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[jp] ベトナム・ハノイDOCLAB訪問(その6)

6日目、いよいよハノイの最終日です! 天気は晴れ。最終日に限って晴れなんて・・・と恨めしく思いましたが、(晴れだとこんなに暖かいんだ?)とびっくりするぐらい、暖かいのでした。半袖でも大丈夫そうな気温です。

朝9時ごろに起きて、外に出てみました。ハノイの中心地から、30分離れるだけで、こんなに静かで、穏やかな生活が出来るというのは、私にとって驚きでした。ハノイに着いてからずっと、ど真ん中で生活していたので、町の喧騒、渋滞、建物がひしめく状態が、ある意味当たり前に感じていましたから。
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タオさんは撮影しようとビデオカメラを外に出しましたが、結局撮影はしませんでした。
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タオさんが、実家から送られてきたという卵で朝ご飯を作ってくれました。ちなみに、タオさんの部屋にある、このアンティークの椅子は、この近くの会社が潰れたときに「ご自由にお持ちください」と言われ、譲り受けたとのことです!
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朝10時ごろ、タオさんの家を出て、ホテルまで送ってもらいました。20分も走れば、段々景色は街中に変わって行きます。

このバイクの集団を見ると、ハノイの中心地に戻ってきたんだな・・・と思い知らされます^^;
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タオさんにホテルまで送ってもらい、そこでタオさんとお別れしました。今回の旅行で、ティさんに次いでとってもお世話になった人。感謝の気持ちで一杯でした。また会えるといいな!

ホテルのチェックアウトが12時だったので、急いで荷物をまとめ、チェックアウトをしました。 荷物はそのまま預かってもらい、外に出かけます。

この日は午後1時に、ニャーサン・スタジオのアーティスト、マミさんと会う約束をしていました。湖近くのカフェで待ち合わせ。通りとカフェの名前が携帯のメッセージで送られてきたので、地図で探して向かいます。一応、マーケットのあちこちには通りの名前の標札は出ています。

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「スタソプ」になってる^^
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通りの名前だけでカフェにたどり着けるのか不安でしたが、無事到着。 3階まである、ステキなカフェでした。CONGカフェというお店。
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マミさんは遅れるという連絡をもらったので、先に入ってコーヒーを注文。
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3階席に座ったので、行き交う車とバイクの様子が、上から良く見えました。つくづく、よく事故にならないなぁと感心。
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15分ほどするとマミさんがやってきました。マミさんは、アーティスト・イン・レジデンスで日本に3ヵ月滞在したそうです。滞在中、色んなギャラリーに行ったといっていました。数日前に、ニャーサン・スタジオのイベントで会ったときも、東京は色んなものが沢山あって、色んな人に会えるからうらやましいと言っていましたが、この日も同じことを話していました。

「でも、ハノイだから自分はアーティスト活動を続けていられる」とも言いました。東京やNYは、生活費が高いです。ただ”生きていく”だけで、とてもお金がかかってしまいます。そうなると、何らかのバイトをせずには、暮らしていくことは難しいですよね。

一方、ハノイの場合は、生活費はとても安いです。そして、家族や友人との助け合いがあります。マミさんは、アーティストとしての仕事がない時期、1年間ぐらい友人に食べさせてもらうこともあるそうです。でも、それも生活コストが安いベトナムだからこそ成り立つ話で、東京だったら無理だろう、と話していました。

生活費が安い国は、その分収入も低いのでしょうから、ベトナム人にとっても誰かを1年無償で養うのは、やはりそう簡単なことではないのでは?と私は思います。物価の安さがそれを可能にしやすくしている面はあるかもしれませんが、やはり人間関係のつながりがまだ生きている、という理由の方が大きいかもしれません。

マミさん
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マミさんと別れ、DOCLABに向かいました。

道中で撮った写真
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DOCLABに到着。この日は、オーストリア人もDOCLABを訪問していました。彼はドキュメンタリー・フォトグラフィーをしており、少数民族に興味があるそうで、DOCLABのメンバーにハノイから行ける少数民族の村について聞いていました。
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DOCLABでは、販売用DVD作業の真っ最中。DVDはここで手焼き、作品タイトルはスタンプ押し、DVDジャケットは自分で差込み・・・と、スタンプ押し以外は私と全く同じです^^ ちなみに「Hard Rail」は2011年に山形の映画祭でも上映された作品。
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ふと気がついたら、訪問客の男性が、一人でDVD作業を手伝っているではありませんか・・・!
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ニャーサン・スタジオのリンさんが、機材を借りに立ち寄りました。
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DOCLABの女性陣^^
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上の写真、一番手前に写っているニャーさんは、現在、完成間近の作品を仕上げ中で、その作品を見せてもらいました! ちなみに、DOCLABのパソコンは全てMac。

うわ~、タイムラインのこの感じ! 国境を越えて、私たちのやることは一緒だわ!と、当たり前なのに感動してしまいました^^
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彼女の作品から
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ドキュメンタリーというより、彼女の世界観を映像によって追表現(?)したというような作品で、自作の詩に、アリが群がり朽ち果てていく昆虫、腐った果物、静かに揺れる炎など、普通は好んで映されないような被写体が、静かな美しさを持って迫ってくるような、印象深い作品でした。完成が楽しみです!

夕方6時ごろになり、ティさん、ジェイミーさん、娘のアンちゃんとともに、レストランに行きました。敷居が高そうな高級レストラン。思えば私は、ハノイで”プラスチックじゃない椅子”に座ってご飯を食べるのは、これが初めてなことに気がつきました^^;

「普段、家で作らないものを注文しよう」と、メニューを覗く二人。
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アンちゃんも。ちなみに、アンちゃんはティさんとはベトナム語、ジェイミーさんとは英語、学校(フレンチ・スクール)ではフランス語を話す生活をしているそうです!
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ちなみに、このレストランは「1945」という名前のレストランでした。1945年は、ベトナムが日本から独立した年。独立記念日であると同時に、ティさんは「日本軍が米を強制購入して、ベトナム国民が200万人餓死した年」とも言っていました。200万人が餓死・・・? 恥ずかしながら、私はその話を聞いたことがありませんでした。帰国して、ネットで調べてみると、韓国や中国への加害同様、「本当だった」、「嘘だった」、「餓死は本当だが200万人ではない」等々の、ネット上の書き込みが氾濫していました。

食べながら、ベトナムの原発の話にもなりました。日本でもニュースで取り上げられていましたが、ベトナムは日本から原発を輸入することで合意しています。ジェイミーさんによると、「ベトナムは、世界で最悪の二つの国から原発を輸入する契約をしたー日本とロシアだ」と言っていました。確かに、大事故を起こした二つの国。。。

ただ、ベトナムの原発計画は、予定より5~10年ほど延期になったとも言っていました。ティさんは、危険な原発を管理できるほど、ベトナムの技術者は少ないからだろう、と話していました。「ベトナム人には、原発を管理するなんて無理よ」とも言っていました。原発建設が予定されている地域は、ある少数民族にとって聖地である土地だそうです。原発が作られるということは、少数民族もそこから立ち退かされるということなのでしょう。

ところで、ジェイミーさんは、私がビデオカメラをやり始めた初期の頃、60本ぐらいの短編を作り、それをYouTubeにアップすることで、撮影や編集の技術を覚えたと話しているのを、とても良いと思ったそうです。

ジェイミーさんによると、DOCLABのメンバーの多くは、映画を作る=「ワークショップに参加しないと出来ない」と考えがちなのだそうです。でも、本当に大切なのは、ワークショップで技術を教えてもらうことではなく、とにかく自分で撮り始めること。ジェイミーさんは上映後の質疑応答で「短編60本というのは、具体的にはどういう題材を撮っていたのか?」という質問をしたのですが、その質問の意図には「DOCLABのメンバーも、ワークショップにこだわらずに、自発的に撮影することで技術を習得する」という姿勢を見習って欲しいと思ったのですって! さすが、ワークショップの講師をしているだけあって、質問をするときも、生徒のためを思った質問をしたりするのですね!

私が初期の頃に作っていた短編は、その後、別のYouTubeアカウントを取得したときに閉鎖してしまったので、今は見ることができません。でも、DOCLAB、その他これから映像制作を始めたいと思っている人たちに、何か参考になる部分もあるのかもしれないと思って、何本か選んで現在のアカウントに再アップしました。

以下が、2007年~2008年にかけて撮影した動画です。日常生活のたわいもないこと、街中で出会ったアーティストなどを撮影しました。

- Eno appeals for gold diggers!
http://youtu.be/v4i_ljQeQWw
同じゲストハウスの住人、ブラジル人のロブソンは不安定な日雇いの肉体労働をしていましたが、ある日の給料が現金で支払われず、代わりに「本物のゴールド」(雇い主曰く)で支払われてしまう。その指輪をオモチャに、ペルー人のエノが即興で「お金持ちのアラブ人」を演じる!(イギリス、2007年)

- One day on Finchley Road - Street artist, Roland
http://youtu.be/stu3sF7XXws
ロンドン北部の通りを歩いていたら、道路にステキなチョークの絵が。これは、ストリート・アーティストのローランドによって描かれた絵。ペンキと違い、雨が降れば消えてなくなるチョークの絵だが、ローランドは警察から罰金を支払えと言われる。(イギリス、2007年)

- Tokyo Underground ~Night festival for adult~
http://youtu.be/AT9GbPTk8zQ
2008年、靖国神社の夏祭りで、見世物小屋を撮影した映像。日本で最後の「蛇を食べる女」小雪さん。(日本、2008年)

- Welcome to Eno's clinic
http://youtu.be/rKYvV6qerPI
ハウスメイトのエノは、耳に入ってしまった水を取り出そうと、新聞を丸めて火をつけ、耳に突っ込む!(イギリス、2007年)

- Tina's dynamite dancing
http://youtu.be/UnL6CWcdo9k
ルームメイトのベトナム系アメリカ人・ティナ。ダンスが得意な彼女が、家の中で踊りを披露し、レッスンをするが…(イギリス、2008年)

- "Making" of music video at Leicester Square, London
http://youtu.be/QCbhhyiJjOg
ロンドンの中心地、レスター・スクエアで、ミュージックビデオの撮影に遭遇。そのミュージックビデオの”メイキング”を撮影。(イギリス、2007年)

- Small creatures in our flat
http://youtu.be/m92IlHcByD4
国籍の違う7人で暮らしたゲストハウスは、ゴミが散乱し、ネズミが大量発生! ある日、戸棚を開けたら4匹のネズミが!(イギリス、2007年)

- TEAM MUSCLE
http://youtu.be/ZlXC2RAeEI4
ロブソンが筋トレマシンを通販で購入。正しい使用方法を見つけるべく、庭で奮闘する。(イギリス、2007年)

ちなみに、ジェイミーさんのホームページはこちら。トップページには、上半身裸のアンちゃんが! アンちゃんは、幼くして既にアーティストのような、強い存在感。まぁ、この両親にこの子あり・・・なんでしょうね。

レストランでの食事の後、ジェイミーさんとアンちゃんと別れ、私とティさんはハノイに新しく出来た、インディペンデントのアート・ギャラリー、Manziに行きました。
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ティさんの友人のアーティストたちが、共同で運営しているというこちらのギャラリーは、インディペンデント臭(?)のまったくない、めちゃエレガントな建物で、おしゃれな佇まいです。ちなみに、賃料は月10万円ほどで、このレベルの建物にしては、格安の値段で借りれているそうです。
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ドリンク・バー
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ハノイのインディペンデント・アーティストたちの作品が展示・販売されています。ティさんやジェイミーさんの作品も。
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つい先日、ここで初めて映画の上映会もやったそうです。入場は無料で、ドリンクを買ってもらうという方式で。私たちもこの日、ここでドリンクを買いましたが、スムージーは手作りで濃厚。値段も200円ぐらいと、他のカフェよりほんの少し高いぐらい。 「でも、イベントでみんな全くドリンクのオーダーをしないのよ!」とティさんは言っていました。何でだろう・・・? イベントの時間が長ければ(その上映イベントは6時間近くありました!)、ドリンクだって普通は飲むでしょうに。ここの運営や家賃は、主にアート作品の展示販売とドリンクの収入で賄われるので、ドリンクが売れないのは存続にも関わってきます。「塩辛いおつまみを無料で振舞ったら、ビールが売れるかもよ?」って、私にはそれぐらいしか思いつかなかったんですが^^;

Manziのパンフレット
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ティさんからもらった、ニャーサン・スタジオ15周年を記念したトートバック、ティさんの写真集とポストカード、ハノイのアーティストによる手作りのノート、ベトナムコーヒーとフィルター。大切に使わせてもらいます!!
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自分でも、ベトナムコーヒーは大量購入^^
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麺類も買いました^^ 美味しかったので、20袋ぐらい買って置けば良かったと後悔。
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あっという間のベトナム6日間。短い滞在期間ではありましたが、でも毎日フルに活動して、沢山の出会いもありました。その機会を与えてくれたティさんに感謝x100です。Manziカフェでも、話は尽きず、気がついたら夜9時過ぎ。。。

帰国便が夜11時55分だったので、夜9時にホテルからタクシーに乗れるように予約手配してもらっていたのですが、・・・遅刻!!! 急いでティさんにホテルに送ってもらいました。ティさんと再会を約束して別れ、私はタクシーに。

ノイバイ空港に到着すると、行きの便で相席になったベトナム人のバンさんに会えました。(彼女も同じ条件のバーゲンチケットだったため^^)

バンさんと
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お互いのハノイ滞在について話ました^^ 帰国便は、真夜中にハノイを発ち、早朝に成田に到着する便だったので、ぐったり疲れているのに、朝4時ごろに起きて朝食(=機内食)を食べるという、疲れにとどめを刺すようなスケジュール。

成田からの帰り道は、乗り換えの度に乗り過ごし、通常より1時間ぐらい余計にかかってしまいました^^;

以上、ベトナム・ハノイDOCLABの訪問記でした! 長い文章を最後まで読んでくださって、ありがとうございました&お疲れ様でした!

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コメント

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!

投稿: 履歴書の書き方の見本 | 2014年6月 6日 (金) 10時17分

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