[jp] ”まるでゲシュタポのよう・・・”
昨日のブログで、パーラメント・スクエアの現在の緊迫した状況を書きましたが、裁判の結果と昨夜パーラメント・スクエアで行われた一部の撤去について、取材したリッキーよりメールで知らせてもらいました。
まず、新法PASRAによる撤去の差し止め請求をしたマリアの裁判ですが、当日は31人のサポーターが裁判所に集まったそうです。「オキュパイLSX(ロンドン証券取引所)」から駆けつけた人も多かったそうで、彼らのシンボルであるガイ・フォークスのお面をつけた人たちの写真が、リッキーの法廷レポート記事の中に載っています。
同様に、警官や、警察車両数台(今度は「オキュパイ・裁判所」となるのを恐れたのだろう、とリッキーは推測)が配備されていて、集まっているサポーターたちの写真をくまなく撮影していたそうです(この辺は日本も同様ですが)。
裁判の前にマリアの弁護士は、相手側の弁護士に「新法は明らかに人権侵害だ。差し止め請求が認められなければ、すぐに上告する。それはあなたたちにとって、更なる費用の増大を意味する」と警告したそうです。
さて、裁判では、結果としてマリア側にとってとても有利な流れとなりました。新法は実行される”前”にその有効性が判断されるべきであるということに、双方が合意したのです!(昨日のブログに書いたように、この法律が人権法などに反しないかは、実行後に誰かが裁判を起こしたらそこで争われればよい、と見切り発車される状態だったので)。3月中旬に2回のヒアリングをし、そこでこの法律について話し合われるとの事。それまでの間は、撤去などの行為をしないこと、などが決められたそうです。
この取り決めは、マリアに対してだけでなく、もちろんパーラメント・スクエアで抗議活動をしているほかの人たち全てに当てはまると考えられますが(実際に法廷でも、ちらっと裁判官は発言したそうです)、この日の夜7時半、なんとバーバラたちのテントやメガホンなどが撤去されてしまったのだそうです!!!
BBCのロンドンニュースでも、現地レポーターの報告する様子が伝えられていたそうですが、実際にそのニュースをテレビで見たポールによると、リポーターはまるで戦場にいるかのような振る舞いで、活動家たちがひどく暴れ、それを警察が収めようとして「これ以上のレポートは危険すぎて続けられません!」といって、中継が中断されたそうです。BBCの記事はこちら(でも実際放送された動画がなく残念)。写真に写っているのはバーバラと、パレスチナ人のアキルです。
ポールは「一体バーバラはどんな暴れ方をしたんだ??!!」と言っていましたが、それに対して現場を取材していたリッキーはまったく別の見方をしていて、「BBCなんて、数日前から省庁と警察に取材して原稿を書いていたんだろう。ほとんど彼らの言い分をそのまま引用していて、当日はそれに現場の映像をちょっと加えただけだよ。実際、撤去の際のバーバラは素晴らしかった。BBCのレポーターがリポートしている間に、カメラに向かって彼ら(政府とBBC)の違法行為を端的に叫んだんだから。それでBBCはこれ以上中継したら”危険”(BBCにとって不都合な事態になる)と判断して、あんな形で中継を終わらせたんだろう」と言っていました。
ちなみに、昨夜のことはガーディアン紙でも報じられていますが、BBC同様”撤去する側”の言い分の引用だけで記事が構成されています。
リッキーによると、強制撤去の様子は「まるでゲシュタポ(ナチス時代の秘密警察)のようだった」とのこと。リッキーによる強制撤去についての記事はこちらです。
上のリッキーの記事に使われている写真は、ロンドン交通局の固定カメラの映像です。パーラメント・スクエアの様子はロンドン交通局の固定カメラによって24時間うかがい知ることが出来るのですが(もともと、交通渋滞の様子を知らせるため、ロンドンのいくつかの地点の動画がウェブサイトで見られるようになっているのです)、こういった警察による強行的な排除が行われるときは(2005年にブライアンのディスプレイが奪われたときも同様だったそう)、そのカメラの映し出す方角を変えたり、「警察のオペレーション中」という文字だけが表示されるようにするなどして、画面上で観ることができないようになっています。この日も強制撤去の間はそのようになされていたとの事。
パーラメント・スクエアにとりあえず3月までは留まることができたマリアと、テント類などを撤去されてしまったバーバラたち。この1日で、ものすごく大きな変化がパーラメント・スクエアに起こってしまいました。バーバラ陣営が現在どのような状態でいるのか分かりません(ガーディアンでは夜10時の時点で逮捕者なしと書かれていますが、別の情報によると、サイモンとアニータが逮捕され、バーバラは逮捕されていないとの事。召喚?扱いとか言っていましたが、よく分からず)。テント類がなくてもパーラメント・スクエアにいるのか、それとも昨夜はどこかに避難したのか?
ここ数日でたくさんの記事を書いたリッキーは「writer's crampになっちゃったよ」とメールに書いていました。そりゃあ、短期間にあれだけ取材をして書けば、腕が痙攣を起こしてしまうかもしれませんね!
また何か情報が入りましたらお知らせします。
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