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[jp] イギリスの”オキュパイ”系運動に打撃!新法・PASRAについて

数日前、ロンドンでマリアが緊急会議を開きました。ブライアンの長年のサポーターで、現在はバーバラから「スパイの一味」扱いをされている、リッキー、エマ、ポール、そして「デモクラシー・ビレッジ」以降マリアのサポーターとなった映画監督のディーンが会議に参加。

会議の内容は、現在本当に緊迫した状況となっているパーラメント・スクエアのことでした。パーラメント・スクエアでの夜通しの抗議活動を禁止する法律が国会で成立したことは、以前このブログにも書きました。

法律の名称はPolice reform and social responsibility act 2011で、略称はPASRAです。具体的には、”夜通し”抗議活動をするための寝具類ーテントや寝袋などを持ち込んでの抗議活動を禁止する法律で、夜通し抗議活動をすること自体は禁止されていないのですが、真夏でも夜はすごく寒いイギリスで、テントや寝袋ナシで夜通しの抗議活動を長期間続けることは不可能なので、実質的には夜通しの、居座りスタイルの抗議活動を禁止することが目的の法律といえます。

法律ではパーラメント・スクエアの夜通し抗議活動のみ禁止されていますが、パーラメント・スクエアやウェストミンスター寺院などがある地区一体の行政区、ウェストミンスター行政区では、その法律をもとにウェストミンスター行政区の域内全域で夜通しの抗議活動を止めさせる条例を制定しようとしています(つい先日まで、その条例に対する協議を行っていました)。

さらには、ロンドン全体を管轄するGLA(Greater London Authority)もそれを取り入れようと検討しているそうです。そうなれば、金融街シティーで行われているオキュパイ運動やそのほかの占拠・抗議活動も総じて禁止されることになるでしょう。(ちなみにセントポール大聖堂付近でのオキュパイ運動は、この法律に関係なく撤去することに既に同意しているのですが)。行政施設だけでなく、例えば大手の銀行やデパート(例えばイスラエル支援をしているマークス・アンド・スペンサーなど)の前での抗議活動なども禁止されるようになってしまうかもしれません。

抗議活動の自由・表現の自由にも抵触する恐れがある規定を”条例”レベルで作成しても良いのかどうかは、ウェストミンスター行政区やGLA自身も確信を持てぬままに進めているようで、それら条例の制定後にもしその是非を問う訴訟などが起こされたら、それで検討するなどと言っています。普通ならそんな状態で法律を見切り発車させてしまうことはありえないと思うのですが、パーラメント・スクエアの抗議活動は既に求心力を失ってしまっているし、それぞれの平和活動団体は自分たちの活動に追われ、この動きに対して特に具体的な抗議をしていないので、それに乗じて作ってしまおうという考えなのでしょう。

法律の施行後、パーラメント・スクエアにテントを張っているバーバラやマリアたちには、早速警察から撤去の通告が届きました。でも、今日現在まだ撤去はされていません。

この新法が施行されている一方で、かつてブライアンを排除するために作られ、現在も抗議活動を取り締まる主な法律となっているSOCPA法は今年の3月まで有効となっています。マリアもバーバラもSOCPA法のもとで許可を得た上で抗議活動を続けてきて、今もその法律が有効であるのに、新たな新法で撤去勧告を受けるのはおかしいとして、マリアは裁判所に差し止め訴訟を起こしました。

その裁判所の判決は、今日(16日)、イギリス時間の午前10時半に言い渡されます。マリアの言い分が認められるのかどうか、サポーターの間でも楽観的&悲観的推測がありますが、もし彼女の言い分が認められれば、とりあえずはSOCPA法が切れる3月まではマリアはパーラメント・スクエアに居続けることが出来ます。(その間に準備して、新たなPASRA法の不備を問う裁判を起こすかもしれません)

もし彼女の言い分が認められなければ、もうパーラメント・スクエアにこれ以上居続けることは出来ないという裁判所の”お墨付き”が与えられてしまうので、即刻退去が行われてしまうかもしれません。マリアはその事態にも備えて、インディペンデントの映画監督のディーンにいつでも撮影にパーラメント・スクエアに駆けつけることが出来るようお願いしてあります。

ディーンは環境問題が中心の映画監督(かなりメディアアクティビストとしての側面も強い)で、これまではエコビレッジなどにも住み込んで撮影をしてきたそうです。「デモクラシー・ビレッジ」(2010年)をきっかけにパーラメント・スクエアにも関わるようになったので、私自身は面識はありません。イギリスの環境問題系は一番ラディカルで激しい現場なので、そういった場面を撮影してきた人なら、きっとパーラメント・スクエアの緊急事態も落ち着いて冷静に撮影できる人なのではないかと思います。ちなみに、ディーンのウェブサイトはこちら。かっこいいミュージック・ビデオもたくさん作っています! 自身の信条として、映画とアート、そして具体的な行動を結びつけること、とサイト上で述べています。

最終局面まできてしまったように見えるこの事態ですが、今からでも出来ることはある!と、リッキーがインディーメディア上で呼びかけを始めました。まずは1月16日の裁判所の傍聴に出かけること、もしマリアの言い分が認められなかったら撤去に備えてたくさんのサポーターがパーラメント・スクエアに集結すること、そして現在公開で協議されている王室所有の公園(ロンドンのメジャーな公園はほとんどそう)、トラファルガー広場を抗議活動制限の対象と含めようとしている件に対して批判の声を寄せること(1月22日まで受付中)を挙げています。

イギリスやロンドンにお友達がいる人はぜひ呼びかけてください!!

ところで、やや話がずれますが、ロンドンでは今年オリンピックが開催されます。私は知らなかったのですが、オリンピックに反対するビラやポスターなどを屋外や自分の家の壁などに貼り付けることは、1日に付き1万ドルまでの罰金と、最大で6ヶ月までの禁固刑になるんですってね!! バンクーバー五輪の時の記事がネット上にあります。

これに関して、現在ロンドンのアクティビストの間でも、同様の取締りがなされるのではないか?と懸念の声が上がっていますが、BBCの取材に対しロンドン警視庁は、その法律を使って取り締まるつもりはない、と答えています。警察としては、主に公式スポンサーでもないのに、そうであるかのように見せかけた商売(オリンピック会場近くで、スポンサーになっていないのに、オフィシャルスポンサーであるかのようなポスターやグッズを販売するお店や露天商など)を取り締まるのだそうです。

・・・しかし、同ページ上にはグリニッジに住み、家に五輪反対のポスターを貼った人が、警察が家までやってきてポスターを剥がせと言ってきた、と証言しています。イギリスの人権活動家は、ロンドン警視庁が約束どおり五輪反対の声を上げる人たちまで取り締まらないかどうか目を光らせていく、と言っているそうです。

マリアの裁判の件は、また続報をお知らせします。

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コメント

わたしもロンドンオリンピックに反対です。
王制に反対だから。世襲制で否応なしに自由やプライバシーのない生活を送らなければならない王室の人がかわいそうです。
『英国王のスピーチ』のジョージ6世もなりたくないのに国王にさせられ、嫌でも吃音を克服しなければならない立場に立たされたので、かわいそうです。
北京の時も中国の人権問題でオリンピックが非難の場にされてたんだから、今回もこれを機にイギリスの王制に対する批判が沸き起こってもいいと思います。

投稿: すぐる | 2012年4月 9日 (月) 18時56分

すぐるさん

コメントをありがとうございます! オリンピック開催は、経済&社会&人々の暮らしに多大な影響を与えますよね。利益を受けられるのは、ほんの一部の人たちだけ。。。
東京も開催地候補になってほしくないです!

投稿: yumiko | 2012年4月10日 (火) 15時07分

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