住民の方に出来上がった作品を見せないまま、映画の描きたかった意図も示さないままであったことが一番の問題であります。本来なら、そうした機会を踏まえて、当事者の方に映画の意図を伝えてからこそ、映画上映にふみきらなければいけませんでした。

この映画で伝えたかったことは、なにより強制執行の公になされる暴力を、団地建て替えの問題から訴えていきたいということです。千里桃山台第二団地で行われたのは、開発業者と裁判所、国家が結託して強制排除にあたっている現実と、そして、それに抵抗して、そこで踏みとどまって闘い続ける住民の方たちの姿があります。それを何よりこの高幡台団地の住民の方にもみてもらいたかったと思います。

映画は上映中止ということになりましたが、直接会場にて千里桃山台第二団地の建て替え問題をできる限り詳しく皆さんに説明したいと考えています。団地建替えの不当な手続きや、強制執行がどのように隠されながら人の住まう権利を奪っていったかについてしゃべらせていただきたいなと思います。本来ならば映像で表現するのがしかるべきあり方ですが、高幡台団地の方々、また上映に興味を持っていただいている皆さんには本当に申し訳ありません。当日、会場ではできる限り質疑応答を重ね、この千里団地の根本的な問題がどのようなものであるかをお伝えしたいと思っています。

中村葉子
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[jp] 社会問題を記録するということ

昨夜このブログに書きましたとおり、1月29日の『空っ風』上映会は中止となり、中村葉子監督の講演会に変更になりました。当事者の方から申し入れ文書を頂いたのが25日。私にとってはまさに「寝耳に水」の出来事でしたが、この2日間(現在も続いていますが)、中村監督、当事者の方、そして今回の件について相談した住民の会の方々、菊池さん、寺澤さんなどとのやり取りは、私自身にも「社会問題を記録するということはどういうことか?」、「”信頼関係”とは?」など、様々なことを考えるきっかけとなりました。

この問題は中村監督と当事者の間で生じた問題ではありますが、でも、私も東京で上映会を主催しようとした立場であり、私自身もドキュメンタリーの監督として、常に起こりうる問題でもあります。自分に起きていることなのだ、という気持ちで最善の対応をしたいと思い、一昨日から駆け回っています。

今回の上映中止となった発端である、制作者と映画に登場する当事者の関係については、それぞれから説明していただくほうが良いし、私が自分で解釈したものを書くとそれはまた別の問題を生む危険性があるので、ここでは書きません。今回の一連のことを通して、私が考え、経験したことを、映画作りの一般論に置き換えて書きます。

今回の問題が起こった時に、どうしようかと考えて、まず思い浮かんだのが菊池さんでした。問題が起こる数日前にメールのやり取りをしていて、ビンアイの監督フォン・イェンと最近、被写体となる人のプライバシーや向き合い方について話をしたということ、これから取り組むお仕事が養護学校の生徒を追ったもので、作品の構成や編集について制作者と議論したこと、などが書かれてあったのです。「最近は家庭用カメラでも撮影できるから、カメラはどこにでも入っていけて、とりあえず”撮る”ことは誰でもできてしまう。関係性がなくても。それはとても危険なことだ」と言ったようなことが書かれてありました。

菊池さんとスカイプで話して、まず相談するのに必要な一連の出来事を話しました。今回の件について、当事者と制作者側の間では、どういう目的で撮影がなされたかというのについての双方の見解が大きく食い違っています。当事者側は弁護士を通じてNDSと知り合い、撮影を依頼した目的を以下のように説明しています。

「強制執行現場撮影の目的は、国際人権条約に基づく国連社会権条約委員会への政府報告書審査に伴うカウンターレポートの資料とするため居住の権利侵害の実態を記録することにあり、一般公開用に映画化することに同意したことはない。」

一方で、制作者側は制作の過程で「映画祭や映画館での上映などで、この問題を広く知らせたい」と言い、それについて当事者も理解してくれていた、旨のことを言っています。(でも、今となっては「言った」、「言わない」という状態ですが)。

しかし、最初に弁護士からNDSに対して、どんな形にせよ記録の”依頼”があったのは双方が認めているのですが、菊池さんは「映画を作る、作品を作るという時点で、”依頼”というのが間違っている。もし”依頼”されたとしても、自分が作品を作る以上は、それは自分の作品なのだから、”依頼では作りません。これは私の作品です”ということをはっきり言うべきだ、その見解を相手にもはっきりと分かってもらうべきだ」と言っていました。

”依頼”で作品を作ると、それはお金を拠出する(スポンサーになる)かどうかに関わらず、”依頼者”は”依頼”したのだから、自分の望んだとおりに記録してほしいし、映画ももちろん自分たちの望んだもの、広報資料となることを期待します。自分にとって不都合なものを撮影したり、ましてや自分の意に反して撮影や編集、完成作品の上映が行われるのは許せないことです。

でも、制作者はそんなつもりではないのですから、最初はこの問題に対して知らされて、「撮ってほしい」と言われたのだとしても、実際に撮る時点になったら、自分の作品を作るのだということを明確に知らせ、理解してもらったうえで作るべきだ、とのことでした。

撮る側、撮られる側の”覚悟”の話にもなりました。菊池さんは、小川紳介監督の三里塚シリーズの時の話をしました。最初から被写体の人たちに受け入れられていったのではない。苦労して、時間をかけて相互の信頼関係を作り(カメラマンの逮捕も大きなきっかけとなった)、あの撮影が可能になったのだ、と。いったん受け入れられてからは、カメラはどこにでも入っていくわけですが、カメラがそこにあるということで、集会なども被写体となる人たちは(きちんとしなければ)という気持ちが芽生えていく。お互いに”覚悟”が生まれる。撮る側、撮られる側がお互いに成長していく、そういう関係になっていったのだ、と。それこそが、社会運動に対して、カメラがどう関わり、どこに向けてカメラを持ち、お互いに作用しながら発展していくことではないのか?と。

社会問題を取り上げたドキュメンタリーやジャーナリストなどというと、私自身はこれまで「社会問題を記録し、伝える。伝えることによって将来世の中が良く変わって行ってほしい」という考えでやってきたのですが、映画作りを通して、自分自身も成長させてもらえたというのを後から実感するのですが、それはそもそもの映画作りの目的ではなく(主目的は”社会問題を伝える”だと自分では思っているから)、”副産物”のように考えているところがありました。

でも実際は、私自身が見ている(と思っている)事実も、見方を変えれば客観的な事実とはいえないものであり、またそもそも何を持って事実なのか、事実は存在するのか?という問題もあり、結局は”自分の伝えたい思い”を表現しているに過ぎないのかもしれません。社会問題を伝えるというのではなく、映画作りを通して、撮る側・撮られる側が成長し、人間関係をはぐくみ、いかに濃密な思いを共有できるのか、それこそが映画を作る原動力で、そういう関係が映像にも表れたら、そこに観る人が共感してくれる・・・。そういうものなのかもしれません。私自身、上手く言葉に表現できないですが。。。

作り手側の覚悟というのは、それは単に「逮捕されても構わない」とか、そういうことだけの覚悟ではありません。例えば、菊池さんは土本典昭監督が水俣についてドキュメンタリーを作りたいと思い始めた頃の話をしてくれました。周囲に「水俣のドキュメンタリーを作らなければと思っている」と漏らしたところ、「ドロちゃん、あの問題に関わったら一生だよ」といわれたそうで、その時土本さんは「分かってる」と答えたのを菊池さんは実際に聞いたのだそうです。

撮られる側の”覚悟”についての話になりました。ビンアイの監督、フォン・イェンが、ある女性のドキュメンタリーをこれから作りたいと考えているそうですが、その女性はセンセーショナルな面にばかり観客の注目が集まってしまう危険性もあるそうで、でもそれは監督の本意ではない、どうしたらよいか?という相談でした。菊池さんはそのときに、たとえ他人からは白い目で見られてしまうような出来事でも、(この人なら分かってくれる)と当人が思えば、それは話してくれるものだよ、そんな信頼関係が出来たなら、あとは相手の方から(もっと話したい)と思ってくれるものだよ、と答えたそうです。(この人にだったら・・・)という信頼関係があって、そして自分のプライベートな部分や、他人からみたら本人にとってマイナスと思うようなことでも、晒す”覚悟”が生まれてくるのだ、と。

今回の件に関しては、菊池さんにも全てを詳しく説明したわけではないですし、私自身も経緯を全て把握しているわけではないので、語弊があるかもしれませんが、撮られる側の”プライバシー”に関しては、隠し撮りでもない限り、当事者本人が”裁判”という公の行為をして問題を知らしめようとしている人なのだから、”強制執行”という公の場面を撮影するというのがプライバシーに当たるのかどうか?と言われました。

ちなみに、映画の中で執行官が撮影を止めさせようとして、それに対して弁護士が「撮影をさせない法的根拠は何か?」と詰め寄るシーンがあります。執行官は法的根拠を言えず「後で文献を送りますから、今はダメ」とかわそうとします。その時点ではまだ当事者と撮影者の関係が悪化していないため、両者は法的根拠のない(言えない)撮影禁止に対して抗議します。果たしてそれらの映像に対して”プライバシー”があるのか、ないのか。。。そして、”裁判”という行為で国家や大企業の不正を暴くことを選んだ人は、そこから生じる不都合(例えば、身内の就職や結婚で不利になるかもしれないetc)をも引き受ける”覚悟”を持っているべきではないのか? そういった問いかけもありました。

これらの問いかけが今回のケースにも当てはまるのかどうかは、このブログを書いている私の本意ではないので避けますが、でも、作り手側だけではなく、被写体、社会運動を起こしている人にも問われる”覚悟”というのは、私はこれまでほとんど考えたことがありませんでした。

長くなってしまいましたが、ここに書いてきたことは全て、撮る・撮られるが簡単にできてしまうようになった現在だからこそ、私たちが深く考えなければならない問題だと思います。私自身は、本当の意味で”撮る”、”映画を作る”ということを正面から考えたことがなかった、といえると思います。昨夜ブログに掲載した上映中止、講演会に変更のお知らせ文の下書きを書いたとき、中村監督、当事者の方に確認をしてもらい、私が文中で「被写体」と繰り返し使う事に対し、当事者の方から「モノ扱いですか?」と言われ、自分がしょっちゅう使う”被写体”という(便利な)言葉に対して、撮られる側はそんな風に受け止めたりするのか、と自分がこの言葉をこれまで無自覚で使ってきたことを気づかされました。そして映画を作る、それを公の場で上映することについての私の考えについても、色々指摘していただき、自分は何だかんだ言って、基本的には「作り手主義」の立場に立っていると自覚しました。無自覚でここまで続けてきた自分は、ずいぶんおめでたい人だな、と思いました。

1月29日の上映会は中村監督の講演会に変更になりましたが、作り手、私の映画にも登場される73号棟の住民の方々、社会運動に携わる方々が集い、社会問題を記録するということ、社会運動に映像がどう関わっていくのかということを、深く、双方向に議論する場にしたいと思います。

上映会を楽しみにしてくださった皆様には申し訳ありませんが、もしご都合が合いましたら講演会にいらしてください。

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[jp] ##『空っ風』映画上映会中止、中村葉子監督による講演会に変更##

##イベント内容変更のお知らせ##
~『空っ風』映画上映会中止、中村葉子監督による講演会に変更~

1月29日(日)14時より予定しておりました、日野市中央公民館・高幡台分室での、中村葉子監督作品『空っ風』の上映と監督トークのイベントですが、制作者と映画に登場する当事者の間で、この映画上映に関する問題が生じ、急遽映画の上映を中止し、同会場・同時刻より中村葉子監督の講演会とさせていただくことになりました。  

上映を楽しみにされていた皆さまには、大変申し訳ありません。なお、入場料として500円を予定していましたが、「カンパ」に変更させていただきます。

詳しい経緯については後日ご説明いたしますが、昨日、1月25日に、映画に登場される団地建替え問題の当事者の方より、中村監督と上映会主催者である私に宛てて、上映会をひとまず中止することを求める申し入れ書が届きました。

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いただいた申し入れ書の内容:
(ご本人の意向により、申し入れ書の原文から弁護士が要約した文章を掲載しています)

1 強制執行現場撮影の目的は、国際人権条約に基づく国連社会権条約委員会への政府報告書審査に伴うカウンターレポートの資料とするため居住の権利侵害の実態を記録することにあり、一般公開用に映画化することに同意したことはない

2 強制執行現場は、執行官の強い権限下にあり、その指示に反する行為、特に実力で執行を妨害することは警察沙汰になり、違法な強制執行を受けている者が無法者と見られ、裁判に悪影響を及ぼすので、弁護士の指示に従うことを求めた。にもかかわらず、実力で執行現場に立ち入ろうと試み、警察官が現場に来るまでやめなかった

3 プライバシーの権利は、自己に関する情報(肖像、言動、住戸内の映像)を自己管理する権利(憲法13条、自由権条約17条)であるから、住居内の執行現場で撮影した映像のすべてのコピーを渡すように求めた。被写体の中には、映像の公開に困惑している者があり、また、現場の最も重要な映像は、当方の撮影したものである。

4 映像による表現の自由が、他者の人権の侵害の上に成り立つことは許されない。両者の真摯な話し合いを通じてその妥協点が見出すべきだが、中村氏は、話し合いを拒否し、了解を求めることなく一方的に一般上映用に映画化し上映し、私たちの自己に関わる情報の自己管理権を侵害し続けている。

5 私たちは、上映会をひとまず中止し、真摯な話し合いを尽くし、了解に達してから上映会をされるよう強く求める。
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私は中村監督と昨年10月に映画祭で出会い、その際に『空っ風』のDVDをいただきました。東京でも上映されたいということでしたので、私が取材した高幡台団地73号棟の住民数名と共に昨年12月に試写をし、上映会を開催することになりました。約1ヶ月半かけて、上映会の準備を進めてきました。映画は2010年に完成し、大阪の劇場でも上映されたと聞いていましたので、上映会を開催することについて、当事者から上映中止の申し入れが来るとは全く予想していませんでした。

(この点につき、当事者の住民の方の弁護士からは「当方が、映画祭、大阪での上映に中止を申し入れなかったのは、検閲的なことをしたくなかったことと、裁判に忙殺されて、その時間がなかったこと、そのうちになんらかの申し入れがあると思っていたからである。現在も裁判の継続中で、このような応答に時間を割くことは非常に辛い」とのコメントを本日頂きました)

私自身も表現者として、そして上映会を主催する立場として、「上映を中止する」という行為は、表現活動に対する重大な問題であり、たとえ一部の利害関係者から上映中止の申し入れがあっても、申し入れがあったからと安易に上映中止の決定はするべきではない、というのが基本的な立場です。

しかし、今回の件に関しては、当事者の住民の方、中村監督双方からこれまでの経緯を詳しくお聞きし、制作者の側にも、映画が完成してから今日までの間に、当事者と真摯に向き合い、コミュニケーションを図る努力の余地があったのでは?とも思う部分があり、日程が迫った今回の上映会は中止し、まず双方が話し合う機会を持つことを優先すべきだという結論に至りました。  

『空っ風』という作品そのものは、全国的な問題となっているマンション・団地の建替え問題を鋭く取材した映画であり、非人道的な強制執行の現場を記録した貴重な映像で。私自身は、この作品を既に3回DVDで拝見していますが、映画の中で当事者の住民の方の人格を悪意を持って傷つけるような描写は一切なかったと理解しています。

双方の話し合いの後に、改めて将来『空っ風』の上映機会を持てることを望んでいます。

今回の上映が中止、講演会に変更となった件につき、取り急ぎお詫びとご説明をさせていただきました。私の知りうる限りで、上映会に参加される予定の方には個別にご連絡をいたしますが、もし上映会に参加されるご予定の方がまわりにいらっしゃいましたら、大変お手数ですが、この件についてお伝えいただけますよう、よろしくお願いします。  

2012年1月26日
早川由美子

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[jp] カンパ、資料代、成功協力券・・・

月曜日は、日本ジャーナリスト会議(JCJ)主催で、「さようならUR」の上映会を開いていただきました。当日は強い雨、そして夜からは雪という天気予報で、JCJの川田さんと「どのくらい人が来てくれるだろうね?」と話していました。あまりイスを並べると、スカスカでは悲しいので30脚強ぐらいにしておこうという話になりました。

しかし、最終的には予想を裏切り、40名もの方が来てくれました!! びっくりでしたし、うれしかったです。
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上映の後、休憩を挟んで、後半は私のトーク&質疑応答です。

司会の川田さんと
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質疑応答では、73号棟裁判の進行状況、理事長直撃取材をした時の撮影、挿入されている演歌について、自治会にも取材をしたのか、毅然とした態度の女性(裁判オッケーという中川さんについて)はどんな人なのかetcの質問を頂きました。
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上映会の後も、いろんな方からコメントや感想を頂きました。どうもありがとうございます!

上映会後の懇親会。JCJではこれまでに、ブライアンを2回上映していただいているので、今回は3回目。皆さんともすっかり顔なじみに。
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なんと、この日はもともと上映会の企画を立てて声をかけてくださったメインの主催者である須貝さんが、上映会に来ず、懇親会にだいぶ遅れて参加という事態に!!
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お仕事なのかと思っていたら、そうではないらしく、女性陣から追及され、寺島さんが須貝さんに助け舟を出すと、男女差別問題にまで発展・・・coldsweats02! 最後まで須貝さんが何の用事で来られなかったのかは、分からずじまいcoldsweats01

懇談会では、色んなイベントを各自で主催している方が多く、「会場での費用の徴収」についての話題になりました。公の会場(市や区の公民館や教育センターなど)では、入場料の徴収不可、会場内での物販不可、などとされている場合が多いです。

しかし、実際には会場を借りるのにも費用がかかりますし(会場によっては数千円~数万円かかります)、チラシの印刷など、イベントを開催するには様々な諸経費がかかります。入場料数百円で、数十人しか入れないような会場では、ほとんどが実費代、その実費さえもまかなえない場合もあるでしょう。

会場によってはかなり厳しく規制するところもあり、受付のテーブルを出して入場料を徴収しようとすると、入場料の徴収箱をイベントが終わるまで取り上げてしまうところさえあります。

そもそもは、「営利・営業行為」といったものをさせないための規定が、近年は厳しく解釈・適用され(今の世の中、全般的にそういう傾向があると思います。公共スペースの利用なども)、学習目的のささやかなイベントで、実費程度の入場料を取ることさえも、禁止されてしまうのです。

「入場料禁止」とされている場合に、どうやって必要な経費を徴収するか・・・。

これについて、皆さんが実践されている色んなアイデアが出ました。まず一番良く使われるのは「カンパ」。入場料を徴収しているのではなく、”お気持ち”を頂いているのだ、と。次にポピュラーなのは「資料代」。入場に対するお金は徴収しないけれど、資料を配るので、その資料代を徴収しているのだ、と。

そのほかに、聞いた事がない言葉でしたが、最近は「成功協力券」なる方式で開催するための費用をまかなうイベントもあると聞きました。これは「イベントを成功させるために協力します」という人たちに、事前に券を購入してもらう、前売り券のようなものなのですって。実際、九条の会関連のイベントで使われているそうです。

みなさん、色々工夫されているのですね!! 願わくば、市民のささやかな勉強&交流の場を、営業&営利行為とひとまとめにして杓子定規に取り締まることが無いようにしてほしいものですが。。。

11時ごろにお開きとなり外に出ると、天気予報どおり雪が積もり始めていました! お店の前で記念撮影。
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雪のためか、電車もだいぶ遅れましたが、無事家に帰れました。
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上映会を計画していただいたJCJの皆さま、悪天候にもかかわらず映画を観に来てくださった皆さま、ありがとうございました!!

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[jp] 初めての「路地と人」

土曜日は、神保町にある「路地と人」へ、大阪で下之坊修子さんが主宰するメディアセンター「てれれ」の、東京上映会へ。「路地と人」の名前と存在は知っていましたが、これまで行ったことはありませんでした。

細長い階段を上がると、細長い廊下が。
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「路地と人」入り口
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「てれれ」では、応募された映像を”無審査”で上映しているのだそうです。ジャンルも自由。この日は妊婦さんへのメッセージを綴ったものから、8ミリフィルムのアニメーションまで、バラエティー豊かな上映内容となっていましたが、今回はベトナムつながりの作品が3作品を占めていました。

「妊婦さんへのあったかメッセージ」
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8ミリフィルムのアニメーション「Chorus」
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私が山形の映画祭期間中に作成した、ベトナムのメディアセンターDOCLABのティーさんのインタビュー(インタビュアーは下之坊さん)。
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このビデオ、私自身相当久しぶりに観たのですが、短編コレクションばかりの中で、かなり長く感じました。上映後に説明する機会があったので、「映画祭期間中に仕上げなければならなかったので、インタビューをノーカットで使った(私の日本語通訳部分を除き)」ことと、「1日で仕上げた」ことを言い訳ですが伝えました。観た人からは、DOCLABのシステムに驚きつつも、私たちが宿泊したアルファワンホテルの朝食に驚く声続出。私としても、その実態を伝えることが重要な制作意図でもあったため、ここに反応してもらえたのはうれしかったです。

「てれれ」作品上映後には、DOCLABのドキュメンタリーワークショップ受講生による作品(2009年~2010年のもの)を2本上映しました。

Train Journal
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friendgrandma
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数ヶ月のワークショップを受講した後の、修了制作とは思えない完成度の高さに、「これは生徒のポテンシャルが高いのか?」、「ワークショップのクオリティーが高いのか?」、「ベトナムのインディペンデント・メディア界の標準なのか?」等、質問が続出! そして、「全編観たい!!」とのリクエストも多かったことから、これはぜひ実現させようと、現在ティーさんに問い合わせをしています。

当初、英語字幕しかないのでどこまで伝わるかと不安に思っていた私でしたが、上映をしてみて、そんなことは問題にならないぐらい盛り上がりましたので、安心しました。・・・とはいえ、やはり会話内容について知っていたほうがより理解が深まりますので、もし全編上映会が実現したら、内容について簡単に記した配布資料などを用意したいと思います。

この日は、私の「ブライアンと仲間たち」と「さようならUR」の予告編も流していただきました。

さらに!! 本田孝義監督の最新作「モバイルハウスのつくりかた」の予告編も上映されました!! 春にユーロスペースで公開だそうです。とても楽しみ。
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上映の後は、ドリンクや煎餅汁を頂きながら、上映作品についてみんながそれぞれ思ったことを話しました。
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煎餅汁、初めて食べたのですが、すごく美味しかったです! お煎餅だからといって、普通のお煎餅を使っているのではなく、鍋専用のお煎餅が販売されているそうです。東北地方のアンテナショップでしか買えないのでは?と聞いたところ「アマゾンでも売っている」とのこと!!
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ディスカッションの様子
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「路地と人」スタッフの皆さん。初対面だったのですが、共通のお友達がたくさんいてびっくり! 上映会がお開きとなった後も、色々お話できました。
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「路地と人」楽しかったです。どうもありがとうございました!

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[jp] 予告編(英語版)完成!

ブログ更新、やや久しぶりになってしまいましたが、先日このブログでもお伝えしていた、「さようならUR」の英語版予告編が、たった今完成しました!

英語版予告編はこちらよりごらんいただけます。

日本語版とはやや異なる、英語版の予告編をお楽しみくださいhappy01
Petite Adventure Filmsのホームページ上の、英語版ページにも後日追加掲載します。

先日の「てれれ・東京上映会」、JCJ主催の「さようならUR・築地上映会」については、これから(お昼ご飯を食べてから)ご報告します!

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[jp] またもやこの問題が浮上!

昨年末に、海外の映画祭で「さようならUR」が上映されることになったので、DHLを利用してブルーレイディスクを送ったということは書きましたが、数日前に映画祭から連絡が来て、「ブルーレイディスクでの上映が出来なくなった。他のフォーマットで送ってほしい」といわれました。

その映画祭で対応しているのは、映画祭の規約によると
フィルム:35mm, 16mm
ビデオ:デジタル・ベータカム、アナログ・ベータカム、6mmデジタル、HD
とあります。

曲者なのが「HD」ですが、HDはフォーマットもメディアも多数存在するため、ひと言で「HD」と書かれていても、実際にどのHDの規格に対応しているのかということが問題になります。(ブルーレイだってHDなのに、こちらの映画祭では対応していないのですから)。

映画祭からは上記の対応素材に加えて「DVCAMでもいいですよ」と言われたのですが、それではHDの画質ではなくなってしまいます。HDの画質を保ちつつも、比較的安価な値段で製造でき、なおかつたくさんの映画祭でも上映に対応していて、願わくばNTSC・PALなどの違いなくユニバーサルに上映が出来るもの、を探し始めました。

HDの世界ではNTSCやPALと言った概念はないということを聞いたことがあったのですが、その確信はなく、ネットで様々なフォーラムを覗いてみたのですが(アメリカで私と全く同じ質問をしている人がいました!)、返答もまちまちでどれが正しいのか分かりません。

DVCAMのHD版にHDCAMという規格があり、それはテレビ業界などで広く採用されていて、映画祭でも対応している所が割とあり、良いのではないか?と思いましたが、変換・ダビングを行っている業者はどれも高額なものばかり。実際、HDCAMのブランク(空)テープだけで1本(94分収録)7500円程度で販売されているのです!!! インディペンデントの制作者が”普段使い”するようなものではない感じ。。。 

映画「フツーの仕事がしたい」の土屋さんや、土屋さんからさらに「犬と猫と人間と」の飯田さんにも聞いてもらい、世界の映画祭で上映した時はどんなフォーマットを用意したのか、いくらぐらいかかったのか等アドバイスももらい、とても参考になりました。

結局、ネット上で格安でブルーレイ→HDCAM変換を行っている業者を見つけ、そこに連絡してNTSCやPALの違いがあるのか、HDCAMではどんな種別があるのか、それらは国によって違うのか、違う場合はプレーヤー側で切り替えが出来るのか等問い合わせをしたところ、こちらも詳しく仕組みについて教えてもらい、疑問を解決することが出来ました。映画祭でもHDCAM上映に対応していると言うことだったので、最終的にはその業者でHDCAM作成をお願いしようかと思っています。

記録方式やメディアの規格が乱立状態になっているために、撮影&編集&上映で苦労してきたことはこれまでにも書いてきましたが、相変わらず今もその問題に振り回されています。今回、すごく時間はかかりましたが、HDCAMの世界については理解することが出来ました。でもまた将来、また別のメディアの問題が出てくるんだろうな~ということは容易に想像できます。なんだかいつもこの繰り返しです!!

ちなみに、前回ブルーレイをDHLで送った時には、特に何の問題もなかったのですが、今回HDCAMをDHLで発送するということに決まったら、映画祭の担当者の人は「通関書類を作る、それが完成したら郵送の手続きについて知らせる」と言っていました。HDCAMを送るのは、ディスクとは別の手続きが必要になるのでしょうか? こちらもまた一筋縄では行かなそうな予感がしてきましたcoldsweats01

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[jp] バーバラのすごい根性

今日の午前中は、イギリスのポールとスカイプでそれぞれの近況を話し合いました。マリアの携帯電話は相変わらず通じない状態でここ数日は話せていないそうですが、ロンドンの夕刊紙(少し前から無料になった)であるEvening Standardに、警察に取り押さえられるバーバラの写真が一面に大きく掲載されていたそうで、ロンドンの地下鉄で通勤&通学するあらゆる人たちが、バーバラが表紙となっている新聞を持ち歩いている光景は不思議だったと言っていました。(同オンライン記事と表紙に使われた写真はこちらです)

そのバーバラですが、マリアの裁判の日の夜にバーバラ陣営のテント類が全て持ち去られてしまってから、なんと何も持たずに夜通しパーラメント・スクエアに居るというのです・・・!!!

新しい法律では、夜通しの抗議活動をするための”道具”(寝袋やテント類)と、メガホンなどが禁止されているため、警察はそれらだけ持ち去り、バナーや看板類は全てそのままに置いて行ったのでした。だからといってその場を離れてどこかに泊まったら、バナー類は「持ち主のない落し物」扱いとなって、即刻撤去されてしまうのです。

まるで「何も無しでいられるなら居てごらん」とでも言いたいかのような状態は、これまでバーバラに散々な目に遭わされてきたリッキーやエマたちでさえも怒りを覚えるし、何かしたいと思うのですが、相変わらずバーバラはウェブサイト上でマリアやピーター(ブライアンの息子)たちに対して罵詈雑言を繰り返しており、とりなす術がありません。

ちなみに、バーバラがピーターに対してなぜ文句を言っているかというと、2005年に警察がブライアンのバナーや看板類を一斉撤去した際、その中には世界的に有名なグラフィティー・アーティストのバンクシーから寄贈された絵も2枚含まれていて、それは数百万以上の価値があるといわれていて、バーバラはブライアンの死後、バンクシーの絵はブライアンの親族ではなく、パーラメント・スクエアに属すると主張して、ピーターと対立していたのです。結局、警察は両者の意見を採用せず、つい最近バンクシー本人にその絵を返還したそうです。(本名や住所、顔すらも公表しないことで有名なバンクシーですが、さすがに警察は把握しているのですね。あたりまえか・・・)

バンクシー本人に返還されたということで、バーバラは公のブログ上で警察とピーターに対し文句を言っているのでした。

バーバラは撤去の日当日とそれ以降の写真やビデオをたくさんブログ上にアップしています。寝袋やテント無しでパーラメント・スクエアに居続けるバーバラの根性はほんとにすごいと思いますが、だからと言ってこんな過酷な状態が続いていいわけありません。マリアの裁判で3月までは撤去させないという取り決めになったのですから、バーバラたちのテントや寝袋も認めさせるべきです。

パーラメント・スクエアについては以上です。

ちなみに今日は、1月29日の「空っ風」上映会後の質疑応答のため、映画を最初から観て、内容をノートに書きとめ(特に事実関係や登場人物、そして印象に残ったシーンなど)、浮かんだ質問や思ったことなどもどんどん書いていきました。85分の映画でしたが、再生しては止め、ノートに書く作業を繰り返していたら、5時間もかかってしまいました。

監督の中村さんに聞いて見たいと思う質問は、とりあえずどんどん書いていったらものすごい数になってしまったのですが、その半分近くは同じ制作者としての立場からのものが多いように感じました。トークの聞き手である私も作り手ということで、その立場から質問することは、観客にとっても(作る人は、こんなことを考えたり、悩んだり、駆け引きをしながら撮っているんだ)みたいな裏話で面白いかもしれません。

なぜなら、人間が登場するドキュメンタリーを作ると言うことは、究極は人とどう向き合うか、関係を持つのか、どんな距離感を保つかetc、ということの連続であり模索であると私は思うので、それは別にドキュメンタリーを作っていない人でも、この社会に生きている限りみんなが日々感じていることと共通する問題であると思うからです。

でもあまり質問が作り手の事情ばかりに集中するのは、単なる自分の自己満足になってしまうので、まず基本的な部分もきちんと聞いておかなくてはと思うし、質問する順番も考えないと・・・と、なんだか公開インタビュー的な心境になってきましたcoldsweats01

今日はとりあえず思ったことをどんどん書いていっただけなので、明日の午前中は質問をもっと厳選して(5~10個ぐらいまでに絞りたいと思います)、質問をもっとクリアな形にしたり、聞く順番を考えたり・・・などしてみたいと思います。ちなみに1月29日の上映後のトークは、私から中村さんに質問を投げかけ話してもらうのが30分程度、その後会場の観客との質疑応答を30分程度の、合計1時間ぐらいでと考えています。当日の状況にもよりますが。

ちなみに、明日の夜は「路地と人」にて「カフェ放送てれれ1月&2月号」の上映会です。お時間ありましたらぜひいらしてくださいね。詳細はこちらにあります。私も行きます!!

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[jp] かなり難航!

今週は、パーラメント・スクエアの非常事態で、そちらの対応に追われていたのですが、同時に「さようならUR」の予告編の英語版を作ってもいます。

最初は、基本的には日本語版のに英語字幕をつける作業ぐらいだろうと思っていたのですが、実際に作業を始めてしばらくして、これは一筋縄ではいかないことに気がつきました。

ちなみに、日本語版の予告編はウェブサイトにあるので、観ていただいたらここに書いている話がより分かりやすいかもしれませんが、例えば、日本語版では会話に字幕をつける必要はないので、各シーンは台詞があるところでも、同時にキャプションを入れることが可能です。(例えば、レンホウさんが事業仕分けで話しているシーンの画面端に「政治は・・・」といったキャプションをつける)。

しかし、英語版の場合は、台詞には字幕をつけなくてはいけないのですから(つけなければいけないということはないですが、ないと気になります)、台詞に対する字幕が画面にはあり、更にその状況を説明するキャプションをつける、しかも予告編は各パートのエッセンスですので、映像の切り替わりのタイミングがとても早い。。。これでは字幕とキャプションの両方を入れるのは到底無理です。

となると、キャプションを入れたい箇所には台詞のないシーンを持ってくるか、もしくは画面を切り替えブラックのパネルに文字だけを入れて表示するとか、いずれにしろ台詞とキャプションがバッティングしないようにしなければなりません。

日本語版をもとにして、上記のような変更を加えてみたのですが、もともと日本語版はそのような構成にすることを前提にしていないため、とても違和感のある流れになってしまいました。

またこれは個人的な感覚かもしれませんが、特に欧米のドキュメンタリーの予告編とかは、日本に比べてよりセンセーショナルな感じに煽ったり、スピード感にも溢れているように思います(ドキュメンタリーの種類にもよりますが)。

なので、私の日本語版オリジナルの流れは、日本人には普通に受け入れられたとしても、海外ではちょっと物足りない感じがしてしまうかな?と思いました。日本語版では、発言内容よりも人選(誰を予告編に登場させるのが思わせぶりに見せられるか)を意識したのですが、海外の人には私が選んだ人たちが誰なのかもちろん知らないのですから(大臣もしょっちゅう代わるし!)、人選よりも発言内容中心に選ぶようにしました。

・・・ということで、最初の2日間は日本語版ベースで格闘していたのですが、今朝は観念して(英語版は英語版として最初から素材を選んで構成を考えよう)と思い、朝は2時間ほどかけて英語版の予告編でどういうことにポイントを置くか、どんな発言を入れるかをノートにまとめ、午後からは実際に編集作業をしました。

夜10時ぐらいまでかかって(大体出来たかも!)という状態まで出来上がったので、先ほど軽いデータに書き出しをしてYouTubeに限定公開して、内容の確認とネイティブチェックをしてもらうために、「さようならUR」の翻訳を担当してくれたポールに送りました。

週明けには完成すると良いです!

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[jp] 詳しい報道出始める

連日お伝えしている、パーラメント・スクエアと新法PASRAをめぐる動きですが、昨日になって、詳しい報道が出始めたそうです。サポーターのエマやスーザンより、リンクを教えてもらいました。

まずは、警察による強制撤去当日は、政府と警察の発言のみを引用する形で報道したガーディアン。続報の記事はこちらです。双方の関係者を取材して発言を載せています。マリア、マリアの弁護士、ウェストミンスター行政区、そしてBBCラジオのインタビューで発言したロンドン市長のボリス・ジョンソンの発言も。

内容としては大体フェアに報道していると思いますし、この件に関する今までのマスメディアの報道で一番まともではないかと思うのですが、マリアの苗字(Gallasutegui)のつづりを何度も間違えているし、マリアの大きなピースボックス(交番を模した3mx3mx1mの箱)は2つあるのに1つと言っていたりして、エマは「あんな大きなものを数え間違えるなんて、記者は本当に現場に行ったのかしら?」とも言っていました。

驚きなのは、歯に衣着せない発言で当選直後は人気だったボリス・ジョンソンが、パーラメント・スクエアについて「世界遺産に指定されている地域なのだから、きちんと守られなければならない。(あの抗議活動は、)基本的にただのバンダリズム(=公共施設の破壊)であるし、目障りだ。抗議活動の権利は重要だし、全ての人が正当に意見を言う権利があるというのは言うまでもないが、世界遺産に指定されている地域を継続的に侵害することはできない」と答えていることです。

ボリス・ジョンソンはジャーナリスト出身で、その後保守党の議員になり、2008年からロンドン市長をしています。議員時代に、イギリスの表現の自由の変遷について描いたドキュメンタリー「Taking Liberties」にもインタビュー出演していて、国会の目の前で抗議活動をしているブライアンについて聞かれ、「彼があの場所で抗議活動をすることには意味がある」と答えていたのですから・・・!

まぁ、一議員の立場の時には社会問題にも理解ある姿勢を見せ、市民と共に現状を変えて行く的な発言をしつつも、決定権を持つ大臣や首長のポストに付いたとたん、前任者のあり方を引き継ぐような発言に翻る政治家は古今東西問わずたくさんいますので、今更そんなに驚きはしないのですが・・・。

モーニング・スター紙でも報道されていますが、こちらはマリアの弁護士の声を多く載せています。法廷でPASRAの有効性を問う、それまでは撤去は行わないという取り決めがなされた数時間後に、行政と警察がマリア以外の活動家たちのテントを撤去したことに対する非難を述べています。

ちなみに、昨日バーバラが召喚扱いになったらしいと書きましたが、それは誤りで、呼び出しを受けたのはルッカという別の人だそうです。ディーンより、訂正のメールをもらいました。

色んな情報が錯綜している状態なので(マリアの携帯も全然繋がらないそう)、私がお伝えしている情報も間違っていたり、後から訂正が入ったりすることも多々あるかもしれません。

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[jp] ”まるでゲシュタポのよう・・・”

昨日のブログで、パーラメント・スクエアの現在の緊迫した状況を書きましたが、裁判の結果と昨夜パーラメント・スクエアで行われた一部の撤去について、取材したリッキーよりメールで知らせてもらいました。

まず、新法PASRAによる撤去の差し止め請求をしたマリアの裁判ですが、当日は31人のサポーターが裁判所に集まったそうです。「オキュパイLSX(ロンドン証券取引所)」から駆けつけた人も多かったそうで、彼らのシンボルであるガイ・フォークスのお面をつけた人たちの写真が、リッキーの法廷レポート記事の中に載っています。

同様に、警官や、警察車両数台(今度は「オキュパイ・裁判所」となるのを恐れたのだろう、とリッキーは推測)が配備されていて、集まっているサポーターたちの写真をくまなく撮影していたそうです(この辺は日本も同様ですが)。

裁判の前にマリアの弁護士は、相手側の弁護士に「新法は明らかに人権侵害だ。差し止め請求が認められなければ、すぐに上告する。それはあなたたちにとって、更なる費用の増大を意味する」と警告したそうです。

さて、裁判では、結果としてマリア側にとってとても有利な流れとなりました。新法は実行される”前”にその有効性が判断されるべきであるということに、双方が合意したのです!(昨日のブログに書いたように、この法律が人権法などに反しないかは、実行後に誰かが裁判を起こしたらそこで争われればよい、と見切り発車される状態だったので)。3月中旬に2回のヒアリングをし、そこでこの法律について話し合われるとの事。それまでの間は、撤去などの行為をしないこと、などが決められたそうです。

この取り決めは、マリアに対してだけでなく、もちろんパーラメント・スクエアで抗議活動をしているほかの人たち全てに当てはまると考えられますが(実際に法廷でも、ちらっと裁判官は発言したそうです)、この日の夜7時半、なんとバーバラたちのテントやメガホンなどが撤去されてしまったのだそうです!!!

BBCのロンドンニュースでも、現地レポーターの報告する様子が伝えられていたそうですが、実際にそのニュースをテレビで見たポールによると、リポーターはまるで戦場にいるかのような振る舞いで、活動家たちがひどく暴れ、それを警察が収めようとして「これ以上のレポートは危険すぎて続けられません!」といって、中継が中断されたそうです。BBCの記事はこちら(でも実際放送された動画がなく残念)。写真に写っているのはバーバラと、パレスチナ人のアキルです。

ポールは「一体バーバラはどんな暴れ方をしたんだ??!!」と言っていましたが、それに対して現場を取材していたリッキーはまったく別の見方をしていて、「BBCなんて、数日前から省庁と警察に取材して原稿を書いていたんだろう。ほとんど彼らの言い分をそのまま引用していて、当日はそれに現場の映像をちょっと加えただけだよ。実際、撤去の際のバーバラは素晴らしかった。BBCのレポーターがリポートしている間に、カメラに向かって彼ら(政府とBBC)の違法行為を端的に叫んだんだから。それでBBCはこれ以上中継したら”危険”(BBCにとって不都合な事態になる)と判断して、あんな形で中継を終わらせたんだろう」と言っていました。

ちなみに、昨夜のことはガーディアン紙でも報じられていますが、BBC同様”撤去する側”の言い分の引用だけで記事が構成されています。

リッキーによると、強制撤去の様子は「まるでゲシュタポ(ナチス時代の秘密警察)のようだった」とのこと。リッキーによる強制撤去についての記事はこちらです。

上のリッキーの記事に使われている写真は、ロンドン交通局の固定カメラの映像です。パーラメント・スクエアの様子はロンドン交通局の固定カメラによって24時間うかがい知ることが出来るのですが(もともと、交通渋滞の様子を知らせるため、ロンドンのいくつかの地点の動画がウェブサイトで見られるようになっているのです)、こういった警察による強行的な排除が行われるときは(2005年にブライアンのディスプレイが奪われたときも同様だったそう)、そのカメラの映し出す方角を変えたり、「警察のオペレーション中」という文字だけが表示されるようにするなどして、画面上で観ることができないようになっています。この日も強制撤去の間はそのようになされていたとの事。

パーラメント・スクエアにとりあえず3月までは留まることができたマリアと、テント類などを撤去されてしまったバーバラたち。この1日で、ものすごく大きな変化がパーラメント・スクエアに起こってしまいました。バーバラ陣営が現在どのような状態でいるのか分かりません(ガーディアンでは夜10時の時点で逮捕者なしと書かれていますが、別の情報によると、サイモンとアニータが逮捕され、バーバラは逮捕されていないとの事。召喚?扱いとか言っていましたが、よく分からず)。テント類がなくてもパーラメント・スクエアにいるのか、それとも昨夜はどこかに避難したのか?

ここ数日でたくさんの記事を書いたリッキーは「writer's crampになっちゃったよ」とメールに書いていました。そりゃあ、短期間にあれだけ取材をして書けば、腕が痙攣を起こしてしまうかもしれませんね!

また何か情報が入りましたらお知らせします。

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[jp] イギリスの”オキュパイ”系運動に打撃!新法・PASRAについて

数日前、ロンドンでマリアが緊急会議を開きました。ブライアンの長年のサポーターで、現在はバーバラから「スパイの一味」扱いをされている、リッキー、エマ、ポール、そして「デモクラシー・ビレッジ」以降マリアのサポーターとなった映画監督のディーンが会議に参加。

会議の内容は、現在本当に緊迫した状況となっているパーラメント・スクエアのことでした。パーラメント・スクエアでの夜通しの抗議活動を禁止する法律が国会で成立したことは、以前このブログにも書きました。

法律の名称はPolice reform and social responsibility act 2011で、略称はPASRAです。具体的には、”夜通し”抗議活動をするための寝具類ーテントや寝袋などを持ち込んでの抗議活動を禁止する法律で、夜通し抗議活動をすること自体は禁止されていないのですが、真夏でも夜はすごく寒いイギリスで、テントや寝袋ナシで夜通しの抗議活動を長期間続けることは不可能なので、実質的には夜通しの、居座りスタイルの抗議活動を禁止することが目的の法律といえます。

法律ではパーラメント・スクエアの夜通し抗議活動のみ禁止されていますが、パーラメント・スクエアやウェストミンスター寺院などがある地区一体の行政区、ウェストミンスター行政区では、その法律をもとにウェストミンスター行政区の域内全域で夜通しの抗議活動を止めさせる条例を制定しようとしています(つい先日まで、その条例に対する協議を行っていました)。

さらには、ロンドン全体を管轄するGLA(Greater London Authority)もそれを取り入れようと検討しているそうです。そうなれば、金融街シティーで行われているオキュパイ運動やそのほかの占拠・抗議活動も総じて禁止されることになるでしょう。(ちなみにセントポール大聖堂付近でのオキュパイ運動は、この法律に関係なく撤去することに既に同意しているのですが)。行政施設だけでなく、例えば大手の銀行やデパート(例えばイスラエル支援をしているマークス・アンド・スペンサーなど)の前での抗議活動なども禁止されるようになってしまうかもしれません。

抗議活動の自由・表現の自由にも抵触する恐れがある規定を”条例”レベルで作成しても良いのかどうかは、ウェストミンスター行政区やGLA自身も確信を持てぬままに進めているようで、それら条例の制定後にもしその是非を問う訴訟などが起こされたら、それで検討するなどと言っています。普通ならそんな状態で法律を見切り発車させてしまうことはありえないと思うのですが、パーラメント・スクエアの抗議活動は既に求心力を失ってしまっているし、それぞれの平和活動団体は自分たちの活動に追われ、この動きに対して特に具体的な抗議をしていないので、それに乗じて作ってしまおうという考えなのでしょう。

法律の施行後、パーラメント・スクエアにテントを張っているバーバラやマリアたちには、早速警察から撤去の通告が届きました。でも、今日現在まだ撤去はされていません。

この新法が施行されている一方で、かつてブライアンを排除するために作られ、現在も抗議活動を取り締まる主な法律となっているSOCPA法は今年の3月まで有効となっています。マリアもバーバラもSOCPA法のもとで許可を得た上で抗議活動を続けてきて、今もその法律が有効であるのに、新たな新法で撤去勧告を受けるのはおかしいとして、マリアは裁判所に差し止め訴訟を起こしました。

その裁判所の判決は、今日(16日)、イギリス時間の午前10時半に言い渡されます。マリアの言い分が認められるのかどうか、サポーターの間でも楽観的&悲観的推測がありますが、もし彼女の言い分が認められれば、とりあえずはSOCPA法が切れる3月まではマリアはパーラメント・スクエアに居続けることが出来ます。(その間に準備して、新たなPASRA法の不備を問う裁判を起こすかもしれません)

もし彼女の言い分が認められなければ、もうパーラメント・スクエアにこれ以上居続けることは出来ないという裁判所の”お墨付き”が与えられてしまうので、即刻退去が行われてしまうかもしれません。マリアはその事態にも備えて、インディペンデントの映画監督のディーンにいつでも撮影にパーラメント・スクエアに駆けつけることが出来るようお願いしてあります。

ディーンは環境問題が中心の映画監督(かなりメディアアクティビストとしての側面も強い)で、これまではエコビレッジなどにも住み込んで撮影をしてきたそうです。「デモクラシー・ビレッジ」(2010年)をきっかけにパーラメント・スクエアにも関わるようになったので、私自身は面識はありません。イギリスの環境問題系は一番ラディカルで激しい現場なので、そういった場面を撮影してきた人なら、きっとパーラメント・スクエアの緊急事態も落ち着いて冷静に撮影できる人なのではないかと思います。ちなみに、ディーンのウェブサイトはこちら。かっこいいミュージック・ビデオもたくさん作っています! 自身の信条として、映画とアート、そして具体的な行動を結びつけること、とサイト上で述べています。

最終局面まできてしまったように見えるこの事態ですが、今からでも出来ることはある!と、リッキーがインディーメディア上で呼びかけを始めました。まずは1月16日の裁判所の傍聴に出かけること、もしマリアの言い分が認められなかったら撤去に備えてたくさんのサポーターがパーラメント・スクエアに集結すること、そして現在公開で協議されている王室所有の公園(ロンドンのメジャーな公園はほとんどそう)、トラファルガー広場を抗議活動制限の対象と含めようとしている件に対して批判の声を寄せること(1月22日まで受付中)を挙げています。

イギリスやロンドンにお友達がいる人はぜひ呼びかけてください!!

ところで、やや話がずれますが、ロンドンでは今年オリンピックが開催されます。私は知らなかったのですが、オリンピックに反対するビラやポスターなどを屋外や自分の家の壁などに貼り付けることは、1日に付き1万ドルまでの罰金と、最大で6ヶ月までの禁固刑になるんですってね!! バンクーバー五輪の時の記事がネット上にあります。

これに関して、現在ロンドンのアクティビストの間でも、同様の取締りがなされるのではないか?と懸念の声が上がっていますが、BBCの取材に対しロンドン警視庁は、その法律を使って取り締まるつもりはない、と答えています。警察としては、主に公式スポンサーでもないのに、そうであるかのように見せかけた商売(オリンピック会場近くで、スポンサーになっていないのに、オフィシャルスポンサーであるかのようなポスターやグッズを販売するお店や露天商など)を取り締まるのだそうです。

・・・しかし、同ページ上にはグリニッジに住み、家に五輪反対のポスターを貼った人が、警察が家までやってきてポスターを剥がせと言ってきた、と証言しています。イギリスの人権活動家は、ロンドン警視庁が約束どおり五輪反対の声を上げる人たちまで取り締まらないかどうか目を光らせていく、と言っているそうです。

マリアの裁判の件は、また続報をお知らせします。

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[jp] 対立ではなく対話

先日は、最近レコード・レーベルを立ち上げた友人の伊藤さんに会いました。ドラムン・ベースに傾倒し、日本&世界のクラブシーンを知り尽くしている彼ですが、意外にも前職は音楽とは無縁の、ごみ処理施設・メーカー、関連官庁を取材・執筆するライターでした。

仕事の関係で、”世界最大・最悪のごみ”である放射性廃棄物についても、20年以上前から取材をしていたそうですが、その闇社会をた~くさん見聞きしても、彼らは広告主でもあるため、ひとつも活字にすることは出来なかったそうです。

「それって、すごいジレンマではないですか? どうやって不正義に目をつぶって、仕事を続けられてきたのですか?」と聞きました。だって、知ってしまった以上は、それらに目をつぶってひたすら広告記事を書くなんて作業は、精神的に出来ないと思ったからです。

伊藤さんは、原発やごみ処理の問題を深く知るにつれ、この構築された巨大な産業システムを切り崩したり、変えていくことはほとんど不可能なのだ、と感じたそうです。そこで取り組んだのが、サウンド・パレードでした。数万人規模のパレードや野外フェスを90年代に始めたのです。音楽や楽しいことを通じて、自然や環境と調和して生きることを自然と学んだり、それが可能になるような選択をする人間を育てていく・・・。その人たちが大人になり、社会の中核を担うようになる頃、原発は要らないのだという選択をする人間になる、ドイツなどの国々もこのようにして原発を止めてきた、と言っていました。

直接的に原発のシステムと闘うわけではないように見えて、実は一番近道なのでは?と思いました。

もうひとつ興味深い話がありました。私は「さようならUR」を作る過程で、フリーランスという立場もあって、取材にとても苦労しました。高幡台73号棟の取材申込、イコール、URとしては「批判される」分かっているので、映像取材には応じてもらえませんでしたし、ペン取材でも”本音”といったようなものは聞くことが出来ませんでした。

そのことを話すと、伊藤さんは「対立では本音は聞けない。対話じゃないと」と言っていました。「対話って・・・?」と私が聞くと、「担当者と一緒に飲めば、全て話してくれる」と言われました。”組織”として”組織”のために働いている人たちだけれども、具体的な判断(例えば○○という地域にごみの最終処分場を建設するかどうかの判断)を下すのは一人ひとりの人間でしょう? その人と会って、話して、飲めば、一人の父親(母親)や、一人の人間としてのその人の一面を知れるし、お互いに心を開くようになる。そうなればもうぜ~んぶ話してくれるんだよ」と。

取材という関係から、一体どうやって飲みに行くようになるのか、私にはにわかには想像できないのですが、でも彼の言っていることは一理あるように思いました。最初から対立・批判精神むき出しの相手に、わざわざ本音を言おうとする人なんていないでしょう。対立だと、扉は固く閉められてしまい、そこを開けるのは難しいと思います。感情的でもあるし。”対話”(広い意味で。もう一方の側ともコミュニケーションを図るという意味で)という形式にするほうが、よっぽど得られるものは大きいようにも思います。

・・・でも、そんな風にして得た情報も、結局一言も活字に出来ないのでは、理不尽な気持ちが残ると私は思ってしまうのですが・・・!!

ちなみに、昨年末に、江畠香希さんの新作ドキュメンタリー「理由のない逮捕」を観て、それこそ”理不尽”な家宅捜索の際に、江畠さんが怒りを押し殺しながらも、家宅捜索に全面的に協力し、その一部始終を記録するという、びっくりするドキュメンタリーを観ました。もし江畠さんが家宅捜索で捜査員にブチ切れたら、撮影は全く不可能だったと思います。

あの撮影が可能だったのは、(もちろん表面的にですが)江畠さんが捜査員と対立せず、感情的にならずに応対したからだと思います。

伊藤さんの話を聞きながら、そんなことを考えました。社会問題を扱うジャーナリストやドキュメンタリー制作者は、問題の指摘や告発、糾弾も必要であると思いますが、深いレベルで有用な情報をいかに入手するか、正面から押すだけではない、あらゆる方法・スタイルを模索する必要があると思いました。

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[jp] カフェ放送てれれ東京上映+ベトナム作品!

先日のブログに、大阪の下之坊修子さんが主宰されている「てれれ」の東京上映会に参加すると書きましたが、その詳細が発表されました。

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日時:2012年1月21日(土)19時~21時半くらいまで
参加費:500円 + 1ドリンクのオーダーをお願い致します。
場所:路地と人(東京都千代田区神田神保町1-14 英光ビル2F)
東京メトロ半蔵門線・都営三田線/新宿線神保町駅A5出口から徒歩2分
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てれれの1&2月号の上映作品に加えて、私の「ブライアンと仲間たち」&「さようならUR」の予告編、さらに特別企画として、ベトナムのインディペンデント・メディアセンターDOCLABの2009年の短編2本が本邦初公開されます!!!! 

DOCLABのティーさんから昨年頂いたコレクションのDVDを観て、ベトナムのインディペンデントの空気がすごくリアルに伝わってくる面白い作品だなと思ったので、てれれ東京上映で紹介して良いか問い合わせしたところ、「もちろんOK!」と快諾してもらったのでした。

日本&ベトナムのインディペンデントな制作者による映像を観て、参加者が語り合う・・・。当日は私も参加予定ですが、今からとても楽しみです。

当日の詳細は会場である「路地と人」のブログをご覧ください。

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[jp] 至福の待ち時間

今日は、「さようならUR」英語版のPAL版を作りました。マスターDVDを作るのに、約1時間かかるとパソコン画面に表示されたので、その待ち時間に今日は塩麴づくりに初挑戦してみました!

最近入手した麹(低温乾燥タイプ)を冷蔵庫から取り出します。袋の外側からは分からなかったのですが、袋を開封すると板状に固められた麹の表面は、綿帽子のような白いものでうっすらと覆われていました。(これが食べ残しの食材だったら、「カビちゃった~!」と焦るところですが、麹の場合は良いカビ(?)なのですよね??)

袋に書かれてあるとおりに、塩麴を作ります。塩をお湯に溶かし、60度までさまします(軽量スプーンや温度計を持っていないので、この時点から既に狂ってきているかもしれませんがcoldsweats01)。板状に固められた麹を手でほぐして、タッパーに入れたら、そこに60度までさました塩水を入れてまんべんなく行き渡せる。

あとはタッパーのふたをして、1日1回程度かき混ぜれば1週間~10日で出来上がるのだそうです。出来上がりがとても楽しみ!!

塩麴の仕込みを終える頃には、PALのマスターデータが無事完了し、再生確認をしてディスクイメージファイルを作りました。

ちなみに麹は後半分残っているので、これは甘酒にしたいと思います。年末に経産省前の反原発テントで振舞われていた甘酒がすごく美味しくて(今まで飲んだのと全然違う!)と思ったら、酒粕ではなく麹から作られている甘酒だと聞きました。ほんと、すごく美味しかったんですよ! なので、自分でも麹からの甘酒作りに挑戦してみたいと思っていたのでした。こちらも作ったらどんな味か報告しますね!

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[jp] DVDかオンラインか、微妙だなぁ!

昨日のブログで書きましたが、1月29日(日)の『空っ風』上映会の詳細が決定しました。昨夜、住民の会の定例会に参加する前に、会場となる日野市公民館・高幡台分室に行き、会場の本予約を済ませました。さらに、定例会で上映会について住民の皆さんと相談し、「高幡台団地73号棟に住み続けたい住民の会」と共催という形で上映会を行うということになりました。上映会のためには、事前の広報や当日の受付など様々な役目がありますが、住民の会の皆さんも手伝ってくれるとの事で助かりました。

この日、大阪から来られる監督の中村さんは、73号棟の畦地さんのお宅に宿泊されるのですが(人の家を勝手に斡旋する私coldsweats01)、畦地さんから「彼女、初対面の人の家に泊まるのは心細いんじゃない? 早川さんも泊まれば?」と言われたので、急遽、私も泊まることになりました。近くに住んでいて、終電もそんなに関係ないと、逆に泊まる機会というのはないものです。とても楽しみ。

ところで、お正月明けからは、海外のいくつかの映画祭に申し込んでみました。ヨーロッパやアジアの映画祭は申し込み料が無料のものが多いですが、北米やオセアニア、そしてヨーロッパでも一部の大規模な映画祭は申し込み料が有料となっているものがほとんどです。申し込み料金は、映画祭や締め切り、作品の長さによって異なるのですが(締め切りが、「早割り」、「通常」、「駆け込み」の3段階に分かれ、早く送付するほど料金が安くなるものもあります)、大体30ドルから80ドルぐらい。円高だからちょっとは得しているとはいえ、10個も申し込んだら軽く5万円を超える計算になってしまいます!

なので、そうたくさん有料のものには申し込めないのですが、それでも出してみたい映画祭には申請料を払ってでも出すようにしたいと思いました。申請料の支払いは大抵クレジットカード決済ですので、これまた簡単。お金を使っているという感覚が全くありませんcatface。私は、映画祭に出すのは宝くじを買うのと同じと思っていて、「出さなければ選ばれない」と、ダメもとで送っています。

大抵の映画祭は、エントリーシートをオンラインで記入して、必要ならば申請料を支払い、その後にプレビュー用のDVDを郵送で送る、という手順なのですが、2年前に「ブライアン~」の映画祭申請をしているときにはほとんどみかけなかった、「オンラインでプレビューを送る」選択肢がかなりの映画祭で用意されていることに気がつきました。

専用のサイトに映画本編のファイルをアップして、それを映画祭側がオンラインで観る、というものです。サイトの説明では、自分が申込をした映画祭の、しかも限られた環境でしか観れないようになっているので安全である、DVDを送る手間とコストもかからないし、環境への負荷もない、映画祭の複数のスタッフが映画をチェックする場合に、ハードコピーよりも共有がしやすい(DVDを回し観するのでは、スタッフ全員が閲覧するのに時間がかかってしまう)etc、オンラインでプレビューを送ることのメリットが書かれていました。

私は、特に有料で申請した映画祭に関しては、プレビューDVDが映画祭側にきちんと配達されるよう、EMS(書留速達)で送っています。それだと、DVD1枚送るにも最低料金の1200円程度がかかります。オンラインだったら、そういった郵送料もかかりません。

どうするかなぁ、オンラインにすべきかなぁ・・・と、今日は考えていました。オンラインにするとしたら、そのためのデータを作らなければならないので、まずはどんなファイル形式に対応しているのか、そして容量の制限は?などを調べてみることにしました。

私の映画はハイビジョンなので、最高画質の設定ならば画面のサイズは1440x1080です。データサイズは6GB程度。

しかし、そのサイトの条件を見ると、画面のサイズは480x360で、データのサイズは2GBまで、データ形式はFLVかQuicktimeとなっていました。画面サイズが480x360なんて、DVD(720x480)よりも更に小さいではありませんか! この設定でデータを作ったらかなり小さな画面となるため、大きな画面で引き伸ばして観る場合は、画像がかなり粗くなってしまうことでしょう。

実際に、最高画質(1440x1080)で作ったサンプルの30秒間のビデオを480x360で書き出ししてみたところ、スマートフォンの画面で観るぐらいならば問題ないといった感じのデータが出来上がりました。

以下の写真は、私のパソコンのディスプレイ上に現れた動画の画面をキャプチャしたもの。
480_360

上の写真の状態から、画面をDVDサイズぐらいまで拡大して観ようとすると、以下のようなモザイク上に。だいぶ画面が粗くなります。(写真をクリックすると拡大して見れます)
Expanded

作り手としては、常に”可能な限りよい状態で”映画を観てほしいと願うわけですから(環境の許す限りは)、わざわざ自分の映画の画質を落として、しかも”選考”のために観てほしいなんて思わないのでは?? そう思ってしまいました。そして、サイトの注意書きを読むと、ネット環境によってはスムーズに再生されない場合がある、無線より有線で接続した方が良いとか書いてあるし、画質は悪いわ、スムーズに再生されないわ・・・なんて映画、そうとうツボにはまった作品しか、何度もトライして観ようとしてもらえないのでは?とも思ってしまいました。それは考えすぎなのか・・・。

でも、映画祭のサイトによっては「オンラインでのスクリーニングの方を強くお勧めする」と書かれているものもいくつかあり(多分環境保護とかの観点から、というのが強いかもしれない。特に欧米の場合は)、なかなか悩ましい問題です。

480x360の画質があまりにもがっかりだったので、多分私は従来型のDVDハードコピー送付を採用すると思います。YouTubeみたいに、HD画質対応している無料の動画サイトもたくさんあるわけですから、映画祭のサイトこそ(しかも申請者からお金をとっているのですし)高画質&大容量に対応してほしいです。

ちなみに映画祭によっては、映画祭が持つVimeo(YouTubeのような動画投稿サイト)アカウントに、限定公開設定で投稿させることで、高画質のプレビューデータに対応しているところもあります。もしくは映画祭が指定したFTPサーバーにデータをアップさせるとか。

しかし、映画祭のアカウント名やパスワード、FTPなどの情報を外部に知らせるのは、それはそれでセキュリティー上の問題が出てきてしまうことがあるかもしれませんので、その辺の対策がどのようになされているのかを調べてから、そういった方法を用いて申請するほうが良いでしょうね。

色々と考えさせられることの多い、映画祭申請です。

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[jp] 『空っ風』東京上映会・1月29日(日)@日野市

<ドキュメンタリー映画『空っ風』上映会>
~東京初上映! 大阪より中村葉子監督来場!!~

大阪・千里ニュータウンの建替え問題を追ったドキュメンタリー『空っ風』(からっかぜ)が、東京で初めて上映されます。上映当日は大阪より監督も来場、上映後にはトークと質疑応答もあります。大阪の団地で何が起こっているのか・・・、ぜひ映画をご覧ください!

上映日:2012年1月29日(日)14:00~
会場:日野市中央公民館・高幡台分室(旧高幡台小学校)
講座室3
入場料:500円(中村監督へのカンパとして)
※上映後、監督によるトークと質疑応答を予定。

<ドキュメンタリー映画『空っ風』とは・・・>
そこは風が吹きすさぶ、真っ暗闇の団地、3つの部屋の明かりがわずかに灯っている。千里ニュータウンの桃山台第二団地では380世帯が去った後も3世帯が生活を送りながら、建替え反対の運動を続けている。建て替え問題は、小泉政権時代の団地建て替えの法律が緩和されたことで、4/5の「多数決」だけで住まいが奪われる。老朽化、建て替え費用などは問題にならない。大手開発業者のリクルート・コスモス社は安く買い叩き、高く転売する。政府、裁判所が業者とともにこの仕組みを確立させ、強行的に建替えようとする。

この記録は大阪の長居公園のホームレスへの強制執行で出会った5人の仲間で撮り始めた。公園の青テントが壊されるのと同時期に、団地の追い出しも進む。公の場で強制的に人の生は破壊され、その事実さえなかったこととされていく。 人が生きたあかしを一気に奪われるその日を、「記録」として残しておくことが自分たちにとって最も大事なことであった。その「記録」することを通じて、私たち自身も問い直されるとともに、多くの人に運動の分裂と闘いつづけることの困難さ、そのなかでも力強く生きる人たちの姿を感じてもらいたいと思う。

<制作クレジット>
監督、編集、ナレーション:中村葉子
撮影:金稔万、佐藤零郎、張領太、中村葉子、布川徹郎
音楽:井上譲、植木威文
音響・整音:吉田一郎、飯田洋平
DV, 8mm/80分/2010年/制作NDS(中崎町ドキュメンタリースペース)

<中村葉子監督より、上映に向けての挨拶>
いま日本全国各地で、高度経済成長期に数多くたてられた団地の建て替え問題が同時期に起こりつつあります。私が住んでいる大阪でも住民の反対を押し切って建て替えが進んでいます。高齢者の住民にとっては「終の棲家」として住み慣れた団地から追い出されるということは、体への負担と病気の悪化が懸念されているにもかかわらず、新築できれいなところに移り住めるから良いだろうという単純な理論で個々の家族の問題・地域全体の問題がきちんと話し合われないまま国の施策と業者主導で再開発が進んでいます。大阪の千里の場合はすでに反対派の住民が何の保証もなく追い出されてしまい現在新たなマンションが建築中です。

これから全国で同じようなことが繰り返されないためにも各地の団地で上映会を行いながら皆さんと問題を共有していきたいと考えています。どの団地にも明かりのともっている一つ一つの部屋にそれぞれの「生」があり、いままでの物語があります。その明かりを一気に壊していく状況をとめていける一つの契機に、この上映会がなればと願っています。

<監督プロフィール>
大阪府松原市生まれ。28歳。NDS(中崎町ドキュメンタリースペース)という映画制作者集団のメンバーとして2008年から映画制作をはじめる。『空っ風』は初監督作品。現在は、大阪の釜ヶ崎にて事務所を構え、作品づくりを進めている。次作としてはじん肺を患っている「元・はつり工」の労働者たちが、大林組、鹿島建設を相手どって建設現場におけるじん肺問題の集団訴訟をおこしておりその撮影にかかわっている。また彼らが沖縄の粟国島出身のはつり工たちであり、その人生の記録をテーマとした作品を制作中である。

<主催/上映会に関するお問い合わせ>
主催:早川由美子(ドキュメンタリー映画『さようならUR』監督)&高幡台団地73号棟に住み続けたい住民の会
お問い合わせメール(早川):
info [@] petiteadventurefilms.com
(メール送信の際は上記の[@]を@に変えて送信してください。)

<朗報! 追加上映があるそうです!!>
2012年1月30日(月)20:00時から
入場無料(但しワンドリンクオーダー)
@カフェ☆ラヴァンデリア(新宿)
主催:シネマdeねこちゃん

「日野は遠い・・・」という方はぜひ。こちらの会場にも中村葉子監督が来場します。但、猫と一緒に映画を観るというコンセプトのイベントのため、猫が嫌い、もしくは猫アレルギーの方はその点ご留意ください。

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[jp] 経験の共有

年末の大掃除で今までの資料類を整理していて、73号棟住民の畦地さんが1年前に書かれた文書を改めて読み、「住まい」について、「住民」について、「コミュニティー」とは?、「民主的な話し合い」とは?など、示唆に富む内容だったので、本人の許可をもらいここに全文を掲載することにしました。

賃貸の公団住宅に40年住み、家賃さえ払えば住民の義務は果たしているという程度の意識で過ごしてきた人が、73号棟の耐震問題をきっかけに、初めて住まいについて考え、さらには街づくり、世代を超えて受け継がれていく地域の歴史といったことまで考えざるを得なくなった、という心境が分かりやすく綴られています。

私はここに書かれていること全てに同意するわけではありませんが、興味深い投げかけや、これからのコミュニティーを考えるヒントが詰まっていると思い、以下にご紹介します。

団地の高齢化、老朽化、過疎化はこれからますます大きな問題になっていきます。URの団地にお住まいの人でも、73号棟の問題や団地の老朽化の問題に対して「大変ねぇ」という程度の人も少なくありません。実際、建替え問題が起った団地の経過を見ていると、築20年を過ぎたあたりから建替えの話が持ち上がってきます。安心して暮せる期間というのは、日本の場合驚くほど短いことが分かります。

自分の住まいが取り壊し、追出しなどの対象となって初めて住まいについて考え、大慌てになる・・・ということが繰り返されないよう、73号棟の人たちの経験や知識が蓄積され共有されていくことを願っています・・・

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個人認識の経過

2010年12月4日記
73号棟住人 畦地豊彦

[1] URの73号棟耐震不足という判定から

イ:判定は青天の霹靂であった。それまではこの団地で一番丈夫な建物であるという認識があった。そこから出発した。
ロ:いろいろな噂(地盤が軟弱説、強い地震が来たら即倒れる)に振り回された。
ハ:不安、安全な住まいとは何か?を軸に考えた。
ニ:それで、地震、耐震(診断)、建築について多少勉強した。当時はラーメン構造という言葉さえ知らなかった。

⇒住まいとは何か? 安全、安心とは何か? 総じて今まで考えたことのない事柄を考えた。

[2] 住み続けるにはどうしたら良いのかから考えることにした

イ:自治会のあり方(役員の独断、URの決定の代理押し付け、脅しまであった)を考えざるを得なかった。
ロ:団地の自治会は無いに等しい現実と、今までの自分自身の無関心、無理解があった。これからどうやっていくのか?が問われた。
ハ:自治どころか、小規模のコミュニティー(井戸端会議)さえない現実があった。あっても噂話しかなかった。
ニ:人と人が出会っていない。つながりがない。多様な存在であり、違った意見を持つ人々がどうやって対話をしていくのか?
ホ:住んでいるところで、直接人と人が話し合いをする「場」をどうやって創っていくのか?

⇒「直接性」の確立がキーワードであることを学んできた。

ここからふたつの思考方向が生まれた。

A:住む家(建物)⇒団地という集合住宅のありよう、歴史⇒街のありよう⇒日本の住宅政策はどうなっているのか? 今度の問題が起きた社会的背景を探った。
B:人々の住まい、住み続ける権利を、人々はどうやって獲得してきたか? 法律はどうなっているのか?

[3] 先のAにそって、今ひとつ考えてきたことは、安全の考え方である。それは技術にそって考えることと、経済問題として考えることであった

イ:URの耐震不足判定の正否、補強困難の正否、除却決定の成否
ロ:UR(公団)の歴史、果たして来た役割
ハ:73号棟問題を通して分かってきたことは、UR(公団)が果たしてきた公的な住宅供給の役割をUR自身が否定をしていることにつながらないかということである。
ニ:地震という自然現象に対して、住民の安全をどう獲得していくかという問題は、ひとり73号棟問題にだけあるわけではなく、社会共通の抱える問題だということ。
ホ:ここにURと住人とが話し合う共通基盤があるということ。
へ:技術の根本問題は、人間の食・衣・住にそって考える事柄である、etcを考えた。

[4] 耐震不足は、壊すのではなく、耐震補強技術で乗り越えられること、これは色々な人から教わってきて、今や僕の確信になっている。

イ:壊すことの意味を考えた。あるところは自然にかえす事だってありうる。将来、街づくりの一環として、都市の中に里山や農地を実現する事だってありうるところから考えた。
ロ:この団地(高幡)にそっては、73号棟を残すことが大切である理由を考えた。(センター機能、バリアフリー、シンボル棟・・・etc
ハ:残すことの最大意義・・・それは一団地の適正な人口規模を持つことの必要性(限界団地・過疎化・食物難民がおきてわかったetc)である73号棟は高幡台団地のなくてはならない色々な意味での要となっている。
ニ:理想的な団地のありようも考えた。文化の蓄積を可能にする人々が住み続けるコアの部分(世帯を続ける部分)と、フレックスな流動部分、通貨住民の両方が混在する住居であること。
ホ:このことは多様な生活スタイルを持つ人々が、一緒のところに住んでいけるような団地を意味する。
へ:上記を可能にするには、多様な住居形式を持った部屋(住まいづくり)が必要である。(二戸一戸形式・シングル住宅・シェアリング住宅・留学生受け入れ住宅etc

(註:「二戸一戸形式」とはふたつの住居の壁を取り払い、広い一世帯用の住居とすること)

ト:団地と周辺の住居のことについても、団地は緑地(公園)の提供部分になっており、ある意味では中心住居ともなっているところがある。夏の団地祭りでは、団地住民より三分の二が周辺、ふる里帰りの人々であったことはそのことを物語っている。

[5] 73号棟を耐震補強するということは夢をのせることと同義である

イ:過分に費用がかかるなら、その過分は未来に対して投資をすることによってペイする話である。これが経済問題に対する基本的な態度である。
ロ:あるべき団地、あるべき街づくりは、もったいないを基本にすべきである。壊すのは自然破壊に繋がる場合があまりにも多い。
ハ:30年後、確実にやってくる老朽化の問題がこの団地にはある。要の建物をなくせば、この団地は衰退、滅亡する。
ニ:建築上の技術課題のひとつとして、耐震補強のことだけではなく、建物を長く持たせる技術もあわせて考えていく必要がある。

⇒ようやく73号棟問題を考えることは、日野の街づくりと結び付けて考えるようになった。

[6] 話し合うとは何か?

イ:URの方針は、即決定であり、この決定には住民は四の五の言わないで従えというのがURの言う話し合いである。これははじめに決定ありきで、最初から最期まで説明である。よくとって説得である。
ロ:友情ある説得ならば、その内容は社会的常識(コモンセンス)であることが必要である。
ハ:この説明、説得は、社会的、経済的、技術的、法律的に見て、その内容に合理性がなければならない。
ニ:URのいうところは、安全な住宅ではない。代わりの住宅を用意する。なおかつ引越し費用を条件にもとづきだす。というものである。
ホ:住宅の明渡しに期限を設け、期限内に立ち退かなければ一切の面倒は見ない。言うことを聞かなければ裁判にかけてでも立ち退かせるという脅しが最初から付いていた。へ:URは国会でもそのほかのところでも、住民に丁寧な説明をしているとしか言っていない。URはそれを話し合いと強弁している。
ト:話し合いとは、相手方が納得する内容を獲得することを前提としているから話し合いになる。
チ:この形式は、まずUR側から、耐震不足が判明した。これこれの問題がある。どうしますか?から出発する。
リ:話し合いの不可欠の前提条件には、ひとつの結論を得るに至った”資料類”があるわけだから、当事者、相方がかかる資料を検討することから始めるのがコモンセンスというものである。
ヌ:片方(UR)だけが持ち、住民がそれを見て検討する時間を欠くのであるならば、それは話し合いではなく”ダマシの構造”というものである。
ル:民主主義は知恵の平等を暗黙の前提としている制度である。その上で、それぞれの価値観を持つ人間が意見をぶつけ合うから話し合いになる。

URと話し合いをするにはどうするかが課題である。第三者か日野市を入れた三者会議を探りたい。それを実現するには、説得力ある”団地再生構想案”を作り上げることだと思う。

以上
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[jp] 新年会!

昨日は、昨年の映画道場ワークショップの参加者や、山形ドキュメンタリー映画祭に関わる方たちの新年会に参加しました。

ドキュメンタリーの作り手、映画祭のスタッフ、そして音響設計の菊池信之さんや撮影の内藤雅行さん、編集の秦岳志さんなど、にぎやかな顔ぶれでした。

内藤さんからは、お年賀として参加者にノートのプレゼントがありました。B5サイズで表紙はしっかりしていて、ノートがかばんの中で開いたりしないよう、ゴムでとめられるようになっていました。私も1冊頂いて、(このノートには映画のアイデアとか、面白いと思ったことを書き記そう!)と思いました。

偶然私の席の隣が内藤さんだったので、撮影についての面白いお話を色々と聞くことが出来ました。内藤さんは、カラスやすずめ、鳩の習性にとても詳しく、よく観察しているとまるで人間世界のようなドラマが鳥たちの中で行われているのだそうです。いずれ鳥のドキュメンタリーを撮ってみたいとも言っていました。

「撮影するには、その被写体の習性を良く知っていなければならない」といっていて、そうでないと、ベストの場所・タイミングで撮る事ができないのだ、と。大好きな舞台に関しても、どこから撮るのが一番良いか、という話をされていました(ただし、舞台とひと言で言っても、歌舞伎とシェークスピア演劇では、ベストな場所は異なります)。

「被写体」とは人間や動物に限らず、植物にも及びます。例えば、植物から芽が出て育っていく様子を固定カメラで捉える場合。芽や根がどの方向に、どの程度伸びるのかを初めに予測してカメラを固定する位置を決めなければなりません。そして、予測するだけでなく、習性を熟知すると今度は自分から「仕掛ける」こともできます。仕掛けることによって、理想的な状態で撮影が出来る、と。

私は以前友達のダンスを撮影したことがあり、カメラがダンスの動きについていけずに苦労したことがありました。お芝居やダンスなどを撮影するときには、あらかじめ話(やダンス)の展開を理解し、その展開を先回りしてベストな位置でカメラを構え撮影しなければなりません。行き当たりばったりで撮る面白さもあるけれど、お芝居やダンスなど、演出され魅せるように作られているものに関しては、事前に熟知して撮影方針を決める必要があると思ったのでした。

新年会の参加者の半分近くは、ドキュメンタリーを作っている人たちでした。映像系の学校を卒業して、現在はテレビドキュメンタリーの制作アシスタントをしている人、アルバイトをしながら自主制作のドキュメンタリーをしている人などがいて、ほとんどの人は映像製作に関わってからのキャリアが2~5年程度と、私と同じような状態でした。(私自身は映像を始めたのが遅かったので、年齢は私の方が上でしたが)

アルバイトをしながら自主制作でドキュメンタリーを作っている人たちはお金がないことが悩みで、制作会社で働きながらいずれは自分のドキュメンタリーを作りたいと思っている人は、時間がないのが悩みでした。共通して言えることは、ドキュメンタリーを作る・作り続けるのは難しい、ということでした。

私自身はアルバイトも何もしていないので「どうやって生活しているの???」と不思議がられました。私も全然お金がありませんが、でもアルバイトをしてしまったら、映画を作る時間がなくなってしまうのでやらないのです。「ドキュメンタリーは何かあったらすぐ現場に駆けつけたいのだから、週1のバイトだって足かせになる」と私は言いました。(それに週1で何かを受け持つと言うことは、1週間以上の出張・旅行などが出来ないと言うことでもあります)

そうしたら他の人たちは「いや、週3ぐらいまでは大丈夫でしょ」と。「それに、いざとなった時に休ませてくれるような仕事であれば」とも。私は「週3は絶対無理だと思うけど、例えば週1で、しかもいつでも休んでもいいような仕事だったらしても構わない」と言ったのですが「そんな人、わざわざ雇わないでしょ!」と言われ、(それもそうだ)と妙に納得したのでしたcoldsweats01

興味深かったのが、制作会社で働いていて、いずれ自分のドキュメンタリーを作りたいといっている人に対して、周りの人が「映画を作りたいなら、逆に映像業界にいないほうがいい」というアドバイスをしていたことです。私自身は、映像業界にいたほうが色んな技術を習得できて、勉強になるのでは?と思っていました。しかし、映像業界は、TVや映画など、どちらも労働時間がとても長く、泊りがけは当たり前の激務です。なので、自分の映画を作るなどという余裕は、映像業界にいる限りほとんどないのです。「公務員で働いているほうが、映画は作れると思う」と言っているのを聞いて、それもそうだなと思いました。

とはいえ、その人は就職してまだ1ヶ月ということですので、稼ぐだけ稼ぎ、技術を学び、消耗させられないうちに辞めて、今度は自分のためにドキュメンタリーを作ったらよいと思いました。

「やりたいことを仕事に」というのは、学生時代~社会人になってもスローガンのように言われ続けていることですが、現代の労働市場で「やりたいことを仕事に」というのはなかなか成立しないことのように思います。「やりがい」を盾に搾取されてしまう業界もたくさんあるし。そして、仕事=やりたいことだと、企業側の論理で仕事内容を妥協させられることに腹が立つかもしれないし。案外、「お金のため」と割り切って、自分の適正と能力を生かした効率の良い賃労働を最小限する、が「お金にはなりにくいけどやりたいことがある」という人には良いかもしれません。

・・・そんなことを書きつつ、今年も私はアルバイト等はせずに、まずは映画について今自分がやるべきことを精一杯全力でやりたいと思います。”仕事”並に、自分で目標、進捗状況を管理して、大切な1日1日を無駄にしないように。。。

そんなことを考えた新年会でした。

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[jp] 他の人の上映会を

映画の上映を始めてかれこれ3年近くになりますが、この度、初めて自作以外の上映会を主催することになりました。以前、このブログでも紹介したことのある、大阪NDS(中崎町ドキュメンタリースペース)の中村葉子監督の、大阪の千里ニュータウンの建替え問題をテーマにしたドキュメンタリー映画「空っ風」の上映会(なんと東京初上映!!)を、高幡台団地内にある公民館(旧高幡台小学校)で行うのです!!

昨年来より中村さんと連絡を取り合い、上京日に合わせて会場を予約し、上映会の宣伝のために必要な作品資料(あらすじ、制作クレジット、スチール写真、監督プロフィール、監督からの挨拶コメントなど)を提供してもらい、今日は上映の宣伝チラシを作成しました。私はパソコンは自分で組み立てたりするものの、ワードとかエクセルといったオフィスワークの超基本的なスキルは持ち合わせていないのでcoldsweats01、めちゃくちゃシンプルなものなのですが・・・!

宣伝チラシは現在中村さんに文面を確認してもらっているところです。OKであれば、このブログやウェブサイトなどに情報を掲載しますので、ぜひ広報にご協力くださいね! そしてぜひぜひ上映会にもいらしてください!!

ちなみに、上映は1月29日(日)14時からで、映画の上映の後には中村さんによるトークと質疑応答も予定しています。『空っ風』は、私は既に2回拝見しているのですが、当日のトークの冒頭は私が基本的な質問をいくつかさせてもらい、それに中村さんが答えてもらう形式にしようと思っているので、これからまた観て、質問をまとめたいと思っています。

上映会当日は、中村さんは高幡台団地73号棟の住民の方のお家に宿泊し(←私でさえ泊まったことないんですよ! ある意味うらやましいなhappy01)、上映会の後も団地住民の皆さんと交流される予定です。今からとても楽しみです。

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[jp] 12月23日小金井上映会の感想・メッセージ

昨年12月23日に、小金井市で上映会をした際のアンケートを主催者の水由さんが送ってくれました。以下にご紹介します。

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作品の感想:
「住まい」を奪うという人権侵害をまざまざと見ることができました。
監督へのメッセージ:
ぜひ、小金井の公民館で自主講座を企画、講師としてドキュメントの作り方を教えてもらいたい。主催者の片山さん、水由さんよろしくお願いします。
(60代、女性)
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作品の感想:
変わった題材で興味深かった。
監督へのメッセージ:
ゆったりとした方で興味深かった。
(40代、女性)
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作品の感想:
(既に発言させていただきました)
私もフィールドワークでロンドンに通ったり、ビデオドキュメンタリーの企画をしたりしていましたので、ブライアンを購入させていただいて、拝見するのを楽しみにしています。
(70代、女性)
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作品の感想:
楽しんで拝見しました。
(50代、男性)
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作品の感想:
UR(今小金井ではメジャーなんです)という事で関心を持ちました。予想以上に面白かったです。何であんなにフツーの方たちの語りが、言葉が、確かなものなんだろうと思っていましたが、繰り返し同じ質問を行うことで、信頼関係やインタビューされる技量もアップされると伺い、なるほどと更に感動しました。食事のシーンがたくさんあり、早川さんも召し上がっているのかな~と気になりました。
監督へのメッセージ:
ワークショップ、いいですね。連続とか、宿泊型とか出来たらいいなと思います。古民家でなんていかがですか?
(女性)
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作品の感想:
とても面白かったです。誰にとっても身近な問題になりうることって、実はたくさんあるんだなーと思い、怖い気持ちにもなりました。あと、ユーモアとサービス精神を感じました。演歌のところも面白かったです。
監督へのメッセージ:
お話がとても興味深かったです。早川さんの姿勢が、とても率直で素晴らしいと思います。すごくソフトで行動力があり、見習いたいと思う点がたくさんありました。それを上手く言葉で伝えるのも大事なことですね。
(女性)
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作品の感想:
単にURだけが悪いわけではなく、国の政策も絡んでいる事を知って、悲しくなりました。結局、負担を強いられるのは普通の市民という構図を変えて行きたいです。
監督へのメッセージ:
友人で映像やりながら居候生活している女性がいるので、勝手に親近感を持ってしまいました。その子も特に勉強したわけではないのです。その友人がまとめている映像のダメだししたりしているので、映像のお話も参考になりました。ありがとうございました。周りの人たちに宣伝します。
(女性)
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作品の感想:
30分ほど遅れてきました。ごめんなさい。つい先日「祝の島」を観ました。それは、まず半年ほどじっくり人間関係を築いてから撮影に入るというスタイルをとられていましたが、こちらは、裁判開始前までにという時間的制約があり、それほど時間が取れなかったとの事。でも、良い話を引き出すのは、時間だけではないのだなと感じました。
監督へのメッセージ:
良い作品でした。
(50代、女性)
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感想、メッセージを寄せてくださった皆様、ありがとうございました! 感想で書かれていた質問「食事のシーンがたくさんあり、早川さんも召し上がっているのかな~と気になりました」ですが、私はもちろん頂いていましたhappy01 (でも、おせんべいとかポリポリ音が鳴るものは控えたほうが良いと反省。被写体の方がおせんべいを食べてポリポリ音が鳴っているのは良いですが、カメラに映っていない位置からポリポリ・・・は良くないと思いますcoldsweats01!)

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[jp] 猫の額とウサギ小屋!

「さようならUR」、初めての英語のレビューが「Cat Foreheads & Rabbit Hutches」というブログに掲載されました! Japan Timesでもコラムを書いているPhilip Brasorさんと津布久政子さんが、インターネット上で「さようならUR」を見つけ、レビューを書きたいと連絡をいただいたのでした。

日本の住宅に興味を持ち取材しているというお二人の、ブログのタイトルは直訳すると「猫の額とウサギ小屋」! 日本の住宅を表現するのに、ある意味うってつけのタイトルですねcoldsweats01

私の映画に関するレビューはこちらよりご覧になれます。読んでみて下さい。

ちなみに今日は、ウェブサイトの微修正もしました。多分他人からはほとんど違いが分からないと思いますが、例えば、Twitterでフォローできるアイコンをつけたり、「ブライアンと仲間たち」のDVD販売情報をすぐ読めるところに入れたり(これまでは「ブライアン~」のサイトの深い階層まで入っていかないとDVD販売情報が分からないようになっていたため、DVD販売に関する問い合わせが結構あったので)。

私のTwitterのアカウントは@brianandcoです。Twitterは実は日本でブレイクする以前、3年前からやっていたのですが、そんなにつぶやいていませんでした。今は3日に1度ぐらいの割合でつぶやいています。

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[jp] 改めてブライアンについて

今日も終日家にいて、今日は映画「ブライアンと仲間たち」後のパーラメント・スクエアについて、初めて文章を書いてみました。これまでにも、ブログで随時情報はお知らせしてきましたが、改めて時系列でこれまでの出来事を書いたことはありませんでした。

戦争、基地問題、原発の問題、日の丸君が代の問題と、様々な社会運動に積極的に関わり、不定期で「うちなんちゅの怒りとともに!」のニュースを印刷・発行している古荘さんより、ブライアンについて書いてみないかと声をかけていただき、記事を書いたのでした。

原稿は無事書き終わりましたが、これから見直して、微修正をした後に、古荘さんに送ろうと思っています。年明けにも印刷をするそうなので、発行された後にはこのブログ上でも同原稿を公開する予定です。

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[jp] 経産省前反原発テント 年末2徹報告その2

2011年最後の日、12月31日は夕方4時に起きて、夜10時ごろに経産省前テントに行きました。

テントに到着すると、紅白歌合戦(もちろんNHKのじゃなくてテント前バージョンhappy01)の最後のほうが少し見れました。しかも前日とは打って変わって、すごい人だかりです。ざっと見ても100人以上はいる感じでした。
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一応赤組が勝利という結果で、フィナーレはジョニーHさんによる原発ソングでした。
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カンパ制によるOccupy Tokyo Cafeもありました。カレーと甘酒をいただきます。美味しかった!
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お椀がなく食パンの上にカレーを載せて食べたのですが、そのおかげでビデオカメラにカレーがくっついてしまいました・・・! しかも、どこかでカメラの風防も落としてしまったようで・・・。かなりショックcrying。やはり撮影しているときは食べたりしないで専念するほうが良いのだと、自分を戒めました。

韓国の「希望の広場」とスカイプ中継。韓国ではマイナスの気温の中、たくさんの人が集まっているようでした。
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スカイプ中継の最中に、カウントダウン! (カウントダウンの時はビデオカメラで撮影していたので、残念ながら写真はありませんが、すごく盛り上がっていました!)

年末年始もずっとテントで活動を続ける乱さん。本当にお疲れ様です!
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前日の「ブライアン~」オールナイト上映にも参加してくれた磯谷さん。つい最近モバイルパソコンを購入し、これから生中継やYouTubeで情報発信をしていきたいと考えているそうです。「南本牧処分場への放射性焼却灰海面埋め立てに反対する会」の共同代表をされているそうです。
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この日は電車も終夜運転しているので、2時過ぎに電車で帰ろうと思ったら、偶然同じ方面へ車で帰るという方がいて、同乗させてもらえることになりました。12時半過ぎから始まった「夜な夜な生テレビ」討論会も盛り上がっていましたが、2時半頃テントを後にして家に帰りました。

「夜な夜な生テレビ」はテント内で収録され、その放送を屋外のスクリーンで観る人たち。
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私が帰る時点でもまだ50~60人以上の人がいたと思います。2012年こそ良い年に! みんなの力強い思いが伝わってくる一夜でした。

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[jp] 経産省前反原発テント 年末2徹報告その1

新年明けましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします!

さて、新年ですが、昨年末の報告を。私は12月30日と31日の二日間結局徹夜し、さすがに疲れて今日は家にいますcoldsweats01

今日は12月30日に経産省前反原発テントで行われたオールナイト上映会の報告を書きます。

オールナイトに備え、30日は昼12時ごろに起きました。上映会は夜10時からだったので、8時ごろに到着するよう家を出ました。

このひ、ジャーナリストの寺澤さんもテントを取材。オールナイト上映会のことをインシデンツに書いてくれました。記事はこちら

テント前で写真を撮る寺澤さん
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寺澤さんと上田さん
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この日は夕方4時から夜10時まで、屋外でインターネットテレビの収録がありました。松元千枝さんたち、めちゃめちゃ寒そうです!!
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寝起きの乱さんhappy01
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テントの中。文房具は文房具箱に、食料やお箸など、きれいに整頓されています。イギリスの抗議活動ではこんな風にオーガナイズされることはないので、さすが日本だなと思ってしまう。(実際この写真を見た、ブライアンのもとサポーターのイギリス人は「おぉっ、まるでオフィスのようだ!」と感動していましたhappy01
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12月1日から10ヶ月と10日の抗議活動を始めた「原発いらない福島の女たち」椎名さんの活動予定表。
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トイレ地図(重要happy01
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テントの中には数人が話していました。(ちなみにコタツには電気は通っていません)
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おでんを温める園さん
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私もおでんをいただきながら乱さんたちとお話しました。

外ではまだインターネットテレビの収録が続きます・・・。いよいよ最後のゲスト!
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やっと収録終了! お疲れ様でした!!
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いよいよオールナイト上映会の準備です! テント内を片付け、スクリーンを設置。スクリーンはとても立派なものがテントに常備されていて驚きました。(事前には、スクリーンはなくテントに投影すると聞いていたので)
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スピーカーは拡声器でhappy01
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レイバーネットの安田さんたちが中心となって上映の設備をしてくれました。
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屋外上映の電源は発電機。さて、無事スクリーンに映像は映し出されるのか・・・
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無事映像が投影されました!!
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予定時間より1時間ほど遅れて上映会を開始。日本人のみならず、メキシコ人やブラジル人など国際色豊かな上映会となりました。
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銀マット、毛布なくしては観られないほど、寒いです・・・!
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上映の途中で、私はちょっと外に出てみました。もう12時を過ぎています。こんなに真っ暗になった霞ヶ関を初めて見ました。
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テント
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無事、ブライアンの上映が終わり、休憩を挟んで今度は韓国の「希望のバス」というドキュメンタリー映画を観ました。

映画のあらすじは以下(レイバーネットウェブサイトの木下昌明さん映画批評より引用)
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造船会社を解雇されたキム・ジンスクという女性が、会社の大量解雇に抵抗して35メートルもあるクレーンに上り、309日間、操縦室で籠城した闘いだ。彼女がツイッターで解雇の撤回を求めたところ、ソウルの若い女性たちが呼応し、バスで駆けつけようと話し合う。そこから「希望のバス」の運動が生まれた。20台を超えるバスが深夜釜山へ向かう。女優や神父も加わった。キムはクレーン上から大勢の市民に向かって、要求を貫き「私は生きて下ります」と宣言した。「つぶやき」が叫びに変わった感動の記録。
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半分近くの方が終電で帰り、残った人たちは寒さのため段々”ダルマ”化していきますhappy02
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「希望のバス」上映後に20分の休憩。乱さんたちとコンビニに買い物とトイレに行きました。
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乱さんと
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なんと、コンビニの深夜バイトの方より、おせんべい3袋の差し入れが乱さんに渡されました。乱さんは「深夜労働の人も、この格差社会の影響を肌身に感じているから、運動を応援してくれているんだろうね」と言っていました。あと、「地元の人たちに受け入れてもらえる運動じゃないと長続きしないよ」とも言っていました。地下鉄トイレ掃除の移民の女性に、有料トイレを無料で使わせてもらっているマリアを思い出しました。底辺の労働を支える人たちが、貧しいながらも寄付や便宜を図ってくれる・・・そんな構図はユニバーサルなものなのだなと、改めて思いました。

お稲荷さんと巻き寿司を食べて後半戦に備えます!
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3本目は「コカコーラ・ケース」。あらすじがネット上にありますのでご参照を。労働組合を組織するのも命がけな、コロンビアのコカ・コーラ工場。こういった企業に対抗するには”不買運動”しかないのではないでしょうか? もともとイメージ戦略だけで販売しているような砂糖水なんだし、生活必需品でもないのですから、不買運動はすぐに出来ると思うのですが・・・!? なかなかそうも簡単には行かないのかなぁ・・・。
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とにかく寒いよぉ~
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4時ごろの霞ヶ関
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乱さんの川柳
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テントの住所happy01
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テントに戻ると、皆さん更にすごい状態に。
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毛布の山に埋もれた磯谷さん。大丈夫かなぁ~~
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予定では全7本の映画を上映する予定でしたが、4時過ぎの時点でまだ3本しか上映できておらず、さらに起きていられる人も少なくなったので、無理に今日全てを上映することはないということになり、短編をあと2本(「安全・パン・自由」、「Occupy Berkeley」)上映して終わることにしました。

Occupy Berkeley」
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4時半過ぎに無事上映が終わり、簡単に片づけを。最後まで残ったのは約6名。大変お疲れ様でした!!

始発に乗るため5時過ぎにテントを出ます。霞ヶ関駅は無人状態。
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家に戻る頃には7時近くになり、朝焼けがきれいでした。
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疲れてすぐにでも寝たい気分でしたが、お風呂を沸かして入ってから寝ました。(お風呂に入ると翌日の疲れの残り具合がずいぶん違うと思います。しかも、31日も徹夜になるのだし・・・coldsweats02)。

ハードな企画でしたが、面白かったです! 企画してくれた乱さんたち、そしてお付き合いいただいた皆さま、ありがとうございました!!

(31日の報告は明日書きます!)

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