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[jp] 波乱含みの(?)ブライアン2周忌

昨日は、このブログでもお伝えしていた通り、ブライアンが亡くなって2周年の上映会が「にっしぃ劇場」でありました。

私はこの日、事前に別の予定が入っていたので、先に会場であるカフェオハナにお邪魔し、荷物を置かせてもらえないかと考えていました。渋谷で田園都市線に乗り換えようとしたそのとき・・・

ハチ公前広場から、あの聞き覚えのある音色が・・・!

”路上のバイオリン弾き”として知る人ぞ知る、淳也さんが演奏しているではありませんか! 私はちょうど3年前に、渋谷で演奏中の淳也さんの前を通りかかり、その演奏技術とセンスに衝撃を受け、当時完成もしていない映画(さようならUR)に使わせてくださいと、その場で申込をしたのです!

何者かも分からない私の申し出を淳也さんは即座に快諾してくれ、私はその後、「さようならUR」の予告編の音楽に、淳也さんの音楽を使わせてもらったのでした。ですが、その後、渋谷に行くたびにハチ公周辺をうろついても淳也さんはおらず、映画の完成時、DVDの販売時と、淳也さんにメールで知らせていましたが返事はなかったので、この日は3年ぶりぐらいに再会できたのです!

淳也さん
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弦の周りが真っ白ですが、ずっと拭かないで置くとこうなるのだそうです。

ちょうど上映会場でDVDを販売しようと持ち歩いていたため、「さようならUR」のDVDを直接手渡しすることが出来ましたhappy01

3年ぶりでしたが、私のことは覚えてくれていて「あのロンドンの映画の人」と言われました。渋谷に来るたびに立ち寄ったが会えなかったというと、淳也さんは相変わらず2日に1度ここで演奏している、とのこと。タイミングが合わなかったんですね。(あ、でも淳也さんは渋谷以外の場所、新宿などでも演奏しているそうです)

淳也さんへの連絡方法は携帯の電話か携帯のメールだけなのですが、PCからのメールは受信しないように設定しているそうです。それで私からのメールは見られなかったと判明しました。

HPもパソコンのメアドも持っていないという淳也さんですが、ネットは「その日泊まる宿にパソコンがあればネットをやるが、パソコンがない宿の日はネットは見ない」ということでした。

・・・宿・・・typhoon

その表現が気になり、どういうことか聞いてみると、渋谷の路上でバイオリンを演奏し、CDを販売しながら、1日単位で宿泊できるゲストハウスを転々としているとのこと。

・・・すごい、筋金入りの音楽家だぁ・・・!

それにしても、1日単位で宿泊できる宿でネットがないというのは、いまどき珍しいでしょう。私は昨年釜ヶ崎のドヤを改造したゲストハウス(1泊1500円)に泊まりましたが、そこだってパソコンは2台ありましたから。全くお金がないという日はどうするんだろう・・・?

毎年夏には青森の実家に帰り、そこで宅録でアルバムを製作するのだそうです。毎年1枚のペースでこれまでに6枚を製作。私は淳也さんのアルバムは何枚か持っているのですが、どれも宅録とは全く分からないほどきれいな音で撮れています。私も「ブライアン~」のときはナレーションを宅録して失敗しましたので(でもそのまま使っているcoldsweats01)、どうしたらあんなふうにきれいに撮れるのかなと興味を持ちました。

最新アルバムを購入! 最近はケルトだけでなく、パンク、演歌、民謡など幅広いジャンルでバイオリンを弾いているそうです。これから聞くのが楽しみ!
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「もっと腕を磨いて世界でバスキング(路上演奏)をしたい」と話していました。これからがますます楽しみな淳也さん、演奏を撮影させてもらいました。

演奏の動画はこちらです。

さて、その後は上映会場であるカフェオハナに向かいました。
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まだイベント開始まで時間があり、店内は通常のレイアウトです。(手前がオーガニックなどのショップで、奥がカフェ)
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コーヒーを頂いて、荷物を置かせてもらって外出。その後、上映開始10分前に会場に戻りました。ぎりぎりセーフ! 良かったです。

「にっしぃ劇場」のにっしぃさん。久しぶりにお会いしたら、髪が伸びてサラリーマン要素が更に(?)失われていることを、うれしいような、でも道(?)を外れて欲しくないような、複雑な心境になりました。(←自分のことは棚にあげて、ですが!)
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既に何度も観てくださっている方を含め、沢山の方に来ていただきました。ありがとうございます!!
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にっしぃさんの挨拶の後、映画の上映が始まりました。
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私は、自分が作った映画ながら、「ブライアン~」を観るのは約半年ぶり、経産省前テントひろばでの上映以来でした。「ブライアンが亡くなって2年」ということですが、東日本大震災から数ヵ月後というタイミングで亡くなってしまったブライアンについて、2年と言う年月が早いのか遅いのか、分からない気持ちでいます。(日本人の多くの人が震災以降の時間についてこのように感じているのと同様に)。

半年前にこの映画を見たときは、経産省前のテントということもあり、日本の反原発運動と重ね合わせて映画を見たのですが、今回は、特にオックスフォードユニオンでの討論の様子が、今の日本の憲法改正論議と重なって見えてしまいました。戦争で命を失う危険の全くない立場にいる人たちが、国民に対して国を守れ、女王のために身をささげよと熱弁をふるう・・・ そのまま、日本の政治家たちの姿に重なりました。

さて、上映の後は5分ほどの休憩を挟んで、パーラメント・スクエアの現地最新情報を報告しました。「ブライアンと仲間たち」後のパーラメント・スクエアの活動について、まずざっと説明をしました。このブログを読んで頂いている方々は、既にご存知のことばかりですが、内部分裂、ロイヤル・ウェディングのパレードやロンドンオリンピックの開催に向け、排除がいよいよ本格的になされるようになってきたこと、夜通しの抗議を禁じる新法の制定、バーバラがこの3月にパーラメント・スクエアを去り、活動が完全に終了してしまったこと、などです。

テントやプラカードが全てなくなり、すっかり芝生に覆われて生活の痕跡が見えなくなったパーラメント・スクエアの写真には、参加者の皆さんも驚いていた様子でした。多くの観光客が訪れるパーラメント・スクエアですが、かつてこのような活動が10年以上も続いていたと言うことさえ、知らない・気がつかない人も多いだろうと思います。

(ちなみに、昨日はお伝えするのを忘れてしまいましたが、イギリスの国会議員の中で数名が、パーラメント・スクエアにブライアンの銅像を建てたらどうか?と話しているそうです。元々、パーラメント・スクエアには6~8体ほどの銅像があり、一番新しいネルソン・マンデラ像を除いては、チャーチル元首相など基本的に全て戦争を推し進めてきた為政者の銅像です。ブライアンこそ、パーラメント・スクエアに置かれる銅像として、一番ふさわしい人物なのではないでしょうか!)

マリア、バニー、キャロリンのそれぞれの最新状況もお伝えしました。超強引に一言で言ってしまえば、パーラメント・スクエアの活動は終了しても、みんなそれぞれの方法で続けている、ということになるでしょうか。。。

30分ぐらい、駆け足ではありましたが、パーラメント・スクエアのその後と、仲間たちのその後、そして現在のイギリスの社会状況についてお話しました。

お話をし終えた後で、にっしぃさんから質問を頂きました。

「監督の今後の予定は?」

これは、ほとんど毎回の上映会後のトークで聞かれる、ごく一般的な質問なんですが、この日の私の回答はこれまでに話したことも、話そうと思ったこともないものでした。

実はこの日の上映会は、座席の関係もあり、一応事前予約制を取っていて、前日ににっしぃさんから予約申込をされた方のお名前を教えてもらっていました。お名前を拝見し、7割近くが、ブライアンの映画を既に見たことがあったり、上映会を企画してくださったり、帰国してブライアンの上映を始めた頃とか、ずいぶん前から応援してくださっている方々ばかりでした。

それらの名前を見たときに、私の中でひとつの考えが浮かびました。「今の自分のことを話したい」。そう思ったのです。

私は自分のプライベートについて、上映後のトークなどでは”居候”であること以外はまったく話したことがありません。イベント後の打ち上げでも、ほとんど話したことがないです。まぁ、普通、姉のところに居候と言えば、聞く人はそれだけで私の生活について察する、と言うような感じで、それ以上の事を聞かれることはほとんどありません。よっぽど単刀直入に聞かれない限りは、別に自分から話す事はないのです。

というのも、私の考え方として、芸能人のトークショーではないのだから、映画を、お金を払って観に来てくれた人たちは、映画のことが知りたいのだし、社会のこと、映画作りのことなどを聞きたいのだ、と思っているからです。お金を払ってまで、私のプライベートの話が聞きたいのではない、と。

”居候”もプライベートの範疇に含まれると思われるかもしれませんが、私が”居候”については積極的に話すのは、それが公益性(?)がある内容だと思っているからです。映画を作りたい、何かの道に進みたい、そう考えている人たちが、家賃をなるべくかけずに少しでも制作活動に専念できるような方法を選んで欲しいし、そのための居候という生活形態を少しもネガティブに、悪いことのように思って欲しくないからです。なので、敢えて(?)自分が居候だというのを前面に出してきました。

でも、それ以外の話、例えば彼氏がいるとか、結婚しているとか、バツイチとか、事実婚状態とか、子どもがいるとか、そういう類のプライベートな話は、私にとっては(観客にとっても)”どうでもいい話”であり、公益性もなく、また、そういう方面にばかり話を向けられたり、関心を持たれるのは、映画の作り手として不本意であるようにも感じていました。

でもこの半年ほどの間、私はプライベートで問題を抱えており、それは単に男女関係の問題というよりも、映画作りは私にとって何なのか、どこまでの覚悟でやるつもりなのか、でもそれをパートナーはどう受け止めるのか、受け止められない場合は・・・等々を問われているようにも感じていました。

プライベートな事柄ではありますが、同時に何かの道に突き進みたいと考える人たちがぶち当たる壁なのだから、単なるプライベートな話題とも言えないのではないか?と考えました。こういうことを公で話したら、どうなるんだろう? その反応を見たいという興味がわいてきたし、同時に、特にお世話になってきた方々には聞いて欲しい、とも思いました。でも、通常の上映会や講演会で話すにはふさわしくないので(普段の観客は初対面の人がほとんどなので)、話すとしたら明日の「にっしぃ劇場」しかない!、と私は考えたのでした。

とはいえ、まさか1つ目の質問から来るとは思っておらず、自分としては最後に5分ぐらいで近況報告として話させてもらえたらと思っていましたが、結局はその質問だけ、しかも30分近くにもわたり、自分が今直面している問題と、それを経験して改めて映画作りについてどう思っているかなど、メチャクチャな自論を展開しつつ話してしまいました・・・!!!!

勢いで全て話し終えた後、「以上です」と言ってにっしぃさんにマイクを手渡したら、にっしぃさんがしばし絶句していましたcoldsweats01coldsweats01coldsweats01

にっしぃさんも、上映後のトークとしてパーラメント・スクエアの最新情報を楽しみに来てくださった方々も、突然こんな話をし始めた私に唖然としたかもしれませんが、私は一方で普段私が他人に対してお願いしていること(=カメラの前で自分自身をさらけ出してもらう、公に向かって自分の良い面も悪い面も見せてもらう)を、自分自身もやったのだ、過去の話じゃなく、現在進行形の問題を話せたのだ、というような、ちょっとすがすがしい気持ちにさえなったのです。

しかし、このとき時間は既に10時半を回っており、私が一方的に話をしただけで、会場の皆さんからの質問や感想を聞く時間なく、イベントは終了となりました。私自身はすがすがしい気持ちになれたと喜んでいましたが、こんな話を聞かされたままに帰宅する方々は、消化不良になってしまったのではないかとちょっと申し訳ない気持ちです。(特に、今回ほぼ初対面のような方々は、面食らってしまったのでは、と心配)。出来ればその後10分ぐらいでも会場の方からの意見や感想を聞く時間が持てたらよかったのですが。

にっしぃさんは2009年に「ブライアン~」を観て以来応援していただいているのですが、「ブライアンの映画の中の早川さんのナレーションの声が今と全然違う。ずいぶんたくましくなったんですね」と言われてしまいました・・・! 私はもちろん自覚はないのですが、ブライアンを作り、さようならURを作り、映画監督として自覚し、あれこれの問題を乗り越えていくうちに、(良くも悪くも)たくましくなっちゃったんでしょうか・・・!?!?

さらににっしぃさんから「ブライアンを撮って、早川さんがブライアンになったんですね」と納得顔で言われてしまい、思わず「嫌だーーーー!」と言ってしまいました。15年ぐらい前、郵便局で働いていた頃は、(たぶん)可愛らしい郵便局員だったはずなんですが・・・!!! これ以上の”ブライアン化”は正直食い止めたいですthink

そんなわけで、波乱含みのブライアン2周忌上映会は無事終了することが出来ました。昨年に引き続き主催してくださったにっしぃさん、映画を観に来てくださった皆さま、どうもありがとうございました!

イベント終了後はPARC自由学校で知り合った水野さん、小池さん、及川さんと近くの居酒屋へ。「言いっぱなし」ではなく、私の話を聞いての感想や、皆さんの経験、近況なども聞くことが出来て良かったです。終電であわてて帰宅しました。
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以下に上映会で頂いたものをご紹介します。

ドキュメンタリー映画監督の堀切さとみさん(「原発の町を追われて~避難民・双葉町の  記録」)からは、祝島産のびわを頂きました。ありがとうございます!
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田中さんからは、現在はまっているという酵母から手作りした自家製パンを頂きました。ありがとうございます!
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及川さんからは、主宰するモケレンベンベ・プロジェクトの、毎月1回行っているイベントの案内を頂きました。「さようならUR」もこちらのイベントで10月20日(日)に上映が予定されています! ありがとうございます!
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どうもありがとうございました!!

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