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[jp] 違和感を感じたのは私だけ?

先月末に開催されたアメリカのアカデミー賞で、短編ドキュメンタリー部門に、東日本大震災を描いたアメリカの映画(監督はイギリス人)の「津波そして桜」がノミネートされたというのを聞いたとき、私は意外に感じました。

震災から1年の間に、有名・無名かかわらず、多数の日本の監督たちが、東日本大震災に関するドキュメンタリー映画を作っています。昨年の山形ドキュメンタリー映画祭だけでも、全ては観きれないほどの数がありましたし、全国各地で毎日といってよいほど、何かしらの震災関係のドキュメンタリーが上映されています。

別にアカデミー賞を目標とすべきとは思いませんが、でも、日本でこれだけ沢山の震災に関するドキュメンタリー映画が作られているにもかかわらず、アメリカ製の「津波そして桜」という作品がノミネート作品として選ばれたのでしょうか? 

「津波そして桜」の公式ページ
津波そして桜について取り上げたHogaHolicの記事

3月10日に「若者ホームレスと日本の未来」というイベントに行った私ですが、この「津波と桜」が上映されるために、最後まで日本外国人特派員協会が主催する「震災特別企画 映画試写会 震災から一年:ぬぐい去れない映像祭」にも行きたい・・・と迷っていたのでした。

観てもない作品に対して(なぜこの作品が? 他に日本のドキュメンタリー作品でもっと優れたものがあったはずでは?)などと言える資格がないことは十分に承知していますが、でもやはりどこか違和感があるのですよね・・・。

誤解の無い様に書いておきますが、私は外国人監督が日本のことを日本人以上に描けるわけがないと思っているのでは全然ありません。単に、日本でも沢山作られているのになぜどれも選ばれなかったのだろう、という素朴な疑問なのです。この監督は2年前にもアカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門でノミネートされているそうなので、もともとすごい実力派なのでしょうけれども・・・。

そんなことを思っていたら、つい先日、私も登録している海外の映画祭応募サイトのメールマガジンで、以下のようなお知らせがありました。

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In the Spotlight this week is the 18th PALM SPRINGS INTERNATIONAL SHORTFEST. Widely considered an essential "must-stop" for shorts filmmakers as well as any film professional with a stake in the short film format, ShortFest is well known for the extraordinary community of filmmakers it attracts, and for the quality and scope of its programming. This celebrated event is one of the largest festivals of its kind in the United States, annually showcasing over 300 short films from more than 40 countries.

ShortFest features 20 awards in six competitive categories, with cash or film production prizes in each category totaling $100,000 USD. All First Place winners in the Live Action and Animation categories are automatically eligible for Oscar nomination consideration by the Academy of Motion Picture Arts and Sciences.
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このお知らせは、第18回パームスプリングス国際短編映画祭」のエントリー募集のお知らせで、映画祭の説明として6つのコンペセクション、20の賞、合計で10万ドルの賞金が用意されているということ、そしてライブアクションとアニメーションのカテゴリの最優秀作品は、自動的にアカデミー賞ノミネート作品として検討される資格を得る、ということが書かれてありました。

この映画祭で最優秀賞を取った作品が、アカデミー賞のその部門のノミネート作品として検討される資格を得る。。。

そういう仕組みになっているとは知りませんでした(というか、今まで興味を持ったこともありませんでした)。なので、もしかしてこの短編ドキュメンタリー部門というものも、どこかの映画祭で上映され、そこで最優秀を取った作品の中からノミネートされているのでは?と考えました。

とりあえずネットで検索してみると、ウィキペディアのアカデミー賞のページには、「基準」という項目がありました。

以下、ウィキペディアより引用
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アカデミー賞は、原則として前年の1年間にノミネート条件(ロサンゼルス郡内の映画館で連続7日以上の期間、有料で公開された40分以上の長さの作品で、劇場公開以前にTV放送、ネット配信、ビデオ発売などで公開されている作品を除く、など)を満たした映画作品について扱われる。
(中略)
また長編アニメ賞、外国語映画賞、ドキュメンタリー映画賞など、賞によっては独自のノミネート条件を設けているものがある。詳細はそれぞれの賞の記事を参照のこと。
==========

ドキュメンタリー映画賞は独自のノミネート条件を設けているものがあるとのことでしたので、さらに「アカデミー短編ドキュメンタリー映画賞」のページを見ました。

ウィキペディアには「ノミネート条件」の項目がありました。以下引用。
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短編ドキュメンタリー映画賞へのノミネートについては、長編ドキュメンタリー映画賞と同様に、通常のアカデミー賞へのノミネート条件以外に追加条件がある。ここでは長編ドキュメンタリー映画賞と異なる部分のみ示す。

・作品の長さは40分未満。
・上映はロサンゼルスもしくはニューヨーク・マンハッタン地区のどちらかで行われればよい。
・上映は1日1回行えばよい。
・テレビ放映・インターネット配信が禁止されるのは「公開初日から起算して60日間」。
==========

これだけの情報しか調べていないのでは、もしかして細部は間違っているかもしれませんが、おそらく「津波そして桜」は昨年中にロスかNYで連続1週間以上(1日1回以上)上映され、公開初日から2ヶ月間はテレビ放映、ネット配信をしていなかったので、ノミネートの対象となったのかもしれません。さらに、サンダンス映画祭での短編部門で審査員賞を受賞、トロント国際映画祭、ロンドン国際映画祭といった有名な映画祭で上映されたということも影響しているのかも。

ロスやNYの劇場で公開するというのは、それだけで相当ハードルが高いと思いますし、上記の有名な映画祭の上映作品として選ばれるのも、これまた大激戦だろうと思います。でも、今回の大震災でこれだけ沢山の映画が日本で作られ、国際的な関心も高かったわけですから、日本の作品の中で果たしてどれだけの作品が、ロスやNYでの劇場公開にチャレンジしたり、国際的な映画祭に応募したりといったことをしていたのだろうか??と思ってしまいました。

もしかして、私が知らないだけで、実は日本の震災関連の映画はNYやロスの劇場でも沢山公開され、国際的な映画祭にもガンガン応募され、その上で「津波そして桜」が最終的に選ばれたのなら良いのですが、もしも挑戦&応募さえしていなかったとしたら、こんなにもったいないことはない!と思います。

メジャーな人はさておき、日本のインディペンデントの映画監督たちは、どれだけ世界の映画祭に挑戦しているのか? 皆選ばれない限り黙っているだけで、実は沢山応募しているのか、それとも壁を感じて応募しないでいるのか・・・? 実態は分かりませんが、興味のあるところです!

この前部屋の大掃除をしていたら、2年前に購入したアメリカのドキュメンタリー映画のDVDを見つけました。それは、アメリカのインディペンデント映画監督が、自主制作映画を作り、それをアメリカの映画祭に応募しまくる涙ぐましい努力の日々を描いた抱腹絶倒のドキュメンタリーなのですが、アメリカの映画祭の舞台裏、選考方法、業界との繋がり、映画祭でのハプニングetc、映画祭に関するありとあらゆることが取り上げられているのです! 

この映画もまた英語のみしかないので微妙なんですが、いずれ「海外の映画祭に応募してみたい!」とか「応募しているのに、なぜ選ばれないんだ!」とか、色んな思いを抱いている日本のインディペンデント監督たちと一緒に観れたら面白いかも、と考えています。

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