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[jp] ##『空っ風』映画上映会中止、中村葉子監督による講演会に変更##

##イベント内容変更のお知らせ##
~『空っ風』映画上映会中止、中村葉子監督による講演会に変更~

1月29日(日)14時より予定しておりました、日野市中央公民館・高幡台分室での、中村葉子監督作品『空っ風』の上映と監督トークのイベントですが、制作者と映画に登場する当事者の間で、この映画上映に関する問題が生じ、急遽映画の上映を中止し、同会場・同時刻より中村葉子監督の講演会とさせていただくことになりました。  

上映を楽しみにされていた皆さまには、大変申し訳ありません。なお、入場料として500円を予定していましたが、「カンパ」に変更させていただきます。

詳しい経緯については後日ご説明いたしますが、昨日、1月25日に、映画に登場される団地建替え問題の当事者の方より、中村監督と上映会主催者である私に宛てて、上映会をひとまず中止することを求める申し入れ書が届きました。

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いただいた申し入れ書の内容:
(ご本人の意向により、申し入れ書の原文から弁護士が要約した文章を掲載しています)

1 強制執行現場撮影の目的は、国際人権条約に基づく国連社会権条約委員会への政府報告書審査に伴うカウンターレポートの資料とするため居住の権利侵害の実態を記録することにあり、一般公開用に映画化することに同意したことはない

2 強制執行現場は、執行官の強い権限下にあり、その指示に反する行為、特に実力で執行を妨害することは警察沙汰になり、違法な強制執行を受けている者が無法者と見られ、裁判に悪影響を及ぼすので、弁護士の指示に従うことを求めた。にもかかわらず、実力で執行現場に立ち入ろうと試み、警察官が現場に来るまでやめなかった

3 プライバシーの権利は、自己に関する情報(肖像、言動、住戸内の映像)を自己管理する権利(憲法13条、自由権条約17条)であるから、住居内の執行現場で撮影した映像のすべてのコピーを渡すように求めた。被写体の中には、映像の公開に困惑している者があり、また、現場の最も重要な映像は、当方の撮影したものである。

4 映像による表現の自由が、他者の人権の侵害の上に成り立つことは許されない。両者の真摯な話し合いを通じてその妥協点が見出すべきだが、中村氏は、話し合いを拒否し、了解を求めることなく一方的に一般上映用に映画化し上映し、私たちの自己に関わる情報の自己管理権を侵害し続けている。

5 私たちは、上映会をひとまず中止し、真摯な話し合いを尽くし、了解に達してから上映会をされるよう強く求める。
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私は中村監督と昨年10月に映画祭で出会い、その際に『空っ風』のDVDをいただきました。東京でも上映されたいということでしたので、私が取材した高幡台団地73号棟の住民数名と共に昨年12月に試写をし、上映会を開催することになりました。約1ヶ月半かけて、上映会の準備を進めてきました。映画は2010年に完成し、大阪の劇場でも上映されたと聞いていましたので、上映会を開催することについて、当事者から上映中止の申し入れが来るとは全く予想していませんでした。

(この点につき、当事者の住民の方の弁護士からは「当方が、映画祭、大阪での上映に中止を申し入れなかったのは、検閲的なことをしたくなかったことと、裁判に忙殺されて、その時間がなかったこと、そのうちになんらかの申し入れがあると思っていたからである。現在も裁判の継続中で、このような応答に時間を割くことは非常に辛い」とのコメントを本日頂きました)

私自身も表現者として、そして上映会を主催する立場として、「上映を中止する」という行為は、表現活動に対する重大な問題であり、たとえ一部の利害関係者から上映中止の申し入れがあっても、申し入れがあったからと安易に上映中止の決定はするべきではない、というのが基本的な立場です。

しかし、今回の件に関しては、当事者の住民の方、中村監督双方からこれまでの経緯を詳しくお聞きし、制作者の側にも、映画が完成してから今日までの間に、当事者と真摯に向き合い、コミュニケーションを図る努力の余地があったのでは?とも思う部分があり、日程が迫った今回の上映会は中止し、まず双方が話し合う機会を持つことを優先すべきだという結論に至りました。  

『空っ風』という作品そのものは、全国的な問題となっているマンション・団地の建替え問題を鋭く取材した映画であり、非人道的な強制執行の現場を記録した貴重な映像で。私自身は、この作品を既に3回DVDで拝見していますが、映画の中で当事者の住民の方の人格を悪意を持って傷つけるような描写は一切なかったと理解しています。

双方の話し合いの後に、改めて将来『空っ風』の上映機会を持てることを望んでいます。

今回の上映が中止、講演会に変更となった件につき、取り急ぎお詫びとご説明をさせていただきました。私の知りうる限りで、上映会に参加される予定の方には個別にご連絡をいたしますが、もし上映会に参加されるご予定の方がまわりにいらっしゃいましたら、大変お手数ですが、この件についてお伝えいただけますよう、よろしくお願いします。  

2012年1月26日
早川由美子

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