[jp] 顔の見える上映
ちょっと日にちが経ってしまいましたが、今月の17日は、反原発の活動で知られる「たんぽぽ舎」にて、福島県富岡町から水戸に避難している木田節子さんの講演がありました。講演の前に、私が昨年12月にネットで公開した「木田さんと原発、そして日本」を会場で上映したいというお話をいただき、もちろんOKとお答えしたのでした。
私としては、あの木田さんのインタビューはとにかく選挙前に、原発のことをもっと考えて欲しいという一心で公開したので、”ネット”という手段を選びました。そうすることで、上映の機会は減るだろうけど、実際既に1000を超えるアクセスがあり、色んな方に観ていただけたのだから、それはそれでよい、と割り切っていました。
今でも、ネットで誰でも観られる状態になっているにもかかわらず、公の場で、講演会という有料のイベントでの上映に声を掛けてもらったのは、私にとってうれしい”誤算”でした。
たんぽぽ舎での上映の様子
既に動画をご覧頂いた方はご存知かもしれませんが、木田さんが20年前に富岡町に家を買ったときのこと、息子さんが原発作業員として働いていたこと、震災のショックで引きこもりとなったこと、息子さんを取り戻すために外へ出て、声を上げるまでの過程について、木田さんが語ります。
ネットで公開したときから既に、「話は深刻だけど、でもところどころ笑いながら観てしまった」とか、「木田さんがとてもパワフル」とか、そういう反応は頂いていましたが、初めて公の場で上映して、観てくれる人たちがどんなところで反応し、笑ったり、うなずいたりしながら観るのかを、間近で観ることができたのでした!
ネットでの公開は便利だけど、やっぱり顔の見える上映会に勝るものはない。当たり前ですが、今回の経験を通じて、改めて実感したことだったのでした。
上映後、木田さんの講演
私は、木田さんと個人的にお話したことはあっても、講演は初めてでした。インタビューで感じたのと同じ、やっぱり木田さんのお話、深刻なのに、どこか希望を感じさせるようで、とても面白かったです!
たんぽぽ舎のイベントに来るような人たちなら、あの動画は既にどこかで観たことがあるだろうと思っていましたが、大半の人は観たことがなかったようで、ご好評をいただきました。中には、「ネットで見たことがあるけれど、途中でしょっちゅう止まってしまった」という人もいました。「またどこかで上映したい」という声もいただきました。
ネットで公開したら、その作品はネットの空間でしか広まらない・・・ように以前は勝手に思いこんでいたのですが、意外にもネットとリアルな環境での、双方向での行き来もあるようですね(もちろん、一般的な上映会の機会は減るかと思いますが)。
ネットで動画を公開する時代の、興味深い実験をしているような、そんな気分です。今後、どんな展開があるのか、(あれば)随時お知らせして行きたいと思います!
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