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[jp] 直撃取材の極意を

これまでに度々、現在制作中の「さようならUR」DVDについてお伝えしてきましたが、先週末は特典映像のために、いつもお世話になっているジャーナリスト・寺澤有さんにインタビューをさせてもらいました!

映画の中で、URの理事長直撃取材のシーンがありますが、直撃取材が初めてだった私は、まず寺澤さんに相談をし、住所や顔の特定の仕方、張り込み、追及の仕方などを教わりました。最初は2カメで撮影したいと考えていたし、一人で直撃取材をやることに対する不安もあったので、最初の3回は寺澤さんにも同行してもらいました。(結局、何度も同行してもらっても会えなかったので、途中からは私一人でやりましたが)

大学在学中からジャーナリストとしての活動を始め、警察や検察の直撃取材歴が20年以上(!)という寺澤さんに、今回、映画のDVD特典映像のために直撃取材についてインタビューをさせてもらいました。題して「直撃取材の達人に聞く!~ジャーナリスト・寺澤有さんインタビュー~」です! 自分で言うのもなんですが、ほんと、豪華すぎる特典映像です!!

インタビューでは、直撃取材のイロハ的なこと(住所、顔、行動パターン、内部情報の入手)といったことから、これまでの直撃取材のエピソード、官僚答弁をいかに克服して追及をするか、SLAPP訴訟(恫喝訴訟)から身を守るには・・・etc、1時間以上に渡って聞くことが出来ました。

お話を聞きながら、これは直撃取材で相談していた当時も思ったことなのですが、寺澤さんは基本をおろそかにしない人だと思いました。寺澤さんは、20年間、毎月何人ものペースで直撃取材をするようなベテランで、しかも相手についてよく熟知しているにもかかわらず、ネットなどの情報だけで済ませず、きちんと登記簿なども取って、相手方についての情報を入手しているのです。

また、2カメ体制でやるとなったとき、寺澤さんのカメラはハードディスク記録式で、私はそれに対して不安を持っていました。私も以前ハードディスク式のカメラを持っていましたが、衝撃に弱く、きちんと撮影できているようでも、録画停止ボタンを押したときに保存エラーとなったりすることが度々ありました。(←私のカメラに不具合があったからかもしれませんが)

なので、直撃取材で、もし相手方に突き飛ばされたり、走って追いかけなければならないような場合に、ハードディスクできちんと録画できるのか? それが不安で寺澤さんに言ったところ、その後、実際に家の周りで走りながら、途中でカメラを叩いても録画できるかどうか試して大丈夫だったと言っていました。「そんなこと今まで起きた事がないから大丈夫」と言って片付けてしまわないで、実際に走りながら撮ってみるのは、それが一番とは分かっていても、なかなか億劫でやらなかったりするものです。でも、実際にやってみるというのは、常識や経験だけで判断しないという、寺澤さんのジャーナリストとしての基本姿勢のようにも思いました。

73分のインタビューの中では、もちろん寺澤さんのインタビューがほとんどなのですが、私の直撃取材についてのエピソードも、私はかなり話しています。今回の直撃取材の舞台裏について、上映後の質疑応答では出たり出なかったりするので、特典映像に収録する山形の映画祭とソウルの女性映画祭の質疑応答では、たまたまそれについての質問が出ず、触れられずじまいだったので、寺澤さんとのインタビューの中で、織り交ぜるように話しました。なので、こちらについてもお楽しみにhappy01

当初、インタビューは1時間ぐらいさせてもらって、編集して半分程度に・・・と考えていたのですが、インタビューを終えてみて、あらためて寺澤さんのジャーナリスト魂(? っていうと、逆に陳腐に聞こえてしまうのですが、適当な言い方が思いつかず・・・)に感動し、これはやはり全て紹介すべきだ!と思いました。なので、ほぼノーカットで使っています。

インタビュー当日の様子を以下に写真で紹介します。

インタビュー場所は会議室を使いました
Dsc00321

机とイスを移動します
Dsc00327

インタビューの机とイスはこんな感じでセッティングしました。私のカメラでは、寺澤さんをバストショットで撮影。
Dsc00326

インタビューの様子(寺澤さんのカメラでは、引きで2人の様子を撮影。私が質問する場面では、寺澤さんカメラの映像を使わせてもらいました)
Terasawasan_interview_photo_1

寺澤さん(私のカメラで撮影)
Terasawasan_interview_photo_2

インタビューの時に、映画の中の直撃取材のシーンをノートパソコンで視聴してもらいながら、私の取材についてアドバイスももらいました。編集では、Picture in Pictureの機能を使って、画面上に子画面を作り、コメンテーター風に寺澤さんがしゃべる、というようにしました。
Terasawasan_interview_photo_4

最初は上のような感じにしたのですが、2つの画面の背景がどちらも似たような灰色で、ぼやけた感じになってしまったので、子画面を青枠で囲いました。
Terasawasan_interview_photos_10

寺澤さんのインタビューの編集も終わり、いよいよ完成か?と思えたのですが、今日は朝から全ての特典映像を再生しながら確認してみて、73号棟住民の皆さんの1年後のインタビューが1時間45分あり、実際にはじめから通しで観てみると(長すぎる・・・)と思ったので、こちらはもう少し編集したいと思います。

最初はほとんど編集しない方針でいたのですが、インタビュー以外に本編未収録の映像をあれこれ加えたらかなり尺が長くなり、内容が冗長な感じになってしまって、観る人の集中力が持続しないような感じがしました。なので、これからまた見直して、できれば30分ぐらい削り、1時間15分程度にしたいなと考えています。

最初は「私の編集意図を反映させないためにノーカットで」という思いでいたのですが、”編集意図”というレベル以前に、ある程度の編集をしてそぎ落とさないと、結局住民の皆さんが本当に言いたいことまでも分かりにくくなってしまうのでは?と思ったのです。

そんなわけで明日、明後日あたりでまた見直して編集したいと思います。

・・・でも、それでDVDは完成するのではなく、まだまだ作業があるのです。まだ必要な作業の半分も到達していません。というのも、DVDを2種類制作・販売する予定だからです。「通常版」と「アカデミック版」。通常版は、映画についてより良く知るための特典映像で、映画が完成後、映画祭などでどのような反響だったのか、直撃取材はどのように実現したのか、映画の完成後の住民の思いは、映画では語られなかったエピソードは・・・etcの内容で、映画を観て気に入ったという人や、自分でも映像制作やジャーナリズムに興味があるというような人に向いています。

一方、「さようならUR」は、住宅問題や社会政策を学ぶ人たちにも「生きた教材」としてみてもらいたいという想いがあります。みんなとは言いませんが、建築を学ぶ人たちの中には、ハコモノ(ハード)を建てることに興味があって、中に住む人(ソフト)には関心がないとか、大規模開発には興味があるが貧しい人の住宅には興味がない・・・といったような人もいます。学生だけでなく、それを生業としている人たちも同様です。

そういう人たちにも映画を観てもらいたいために、「アカデミック版」として、住宅問題に特化した特典映像を入れるのです。具体的には、韓国でインタビュー取材した、ナメクジ・ユニオン(大学生&若者の住宅事情)、ASIAN BRIDGEのナ・ヒョウさん(韓国の貧困住宅)、ポイドン・コミュニティー(スラム)の3本のインタビューをこれから編集し、字幕を入れます。日本にはなかなか伝わってこない韓国の住宅問題について、最新情報を入れた特典映像を作ることで、映画とはなかなか接点のないような建築関係の人&学生たちにも、この映画を観るきっかけとなってほしいと思っています。

・・・まぁ、私の一押しは何と言っても「通常版」なんですけれども!! 

楽しみにしていてくださいhappy01

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