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[jp] 大阪劇場公開(2日目:6月24日)

大阪の二日目は朝11時ごろに起きました。前日は仮眠したとはいえ、夜行バスでまだ体が疲れているだろうと思ったので、朝には何も予定を入れず、ゆっくり寝ることにしました。ホテルのロビーには共用のパソコンがあるので、それでメールのチェックをしました。メールのチェックは出来るものの、やはり自宅にいないと対応できない案件が多く(例えばデータのやり取りや郵送など)、もどかしい思いをしながら読みました。

お昼にホテルを出て、どこかでお昼ご飯を食べようと思いました。釜ヶ崎なのだから、いかにも日雇いの人たちが行きそうな定食屋(勝手に、缶詰とかが出てくる店を想像happy01)でご飯を食べるのも良いかもと思いながら、駅前の商店街を歩きました。3年前、大阪に来た時にも立ち寄ったインフォショップのココルームと、カマンメディアセンターの前までやってきました。

ココルームにご飯もののメニューもあったので、安食堂をやめて、ココルームでご飯を食べることに決めました。

店内に入ると、スタッフかお客さんか区別がつかないような人から、「今からご飯食べるところなので一緒に食べませんか?」と言われました。スタッフの人たちのまかないご飯のタイミングに合えば、一般のお客さんも500円でご飯が食べられるというものなのだそうです! 食卓にはずらり、沢山の種類のご飯が並べてありました。

では是非私もまかないを、ということで、まかないご飯に参加。まるで昭和の家庭の食卓にお邪魔したような気分になりました。
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美味しいご飯を頂いて、ココルームを出ました。地下鉄に乗り、映画館のある九条へ。上映は3時半からでしたが、2時にNDSの中村さんと待ち合わせをしていました。

中村さんとは、今年1月の高幡台団地での講演以来ですので、約半年振りです。商店街の中の喫茶店に入り、その後の近況を聞きました。臨月で高幡台まできてくれた中村さんは、その後無事元気な赤ちゃんを出産し、今は子育てでかなり忙しいようです。それに加え、亡くなってしまった布川さんの追悼集(詳しくは失念)を出版される予定があるそうで、その作業にも追われているとのこと。気になる、千里団地の元住民の方とは、連絡は取ったもののまだ会える段階までには至ってないそうです。

商店街を通り抜け、映画館に向かいました。歩きながら、中村さんにこのエリアの事を聞きました。
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映画館近くの「安井酒店」はお勧めで、立ち飲みで、おつまみは缶詰、めちゃくちゃ安い、面白いお客さんがいっぱいいる・・・etcと教えてもらいました。

「安井酒店」。滞在期間中に行きたかったのですが、結局開店している時間と合わず、行けませんでした。残念。。。
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また、ここは「松島新地」という遊郭があることでも有名なのだそうです。昔ながらの二階建ての建物の1階に、若い女性が並べられており、その傍らには年を取った女性が座り、道行く人を呼びとめ「遊んでいって」と言うのだそうです。冷やかしで女性が覗くと、客引きの女性から「何みとるんや!」と怒鳴られるのだとか。

でも、中村さんも私も、遊郭の派手派手しいディスプレイや、そこで働く女性たちの妖艶さは、見たい、話を聞きたい、写真を撮りたい、動画を撮りたいという衝動に駆られる場所でもあります。人目をはばかる、表には出てこないような場所だからこそ、逆に興味を持つのです。しかし、こういう場所は怖い人が仕切っていることもあり、働く女性たちに様々な事情があり、そう簡単に写真やビデオが撮れる場所ではありません。

でも、中村さんによると、少し前に釜ヶ崎近くの「飛田新地」で、そこで働く女性たちにインタビューをし、顔出しで写真も収めている本が出版され、かなり話題になっているということでした。著者は女性のルポライターだそうですが、一体どうやってそこまでの取材が出来たのか、とても興味のあるところです! ちなみに本のタイトルは「最後の色街 飛田」です。

大阪に来てまだ二日目ですが、大阪には東京以上に、古くからの土地の個性が各所に存在していると感じていました。大阪の地元の人なら分かるのでしょうが、よそからきた人にとっては、話を聞かない限りそこがどんな場所なのか良く分からないで通り過ぎてしまうこともあるでしょう。前日、ふじはらさんと弁天町に向かって歩いていたときには、住民の4分の1近くが徳島県の出身者という町も歩きました。そこは大阪の町なのに、徳島系の銀行が沢山あるのです。

私は好奇心の赴くままに歩き回ることが多いので、知らずによそ者が足を踏み入れない場所に入ってしまうこともあるかもしれません。NDSのメンバーとしてこれまで釜ヶ崎も撮影してきた中村さんに、釜ヶ崎を一人で歩くのは全然平気か、怖いと思ったことはないかと聞いてみました。すると、中村さんは、釜ヶ崎の中でも危ないと言われているスポットには立ち寄らない(違法薬物の売買拠点とか)、アル中の人が集まる場所は危ないとは思わないけど、薬物系は怖い、と言っていました。う~~~ん、どこがどうなのか、自分には分かりません。。。これは世界中のどこでも言えることですが、やはり最初は地元に精通した人に案内してもらうのが安心ですね。。。

中村さんと共に劇場に着きました。豊中平和映画祭のメンバーの方や、遠藤さんなど、この日は沢山のお客さんが来てくれました!

映画が上映されている間、舞台挨拶までは私は自由時間です。何をしようかと考えて、私の頭の中にあるのは、中村さんに聞いた「松島新地」のことでした。今は昼間だし、住宅街から近いし、とりあえず近くまで行ってみよう、と。

「松島新地」入り口ですが、「松島料理組合」と書いてあります。
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人通りはそれなりにあったので(子どもを後ろに乗せたお母さんの自転車なども普通に走っています)、私も歩いてみることにしました。ジロジロとみることは控えましたが、お店は今開けたばかりという状態で、若い女性は沢山の胡蝶蘭に囲まれながら化粧をしている最中で、その傍らには70代くらいの女性が座り、通り過ぎる大学生ぐらいの男の子に「兄ちゃん、遊んでって」などと呼びかけていました。お店の名前はどこも漢字一文字のタイプが多かったです。

遠くから撮影
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東京には風俗店は沢山ありますが、こういうタイプのお店(遊郭)もまだ存在するのでしょうか??? 不思議な世界を見た気がしました。

舞台挨拶の時間になり、劇場へ戻りました。
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なんとメダカがいました!
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この日はほぼ満席に近い状態でした!(写真はNDSの梶井さんが撮影してくれたもの)
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舞台挨拶のあとは、あらかじめ予定していた飲み会がありました。豊中平和映画祭のメンバー、NDSのメンバー、そして岸野さんとお友達という、大合同宴会なのでした! お互いの都合を合わせた結果の合同宴会なのでしたが、正直、(豊中平和映画祭とNDSは合うのだろうか・・・?)とも思っていました。

その心配をよそに、最初から意気投合してます! 注文をまとめる佐藤零郎さん。
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佐藤さんが現在準備を進めている劇映画に、豊中平和映画祭のメンバーがエキストラ出演するという話まで飛び出しました! これは楽しみな展開です!!

3年ぶりに再会した豊中平和映画祭のメンバーの皆さんも、相変わらずお元気でした!Dsc09276

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私は夜の部の舞台挨拶があるのでお酒は1杯にとどめましたが、お酒&料理共に、どんどん運ばれてきました。
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居酒屋にもかかわらず、20人を超える子どもたちのテーブルが近くにあり、まるで運動会のようなにぎやかさでしたcoldsweats01
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7時半ごろに飲み会はお開きとなり、劇場へ向かいました。舞台挨拶までの間、支配人の山崎さんとお話をしました。

シネ・ヌーヴォの事務所
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この映画館の成り立ちについてお話を聞きました。創立者は、劇場を立ち上げる前、自主映画の上映をしていたそうで、その頃の資料も沢山置かれていました。
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大阪には、インディペンデント系の映画館は、十三の「第七藝術劇場」とシネ・ヌーヴォの2館しかないそうです。シネ・ヌーヴォでは特集の上映に力を入れているのだとか。私の映画に話に関連して、大阪では今、橋下市長が地下鉄を民営化するという話が出ているとも言っていました。「地下鉄の民営化で運賃が安くなると言われているけれど、将来的には不採算路線の廃止などが出てくるのではないか?」と話していました。

大阪では、各新聞社が大阪市長の特集を組んでおり、毎日新聞に連載された橋下特集のコピーをもらいました。
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支配人の山崎さんと
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無事、この日2回目の舞台挨拶が終わり、映画館のロビーで感想や追加の質問をしてくださったり、知らないお客さん同士が映画について語り合い始めるのを見て、支配人の山崎さんは「こんなに舞台挨拶が盛り上がる映画は珍しい。言いたいことが沸きあがってくるのでしょうね」と言いました。

映画館のロビーで立ち話をするのもなんなので、お客さん数人とお茶をしに行くことになりました。まったくの成り行き、しかも、お客さんたち同士初対面で、何のつながりもないのでした。この日の夕方のNDS meets 豊中平和映画祭で、知らない人たち同士を引き合わせることの面白さに味をしめた私は、喫茶店に行くことを提案しました。

結局、喫茶店はほとんど閉まり、マックだったのですが・・・coldsweats01
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イギリスに長く暮らし、ブライアンにも会ったことのある小淵さん、建築家として働き、団地好きな人、YWCAのスタッフとして働いているけれど、お住まいの団地が知らぬ間に大家がURから民間企業に変わってしまったと言う人、阪神大震災の復興住宅で暮らす人、そして千里ニュータウンの建替え問題を取材した佐藤さん、と、多彩な顔ぶれでした。

URの賃貸住宅で、住民が知らない間に大家さんが民間企業へ変わるというケース、私は初めて聞きました。驚いた住民たちがURに電話をしていきさつを聞こうとしても、電話の応対は私の映画に出てくるような状態で、何も知りたい事を教えてもらえなかったとのことでした。新しく大家になった民間企業からは「今後3年間は家賃の値上げはしません」という通知が届いたそうですが、それは「3年後には値上げします」と言っているようなものです。今後どうなるのか心配だと言っていました。

また、災害復興住宅の問題も、東京で暮らしているとあまり聞く機会がないのですが、これも近い将来、大きな問題となることが予想されます。阪神大震災で住まいを失った人々は、災害復興住宅に入居して暮らしている人(6000戸もあります)も多いのですが、その期限は20年と決められているのだそうです。20年の期限まであと7年ほど。その後は神戸市は災害復興住宅から手を引き、UR住宅になると発表しているそうです。そのままその住宅に住み続けてよいが、家賃は2万円から10万円に値上がりしてしまいますので、住み続けてよいとは言われても、現実には住めない人が大半です。住民の中には高齢の人も多く、その後の住まいをどうすればよいのか、と話していました。

契約当時に20年と言われていたけれど、そのときは20年なんて、とても先の話に思えたし、何しろ住まいがなかったのでそこに住むしかなかった、でも月日がたつのはあっという間で、復興はままならず、年ばかりとっていき、そう簡単に次の住居は探せないとのことです。

20年の期限の折り返し地点を過ぎた今、行政は早めに対策を取るべきだと思います。また、同様の問題は、東日本大震災の被災者にも必ず起こるでしょう。

佐藤さんが撮影した千里ニュータウンの話にもなりました。暴力的に住まいを奪われていく様子が、映画「空っ風」の中では描かれています。その現場を撮影することの難しさを話していました。特に住民説明会などは、住民以外の参加禁止とされている場合も多いです。一番良いのは、当事者である住民自身がカメラを持ち、撮影することですが、これもまた一筋縄ではいきません。

私は何かを撮影するとき、「参加」するのはあきらめます。例えば、デモやフェス。デモや音楽を楽しみながら、騒ぎながら、声を出しながら、踊りながら撮影するのは無理なのです。この日は撮影すると決めたら、ひたすら職人のように、場所を変え、アングルを変え、どんなに盛り上がっていても冷静にカメラを回します。でないと、映像としてまるで使い物にならないからです。

同じことが住民による撮影にも言えます。当事者として住民説明会に参加し、興奮して発言しているような状態では、被写体をきちんと捉えていなかったり、カメラが激しく揺れたりして、回していて音声は入っているものの、画面に映っているのは前に立っている住民の頭頂部だけ、みたいな結果になったりするのです。臨場感があるといえばそうも言えなくもないですが、やはり撮影する場合は、撮影者に徹することが必要で、当事者は当事者ゆえに感情が激高してしまうので、なかなか難しい場合があるでしょう。

でも、そのことを理解し、なおかつ訓練することで上達するとも思いますが!

佐藤さんは、釜ヶ崎の住民たちの住民票が削除された件で、住民票の回復を求めて活動し、不当逮捕された経験があります。問題の経緯についてはこちらに詳しく書いてあります。撮影者というのが、いかに狙われるのかという話になりました。

佐藤さんの場合、暴力を振るっていなくても、現行犯逮捕ではなく1年後(選挙前)というタイミングで逮捕され、なおかつ、警察側が主張するテープは1本だけだったにもかかわらず、全て(500本)のテープが押収され、いまだに返されていないという、とんでもない事態なのです。SLAPP訴訟の典型です。でも、佐藤さんは「撮影するというのは、それだけ危険な行為。狙われる。撮影しているときは、声も出さないほうが良い(威力業務妨害と言われる恐れもあるから)」と言っていました。

裁判では有罪(罰金刑)が言い渡されましたが、不服として控訴し、現在も係争中とのことです。私も応援したいです!! 

それにしても、「公務執行妨害」以上に、「威力業務妨害」は恣意的に乱用される恐れがあって、怖いですよね。相手側が脅威を感じたと思えば、「威力業務妨害」と主張できるのですから。大きな声で投票に行くことを呼びかけていただけなのに、これじゃあ、デモやシュプレヒコールのようなものも、相手側(行政、国や大企業)にとって脅威と思えば、威力業務妨害で訴えることが可能になってしまいますね。

訴えられることも腹立だしいですし、罰金刑を言い渡されるのも、もちろん納得がいかないですが、撮影者にとっては撮影テープを押収されるというのが、何よりも一番嫌なことです。私もテープの保管場所に注意したり、大事な素材はバックアップを取って別の人に保管してもらったりしていますが、全ての素材について、しかも連日撮影が続くような時期に、同時にバックアップの作業を行うということは、かなり大変(ほぼ不可能)なのです。テープ保管に関しても、皆さんから色んな提案が出され、面白かったですhappy01

マックでのお茶会は11時ごろにお開きとなり、またホテル太洋に戻りました。早いもので、もう大阪滞在の折り返し地点です。

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