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[jp] 極端な選択肢だけではなく

7月7日、七夕の日は、以前このブログでも紹介した「アジア太平洋資料センター(PARC)自由学校」で、「生きるー表現者たちが紡ぐ哲学」という講座に参加させていただきました。

PARCの前に、西新宿のニコンサロンで、韓国人写真家の安世鴻さんの写真展を見に行きました。(写真展の開催までの経緯についてはこちら)。入り口では、荷物検査、金属探知機での身体検査など、異例の厳戒態勢でした。展覧会場ではちらほらと、見たことのある人の顔も。

写真展の後、PARCに向かいます。講義は2時から4時半までで、まず「ブライアンと仲間たち」を鑑賞、その後30分ぐらい私の話、その後は質疑応答というスケジュールになっていました。

上映前にほんの少しだけ挨拶をして、上映スタート
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事前のアンケートでは、「ドキュメンタリー監督になりたい」とはっきりと書いている人もいましたが、この講座は映画監督養成講座ではなく、どちらかというと、仕事をしながらも社会にかかわりたい、芸術を通して表現力を磨きたい、という人たちが多く、講座もそういう人たちを対象としているため、私は、私自身もかつては公務員・会社員として働き、休みを利用して表現活動をしていたという話から、ジャーナリズムへの興味、映画制作の開始など、段階を追って自分のこれまでをお話しました。

一通り話し終えた後は、受講生の方々からの質問や感想。そして「さようならUR」の予告編も紹介させてもらいました。面白いと思ったのは、この講座のコーディネーターの内田さんが、「さようならUR」をまず観ていただく機会があって、その後に「ブライアン~」を観て、この講座では「ブライアン~」を上映作品として選んでいただいたことでした。

私としては、撮影も編集も稚拙すぎる「ブライアン~」を観るのは、所々かなり恥ずかしかったりするのですが、ふたつの作品を並べてみて、それで「ブライアン~」を選ぶ人もいるんだ?というのが正直なところ。私としては、「さようならUR」の方が、撮影も編集も、ちょっとは上手くなったと思うのですが・・・!

内田さんは「ブライアン~」を講座での上映作品に選んだ理由として、「さようならURも良いけれど、ブライアンを初めて観た時の衝撃がすごかったので」と言っていました。また、3.11後の日本で、各地で反原発デモなどが盛んになっている今こそ、ブライアンのことを知ってほしい、とも。

特にドキュメンタリーの場合は、被写体の人の存在が、時に撮影や編集のテクニック・能力などを飛び越えて、観客にダイレクトに訴える場合もあるのかもしれません。

お客さんからもよく「さようならURの方が上達した」と言われることが多いのでcoldsweats01、私としては敢えて「ブライアン~」を選んでくれたのは、うれしいことでもあるのでした。

講座は少し延長して、5時ごろに終了しました。その後は、近くの居酒屋で交流会です。なんと、この講座は今回が3回目で、飲み会も3回目なのだそうです!! 講義の後に毎回飲み会があるのですね^^ 座学も大事ですが、やはり飲んで楽しく語らう時間も大切ですからね。私ももちろん参加させてもらいました。

現在、とある会社にお勤めだという受講生の方は、私が講座の中で話した、イギリスのジャーナリズム学校の話に共感したのだそうです。

そのジャーナリズム専門学校では、ジャーナリズムの勉強といいつつも、実際の勉強内容の3分の1近くが”法律”の勉強でした。ファッション誌のエディターを目指す学生は「ファッションの記事を書けるようになりたいのに、何で法律の勉強ばっかりさせられなきゃならないの?」と不満を言っていました。先生は、「何かあったとき、会社はあなたを守ってくれません。あなたを守ってくれるのは法律なのです」と言いました。

たとえ、いわゆる”政治”などとは一見無関係なファッションのライターでも、取引上知り得た内部情報や、ブランドの契約内容など、何らかの企業秘密を知り、それを外部に漏らすことで、訴えられる場合もないとは言えません。そんな時、自分の所属する雑誌社は、取替え可能な一ライターよりも、企業の利益を優先し、自分を見捨てることもあるでしょう。ライターとして正しい仕事をして、万一そのような事態に遭った時は、裁判を起こしてでも自分を守るしかないのです。だからこそ、法律を勉強する。(その学校では、法律全般というよりは、ジャーナリズム&表現の自由に関する法律や判例が主でした。例えば性犯罪の報道や未成年者の犯罪の報道の基準、マスメディアの行動規範、刑事裁判中の案件の報道、著作権、パブリシティ権、名誉毀損など)

その受講者の方は、特に「何かあったとき、会社はあなたを守ってくれません」発言に共感したそうですhappy01 会社に見切りをつけて定年退職よりももっと早く退職し、これからは自分のやりたいことをビジネスにしたい、と話していました。私としては、別に転職を促すために持ち出した話ではなかったのですが、その人の今後の展開が楽しみですねhappy01

この「会社には頼らず、自分で道を切り開いていく」ですが、他の受講者の方からは、「それが出来る人はいいけれど、必ずしもみんながそんな風に出来るわけではない」という意見も出ました。確かに、特にこの日本社会の中で、組織に頼らず生きて行こうというのは、かなりの勇気がいることですし、特に経済的に厳しくなる場合が多いでしょう。

自分で道を切り開きたいと思う人が、その努力が報われる社会であってほしいと思う一方、努力してもダメだった人(能力だけでなく、運やタイミングもあるでしょう)も、何らかの形で救われる社会であってほしい・・・私もそんな風に思います。

他の人からも発言がありましたが、一連のやり取りを聞いて、コーディネーターの内田さんは、「日本は死ぬほどバリバリ働くか、もしくは生活保護かの両極端。もっと選択肢がいろいろあっていい。この人いったいどうやって生きているの?みたいな、良く分からないけど生活できている人たちがもっといていい」と言っていて、私としてもそんな社会の方がずっと面白そうと思いました。

まさに、講座のテーマどおり(無理やり?!happy02)「生きる」を巡る発言がたくさん出ました!

内田さん、受講生の皆さんと
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なんと、「ブライアン~」の上映に合わせて、洋服まで選んできてくれた受講生の方も! ”燃えるゲバラ”Tシャツ、初めて見ました!!! ちなみに、ゲバラが大好きで、Tシャツだけでも10枚以上持っているんですって。「でも、革命には別に興味ないんですけど・・・」発言に、一同またびっくり!!
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その後打ち合わせが入っていたので、途中でお暇しなければならず残念でしたが、とても楽しい講座&飲み会でした。どうもありがとうございました!

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コメント

初めてコメントしますpen 飲み会で「ポール・マッカートニー」の事を質問した者、で分かるでしょうか(笑)noteお帰りの直前だったのに親切に答えていただき、感激! で胸がいっぱいでしたhappy02


映画、シリアスな問題を取っつき易い型にまとめられててがっつりハマりましたup (素人なのに評論的な文面、すみませんcoldsweats01) もっともっと観たいなぁと思いましたhappy01

時間の関係で格差・貧困や野宿者の問題を話し合う事が出来なかったのが残念です。駅や公園のベンチに象徴される“排除”な景観作り、生保に対するバッシング等々、この数年で更に悪い方向に進んでいると思います。プリントを見ながら自分が5年前くらいに初めて寿町に行った時の事や路上生活者の方々を夜回り訪問した時の事などを昨日の事の様に思い浮かべました。


凄く多忙な毎日でしょうが、体調には十分に気をつけてこの夏をお過ごしください。またお会い出来る機会があったら望外の喜びです。「さよならUR」、8月か9月に見に行こうかと思いますmovie

ブログ、楽しみにしています(^^) では、失礼いたしますshine


華房 孝年

投稿: 華房 孝年 | 2012年7月13日 (金) 20時36分

華房さま

こんにちは! コメントをありがとうございます。もちろんお顔&お名前分かりますよ! 映画、気に入っていただいたようで、うれしいです。「さようならUR」も是非観にいらしてください。

>時間の関係で格差・貧困や野宿者の問題を話し合う事が出来なかったのが残念です。

本当ですね、残念です。次回の講座はビッグイシューのカメラマンとしても活躍されている高松さんとお聞きしていますので、きっとその問題がメインになるのでは?と思います。興味深いですね!

それでは、またお目にかかれる機会を楽しみにしています! ご自愛ください。

投稿: yumiko | 2012年7月14日 (土) 18時21分

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