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[jp] 大阪劇場公開(3日目:6月25日)

この日は朝9時に起きてメールの確認をして、11時にホテル太洋の前でNDSの佐藤さんと待ち合わせをしていました。釜ヶ崎にあるNDSの事務所を訪問するためです。歩いて数分で、一軒家に到着。ここにメンバー数人が暮らし、事務所としても使っているのだそうです。

予想外に(失礼!)整理整頓された事務所でびっくり! ソウルでドキュプルンの事務所の汚さに衝撃を受けたので、NDSもそれと同等、もしくはそれ以上かと想像していたからです。これでは、私の部屋よりよっぽど綺麗ではないですか!!
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亡くなった布川さんの遺影。お線香を上げさせてもらいました。大阪に来たら必ず会いたいと思っていたので、本当に残念。
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コーヒーを入れてくれる佐藤さん
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釜ヶ崎を舞台にしたドキュメンタリー映画を持ち、現在も釜ヶ崎で暮らし、あいりん労働福祉センター前で日雇いの仕事を見つけて働く佐藤さんに、ここでの生活や仕事のこと、映画の事をなどを聞きました。

この一軒家の家賃は8万円で、それを3人で分担しているそうです。映画制作の時間を捻出するためにも、日雇いの仕事は都合が良いのだそうです。週の半分は働いて、もう半分は映画のことをやる、みたいな。

釜ヶ崎での日雇いの仕事は主に解体業。朝早く5時ごろに行き、いかにも体力ありそうという感じで歩くのが、手配師に声を掛けてもらえるコツなんですって。朝5時半頃から夕方5時ごろまで働いて、給料の相場は9000円。・・・それってかなりハードで割に合わないのではないかな~と思いました。交通整理の仕事でも同じぐらいの金額がもらえるし、肉体的にもそちらの方が楽なのでは?と言うと、交通整理の仕事もやったことはあるけれど、時間が過ぎるのが恐ろしく遅く、解体作業よりも逆にハードな仕事だ、あれだけはやりたくない、と言っていました。そういうものなのか。。。

全盛期を過ぎた釜ヶ崎では、佐藤さんのような若い人は稀で、日雇いで同じ現場に向かう人たちからは、「まだ若いんだから、こんなところで働くな」ともアドバイスされるそうです。同じ日雇いの境遇の労働者たちは、みんなやさしくていい人ばかりと言っていました。

NDS事務所でコーヒーを頂いた後、釜ヶ崎を案内してもらいました。釜ヶ崎のシンボル的存在である「あいりん労働福祉センター」を目指します。センターに近づくにつれ、労働者を募集する張り紙の張られた車が何台も見えてきました。

日雇いの募集は朝早くだけで、それ以外の時間に止まっている車は、日雇いではなく、1週間以上の泊りがけの仕事(いわゆる「飯場」と呼ばれる場所で、寝泊りしながら働く仕事)を募集しています。張り紙に書かれてある仕事は、ほとんどそれらのものでした。白いバンの窓の部分に、仕事条件がごくごく簡単に書かれた張り紙が張られ、中には運転手兼手配師らしき人が座っていました。

それらの横を通り過ぎ、「あいりん労働福祉センター」までやってきました。1階部分は吹き抜けとなっているのですが、そこに100~200人ぐらいの、高齢の元日雇い労働者らしき人たちが、思い思いの姿で日中の時間を過ごしていました。ショッピングカートに荷物を載せて移動する人、数人で集まってタバコを吸いながら雑談する人、新聞や本を読む人、お酒を飲む人、広げたござの上でちょっとした商売をしているような人、大きな犬を何匹も連れて歩く人、自転車に乗る人、ラジオを聴きながら着替えをする人、コンクリートの地面の上に直接布団を敷き熟睡する人・・・

その一見異様な光景を見て、私は「ここにはコミュニティがある」、と思いました。韓国のスラム街・ポイドンで感じたのと同様の人のつながりが、確かに存在しているように見えました。都内の団地の、殺伐として、お年寄りが一人で歩く姿、遊ぶ子どもがいなくなった公園、シャッター商店街etcを見てきた私には、こんなにお年寄り同士が集い、お金を使うことなく、共に時間を過ごせる場所があるというのが、逆に新鮮だったのです。

佐藤さんによると、日中はここで過ごし(1階の吹き抜けだけでなく、建物の中にも人が沢山いるのだそうです)、大阪市内のどこかで毎日行われている炊き出しに出かけ、夜にはシェルターの抽選に並び、抽選に当たればシェルター入れるけれど、外れれば外で寝るしかない、という感じなのだそうです。過酷ですね・・・。ちなみにシェルターを行政が用意することで、寝場所は用意したのだからと、テントは減らされているそうです。

「あいりん労働福祉センター」は、老朽化しており、建替えの話も出ているそうです。しかし、建替えされたらどんな建物になるのか(野宿者の人たちがいられるスペースがないようなデザインになってしまうかもしれません)、別の場所に移転するのか、など、なかなか問題もあるようです。

かなりゆ~っくりと「あいりん労働福祉センター」の前を通り過ぎました。目が釘付けという状態で私は見てしまったのですが、デジカメで写真を撮るなんて行為は絶対できないように思いました。釜ヶ崎の映画を撮った佐藤さんに、釜ヶ崎でカメラをまわすことについて聞いてみました。

佐藤さんも、最初はこの場所を良く知っている人に連れてきてもらったのだそうです。釜ヶ崎での撮影では、例えば誰かがマイクを持ってしゃべっているときなど、明らかに「この人を撮っているんですよ!」ということが誰から見ても伝わるような感じで撮影した、と言っていました。なので、なんとはなしに、「あいりん労働福祉センター」でぐる~っとカメラを回すなんてことはしたことがない、絶対出来ない、とのこと。・・・確かに!

「釜ヶ崎には、むき出しの生があって、とても魅力的な街。惹きつけられる」と言っていました。

大阪では、野宿者支援の団体や大学の研究者、行政など、あらゆる立場の人たちが野宿者問題に関わっているのですが、中でも佐藤さんは、アートとホームレスの関わりに注目しているのだそうです。私が以前オーマイニュースに書いた、ホームレス排除型のパブリックアートもそうですが、アートや教育という名の下に、逆にホームレス排除にこれらが加担してしまっているという状況。こういった状況に敏感であることを、佐藤さんは、東京のいちむらみさこさんたちから影響を受けたと言っていました。野宿者問題に関わっていながら、逆に彼らを排除してはいないか? そういうことを語り合う場がほしい、とも。

佐藤さんは山形の映画祭の時は、最終日にほんの少し挨拶した程度だったのですが、今回の大阪訪問では、飲み会での注文取りから釜ヶ崎の案内まで、大変お世話になりました。どうもありがとうございました!

佐藤さんに難波の「てれれ」事務所まで送ってもらいました。この日は、お昼から下之坊修子さんが主宰する市民メディア「てれれ」の事務所を訪問することになっていたのです。事務所に伺うのは初めてでした。中に入ると、山上千恵子さんが!!! 山上さんはこれまで東京を拠点に映像のお仕事をされていましたが、少し前から京都に移り、今では月の半分以上京都で生活されているそうです。
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広々として、なんと録音室まで兼ね備えてある事務所でした! 下之坊さんはここで編集をしているんですって。「ここにおるんじゃけぇ」も、ここで生まれたのですね!
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下之坊さんの編集マシン
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私は自主企画・制作の作品しか作ったことがありませんが、お二人からは「依頼されて作る仕事」について、これまでの経験を色々お聞きすることが出来ました。女性映像作家として先駆け的な存在のお二人は、フェミニズム、女性運動など、運動体からの依頼で映像を撮ることも多く、運動体による労働搾取の事例が多数告発されていましたbearing! 

運動の現場では、フェミニズムに限らず、”大義”のために映像作家までも手弁当でやらされることはままあります。撮影、編集、DVDの制作など、どれもとても時間のかかる作業なのに。

手弁当での仕事の依頼に対して、「最低でもこれぐらい(←それでも十分とは言えない額)もらわなくては困る」と主張すると、「あの人はお金に汚い」とか、「他の人はやってくれた」という言われ方をされたそうです。

運動を主宰する立場の人の多くは、その運動自体は手弁当でやっていたとしても、その分野の大学の先生だったり、NPOの職員だったりと、その分野で収入は稼いでいます。でも、フリーの映像作家には財政的な後ろ盾は何もありません。。。

山上さんや下之坊さんたちは、こんな条件で引き受けてしまっては、後に続く作家たちがやっていけない・育たないと、映像制作に対してきちんと報酬が払われるべく、主張してきたのだそうです。(きちんと当事者が主張しないと、牛丼チェーンの値下げ合戦のように、お互い首を絞めあう結果になりますよね)

私も運動や集会などの撮影を頼まれることはたまにあるのですが、特に費用がカバーされない場合には、それを引き受けるかどうかは、自分が興味があるか、仮に頼まれたのではなかったとしても自主的にやりたいと思う気持ちを持てるかどうかで決めるようにしています。頼まれたからとか、義務感からではなく。

でも、考えてみたら皮肉だな~と思いました。家事の無償労働(アンペイド・ワーク)をきちんと労働として評価せよ!と求めるフェミニズムも、運動にまつわる様々な仕事は無償でやらせるのが当たり前と思う人たちがいるというのは。。。忌み嫌う男性社会と同じ構造を、運動体内部の人たちに強いていることになるわけですから。

他にも、行政や教育機関の依頼で撮る場合、当事者や支援団体から製作資金を提供してもらう場合などの、過去の体験談を聞くことが出来、とても勉強になりました。

3時近くになり、劇場に移動しました。下之坊さんと山上さんは劇場に入り、舞台挨拶の時間まで、私はまた自由時間が出来ました。さて、今日は何をしようかなぁ・・・?

ふと、楠瀬さんから「大阪に来たら粉物(お好み焼きやたこ焼きなど、小麦粉を使った食べ物のこと)食べて。ミックスジュースも」とメールを頂いていたのを思い出し、たこ焼き屋さんに行ってみることにしました。ガイドブックも何もない私は、とりあえず歩いて探すしかありません。映画館がある方の商店街の反対側にも大きな商店街が見えました。そちらに行ってみることに。

商店街に入るとすぐにたこやき屋がありました。お客さんは一人も並んでいませんでしたが、なんとなく良さそうな雰囲気がありました。たこ焼きの6個入りを注文し、店先の小さなイスに腰掛けて食べました。
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ほとんどのお客さんはテイクアウトで、座って食べるお客さんは珍しいらしく、お店のマスターが話しかけてきました。なんと、こちらのマスターは、会社員マスターなのだそうです! もとはダイエット食品などの雑貨の営業マンとして働いていましたが、半年前に会社の業務多角化で、たこ焼き屋部門が発足し、たこ焼き屋のマスターとして会社員の身分のまま送り込まれているそうです。たこ焼きは好きで、これまでからも食べ歩きをしたり、縁日でたこ焼き屋を手伝ったりしたそうですが、お店となると大変で、試行錯誤の毎日だとか。

焼き上がりまでの時間が、たった3分でも、「ならいらない」と言って買うのをやめるお客さんが多いので、焼き立てに近い状態をいかに保持するかが大事だけれども、保温状態にしておくと、冬場はたこ焼きの上半分が冷めて固くなってしまう等々、難しさがあるようでした。

この商店街のお客さんは、ほとんどが高齢者のため、一番混む時間帯は午前中なのだそうです。歩行中に自転車などにぶつかられて怪我をしないよう、すいている朝方の時間に買物を済ませたいからなのだそうです。最近のたこ焼きの主流は中がどろどろの柔らかめですが、お年寄りは中までよく火が通ったタイプ(昔のたこ焼きってそうでしたよね?)を好み、「中までよく焼いて」とリクエストされるそうなのですが、そうするとお年寄り以外のお客さんには好まれず・・・と、焼き加減ひとつとってもなかなか難しいようです。

「九条で一番美味しいたこ焼き屋」と豪語するマスター。でも、最近客足が落ちているそうですcoldsweats01
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マスターは「試作品だけど」と言って、飲み物をサービスしてくれました。しょうが味の「冷やしあめ」という飲み物だそうです。しょうがと砂糖を煮詰めたシロップを、氷水で薄めたような味でした。冷やしあめは、私は聞いた事がなかったのですが、大阪では、昔のたこ焼き屋は必ずと言っていいほど、夏にはたこ焼き屋の店頭に冷やしあめも並んでいたんですって。夏の風物詩的存在。これは関西の風習か、それとも私が知らないだけなのか。。。冷やしあめを知らないと答えると、マスターはかなりショックを受けたようでした。

・・・でも、よく考えてみたら、暑い夏にたこ焼きというのは、少なくとも東京では風物詩ではありません。やはりたこ焼きと冷やしあめは、大阪のものなのでは?と思います!

たこ焼きと冷やしあめ
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私自身の事を聞かれ、自分の映画が劇場で公開されるから大阪にやってきたということ、舞台挨拶の時間までこのあたりを歩いて回っている、ということを話しました。

・・・するとマスターは、それまでたこ焼きを手際よくひっくり返していた手を止め、真顔で「九条に来たなら、OS劇場に行かなきゃ」と言いました。有名な老舗のストリップ劇場なのだそうです。このすぐ近くだから、と、親切に行き方まで教えてくれました。

マスターイチ押しのOS劇場を目指し、商店街を出ました。商店街から一歩路地に入るだけで、タイムスリップしたような古い佇まいの家が何軒もありました。
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面白い造りのアパートを発見。入り口がいくつも並んでいます。
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OS劇場の看板が見えました。住宅地の中にストリップ劇場があるなんて・・・
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さすがに早い時間なのでまだ開店していませんでしたが、お店の人によると、ここは普段は女性客は入ることが出来ず、毎月数日間の「SM大会」の日だけ(←なんでだろう?)女性客の入店も可とのことでした。ちなみに7月の「SM大会」は14,15,16日。電話予約(06-6581-7780)すれば割引あり。興味のある女性のかたは行ってみてはいかが? 中はかなり広そうでした。立派なステージもあるかもしれません。

舞台挨拶の時間になり、劇場(OSではなく、シネ・ヌーヴォcatface)に戻りました。舞台挨拶のあとは、下之坊さんが予約してくれたお鍋のお店に行きました。「小川下(こかげ)」という、家族経営のお店です。
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かなりのボリュームのお鍋でした!
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まだ5時と早い時間で、あとから来る人もいると言うことでした。この日の飲み会は、昨年の山形の映画祭に参加した関西(主に大阪)の人たちということで、下之坊さんが声を掛けてくれていたのでした。日本中の映画祭を回っている浦辻さん、映画祭ボランティアスタッフの楠瀬さん、映画監督でビジュアルアーツの先生でもある柴田さん、在日コミュニティの映像を発信し続けているコマプレスの朴さんたちが来てくれました。

昨年の山形に参加・・・といっても、山形の映画祭は、映画祭の規模が大きく、参加監督が多く、プログラムも沢山あり、会場も分散しているので、一見沢山の人と会えるように見えて、実際に会える人(かつ親しくなる人)はそう多くはありませんでした。みんな忙しすぎるのです。浦辻さんは山形で30本の映画を観たといっていました。食事はパンとおにぎりをあらかじめ購入し、会場間を走って移動。・・・これでは見かけないはずですよね。

下之坊さんとは、ホテルが一緒で、なおかつ衝撃的な朝食だったことがきっかけで、お話しする機会が得られたわけですし・・・coldsweats01

親しくなる率で言えば、あいち女性映画祭や新得・空想の森映画祭のような規模・開催形式の映画祭の方が、私の場合はそこで時間を共有した監督さんたちと、その後も親しくさせてもらうことが多いです。

そんなわけで、この日の飲み会に参加した人たちは楠瀬さんと下之坊さんを除いて、私は初めて会う人たちなのでした。
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8時半近くになり、舞台挨拶のために劇場へ戻りました。この日は劇場公開3日目、本日2回目の舞台挨拶。ということは、6回目の舞台挨拶ということになります。私はこんなに連続した舞台挨拶を、これまでにしたことがなかったので、正直、精神的にかなりしんどくなっていました。毎回見に来てくれるお客さんは入れ替わるのですから、同じことを繰り返し話しても問題ないのかもしれませんが、話をするこちら側としては、同じことを何度も話してはつまらないのでは?という思いに駆られてしまいます。だからといって、全く話題を変えるのも難しく、映画を作ったいきさつなど、超基本的な部分はやはり毎回説明しないといけないだろうし・・・。そんな風な気持ちでいました。

支配人の山崎さんに、舞台挨拶についての私の疑問をぶつけて見ました。舞台挨拶を連日こなす監督たちは、毎回同じことを話すのか、それとも変えるのか・・・

山崎さんは、それは監督によると言って、毎回同じことを話す人もいるし、少しずつバージョンを変える人もいる、でも、基本的にこれだけは言っておきたいということは毎回言う、と。

「監督が言いたいこと=お客さんの聞きたいこと、なんですよ」

山崎さんがそう言うのを聞いて、私の中で何かが吹っ切れたような気持ちになりました。とにかく自分が言いたいことを言えばいいんだ、それが繰り返しでも、繰り返しでなくても。そう考えることで、気持ちがずいぶん楽になりました。

この日の舞台挨拶は、日中に釜ヶ崎を見に行った事も自分の中で影響したのだと思いますが、超ロングバージョンで、カメラを回し始めたきっかけからお話しました!
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つくづく、映画をみんなで観ること、そしてその後の質疑応答は”ライブ”だなぁと思うのですが、私の舞台挨拶の意気込みに呼応してか、お客さんからの質問もかなり活発で、熱気にあふれたものになりました。73号棟裁判の進行具合、今後の制作予定、生計はどう立てているのか、映画の感想、”台所”が生活のポイント・・・etc。予定時間をかなりオーバーしての終了となりました。

舞台挨拶終了後も、沢山話しかけてくれました。中でも、大阪のYWCAの方が観に来てくださって、彼女たちの暮らしについて話してくれました。なんと、血の繋がらない90歳の女性と共同生活しているのだそうです! 一人暮らしの女性の場合、洗濯物を外に出すことを控える人は多いですが、彼女の場合は、90歳のおばあさんが「洗濯物はやっぱり外でパリッとさせないと」というこだわりがあるので、彼女の洗濯物も外に干して乾かしてくれ、家に帰ってくると陽のにおいのする、パリッと乾いた洗濯物が置いてあるのだとか。(現在はおばあさんの足が弱くなってしまい、外に干せなくなったそうですが)

もう一人の方は、友達の家(一軒家)を引き継いで暮らしているそうで、聞いてみると皆面白い暮らし方をしているんだなぁ!と感心してしまいました。いわゆる住宅市場から離れたところでの家&暮らし方を実践している人たちを訪ね歩きしたら、面白そうですね!

YWCAスタッフの方と。
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その後は、楠瀬さんと柴田さんと飲みに行きました。九条には珍しい(失礼!)おしゃれな隠れ家風バーです。
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レンコンのピザなど、ユニークかつ美味しいおつまみ多数! オーナーの並々ならぬこだわりが伝わってくるようです。各料理のボリュームは多くないのですが、上質なので満足できる、という感じ。
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楠瀬さんは、以前ビジュアルアーツで映像を学んだときに、柴田さんが先生だったそうです。なのでかつての先生=生徒という関係なのですが、お互いにボケ&突っ込み合戦で、一見するとどちらが先生で生徒なのか良く分かりませんcoldsweats01

お二人から「さようならUR」の感想を聞くことが出来ました。楠瀬さんは、映画を観て、最初は(登場人物が多すぎる。もっと絞り込んだほうが良い)と思いながら観たそうです。でも、最後の直撃取材で、それまでの広がりすぎ感がぎゅっと締まったとのこと。直撃取材をみて(アホやなぁ、よくやるなぁ)と。私と実際に会って、もとはジャーナリストを志望していたというのを聞いて、(あぁ、なるほど、それでああいう取材になったんだ)と思ったそうです。”映画”の発想では、ああいう展開にはなかなかならない・思いつかないのではないか、と。

柴田さんは、映画を観ながら、最初はこの問題を客観的に、引いて作っているのだろうと思っていたそうです。それが、最後の直撃取材があって、(ミイラ取りがミイラになった、この問題を作り手も引き受けたんだ)と思った、と。

柴田さんは「ブライアンと仲間たち」も観てくれていたので、その比較の話も聞くことが出来ました。「ブライアン~」の方は、素直に作っている、と。私がブライアンと出会い、反戦運動に目覚めていくまでの過程が素直に出ていると言われました。それに対して、「さようならUR」の方は、見せ方を工夫しようという跡が見られる、と。

楠瀬さんは、「さようならUR」を「空っ風」と対比させながら観たと言っていました。被写体との関係はどうだったのか、時間をかけて関係を築いたのかと聞かれました。

私はこれまでにもブログで書いたかもしれませんが、「さようならUR」制作に関して、被写体の人とじっくり関係を築いてからカメラを回すということは皆無でした。裁判が起こるであろう日程から逆算すると、製作期間がほとんどなかったので、とにかく話を聞かせてほしい、撮影させてほしいと、ほとんど詳しい事情を知らないままに撮影させてもらっていました。長時間のインタビューの時間を過ごすことで、それがきっかけで住民の皆さんとの距離が縮まっていった感じです。関係性→撮影ではなく、撮影→関係性の順で、普通の逆とも言えるかもしれません。

そう答えると、柴田さんからは「信頼関係が出来るまでカメラを回さない」はよく言われることだけれど、世間はそれに捉われすぎてはいないか? 優れたドキュメンタリーはそうあるべきではないか、と思い込みすぎではないか?と言っていました。特にドキュメンタリーの場合、現場は”偶然”によって動くものが多々あるし、最初に撮ったもの、最初の出会いのインパクトは、とても大きいのだ、と。

柴田さんも、ご自分の映画「ハダカの城」では、最初に撮ったときの映像をかなり多く使っているそうです。最初に撮った(撮れてしまった)あとで、その後にも色々撮影したり、撮りなおしたりもするのだけど、やはり初めて会った時の衝撃が強く、その時の映像を中心に使ったりすることが多い、と。

ちなみに「ハダカの城」は東京の「ポレポレ東中野」で、10/6(土)のゲストトークイベント、10/13(土)よりレイトショーでの再上映が決まっているそうです。私もぜひ観たいと思っています。

気がついたら12時近くになり、お開きとなりました。劇場公開の舞台挨拶はあと1日残っていますが、私的には半打ち上げ的な気分になっていました。・・・というか、この日は自分の中で大きな区切りになったような感じがしていました。最初の1~2日目は手探り状態で、余裕がなく、なおかつまだ残りの日程があるからとセーブしながら過ごしていたのですが、3日目まで無事終えて、舞台挨拶に対する気持ちも吹っ切れて、ここまで来たら最後までやり切れるという確信が生まれてきたからです。逆に、明日で舞台挨拶が終わりなのだと思うと、さびしいという気持ちさえ生まれていました。

駅で柴田さんと楠瀬さんとお別れしました。特に楠瀬さんには、ラジオの出演やウェブマガジンの取材など、とてもお世話になりました。どうもありがとうございました!

残り1日、がんばろう! そんな気持ちで釜ヶ崎に戻りました。

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