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[jp] 国民放送局構想!

日本の衆議院選挙から約1週間、そして韓国の大統領選から3日が経ちましたが、両国ともに保守系の議員(+大統領)が選ばれる結果となりました。

私の周りでは、日本人でも韓国人でも、リベラルを支持する人しかいないので、みんな選挙の結果にはがっかりでした。韓国大統領選の数日前から、韓国に住むヨンゴルと連絡を取り合っていましたが、選挙戦の大フィーバーの様子は、メールを読んでいるだけでも伝わってきました。

そして迎えた大統領選の日。韓国は6時で投票が終了(←早すぎると批判があるそうです。若者が行けない)し、数ポイントの差で大接戦。しかし、最後までその差が埋まることなく、結局軍事政権を率いた父の娘である、朴候補が勝利したのは皆さんもご存知の通りです。

ヨンゴルや、日本に住む韓国人の友達たちは一様に落胆し、ヨンゴルからは「今日はヤケ酒を飲んでいる」とメールがありました。韓国の大統領の任期は5年ですから、延世大学の学生からは「これから暗黒の5年が始まるのだ・・・」というメールも来ました。

昨夜、日本に住む韓国人のイさんとスカイプで話していて、大統領選の話になりました。彼女もさぞかし落ち込んでいるだろうなと思ったら、なんとすごく元気で、興奮状態でした。

なぜ??!!と思ったら、韓国では大統領選の直後、リベラル支持の若者たちはみんな落胆しましたが、その1日後ぐらいから「今回の選挙の敗因は、メディア(特にテレビ)がコントロールされていたことにあった、だから自分たちで放送局を持とう! 国民が株主になってお金を出し合い、私たちに必要な放送局を作ろう!」という声が上がり始め、それは瞬く間に広まり、現在放送局を作るためのオンライン署名がものすごい勢いで集まっているのだそうです! このブログでも以前紹介しましたが、政権に対抗し長期ストを続けて首になったテレビ局の人たちも、この国民放送局構想をやりたくてウズウズしているんですって。

いったんアイデアが出ると、それを実現するためのアイデアが次々と出てきて、例えば「韓国のテレビ局のチャンネルは、現在1つ余っているらしい。だからそれを使おう!」とか、「(敗れた)文候補の選挙の運動基金が100億ウォン(10億円ぐらい)余っているらしい。それも使わせてもらおう!」とか、ノムヒョン政権時にKBSテレビの社長に任命され、イミョンバク政権で首にされた元社長も入ってもらおう!」とか、とにかくすごい勢いで盛り上がり、イさんはそれらの動きを見て(良かった。韓国の国民はダメじゃない!)と、俄然希望を持ったそうなのです。

ふと、イミョンバク政権で弱体化されてしまったメディアクト、そして日本でも以前あったオーマイニュースなどはどうなのだろうか?と思いました。韓国には、底堅い市民メディアが既にあるではありませんか。それらのインディペンデントメディアではなく、全く新しい国民放送局を立ち上げるのでしょうか??

その点について聞いてみると、現状、韓国の市民メディアは規模が小さいものが、それぞれ別個に活動していて、大きな勢力となっていないそうで、新たに立ち上げる国民放送局は、それらの市民メディアも全て包括した形にしたいと考えているのだそうです。テレビだけでなく、ポッドキャスト(←韓国ではすごい活用されていますよね。日本ではそれほどでもなく、ユーストの方が人気がありますが)やブログ、YouTubeなど、あらゆるメディアに対応したメディアを考えているそうです。

選挙敗北からわずか2日で立ち上がり、自分たちの放送局を作ろうという動きにまでなっている韓国。この話しはイさんと、韓国に住む韓国人たち数人から聞いただけですので、日本でも報道されているかどうか、ネットで検索しましたが、日本語で報じたものはまだ見つかりませんでした。

この動きがこれからどうなっていくのか、しばらくしたらイさんに日本で報告イベントをやろうよ!と提案してみました。イさんも「これ、日本も輸入したらいいのに!」と乗り気。

本当にその通り!と思うのですが、惨敗した日本では、まだショックから立ち直れていなかったり、あきらめないで活動していても、敗因を分析せずにこれまでどおりの運動を続ける人も多いです。でも、やはり本当に政治を自分たちの手に取り戻すには、正しいことを言っているつもりの運動の人たちも、冷静に負けを認め、そして運動の方針を考え直さないと、いつまでたっても現状は変わらないと思います。

また、先日のアップリンクでの上映のあと、『モバイルハウスのつくりかた』の本田孝義監督とのトークで、ある学者(建築家だったかも?)が、東日本大震災のあと、バラック小屋が建っていないのに驚いたという話を思い出しました。その人は、ハイチやスマトラなど、各地の大震災の現場を見てきた人ですが、どこの国でも、災害などで住む場所が一瞬に大量に奪われた場合、人々は自然発生的にバラック小屋を建てるのだそうです。日本でも、第2次大戦後はそうでした。でも、東日本大震災では、勝手にバラックを作る人がいなかった。そのことを、家は自分たちで建てられるのだという感覚の欠如と分析していました。かつては村の共同体で家は自分たちで作っていた私たちが、数十年の間にその能力を急激に退化させしまったようです。

ちなみに、今月の初めに日本住宅会議の設立30周年記念集会で、前民主党政権で内閣官房参与だった五十嵐敬喜さんの講演を聞いた際、今回の震災で、被災地の自治体から国への要望は、ヒト&カネ&知恵全て国にお願いする自治体ばかりで、「○○を自分たちでやりたいから、それに対してお金を出して欲しい」というところはわずかだったそう。そんな話も頭をよぎりました。

そんな日本人の能力の退化を思うと、私は今回の、敗北後に自分たちで国民放送局を立ち上げる構想のことをすごいと思う一方で、メディアは自分たちで作るのだという意識が、日本人は欠如しているかもしれない・・・と思いました。メディアに頼ったり、信頼したり、批判するばかりで、じゃあ自分たちでやってみようというのはしない。

私自身は、一人放送局・情報発信(?)していますが、みんながバラバラにやっていたら、たいした勢力になれません。

韓国の国民放送局構想、要注目です!

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