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[jp] ついにMBCスト現場へ!(ソウル第6日目)

早いものでソウルに来て6日目、4月25日のこの日は、いよいよMBCテレビ局のストライキ現場に行くことになっていました。

午前中は10時から、延世大学でジャーナリスト志望のミンジから、学生向けの雑誌のインタビューの約束があったので、朝9時に起きて待ち合わせ場所であるシンチョン駅へ向かいました。

近くのカフェに入り、インタビューを開始! この日は、ミンジのほかに、その雑誌の編集長をしている学生、ミヒュンも同席しました。

向かって左側がミヒュン、右側がミンジ
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韓国のカフェって、普通のところでもコーヒーにかわいい模様を作ってくれたりしていいですよね。写真を撮っていたら、「それ珍しいの??」と聞かれました。
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インタビューの様子(写真はミヒュンからもらったもの)
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インタビューは1時間半ほどでした。ミンジによるインタビューは、質問はきちんと順序だてられていて、なおかつ、私の返答を受けてその内容を反映させながら次の質問を展開していくというものでしたので、すごいなと感心。私の映画についても細かいところまで見ているということが、彼女の質問からも良く分かりました。(←でもこれって、普段インタビューをする側の私も、インタビューを受ける側の人に同様に見られているということですよね?うぅ・・・)

インタビューの内容は、映画作りを始めたきっかけ、この映画を作った理由、URの民営化、日本の住宅事情、取り壊しを巡る自治会や他住民との対立、日韓の社会問題の共通点や相違点、など多岐にわたりました。

インタビュー終了後、編集長のミヒュンからは「映画を作るようになって、自分が成長してきたと思う、という発言を聞けてよかった」と言われました。

ちなみにその学生向け雑誌は、季刊で、私のインタビューが掲載される号は7月7日に発行されるそうです。

インタビュー終了後に雑談をしていたら、なんとミンジは半年前からポイドンのコミュニティで、毎週子どもたちに勉強を教えるボランティアをしているということが分かりました! 私が前日にポイドンに行ったと話したら、とても驚いていました。彼女はポイドンのキムチの美味しさを力説していましたhappy01。世の中狭いですね・・・というか、私たちの関心はかなり共通点があるようです。

ちなみに、彼女が22日に通訳をしてくれたナメクジ・ユニオンですが、このブログを書いている今日、彼らから連絡があり、私のインタビューをYouTubeに掲載したという連絡をもらいました。早い!!! ちなみに、ビデオはこちらからご覧に慣れます。韓国語字幕もついてるし!! 私は恥ずかしいのであまり観れませんが、まぁ、良かったら見てください~。

お昼頃にミンジたちと別れ、いったんホテルに戻り、カメラや三脚などを持って、MBCテレビ局のあるヨイドへ向かいます。

あ、ちなみにMBCのストライキについて詳しくは、私が以前書いたブログをご参照ください。

ヨイド駅周辺図。大手企業、証券取引所、テレビ局などがある地域です。
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駅周辺
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1時半に駅でドヨンと待ち合わせをして、MBC本社へ向かいます。

MBC本社
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本社前の道路はストライキに関する横断幕で埋め尽くされていました。
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本社入り口
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エントランス脇にあるたて看板には、視聴者からのストライキを応援するメッセージが。
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ストライキの要求項目の中に、(落下傘)社長の退陣があるので、イラストはそれを表現しています。
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エントランスから入ってすぐの、待ち合わせロビーも、ストライキの力強い横断幕で埋め尽くされています。ここでは、毎朝11時からストライキに参加するMBCの労働者たちが朝礼をしているそうです。会社の顔である玄関で、こんなにも大々的にストライキが宣言されているなんて。。。改めてMBCストライキの大きさと本気度を知ったような気がしました。

これ、どう見ても公共テレビ局本社の光景とは思えない。。。
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ここで、ドヨンの友人で、MBCでストライキ中の記者である、ジキュンを待ちます。
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この日はストライキ突入第87日目。
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ジキュンと会い、とりあえずお昼ごはんを食べに行くことになりました。「何が食べたい?」と聞かれ、「韓国料理が食べたい」と答えたら、「韓国では雨の日はチヂミとマッコリと言われているんですよ」と言われ、チヂミを食べに行くことに。その後にインタビューをするので、私はマッコリは1杯だけにしておきました。

向かって左側がMBC記者のジキュン。2005年にMBCに入社し、ニュース特集番組のレポーターとして働いていました。北京オリンピックでは1ヶ月北京で取材をし、昨年の東日本大震災では、震災の3日後に番組の取材で陸前高田を訪れました。陸前高田で取材を始めた数日後に、福島第一原子力発電所の事故で会社から引き上げ命令が出て、ソウルに戻ったそうです。
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ストライキ中の現在は、給料はナシ。「ストライキが来年も続く、来年になっても状況が変わらないということは大いにありえると思う」と話し、同僚の中には子どもを学習塾や習い事に通わせることが出来なくなった人も出てきている、と言っていました。自分は独身だからまだ何とかなる、だから闘い続けたい、でも、そのうちアルバイトも探さなくちゃ、とも話していました。

「(ストライキの要求が)”公正な報道を”なんて、自分たちがとても基礎的・初歩的なレベルで争っていることが悔しい。本当はもっと上のレベルで切磋琢磨すべきなのに」とも言っていました。現在、MBCテレビだけでなく、同じく公共放送のKBSなど、テレビ局3社、新聞社2社が同様の理由でストライキを行っているそうです。

日本でもマスメディアは政府によってコントロールされているし、権力寄りだけれども、日本では報道の自由を求めて(長期間&大規模の)ストライキなんて聞いた事がない、と私が言うと、「日本のマスメディアは韓国より良いのではないか? 韓国のメディアは日本を参考にしてきたし、韓国のメディア用語では日本語も使われている。”サツマワリ”とか・・・」と言われました。”サツマワリ”!!!! これが日本のマスメディアの元凶ではないかと思うんですが!!! だって、新人記者がまずサツ周りをさせられることで、ジャーナリストとして骨抜きにされ、権力の犬になってしまうのだから!!! 何でよりによってそんなもの学ぶんじゃ!と、私は一人憤慨しましたcoldsweats01

ジキュンからは、MBCで人気の歌番組のDVDをいただきました。観るのが楽しみです!
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ご飯を食べ終わり、MBC本社に向かいました。

本社敷地内では、ストライキ参加者によるテントも張られていました。交代で寝泊りするそうで、昨日ジキュンからメールが来て、「今日はこれから私がテントに泊まる番!」と書かれていました。あぁ、私も韓国にまだいたら、テントに参加したかった!!
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本社内に入り、小学生の社会科見学のようにテレビ局内を案内してもらいました。この建物の中には、テレビ局とラジオ局が入っています。

MBCラジオ
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ラジオの収録中。韓国の歌手だそうですが、私は詳しくないので、どんな人か分かりません。。。
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MBCニュースのフロアへ。
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これらの写真を見ても分かると思いますが、普通だったら証券取引所のようにたくさんの人が行きかい、大忙しであるはずの報道部が、まるで図書館のように静まり返り、人影もまばらなのです。ジキュンによると、MBCの労働者のうち、ストライキに参加している人は約8割にも上るのだそうです。そんなに多数の人がストライキに入れば、当然ニュース業務にも支障が出て、現在ニュース番組は時間を大幅に短縮して放送をしています。

このような状況で、ではストライキに参加しない2割の人って一体どんな人たちなのか?と聞いてみました。会社では、ストライキに参加しない人たちには「将来海外赴任させてあげる」とか「そのうち昇進させる」といった特典をちらつかせて(←そんな約束、守られるかどうかも不明ですが)、そういうのを望む人たちが働き続けているのだそうです。(もちろん生活のためという人もいるでしょう)

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すっかり社会科見学気分の私です・・・
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ニュース番組のキャスターたち。彼らの多くもストライキに参加していますが、全員ではありません。ストに参加しないキャスターを指差して、ジキュンは「バッドガイ!」と言っていましたhappy01
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収録スタジオの様子
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朝のニュース番組の収録スタジオ(ここががらんとしているのは、収録時間帯でないためです)
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インタビューのため、静かな部屋へ連れて行ってもらいました。英語でのインタビューということで、レポーターとしてテレビの前で話すのは得意なはずのジキュンも緊張!

インタビューにはドヨンも同席。
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約40分ほどインタビューをさせてもらいました。インタビュー映像はYouTubeにアップしても良いというOKをもらったので、日本語の簡単な字幕をつけてアップしたいと思います。出来れば5月中には完成すると良いけれど・・・。なるべく早く紹介したいです!

(ちなみに、その他のインタビュー:延世大学のナメクジ・ユニオン、ASIAN BRIDGEのナ・ヒョウさん、ポイドン・コミュニティのインタビューについては、「さようならUR」のDVD特典とするつもりですので、そちらもお楽しみに!!)

インタビュー終了後、ストライキ参加者たちの部屋へ案内してもらいました。
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写真手前の看板に登場する顔写真はMBCの社長です。これまで逃げ回っていましたが、先日の総選挙でイ・ミョンバク政権側が勝利すると、自分の身も安全だと思ったのか、今は出社しており、更に厳しい締め付けを行っているそうです。
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ストライキに参加しているMBCの記者たち。ストライキ中も、取材をして番組を作り、それをインターネットで公開しているそうで、かなり忙しいんですって。
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公正な報道を求めてたたかうMBCの記者たちを、今後も応援したいです!!!

MBCの訪問を終えた後、夕方からはドヨンにインディペンデントのドキュメンタリー映画制作集団、Docupurn(ドキュプルン)の事務所へ連れて行ってもらいました。昨年の山形の映画祭で、アジア千波万波プログラムで「龍山(ヨンサン)」が上映された、ムン・ジョンヒョン監督が所属する団体でもあります。9人の自主制作映像作家が集まり、共同で事務所を構え、ドキュメンタリーを作っているというのは、日本で言うところのNDSのような感じで、実際、昨年の山形でムン・ジョンヒョンは、NDSのキム・イマンさんと意気投合し、キムさんが現在チェジュ島で撮影している新作の編集を手伝うことになったと話していました。通じ合うものがあるんだろうなぁ。

Docupurnのオフィス。・・・っていうか、散らかりすぎ!
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そりゃあ編集していたら掃除なんかする心の余裕なんてないのは分かりますが、いくらなんでもこれは・・・coldsweats01
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あまりの汚さに見かねて、”来客”であるはずのドヨンと私が掃除を開始。やっと机の”表面”が見えてきました。。。
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各メンバーの年間予定が書かれたホワイトボード
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編集作業スペース。かなり広いです。一人分のスペースは、普通のオフィスの3~4倍ぐらいある感じ。
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Docupurnで過去に制作した作品のDVDが並んでいます。
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Docupurnメンバーのホン・リギョンが、新作についてジョンヒョンに相談。
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トレイラーをジョンヒョンがチェックします。(ジョンヒョンはこの作品について、プロデューサー的な役割で関わっているそうです)
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作品は、「Empire of Shame」というタイトルで、サムソンで働く労働者たちが、劣悪な条件で工場で働かされ(危険な薬品の取り扱いや、液晶パネルの取り付け作業で目を保護する防具なく働かせられるなど)、健康を害してサムソンを訴えるという内容です。現在、撮影は7割ほど終えたところ。ピッチプロジェクトで製作資金を得るために、これまでに取りためた素材で予告編を作成しました。
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私がソウル女性映画祭で唯一観た、Documentary Ock Rag Awardにも応募していて、約20の応募から最終選考の3作品にまで残り、今日受賞結果が発表されるということで、とても緊張しているようでした。無事受賞できると良いけれど!!

Docupurnメンバーたちに近くの焼肉店へ連れて行ってもらいました。
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一応私の歓迎のためということだったのですが、3枚肉を前にして、ドヨンのはしゃぎっぷりがすごい・・・coldsweats01
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お店のお姉さんがはさみを持って登場。豪快に切り分けていきます。
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焼肉を食べながら、山形での話、NDSのこと、そしてDocupurnの制作体制などについての話をしました。キム・イマンさんを始め、中井信介さんとか、共通の映像制作者の知り合いが沢山いて、「なんで知ってるの???」と驚いたら「だって、ビンボーな人たちだから!」って言われて笑ってしまいました。

そりゃあ、ドキュメンタリー制作者はどこの国でも貧乏だと思うけれど、日本以上に「男の役割」、「女の役割」、「家族を持つこと」などの価値観が強い韓国では、葛藤を抱えながら映像制作を続けているようでした。ジョンヒョンの場合、結婚して10年、子どもが2人いて、奥さんは専業主婦です。メディアセンターで講師をする自分の収入だけが家族を支えているのですが、自分の映像制作のためには、もっとメディアセンターの仕事の割合を減らすのが理想です。「妻のことは本当に愛しているし、子どもも大切。でも妻は安定した収入を望んでいて・・・」と、家庭内での葛藤について何度も話していました。

う~~~ん、自分も含めこういうジレンマを抱えながら作っている人は周りに沢山いるけど(っていうか、そんな人ばっかりだけどcoldsweats01)、こればっかりはもうどうしようもないよなぁ・・・。どんな解決策があるのか、あるのなら私も知りたいぐらい。。。

ジョンヒュンは、メディアセンターの生徒たちから「どうすればドキュメンタリーの監督になれますか?」とアドバイスを受けるそうですが、そんな時は決まって「ドキュメンタリーの監督にはならないほうがいい、大変だから」と答えているんですってcoldsweats01

Docupurnのメンバーたち。みんな大変な状況でドキュメンタリーを作っていますが、でもやっぱりドキュメンタリーを作ったり、仲間がいるっていうのが一番・唯一の得られるものなのだと思う。。。月並みだけど。。。
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シメの冷麺~。この麺にまでお店のお姉さんがはさみを入れてくるので驚きました!!
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冷麺では足らず、さらにご飯をオーダー。みんな、食べる、食べる。。。
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満腹になってDocupurnのオフィスへ戻ると、ソウル女性映画祭のDocumentary Ock Rag Awardの発表から戻ったリギョンがいました。なんと、見事選ばれ、賞金を手に入れたそうです!!!! すごい!!!!
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受賞のトロフィー
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映画祭からお土産として渡された女性用化粧品を珍しそうに見るドヨンたち。。。
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気に入ったようですhappy01
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受賞記念!
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ちなみに、2010年に同賞を受賞したジミンは、2011年のあいち女性映画祭で作品が上映されたので、リギョンの作品も将来日本で紹介される機会があるかもしれません。とても楽しみです! 彼女の作品は、来年のソウル女性映画祭でプレミア上映されることが決まっているのですが、「すごいプレッシャーだ」と言っていました。確かに、そうだろうなぁ・・・!

事務所でビールを飲みながらメンバーの皆さんと話しました。
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このとき既に10時過ぎになっていて、翌朝は、私は映画祭で出会ったユンヒさんが参加する、中高年の女性たちのメディアセンターを訪問する予定になっていたので(メディアセンターがとても離れたところにあるため、朝8時ごろにホテルを出なければならないというハードスケジュールでした)、そんなに遅くまではいられないな~と思っていました。

幸い、ジョンヒョンは前日も朝まで飲んで二日酔いで、今日は早く帰りたい、家が私のホテルからそう遠くないので、一緒にタクシーで帰ろうということになり、私も安心して飲みました。

・・・なんですが、12時を過ぎても、1時を過ぎても、一向に宴が終わる様子はなく、ジョンヒョンもますます絶好調になってきて、一体何時に帰れるのだろうと不安になってきました。。。
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ビールもどんどん冷蔵庫から出てきます。。。
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途中からは私もあきらめ、(もうなるようになるしかない。明日が最終日だから、気力で乗り切れるだろう)と考えるようになりました。

結局私とジョンヒョンは2時半過ぎに事務所を出ましたが、他のメンバーは4時半まで飲んだそうです・・・!!

オフィスがあって、共同で作業が出来るのは良いけれど、一体どんな風に集中して、自分の編集作業に没頭できるんだろう??とも思いました。私だったら、ついつい飲み会の誘惑に負けて、飲みに出かけたりしてしまいそうですが・・・!!

ふと思ったのですが、将来、DocupurnとNDSの作品一挙上映!とか、そういうのが開催されたら面白いと思います! 彼らの作品がまとめて紹介されてほしいなぁ。

3時過ぎにホテルに戻り、ほとんど意識のないままお風呂に入り、目覚まし時計だけは忘れずにセットをして寝ました。翌朝は7時起床、嫌だぁぁぁ~~~と思いながら。

いよいよ明日はソウル最終日です。

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